すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

「今の暴虐」-オリバー・ストーン監督と話してー

2013-08-12 21:25:02 | Weblog
昨日、猿田佐世さんが主宰している新外交イニシアチブ(http://www.nd-initiative.org/)で「オリバー・ストーンと語るもうひとつの日米関係」とタイトルされた講演会に参加した。オリバー・ストーン監督の最近の問題作「オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史」は日本では全三巻で早川書房で出版されている。またNHKでも放映されたのでご覧になった方も多いだろう。会場にも軍事評論家の田岡さんやイラン専門家の高橋さんなど懐かしい人が多く来ていた。議員も近藤さんや、福島さん他多くの議員が、また加藤登紀子さんやこのテーマなら来るだろうなと思うような人はほとんど来ていたんじゃないかな。まあ、正直言って、講演自体は場所やライトの設定や時間配分などで、「ここが聞きたい」と思ってきた人には不満が残ったかもしれない。
結局、フロアからの質問の機会はなかったのだが、その後のパーティでオリバー・ストーン監督と二度ほど話すことができた。実際に話して見てわかったのは、なんというか、当たり前というか、歴史家ではなく、まさに「監督」という感じのキャラクターで、実に気さくで直感的で人情的なひとで、著作のところどころにある深い洞察や政策分析などはむしろ共著者のピーター・カズニック氏に依存しているのだなあと感じた。また二人はベトナム戦争時代に、一人は反戦活動家で、一人は戦場で勲章をもらった...という対象的な同時代人だから、当然かもしれないし、だからこのコンビがこの「もう一つのアメリカの歴史」という大きなテーマを現実の映像作品に具体化させることができたのだろう。
この講演でもっとも強く心を動かされたのは、カズニック氏が「なぜこのような著作を書いたか?」という自己説明に、「今の暴虐:Tyranny of NOW」という概念を強く主張したことだ。NOWすなわち「今」は確かに大事で、洪水のような情報にあふれ、皆が今の話をしている。しかし、この「今」が圧倒的に存在感を持つゆえに、その今を作ってきた「過去」は忘れさられ、それゆえに、これからの正しい未来にも到達できないのだ。だから、「今」の暴虐から離れ、もう一度歴史を振り返る必要があるのだ...というようなことを彼はいや彼らは言いたかったのだろうと思う。
自分たちが経験した真実、自分たちが生きた時代に本当に起こったことをもう一度把握しなおして、今の自分のこと、自分が何であるかを考える、そのことが新しい「真の未来」と築くことにつながる...彼らの現代世界への貢献は、ボリュームのある著作でもインパクトのある映像でもなく、この思索の原点にあるのかもしれない。

横浜市長選でポスター貼り

2013-08-11 23:39:47 | Weblog
11日公示、25日投開票の横浜市長選が始まった。まず今朝は関内のロイヤルホールでの出陣式。民主党でも我々のような議員が引っ張った4年前とは違って、自民党主導の選挙だし、業界団体や関係団体で会場はいっぱい。入り口でウチワ型のチラシをもらう。ちゃんと証紙が貼ってある。暑いときだからウチワのチラシはよく作ることあるが、それでも、「こんなものにも日進月歩だなあ」と感動を覚えたのは、これが三つ折りになって、胸ポケットにさせば、林さんの顔つきチーフとなる。なるほどね。今日はこれだけで何か一つ獲得した感じ。
ところが、事務所から電話で、事務所のガラスが壊されたとのこと。場所が場所だし、タイミングがタイミングだから、押っ取り刀で駆け付けたが、警察の検証は終了していた。何か物取りに入ろうとしたというより、近くまで自転車できて、ころんだか、壊れたかで腹いせにちかくのガラスを壊した...みたいな状況も考えられるが、やはり甘く考えてはいけない。警察にもしっかりフォローをお願いしよう。
その余波で、ポスター貼りが大幅に遅れて、応援を頼んでもまだたりなそうということで、小生も外周部のポスター貼りを引き受けた。簡単そうに思えたが、さすがに見知らぬ場所もあり、37度の中で、ぐっしょり汗をかいた。まあそれでも、昔、一人でなんでもやっていた時代を思い起こして、ちょっと感傷にひたる。13時までに終えて、帰宅、シャワーをあびて、日比谷で新外交イニシアチブが主催するオリバーストーン監督のトークショウに参加。

沖縄ヘリコプター事件続報はなぜないのか?

2013-08-10 22:21:48 | Weblog
しばらく熱に浮かされていたような時間が続いたが、ようやく久しぶりにPCに戻ってくると、あれ、あのニュースはどうしたかな?というようなものが消えている。それぐらい時局の動きが速いのかもしれない。最近、FBやTWでイイネやりツイートなどをバングラデッシュなどの発展途上国で請け負って連発し、評価をあげたり、記事を上位に維持したりする会社の存在が問題となっているが、逆に重要なニュースもものすごいスピードで飛ばされ落とされている気がする。
麻生氏のナチス手法発言もあっというまに鎮静化してしまったし、沖縄ヘリコプター事件も、いよいよ真相が明らかになる...と思ったころにニュースのリストから消えてしまった。しかし、この事件はそもそも何をやっているときに発生したのかもよくわからない。軍事機密だと言えばそれまでだが、何が問題、どこが問題で墜落にいたったかという疑問と同時に、いったい何をしている最中だったのかの説明がほしいところだ。当初伝えられあような消火訓練なら、墜落は事故現場近くで発生したのだろうし、別な理由なら、市街地をかすめながら森林に落下したとこになる。当然、ヘリコプターの飛行停止と再開に大きな影響のでるテーマだと思う。アメリカ国内でこのような事故が発生すれば、軍当局のみならず、米議会に所属するかのNTSBが真っ先に現場に飛んで事故原因の究明に努める。それは航空機事故は単に軍だけの問題ではなく、航空業界や運輸全体にも大きな影響を与える可能性があるからである。なぜ日本では事故究明に動かないのか?たとえ地域はアメリカ軍の管理下であっても、航空機の運航に関しては日本政府も責任をもって事故原因の究明にあたるべきであろう。いまや日本の国会の役割がここでも問われている。

夏風邪の熱にうなされつつ福島と長崎を思う

2013-08-10 21:36:24 | Weblog
いやあ、参議院選の疲れでしょうか、どうやっても疲れがとれないな...と感じていたら、突然、ゴホンゴホンと咳がでて、ようやく夏風邪と気付いた....とたんに頭が痛くなり、声が出なくなり、本当に夏風邪に突入。参院選は神奈川選挙区もツルネンさんの支援もそしてTPP問題の深刻化も同時に起こったため本当に心身ともに疲労した。その結果も最悪で、ツルネンさんが落選しただけでなく、長年同志としてりべラル勢力を引っ張ってきた友人全員が落選した。その精神的な落ち込みも大きかったのだと思う。
何もできずに、夢うつつでテレビを見ていたら、福島の汚染処理問題や長崎の平和式典などが走馬灯のようにぐるぐるとまわっている。朦朧とした頭で不思議に思ったのは、あの福島で自民党議員が当選したり、あの長崎が自民党の確固たる支持地域だということだ。なんでなんだろう...と不思議に思った。きっとニュースはセレモニーを映していて、そのセレモニーの中で市長は激しく政府を批判するという役で、実際はナチス的に憲法改正し集団的自衛権行使でアメリカの戦争に加担する安倍政権を応援するという複雑で高等政治技術を展開しているんだ...なんて思いつつ眠りに沈んだ。昼に寝込むと、テレビの音声や差し込む光が深い眠りを妨げて、レム睡眠のような状態になるせいか、つぎからつぎへと不思議なそして複雑な夢を見た。昔、夢は経験の投影というような説明を受けたことがあるが、昨日の夢は何か言ったことのない話や訪れたはずの無い場所がたくさん登場して、妙に現実味を帯びていた。
夏風邪だから、あっというまに熱が引いて、今は回復途上。目覚めてみれば「ふん」と鼻で馬鹿にするような話だが、何か妙に後を引く夢の連続だった。

「アベノミクスのおかげで...」に絶句!

2013-08-07 12:53:38 | Weblog
今朝、眠気眼で漫然とNHK(かな?多分)のニュースを見ていたら、諸物価値上がりで苦しむスーパーで「庶民」がまとめ買いをしている、スーパー側は是認..みたいなニュース映像。へー、ようやくニュースでも安倍政権の失策のつけを報道するようになったか..と思ったら、つぎに、一方デパートの時計コーナーでは高級時計がバカ売れの映像と御説明。そこまではまあまあだが、次のシーンに絶句。店員がまるで「コメントを暗記してきました」みたいな必死な顔つきで、息を飲んでつぎにこうのたまった「アベノミクスのおかげで売れ行き。。。」それで絶句したのは、ついにこんなところにほころびだらけのアベノミクスを必死で支える役割を放送が担っているという反吐の出るようマスコミの現状以上に、ついこの間ピョンヤンの高級百貨店の店員が同じことを同じポーズで、同じように、息を飲んで一気に喋ったのだ「将軍様のおかげで。。。」
日本のマスコミが北朝鮮のそれと似ているとの指摘はいく久しいが、これほど見事に真似しているのを見たことがない。だんだん日本社会そのものに冷えてゆく自分の感情を実感するようになった。

ピースウイークで高校生とコラボ

2013-08-03 18:21:31 | Weblog
今年も8月になった。毎年恒例の地域連合とのジョイントのピースウイーク活動。桜木町駅前で連合の皆さんがメッセージを配る間に平和のメッセージを街宣。高校生の皆さんも参加して、署名活動。今年は女学生中心で比較的おとなしい署名活動だったけど、年によっては、「よし、一緒にやろうじゃないか」と激しく燃え上がる場面もある。それでも高校生と平和や戦争の問題で一緒にコラボできるのは楽しい。演説の最初に、フランスの高校生組合や彼らが教育改革やイラク攻撃反対などで数十万の単位でデモを展開した話もした。むろん、我々戦末・戦後世代も平和を守るために身を投げうつ覚悟だが(最近それが実感されるようになった)、長く生きる高校生の皆さん、それは皆さん自身の問題だから、もっとそれを認識し、むしろ我々を引っ張るぐらいの行動がほしい。今回は、まさに麻生副総理の暴言妄言で、時の政権がまさに日本を再び「戦う」国家に引きずり込もうとしていることが明らかになった瞬間だ。ピースウイークを365日のピースイヤー運動につなげていかねばと思う。

麻生暴言妄言の裏にある本質

2013-08-01 14:14:35 | Weblog
 さすがに憲法改正のためにはナチスの技術に学べ!という暴言妄言は海外の反響を恐れた政府の圧力か、言った本人が取り消したが、地元の酒の席での発言ですら責任が追及される政治家が、それなりの会合で自信をもって講演した内容が簡単に取り消されるわけではない。この手の政治家は麻生氏だけでなく、保守政界には沢山いて、意気軒昂にこうした発言を繰り返す。熱烈なファンが多いらしく、個別の政治家の名前をあげると、それこそ何年もしつこく攻撃されるので、今の段階では抑えておこう。
 ただ、この事件には二つの大きな問題がある。
 一つは憲法とか国際法とか人権とか、基礎的な知識レベルの低さだ。
麻生発言はナチ称賛する前に、「憲法とは国民が為政者を縛るもの」という憲法の概念自体への無理解が指摘されなければならない。憲法が国民を政府の都合のいいように縛るものというなら、なるほどナチス的に悪魔的手段で憲法を変えてしまうということもありうるのかもしれないが、そもそも憲法とは国民が時の政権の暴虐を縛るものだから、国民主体の激しい論議があるのは当たり前なのだ。
外交の無知は指摘するまでもない。ドイツのブラント首相は若い時にナチスに抵抗してその政治信念を貫き弾圧された政治家だが、その彼が、戦後復帰してのちに首相となり1970年ポーランドのワルシャワ・ゲットーを訪れて膝をついて謝罪した。それほどヨーロッパ社会のナチスの暴虐による傷と憎悪は深く激しいものだ。その中であえてナチスを礼賛するものは、単に社会的制裁だけでなく、最長20年と言われる刑事罰を科せられる犯罪行為なのだ。そんな状況を政権の副総理が知らずして暴言を吐いたとしても、それを世界が許すはずはないのである。
 第二は憲法や国会に対する侮蔑だ。ワイマール憲法の停止は犯人不明(共産主義者ということにされた)の国会焼き討ち事件から非常時宣言のような憲法や国会が不存在の状況で起こった。こんな無駄なものはいらないとしてナチス独裁が暴走を始めたのである。それを称賛することは麻生氏個人というよりは安倍政権自体の性格をよく表していると思う。この政権はこれまでの自民党政治を究極まで発展させた「党で決めたことが国家意思に直結」するという政権なのだ。自分たちが決めたことが、すべて通る=国会は形式...という状況を生み出した我々国民全員に責任があるのかもしれないが、ともかくこの危険な状況を一刻も早く終わらせて、憲政の常道に戻さなければならない。