すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

ついに明らかになった二枚舌外交

2009-05-31 22:28:22 | Weblog
共同通信(5月31日)によると、1960年日米安全保障条約改定に際し、核兵器を積んだ米軍の艦船や航空機の日本立ち寄り黙認のいわゆる「核持ち込み合意」密約は、首相でも外務大臣でもなく、基本的に外務事務次官が引き継ぎで管理し、橋本総理・小渕総理などおそらく外交問題の複雑さを一応理解できる大臣にかぎって官僚側の裁量で事実を伝えていたことが分かった。これまでの核持込密約の経緯や解釈は日本側の内部文書に明記され、外務省北米局と条約局(現国際法局)でそれを管理してきたという...
日本国の総帥は内閣総理大臣だと思っていたし、憲法でもそうなっているが、現実はアメリカの意図を受けた官僚がとりしきっていた。橋本・小渕以外の総理大臣は、真実を伝えればどんな失態失言をするかわからないから事務次官はこの文書を示さなかったということか?日本国内には核を持ち込ませていないと心底信じて国会答弁をくりかえした総理大臣そして何より国民はまさにコケにされていたことになる。
「きっとこのことは、こうにちがいない...」と想像し確信してきたが、これほどあからさまに現実を突きつけられると、事実の重さに言葉を失う。この国の政治って一体なんだろう?
要するに、日本はまだアメリカ占領時から完全開放されているわけではないということなのだ。北方四島の問題解決がせまっているこのときにも、まさにこの影の影響がどう出てくるか?北朝鮮の核開発にアメリカはどのような密約を交わしているか...日本外交の建て直しには、これまでとはまったく違う次元での解決努力が必要なことがわかる。ただ天をあおぎ嘆息するのみ...


またまた選挙順延の大合唱

2009-05-30 21:33:54 | Weblog
ついこの間まで民主党バッシングで勢いついていた自民党だが、小沢代表辞任そしてその後は、鳩山代表傀儡説なども不発に終わって、支持率急落の自民党で、またまた選挙先送りの大合唱。実力者なる幹部が出てきてつぎつぎと陰気な発言。まあ、いずれにせよ7月12日の都議会議員選挙やサミット出席、それに天皇外遊日程などを勘案すれば、ほんとにピンポイントで決めなければならない選挙が結局は満期選挙になりそう。まあ、そうなれば、「私が決めます」とか、「都議会議員選挙より衆議院議員選挙の都合が優先」とか口先だけの麻生節が、テレビのワイドショーでも繰り返し繰り返しプレイバックされて、それだけ自民党政権への打撃となろう。その意味ではこちらにそれほどのダメージはないが、麻生政権があまりにだらしないから、ついつい叱りたくなる。新生鳩山執行部としてはこのようなテイタラクの麻生首相に会期末に問責決議なり不信任案なりをだしてほしいものだ。

何のための延長国会?!

2009-05-29 22:51:47 | Weblog
昨日からの厚生労働省分割をめぐる麻生総理の迷走と無責任発言が尾をひいているが、まあ、どんなに政治の知識のない人も、麻生氏も側近も分割方針の頓挫をごまかしているのがわかる。小泉首相以来、政治家もテレビカメラの前でどうどうと嘘をいうようになった。昔はこんな自己発言否定というか、発言のごまかしを、多少は恥ずかしそうにしゃべっていたものだ。
予算案が参議院で否決されたあと、衆議院に戻されて本日再議決の後、成立した。あとは予算関連法案と海賊対策など重要法案を残すのみということだが、麻生総理は予算関連法案も成立しないと国会を解散しないとのこと。本当かね?前回の定額給付金のときとちがって、今回はほとんど予算案そのもので実行できると聞いていたが...それに、予算関連法案は通すと言って、重要法案については解散条件と結びつけないところが、本音かな?
そもそも会期延長というのは、審議する課題が多いときにするものだが、今の政府はただひたすら60日経過して強行再議決するために会期延長するとのこと。本末転倒でないかな?昨日も今日も明日もまた茶番劇場かな?

厚労省分割中止:無謀な政府流用選挙キャンペーンの破綻

2009-05-28 22:30:45 | Weblog
ここ2週間ばかり政治ニュースで大きく扱われてきた厚生労働省分割計画が中止となった。先日まで麻生総理が得意げに説明していたはずだ。今日の発言は「最初からこだわっていなかった」そうだ。巨大化した厚生労働省は現在の不況下の労働政策にも、インフルエンザにも対応できず、年金はもう崩壊状態という状況で、分割のアイデアはそれなりに意味があるのだろうが、政府の選挙直前の宣伝活動で持ち上げられ、現実の前に破綻した。誰が考えても統合までに何年もかかった巨大組織の再編分割など、同じぐらい時間がかかることぐらいわかるだろう。麻生氏にそんなことを判断する知的能力もないのか、それとも「思いつきでも何でも支持率があがることは何でもやろう」というほどに追い詰められているのか?
しかし、この間、内閣から指示を受けた当該官僚組織は、他の重要案件を放り出して必死になって組織改変の案を作成していたはずだ。選挙目当てでつぎからつぎへと大衆受けしそうなテーマを行政になげかけても、行政は現在の不況対策だけで手一杯のはずだ。政府自体がそうした不況対策や医療体制に対応不可能な加重を押し付けている。これで官僚が文句を言わないのは、麻生政権こそが彼らの天下りを守る最後の砦だからだ。政権与党というが、政党は自分たちが選挙で生き残るという私利私欲のために政府を私物化し、公益を阻害することが許されているのか?
おそらく、このような機能不全の状況を変えるのは、民主主義国では、立憲元首、憲法裁判所、民衆蜂起のいずれかだろうが、日本国では、はたして一体何が、この制度不全を変えることができるのか?これまでは民主主義国家づらしていた日本だが、およそ民主主義の基本的な姿勢制御のメカニズムが存在していない現実に天をあおぐばかりだ。

残酷な党首討論

2009-05-27 22:18:17 | Weblog
鳩山新民主党代表と麻生総理大臣との間で、最初の党首討論が行われた。しかし、ナマのディベートは両者の能力差がすぐわかって、残酷だなあとつくづく思う。まあ、あまり相手に同情してはいけないが...そういえば麻生さんは、あの討論を最も不得意とする小沢前代表にも土俵際へ追い詰められていたっけ。
鳩山さんの政治理念、将来へ向けての政治ビジョン、官僚主導政治、補正予算の問題に対する突っ込みに、麻生首相はほとんどまともに回答も反論もできなかった。あげくのはてに、国民の最も知りたいのは西松事件だとか、小沢代表時代の幹事長であった鳩山さんが新代表になったことの批判など、どちらが野党かわからないような質問。政権与党なんだから横綱相撲をとるはずの総理が、小股掬い、揚げ足取り、変わり身などを繰り出すので、見ていてなんじゃらほいと思ってしまう。
瓢箪からコマのような情報もあった。北朝鮮の地下実験は地震波確認後は号外を含めニュースはこれ一色。「不意打ちで実施した汚い北朝鮮」のような感情誘導や「断じて容認することができない」(これを容認する人などいるのか???)
なんて息張っていたが、それも実験通告が事前に北朝鮮からアメリカ政府になされ、アメリカ政府から日本側にも早期に伝わっていたことが麻生首相の答弁でばれてしまった。
ようするにインフルエンザと同じで、この事件をドラマチックにして強い(?)麻生政権を売り出そうという政局利用の大衆情報操作を麻生氏自らがばらしてしまったようなものだ。
時々、義理で切符を買わされた演劇を見にいくが、最前列で下手な芝居を見て、がっかりすると同時に、居眠りすることもできず、2時間も苦痛に耐えることがあるが、なんかそんな気分になってきた。

北朝鮮核実験の巻き起こす議論と推測

2009-05-26 22:44:15 | Weblog
国連安保理常任理事国の北朝鮮非難大合唱。そりゃ当然だ。ただ日本もそのグループの輪の中にいるかというと、そうではない。アメリカ、ソ連そして中国も要するに、北朝鮮は6者協議の場に早く戻って来い!というのが本音だろう。こうした公開記者会見の場を離れたところで、各国代表が誰と会い、誰と話し合っているか探りたいものだ。それにはやはり諜報部員が必要で、日本のNY駐在外交官などはプリントされた声明を拾って日本語に訳すぐらいの能力しかない。そうした国際社会での情報戦を担う人材は、アメリカの周到な占領政策の間に完全に消滅してしまった。武器も戦闘機も輸入することができるが、そうした人材は手作りで育てるほかは無い。最低でも30年かかるが、それ以上に、人材を教育する機関も教員もいない...ということは現代の安全保障にまったく対応できないという厳粛な事実だ。諜報や情報分野だけでなく、こうした事件があってもコメントするのは自称軍事専門家や自称朝鮮問題通で、泳げない人間がプール端であの泳ぎはよくないですねなんて言っているのと同じだ。さらにひどいのは、事実上芸能人がコメントしている番組で、これを庶民目線というなら、そんなものはいらない。北朝鮮の今回の実験は失敗だったとコメントしているアメリカの専門家は、なんども当該施設を訪問し、データを集め、さらに北朝鮮側からいろいろ相談を受けているはずだ。
「敵を知り、己を知れば百戦するも危うからず」と孫子は言うが、敵を知らず、知ろうともせず、己も知らない日本は一戦しても危うい現状。いや、もうこんなこと書くのはやめよう。時間の無駄だし、何よりも自分のモラールがどんどん低下していく感じがする。

北朝鮮の核実験

2009-05-25 21:19:24 | Weblog
北朝鮮が地下実験を強行。かねてからその可能性を示唆していたが、現実にいつ実行するかの情報提示無く、突然の実行は、衛星発射がリアルタイムで情報公開をしていたのとまったく逆の行動。北朝鮮側はおそらく、そうした行動の非対称性による情報混乱を狙っているのだろう。これで一対の政策セットが実行されたわけだし、人工衛星打ち上げの失敗もこの実験でオーバイライドして一応の面子もたったわけだから、国連安保理対応と同時にアメリカを中心に六者協議再開の道筋を至急つけて、北朝鮮の脅迫路線が暴走にならないようにしなければならない。状況がここまで悪化した以上、万一の失敗もなく、今回以上に北朝鮮の核開発・核輸送手段の発展が進むのを阻止しなければならない。
日本では中国の圧力を期待しているようだが、それは中国の宣伝に乗せられているだけで、北朝鮮の強硬路線の裏にはロシアの将来戦略があると小生は見ている。これもプーチン戦略の一環であるぐらいの注意が必要だ。
ところで、予測されていた事態とはいえ、専門家の対応と政府の反応のギャップの大きさは、またかいなと思う。新型インフルエンザ問題の対応と同じようなものか...
ほとんど北朝鮮の情報を持たず、アメリカやロシアの北朝鮮専門家のチャネルも持たない事実上、徒手空拳の日本政府が、額にしわ寄せ、しかめ面で真剣そうな雰囲気を作って、毅然とした態度や制裁強化なんて言葉を連発するのを見ると、ああまた自分の無能と自ら招いた危機を政局に利用している...と砂を噛む思い。そんなに重大な危機なら、事前に情報を把握して、国際社会の圧力を強めることも可能だったはずだ。
状況に歯軋りするだけでなく、一刻も早く国政にもどり、日本外交の建て直しに参画したい思いだ。

さいたま市長選

2009-05-24 22:18:52 | Weblog
民主党などが支援した清水氏がさいたま市長選に勝利。首都圏での民主党劣勢が指摘されるなか、党代表就任直後の鳩山さんもほっとしているだろう。小沢代表辞任後、ドラマチックなほど民主党支持は回復しつつあると感じている。いやより正確にいえば、民主党支持というより政権交代支持かもしれない。選挙日程が次第に限られて来ている今こそ、民主党本部も着実に準備を進めてほしいものだ。

ノムヒョン氏自裁

2009-05-23 21:25:37 | Weblog
ノムヒョン前大統領が自宅近くの裏山から身を投げた。小生のサイトの「未来」のタブから「政治の未来」のページへ行くと、ノムヒョン氏の「政治家にはならないで...」という彼のホームページのエッセイにたどり着く。私はこれがノムヒョンの遺書だと思う。この文書を小生の未来のサイトに掲載したことには、「内容は深いが、なんで未来のページなんだ」という疑問が投げかけられたが、今、みなさんはなぜ私がこのエッセイを政治の未来のページに転記したかご理解いただけたと思う。正直言って、このエッセイを見たときには戦慄した。この文章はこの停滞するアジア社会の中で政治を立て直そうと参加してくるすべての若者に読んでほしい。そして、このエッセイを乗り越えて進んでいってほしい。それがノムヒョンの遺言だから...
政治献金の件で、ノムヒョンが訴追されるか可能性は高かった。その真実がどうかというより、韓国で大統領を辞したあとに襲ってくる運命みたいなものだろう。彼だってそれは知っていたはずだ。だから、彼にはもう一つの選択肢、すなわち恥を忍んで、たとえ収監され、その名誉が侮蔑にさらされても耐えて耐えて、次の政権交代を待つことも可能だったし、そういう精神的なタフさを持った政治家だったと思う。しかし、おそらく、家族・友人を同じような境遇に巻き込むことを考えて、自裁の道を選んだのだと思う。
思えば、ノムヒョン氏は「剣の舞」の名人だとウリ党の同志が表現していた。韓国の剣の舞は刀を持ち、自分を切りながら踊るのだそうだ。そのことを今思い出した。
古代ケルト人の英雄は老齢になり、将来に希望が持てなくなると、断崖から下の「勇者の岩」と名づけられた岩に身を投げたと言う。おそらくノムヒョンも、日常の裏山散策の時に、いつかはこの崖から...と覚悟を新たにしながら、毎日なにげないふりをして通り過ぎていったのだろう。ただ合掌...

曇天の夜空にノムヒョンを想う。見えぬ星を見つめ、ひとり墨子を読む。  のぶ

選挙技法としての新型インフルエンザ対策

2009-05-22 22:40:15 | Weblog
テレビを見ていたら陰気そうなおじさんが出てきて、新型インフルエンザの説明を始めた。唐突だし、まったく異質な画面なので注視したら、ななんと麻生首相が新型インフルエンザ対策を訴えていた。こういうのは通常は医師や医療関係者がしたほうが信頼度が高くて効果があるというのではなかったっけ?
話を聞けば、「予防が肝心です」「予防に心がけてください」というが、マスク・手洗い励行などは別にあんたに言われなくてもやっている...と皆思うだろうが... 途中で、助言を「アドバイズ」と発音していたが、濁音のはadviseで動詞だ。画面の字幕はちゃんと「アドバイス」と書いてあった。この方の言語能力にはいつもあきれる。
最後に「冷静な対応をお願いします」というが、到着機内での物々しい検疫や世界唯一のマスク大国とか、このインフルエンザの恐怖をあおっていたのは政府自体だろう。
要するに、今回のインフルエンザ対策は、誰かがこれを選挙キャンペーンに仕立て直したのだと思う。麻生政権は経済対策も社会政策も無能無策だが、おそらく官邸には、危機管理の手法を選挙に悪用することに長けた官僚の親玉がいて、指揮しているにちがいない。麻生政権は無能無策を通り越して、国民にとって危険な存在になりつつある。