以下は前章の続きである。
文中強調は私。
植民地支配は酷かった。
例えば「英国はインドで小麦畑を潰して阿片を植えさせた。結果、大飢饉を何度も招来し、インドは痩せ細り、もっと貧しくなっていった」。
一方の英国は奪った富を元手にして「工業化を推し進め、蒸気機関を発明し、織機を機械化し、結果、もっと豊かな富を手に入れた」。
そんな酷い目に遭った「植民地が今は凄く豊かな国になった例もある」と言う。
どこかというと「韓国に台湾にシンガポール」だと。
よく言う。
韓国も台湾もスミス先生が規定する「白人が略奪した植民地」ではない。
日本が支配した。
そこでは搾取どころか逆に宗主国が学校を建て、医療環境を整え、インフラを整備し、発展を促した。
「まだ古代だった韓国」(古田博司筑波大大学院教授)が一足飛びで近代国家になれたのは日本の36年間の統治のおかげだった。
シンガポールも日本支配を受けて目覚め、日本を手本に自立できた。 スミス先生がここで引用すべきは彼のコラムでも言及した「中央アフリカ」だろう。
ここは金、タングステン、ウランなど豊富な地下資源があり、換金作物のコーヒーもよく実った。
貧しくなりようもない国はベルギーが資源を奪ったうえ、住民のツチ族とフツ族を争わせ、今も血みどろの殺し合いが続く。
植民地支配が国も民も破壊した最高にいい見本だ。
そういう自分たちの植民地経営は隠しておいて、日本の支配地に話を挿げ替えて自分かちの植民地支配を正当化するのは詐話師の口上だ。
この稿続く。