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電子部品でもサムスン攻勢…日経新聞8月27日13面より

2011年08月27日 10時20分33秒 | 日記
超小型コンデンサー 村田製に次ぎ2位
ウォン安で競争優位に


文中黒字化は芥川。

日本メーカーの独壇場たった超小型の電子部品の市場で異変が起きている。スマートフォン(高機能携帯電話)向けなどで需要が急増している超小型の積層セラミックコンデンサーで、韓国サムスングループのサムスン電機が、2010年度(11年3月期)の販売金額で村田製作所に次ぐ2位に躍り出た。ウォン安を背景に価格攻勢を強めており、電子機器だけでなく部品でも日本勢の優位性が薄れ始めている。

できないはずが 

セラミックコンデンサーはスイッチやコネクターなどと違い、アジア勢が決して追いつけない電子部品とされてきた。内部を分解して組成を調べてもまねできない。

焼き物のように何百度で何分間熱するといった“レシピ”分からないと同じ特性の製品をつくれないからだ。村田製作所の浜地幸生執行役員は、セラミック材料の生成から焼き加減、積層方法など「すべての工程の擦り合わせの結果、高い品質が生まれる」と自信をみせる。

しかしサムスン電機はここ2~3年で品質や性能で日本勢に肩を並べ「リーマン・ショック後の回復局面でいち早く増産投資に出た」 (モルガン・スタンレーMUFG証券株式調査部の佐藤昌司アナリスト)。09年度にはTDK、10年度には太陽誘電を販売額で抜き去った。

サムスンの躍進を象徴するのが「0402」と呼ぶ表面積がO・4xO・2ミリメートルの砂粒大の最先端コンデンサーだ。米アップルが10年に投入したスマートフォンフ「iPhone4」で、高機能化と薄型化を両立させるため大量に採用したことから、他社製も含めて需要が急拡大している。

0402のように小型化できれば前の世代に比べ、同じ材料で2倍以上のコンデンサーを製造できる。TDKがシェアを落としたのは、こうした最先端品の開発にてこずったからだ。TDKの上釜健宏社長は「小型化への取り組みが遅れ気味になった。今年は0402の次世代品を投入して巻き返す」と反省する。

日本人の影

サムスンの先端開発を後押ししたのは、実は海を渡った日本人技術者だ。「サムスンには村田製作所など大手メーカーを辞めた10人以上の技術者が転職した」(複数の業界関係者)といわれる。

アジア勢の追い上げを受けているのはコンデンサーだけではない。カメラの手ぶれ補正などに使われる水晶部品でも、付加価値の低い分野から台湾や中国企業に攻め込まれ始めている。

日本メーカーは半導体や液晶パネル、蓄電池などで韓国メーカーの積極投資とウォン安を背景にした低価格攻勢を受け、シェアを落としてきた。

電子機器の性能向上や小型化に欠かせないコンデンサーや水晶部品など、日本がリードしてきた電子部品も同じ道をたどるのか。先端技術の流出を防ぐ方策や、開発・生産体制を含め戦略の再点検が必要になりそうだ。

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