日銀はいますぐ100兆円の紙幣を刷ってみろ 作家 高杉 良…3/1号、週刊新潮から

国民期待の民主党は、政権担当能力のない烏合の衆であることが数々の失政で露見した。国民の政治に対する無力感が蔓延、そこへ大震災、原発事故が起こり、我が国は大きなダメージを受けた。

復興増税に始まり、消費税増税、年金削減、財政再建とデフレを加速させる政策のオンパレードを国民は黙って耐え忍ばなければならないのだろうか。

国民の無力感を良いことに、図に乗った財務省は、自らの利権を拡大すべく、国家財政が危険水域にあり、増税は当然であると、洗脳することに傾注している。

産業空洞化で雇用が失われ、我が国は惨惚たる状況だ。なぜ日本が誇る製造業が、こぞって海外に拠点を移すのか。国が民間企業に負担ばかりを強いて、国力を増強する政策を全く打ち出さないからだ。

リーマンショックの後遺症に苦しむ欧米諸国が、紙幣を増刷しまくったのに対し、日銀は円高によるデフレ不況を放置し、中央銀行の機能を果たさず無為無策に終始した。

現役世代が減り、増税で消費も減り、挙句のはてに少子高齢化を喧伝するばかりの政府のもとでは、製造業の将来像を描けるとは到底思えない。

デフレ不況の最中に、緊縮政策を強行するのは、民主党政権が初めてではない。
むしろ自民党の“専売特許”だった。

最悪は、小泉-竹中路線によるエセ改革。デフレ不況下での公共投資削減と不良債権処理。この時は円安による輸出回復で難を逃れたが、意図せざるフロックであった。

カリスマディーラーと持てはやされている藤巻健史氏は十年以上も前から円安、日本国債の暴落を発信し続けている。いまだにオオカミ少年を演じていて、恬として恥じない。

しかも資産を海外に逃避すべし、と言い張ってやまない。こうした国家観も無ければ国益も考えない人たちの価値観は奈辺にあるのだろうか。私の目には市場原理主義者ないし拝金主義者としか映らない。

…以下続く

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