文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

樹滴(じゅてき)後藤みな子著。(深夜叢書社・2100円)

2012年09月23日 21時45分13秒 | 日記
…前章続き。

『樹滴』は、原爆で崩壊した家族の長い戦後と正面から向き合った長編小説だ。

老いて死にゆく父母の魂に寄り添う日々を描き、鎮魂の思いに満ちている。

長い休筆期間を経て小説の刊行は40年ぶりになる。

樹滴という題名は、ニューギニアから復員した父が廃虚の長崎で、焼けこげた樹から、未来の光のようにしたたる樹液を見た話にちなむ。


母の無念をはらそうと、1971年に初めて書いた小説「刻を曳く」で文芸賞を受け、芥川賞候補になった。

…後略。

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