文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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しかし国会では、総理や内閣府の関係者がこうした無茶な答弁を強いられたのである。

2017年07月13日 21時43分39秒 | 日記

以下は前章の続きである。

また、「立証責任の転嫁」がまかり通っている。

たとえばA氏がB氏の罪を問うなら、その説明責任は訴えを起こしたA氏の側にある。

B氏が、何もしていないことを自ら立証するのは不可能だ。

こうした問題は、「悪魔の証明」として知られている。

しかし国会では、総理や内閣府の関係者がこうした無茶な答弁を強いられたのである。

証拠主義と立証責任 

さすがに、このような稚拙な批判は、ワイドショーでは通用しても国会では通用しない……そう考えたのか、族議員の攻撃は次第に別の視点に移っていった。

なぜ、加計学園を選んだのか、その理由は正当化されるのか、という点だ。

これは、第一の批判に比べると政策論としてはややまともである。 

先ほども述べたように、改革においては改革派と抵抗勢力のあいだでつねバトルが付きまとう。

国家戦略特区では、諮問会議とともに専門家のワーキング・グループ(WG)を設けて、日常的に関係省庁と議論する仕組みをつくっている。

獣医学部をつくりたいと主張する主体があるのに、なぜ文科省はそれを認可しないのか、合理的な理由はあるのか……こうした主張に対して、文科省側は有効な反論ができなかった。こうしたやりとりも、すべて議事録として公開されている。 

次なる問題は、どのような制度設計にするか(何校認めるか)、どの地域のプロジェクトを選ぶか、である。

当然のことながら改革する側は、複数を認可し競争を促進することが適切と考えていた。

しかしここで、抵抗勢力が猛烈な圧力をかける。

結果的に、とりあえず1校を認め突破口を開くことで落ち着いた。

1校に絞ったのは、まさに抵抗勢力の圧力である。 

次にプロジェクトを考える段階になるが、これまでの議論の積み重ねとして2年前の成長戦略で、獣医学部を新設する際の4条件なるものが示されている。

これは閣議決定された文書だ。

これを踏まえ結果的に加計学園という結論に至ったわけだが、これは誰の目にも当然の結果であり諮問会議などでも何の異論もなかった。

加計学園は、過去10年以上も学部新設の願いを出し、そのための十分な準備を進めてきた。要員も確保の目処がついていた。

現実は獣医不足で、要員の確保はなかなか大変だ。

医学部新設の場合も抵抗勢力は、医師の供給は十分あるといいながら、いざ医学部を新設するとなると、医師数が足りなくなるといった訳のわからない批判を平気で行なってきた。 

この稿続く。


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