以下は前章の前後の章である。
16年3月には信州大の池田教授が出てきてワクチンは脳障害を起こすと発表した。
厚労省はこれで定期接種を断念した。
今ではどの病院に行っても接種もしない。
薬害騒ぎになって訴えられるのが怖いからだ。
そんなムードの中、村中璃子や元東大特任教授の上昌広らが敢えて発言を始めた。
池田教授の実験のインチキ性を衝き、具合が悪くなった女子は別の原因があること、あるいは「か弱い私もきっと具合悪くなる」と思い込むクララ症候群だと指摘した。
クララとは「アルプスの少女ハイジ」に出てくる病弱で歩けないと思い込んでいるクララのことだ。
対して斎藤智子は執拗にワクチン危険説を書き続けた。
その成果が一昨年7月の「ワクチン接種で健康被害を訴える64人の女性が国と製薬会社に総額9億6千万円の賠償請求訴訟」をつきっけたことだ。
弱者救済を言う連中がクララたちに寄り添い、村中の仕事場に抗議電話が殺到し、連載も本の出版も延期された。
それでも子宮頸がんから日本の女性を守るために声を枯らした。
このままでは朝日新聞によって多くの女性が殺されていくと。
そんな彼女の声に世界の良識が動いた。
この稿続く。