以下は前章の続きである。
変わらない構図
長谷川
「5%」側から端を発する世論操作は、現在にも続いているように思えてなりません。
木佐
モリ・カケ騒動ですね。
長谷川
おっしゃる通りです。
私は『偽りの報道』(ワック)でとくに加計学園問題に焦点を当てて相当に調べましたが、あれは「安倍首相は怪しい」という反安倍世論を醸成するのが狙いだったとしか申せません。
木佐
ここにもコミンテルンの影響が見受けられます。
江崎道朗さんが『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP新書)で指摘されていますが、1920年のコミンテルン第二大会で発表された「共産党と議会に関するテーゼ」があり、その中の「一、新しい時代と新しい議会主義」という節には次のような記述があります。
〈議会主義に対する社会主義諸党の態度は、(中略)ブルジョア議会を煽動の目的に利用するにあった。議会への参加は、階級意識の発展という観点から、すなわち、支配階級に対するプロレタリアートの階級的敵意をよびさますという観点から考えられていた〉
長谷川
つまり、議会はいわゆる資本家階級に対する労働者の敵意を醸成するための「道具」だと。
木佐
そうなんです。共産党にとって権力闘争の場はあくまでも党内であって、議会はその中心ではないのです。
長谷川
そう考えると、「疑惑」を作り上げて追及していくことで政治不信や社会不信を醸成する今日の一部の野党、そして朝日新聞の姿勢が腑に落ちる。
木佐
彼らにとっては国会審議が混乱し、政権や資本家に対する批判が出れば出るほどプラスなんです。
長谷川
そして「5%」の扇動で国民もそれに追随していってしまう。
木佐
ずっと変わらない構図があるのですね。
長谷川
少なくとも朝日新聞などのメディアに存在するであろう共産主義思想の持ち主は、こういった戦術で物事を進めていると認識しておく必要があります。
この稿続く。