以下は前章の続きである。
学生はまだ安保反対を叫んでいた。
戦争反対とか。
日本海側では韓国が李承晩ラインを引いて竹島を占領し、漁船の拿捕が続き、44人が殺され、4,000人が捕まっていた。
そんなことは学生も新聞も関心がない。
他の日本人はどうでもいい、自分の周りが平和ならいい。
米朝会談があった。
金正恩とトランプが握手した。
もう和平ムードだと朝日新聞はいい、社説で「北朝鮮の脅威を理由に防衛力強化を推し進めるつもりなのか」と問う。
「イージス・アショアは必要なのか」と。
70年安保の学生と同じ口ぶりだ。
現実はもっとシリアスだ。
米国は半島の非核化に従うという口実で在韓米軍とその家族など20万人を引き上げる。
同じ口実で米韓軍事同盟も打ち切る。
それで金正恩にCVID(完全にして検証可能で不可逆的な非核化)を迫る。
約束を守らないならためらいなく斬首作戦を実行する。
もはや在韓米軍という人質はいない。
米韓軍事同盟も消えたから「ソウルを火の海にする」という北からの脅しも米国には痛痒でもない。
やけになった金正恩はどこをやるか。
日本をやる。
だからイージス・アショアがそのときに役立つ。
オホーツクを監視する駆逐艦と同じ役割だ。
しかしトランプの標的は北だけでなく支那も含む。
この国はWTOの約束も守らない、他国の知財を盗み、今は高利貸の素性を出して他国の領土を借金のかたで奪う。
さらには国際ルールを無視して南沙も占領した。
支那は世界秩序の破壊者でしかない。
トランプはそれをくじくため301条を発動した。
支那経済は破綻に向かう。
国が潰れる土壇場で習近平がそれを乗り切る最も手ごろで効果的な手段は何か考える。
日本を飲み込めばいい。
支那は尖閣どころか日本の富と技術と国土を支配する気満々なのだ。
イージス・アショアも防衛力強化ももはや北朝鮮が対象ではない。
日本弧の支配を目論む断末魔の中共を睨んでいる。
朝日新聞の言うことなんか聞いていたら、明日は支那人の奴隷だ。
この稿続く。