以下は前章の続きである。
汚い手口の諜報工作の内幕
『大紀元』(11月3日付)は、「中国統戦部プロパガンダ工作の手口」とする記事を掲載した。
中国統戦部は、共産党最高指導部の指示通り、特定の団体や個人を丸め込んたり、協力関係を築いたり、場合によっては攻撃も行っている。この事実が、『フィナンシャルタイムズ』の調査で分かった。
主な任務は、中国共産党の政治運営への国際社会の支持を取り付けること。
海外での影響力を強めること。
また、重要な情報を収集することだという。
『フィナンシャルタイムズ』は、統戦部の幹部養成用教材を入手した。その教材は、全世界で実行する任務を詳述しており、その隅々に騙しと恐喝の文言が並べられていると同紙は指摘している。
(4)「前記の教材では統一戦線の手口について、『団結できそうな勢力を欠かさず取り入る』『相手に友好、寛容の態度で接する』。
一方「海外の敵対勢力に対しては冷血無情に完全孤立させる」と明記されている。
そして、『統一戦線工作は威力絶大の必殺技』と讃えられている。
統戦部NO.2の張裔炯副部長は10月の定例記者会見で『党の指導下で、我々はこの必殺技をよりよく使いこなすべき』と発言した」
このパラグラフを読むと、中国共産党がいかに手練手管を使っているかが分かる。
敵対勢力になった場合の「冷血無情に完全孤立させる」方式は、日本共産党でも踏襲していた。
私の昔の知り合いが、日本共産党を脱党したとき、当人の勤務先まで嫌がらせをした事実を聞いている。
現在の状況は知らない。
中国共産党に関わりを持つと、後々まで大変なことになる。
一時の迷いで誘いに乗ると、身を破滅させられるリスクを背負うのだ。
こういう事実に対して、統戦部NO.2の張裔炯副部長は、「統一戦線工作は威力絶大の必殺技」と自画自賛しているのは、中国人の知性がいかに低いかを証明している。
暴力団が、組員の脱退を暴力で阻止するところと全く同じである。
こうなると、ますます、中国共産党の手先になるな、心から忠告したい。
金銭に目がくらんで、自分を売るような真似をしてはならない。
(5)「統戦部の権力範囲は広い。全9つの支局が共産党政権の脅威とみなされる領域を全て見張っている。例えば、第3支局は香港・マカオ・台湾、180カ国に分散する6000万人の在外中国人(華僑)を統括。第2支局は宗教団体を、第7、9支局はチベット、新疆ウイグル自治区をそれぞれ管轄している。近年、党指導部が統一戦線工作を挙党体制で進めるようになった。2015年から、党・国家の各中央機関に配置する統戦部員数が急増、在外大使館には必ず統戦部関係者が駐在している。それより、海外の中国人への工作が大幅に強化されている。同6000万人の8割が外国籍に変わったが、中国共産党から見れば、所在国でのプロパガンダを担う大事な戦力である」
統戦部は、海外在住である華僑に目をつけている。
約6000万人をターゲットにしているが、上手くいくだろうか。
日本の華僑は、日本人以上に日本人的に振る舞っている。
華僑が、初めて日本へ来たとき排斥された歴史があるので、余計に「日本へ同化」している。
その彼らが、中国共産党の手先になって日本社会の怒りを買ったら生きてはいけない。
統戦部は、こういう現実の厳しさを知らないで、「教条主義」を振り回しているに過ぎない。
先進国の華僑は、同じような文化的な環境に置かれているはずだ。
この稿続く。