テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

独酌酔言:「サイレントサッカー」って知っていますか?少年少女スポーツ指導方法のお話

2024年04月18日 | 世の中

前回書いた記事、

『独酌酔言:少年少女スポーツの指導者って、なにを教えるべきなんでしょう』

少年少女スポーツの指導者の資質とか、役割とか、そんなことを書きました、

もちろん良き指導者の方が多いと思いますが、

中には“自らの支配欲”の発露として指導者・監督業をやっているとしか思えない人もおられます、

という、個人的意見を書きました、

と、先週ニュースで大阪の北陽高校ハンドボール部で虐待・体罰・暴言事件を流していました、

あり得ません、まだこんな指導者がいるんですね、

合宿中の食事準備のミスで罰として指導者がバリカンで2人を丸刈り

他にも体罰、暴言、多々あり、

40代監督と20代コーチ(たしか非常勤講師)

彼らが、先週の記事で書いたJSPO公認指導者資格を持っていたのかどうか?知りたいなあ、

怖いのは、この2人、反省の態度が見えるという事で、今も指導を続けているそうです、

え~~~!!

大人の判断でしょうが、子供たちは本当に納得しているのでしょうか?

さて、本日の記事は指導者の資質の問題ではなく、

少年少女スポーツの指導方法について、

とっても興味深いニュースを見たので、それについて書きます、

ひと月ほど前のNHKニュースで流れていた「サイレントサッカー」

ご存じですか?

ワタシは知りませんでした、

でも、これがとっても良い取り組みなんで紹介したいと思います、

「サイレントサッカー」、

そう、声を出してはいけないのです・・・

といっても、選手が声を出してはいけないという事ではありません、

指導者や観客の大人が声を出してはいけないサッカーです、

面白いですね、

2019年の記事になりますが、こちらの記事に詳しく書かれています、

『自分たちで、規律をつくる。サイレントサッカーの育成力』

先日放送されたNHKニュースの内容もほぼ同じ趣旨だったと思います、

「サイレントサッカー」とは・・・

指導者や大人が一切口を挟まず、選手である子供たちの自主性を最優先に考えた、特殊な試合のルールです、

先の記事にルールが紹介されています、
(抜粋転載)

1)指導者の指示禁止
2)スタメン、選手交代、戦術は選手が行う
3)保護者の戦術的指示一切禁止
4)選手の出場機会確保(全選手が一人一試合必ず5分以上出場)
※怪我など以外は静観でお願いします。違反を犯したチームは大会事務局より注意を行います。

エエでしょう、これが少年少女スポーツ指導の一つの到達点のような気がしています、

監督や指導者が、己の価値観と指導方法を押し付けるのではなく、

選手子供たちが自ら考えて、相談して、結論を出して、試合に挑む、

試合中も一切の(大人からの)指示・アドバイスは無し、

大人はただ子供たちの試合に向き合う姿を黙って見守るだけ、

試合中だけではなく、

試合前のミーティングも、そこでの戦略戦術決定も、

すべて子供たち自らが考え、議論し、決めていきます、

素晴らしいです、

小学生でも出来る、中学生も出来る、

高校生などは、監督やコーチの指示なしで試合を作ることなど簡単な事でしょう、

もちろん、名監督、名将と呼ばれる方々はおられます、

たぶん、そういう方々は「サイレントサッカー」と同じような考え方を持って指導されている方が多いような気がします、

NHKニュースでも面白い結果が出ていました、

監督の期待に応えられず、試合に出場できず、黙り込んでいた選手が、

「サイレントサッカー」では、選手同士の話し合いで出場機会を得

ハツラツとプレー、

普段はしたことがないプレー中の声出し、指示出しをしてチームを鼓舞していました、

監督もそんな姿は初めて見たようで、驚いていました、

ちょっと古いですが、こんな海外事例も、

英国マンチェスターの少年サッカールール、

「サイレント」系も含め、とんでもなく革新的で核心を突いたルールが施行されています、

『監督や親の指示も禁止!英国少年サッカーの「新ルール」が話題』

ぜひ一読を、

高校レベルは別としても、

小学生・中学生レベルは技術的な指導よりも、

スポーツと向き合う意味とか、自ら判断する力とか、チーム一丸で戦う経験とか、

これからの人生にとって必要な人としての素養の一部を、

スポーツを通して習得していくことが大切なんだろうと考えます、

勝敗はその先にあるもの、

指導者が勝敗に拘ったら、一番大切なものを見失ってしまいます、

高校野球はそれよりも一段上のステイタスがあるので、

やはり、勝敗も大切でしょう、

しかし、これからは価値観がどんどん変わっていく事になると思います、

慶応高校のお陰で長髪チームも増えたし、

髪型なんかどうでも良いのですが、

どうでもよいから、いろんな髪型があってほしい、

選手がいろんなことを自由に選択できる高校野球を見たいと思っています、

「丸坊主は強制ではない」という学校の見解が多いようですが、、、

本当かしら?

選手は本当に自由に高校野球を楽しんでいるんだろうか?

ま、高校野球も変わっていくと思います、

高野連が付いて行けるかどうかの方が心配、


独酌酔言:少年少女スポーツの指導者って、なにを教えるべきなのでしょう、

2024年04月09日 | 世の中

春はスポーツの季節でもあります、

いつの間にか春の選抜高校野球が終わり、プロ野球が開幕、

今年は忙しかったので、高校野球はほとんど観ませんでした、

ですが、、、

たまたま観た試合で、またまた高校野球のちょっとおかしなところを垣間見てしまいました、

何回か書いていますが、権威主義的に見えてしまう開会式が嫌いなので、
(あの入場行進、嫌だなあ)

ちょっとした綻びでも、イチャモンをつけたくなるようなのです・・・

スイマセン、

でも、やっぱりそうなんだろうなと、思ってしまうシーンがあったので、

まずはそこから書くことにしましょう、

劣勢のチームの監督さん、

投手が四球を出してピンチを招いた時、苦虫を嚙んだような表情に、

マウンド上では、投手と捕手が笑顔で会話

ガンバろう!!みたいな感じで言葉を交わしています、

その後、得点を許した時、メチャ怒りの表情の監督さん

捕手はホームベースから気落ちしそうなナインを笑顔で鼓舞しています、

敗戦後、TVのインタビューで監督さんは、

(選手を)鍛え直して夏を目指します

とコメントされていました、

う~ん、鍛え直すですか、

ま、一昔前なら当たり前のコメントでしょう、今はどうでしょうか?

監督さんの敗戦への悔しさが滲み出過ぎ、

選手の気持ちより、監督さん自身の気持ちが出過ぎているような気がして、

あ~~、こういう監督さん、まだいるんだ!!と思ってしまいました、

この監督さん、自分の欲望を満たすために監督業をやっているのではないか?

と感じたからです、

もちろん、ワタシはこの監督さんの力量も指導方針も性格も、何も存じ上げないので、

ワタシの思い込みに過ぎないのですが、、、

負けていてもニコニコしながら選手たちの動きを眺めている監督さんもおられます、

決して選手を叱らない監督さんもおられます、

そんな監督さんの方が好きやな、

話は変わりますが、近所のグランドでちびっこサッカーのチームが良く練習しています、

多分、小学校低学年の選手たち、ホントのちびっこです、

指導しているのは20代前半?下手をすると大学生のお兄ちゃんかもしれません、

その指導員?の言葉遣いが酷くて、いつも嫌な気分になってました、
(数年前の話)

さっき言っただろう!!

なんで出来ないの!!

言った通りにやれよ!!

ま、こんな調子です、

おいおい、まだ身長1mちょっとしかないような子供に対して、

なにを怒鳴ってるんだよ!!オマエ

と、外野から怒鳴りたくなりますが、流石にそれはしませんでしたが^^)

あの指導員も、少年スポーツを指導するという意味が分かっていないような気がします、

自分の支配欲を満たすために指導しているように感じてしまいます、

少年少女スポーツの指導員の資格って、あるのか

スポーツ好きのお兄ちゃんが勝手にやってるんじゃないの?

保護者に祀り上げられてエエ気になってんのと違うか?

と、調べてみたら、、、

2020年に公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)が、従来の規定を見直し

「日本スポーツ少年団指導者・リーダー規程」〔令和2(2020)年4月施行〕

を制定していました、

おいおい、4年ほど前にやっとですか、、、

ま、無いよりはマシですが、

背景には、子供のスポーツ事故、指導者の選手へのパワハラ、暴力事件などがあったからだようです、

(JSPOのHPから一部抜粋転載)
残念ながらスポーツ界においては指導者による暴力等の反倫理的行為が起きていることも事実です。また、人々のスポーツに対する価値観も多様化しており、指導においては競技力の向上のみならず、常に新しい時代に適した関わり方が求められています。

この時の改定で、

指導員は“日本スポーツ協会公認指導者資格(JSPO公認資格)”の保有が必須となりました、

それまでは誰でも勝手に指導出来たんですかね?そりゃアカンわ、

さらにこういう良い事も書いてあります、

スポーツ少年団の社会的な使命(スポーツ少年団理念)

そう、少年スポーツとはこういう事ですよね、

理念には“競技技術の向上”は入っていないんですよ、はい、

まあ、高校生ともなると技術的な事も大切でしょうが、

すくなくとも、小学校低学年の子供に“技術を教える”必要はないでしょう、

教えるべきはスポーツを楽しむ術とか、仲間との連帯感とか、

スポーツを通じて周りの人の愛情を感じることでしょう、

高校生でも、技術や体力(今はもうないと思うけど根性とか)を優先して指導するよりも、

自主性や自ら考える力を中心に指導した方が、

良い結果が出る場合も多いのではないでしょうか、

そんな指導方法の例として『サイレントサッカー』というのがあります、

これが面白い!!

というか、これが少年スポーツの基本になるべき思考回路のような気がしています、

が、ちょっと長くなってきたので、

『サイレントサッカー』については次回の記事で書くことにします、

とにかく、少年スポーツの指導者は怒鳴っちゃいけません、

つづく、、、