晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

「食品工場は宝の山」 平林裕治 他 / ものづくり・工場改善 食品工場

2017年08月20日 | ものづくり・工場改善 食品工場

夏休みはどう過ごされましたか。
私は、雨の中を、いつものように墓掃除を3日やったら、お盆に突入しました。
とにかくずーつと天気が悪く、稲の作柄が心配になります。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第349回記事(2017年8月21日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定
 「食品工場は宝の山」 平林裕治 他 / ものづくり・工場改善 食品工場
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今回は、「ものづくり・工場改善 食品工場」シリーズの5回目、4冊目の本の紹介になります。

タイトルを正確に書くと、
 発想の転換で現場改善 食品工場は宝の山
目次は、
 第1章 駆け足で変わる経営環境
 第2章 現場改善とは文化を作り上げること
 第3章 食品製造現場の改善事例
です。
一読すると、既に紹介した弘中泰雅先生の本の内容とかなり似ているとの強い印象を持ちます。
しかし、ほぼ同じ事を書かれるはずもなく、その違いは何なのか、再度読み返してみました。

その結果、タイトル中にある「発想の転換」に焦点を当ててご説明したいと思います。
目次の中の小項目に、「発想の転換」という項目は無いのですが、
第1章の中に「よくある経営者の勘違い」という小項目があり、従来の発想が書かれています。
その項目を書き出してみると、
 「現場改善は十分にやっており、さらなる改善の余地はない」
 「閑散期の雇用維持は、固定費分を無視しても売り上げ規模を確保する」
 「品質の維持には監視作業が重要である」
 「設備投資を行えば、必ず生産性が上がる」
 「生産量増加には投資と人材補強で対応する」
となります。(別の言葉では「ここが変だよ食品製造業」とも書かれています。)
ですから、このような発想から抜け出さないと食品工場の未来は無いことになります。

では、食品工場の明るい未来を創るための「正しい現場改善の実行手段」とはどんなものでしょうか?
それは、一言でいうと「現場改善前にしなければならないこと」があり、それをすること
になるかと思います。具体的には、
 (経営者と従業員の)共通の目的を持ち、危機感と価値観を共有すること
 経営理念を見直し、再構築すること
になるかと思います。
そして、第2章でもすぐには具体的な改善の事例に入らず、
「根っこ改善」が必要だということで、
 トップ主導の工場現場パトロール
 3直3現
などが項目として挙げられています。

この本を何度か読み返してみて、
 食品工場の現場の生産性を上げたい(とにかく生産性が低すぎる)
 現場改善のためには経営が変わる必要がある
 適切な利益の確保による経営があってはじめて食の安全・安心が担保される
との思いがひしひしと伝わってくる本でした。
経営改善に苦しんでおられる食品工場関係の方に、一読をお勧めします。

                                      井上 直久

データ
 出版社 :幸書房
 出版年 :2015年
 ページ数:125p
 定価  :本体2000円+税
 表紙  :
 

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