晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

2.5日もかかる我が家の「雪囲い」組み立て / 技術者の工場見学

2023年04月16日 | 技術者の工場見学


とってもきれいな色です。
散歩中に、近所のお家の庭のツバキをパシャ。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第475回(2023年4月17(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 2.5日もかかる我が家の「雪囲い」組み立て / 技術者の工場見学
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NHKで「解体キングダム」という番組が始まっています。1回目がビルの解体、2回目が鉄塔の解体でした。その番組を見て、今回は、冬が終わって役目を終えた我が家の「雪囲い」を解体した写真をお見せしたいと思います。

この雪囲い、昔から持っている木材で昔からやっている方法で組立てており、とにかく大変です。家内の助けを借りて組立てに約2.5日かかります。大変な重労働なのですが、それだけに一種のものづくりと捉えていただいてもいいかもしれません。また、組立てに約2.5日かかるのに対して、分解は約0.5日と短時間で済み、分解順に並んだ写真を逆に並べております。つまり、組み立て順です。

0.雪囲いをするアララギの木
 雪囲いをする木を私達は「アララギ」と呼んでいますが、一般的には「イチイ」の木のようです。高さは約4mくらいでしょうか。なかなか立派な木で、庭の土盛りがされた上に植えられていますので、思った以上に高く見えます。


1 アララギの周辺に木の支柱を12本立てます。
 木の支柱の根元の太さは10cmから15cm。長さは6mくらいでしょうか(長さを測ったことがありませんので、機会があれば測ってみるようにします。)。この支柱をまず3本、形状が正三角形に近い状態に組み、アララギを上から見ると360度ですので、120度毎に分割します。
 更に3本の支柱の最初の支柱間に入れてアララギを上から見て60度毎に分割します。最後に6本の支柱を間に追加して、合計12本にすると、アララギを上から見て30度毎に分割できます。支柱の間隔は30度になります。(12本の支柱の根元の位置を結んで合計すると約27歩、歩幅0.7mとすると、約19m。アララギを上から見て19mの長さの円を描いていることになります。)
 三角形の頂点の支柱が交わる部分でロープでくくります。支柱1本でも大変な重量で、12本の支柱をアララギに立てかけるだけでも、大変な重労働で、それだけで大変疲れてしまいます。
 写真では、前面の5本の支柱が見えています。

(尚、以下の写真では、組み立てに使用する梯子が写り込んでいますが、気にしないでください。)

2.12本の補助支柱を立てます。
 12本の支柱の間に、12本の補助支柱を立て、補助支柱の先端を支柱に括り付けます。補助支柱の木の太さと長さは、支柱よりも細く短いものです。この作業はわりかし簡単です。
 24本の支柱になったので、支柱間の間隔がだいぶ狭くなってきているので、雪囲いの役に立ちそうに見えますが、まだまだ工程の途中です。ここまでで一日目が終了でしょうか。ただし、支柱・補助支柱の保管場所からの運搬の時間や、組み立ての事前の準備等の時間は含んでいませんので。

(3の横木が並べられて準備されています。)

3.横木を渡します。
 支柱・補助支柱の地面に近い部分の間隔は広いので、この部分の雪囲い機能を強化するため約30本程度の横木を水平に支柱・補助支柱に括り付けます。12本の支柱間に横木を渡すと12本になりますが、横木は高さの違う場所に三段にしていますので、概算で12本(一番下の1段目)+12本(中段の2段目)+6本(一番上の3段目)の30本です。
 この作業は、とにかく横木を支柱に結び付ける時間が結構かかります。



4.ネット(網)をかけます。
 6枚の目の細かい青色のネット(網)を支柱・補助支柱・横木の上にかけていきます。ただかけただけでは雪の重みがアララギにかかるので、ネット(網)をピンと張りながらインシュロックタイで支柱・補助支柱・横木に括り付けていきます。貼り付けるイメージかもしれませんが。ピンと張らないと雪の重みがアララギにかかるし、雪の重みでネット(網)が伸びるので、とにかくピンと張るようにしています。(写真は雪が積もって融けた後の4月の写真ですので、ネットは雪の重みで伸びています。)これでアララギに雪がかかることを防ぐことができます。
 横木と取り付けと、ネット(網)の取り付けが2日目の作業でしょうか。


5.シカの侵入対策
最後に、下部はネット(網)がかかっていないので、場合によってはシカが木の下に入り込んでくることがあるので、シカが木の下に入らないようロープなどで対策します。

やっとこれで出来上がりです。実際は、梯子やロープやその他の道具をかたずけてやっと一息です。

井上直久


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京都市山科区 うつみ農園 / 技術者の工場見学

2023年02月19日 | 技術者の工場見学

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第471回(2023年2月20日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 京都市山科区 うつみ農園 / 技術者の工場見学
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京都市山科区 うつみ農園
今回の「技術者の工場見学」は、京都市山科区にある「うつみ農園」様に、
「食と農の研究会」のメンバー8名で行ってきました。
ものづくりのブログが、製造業の範疇に入らない農業を記事にするのはおかしいのではと思われた方もいるかもしれませんが、私は農業は米や野菜を作られており、立派にものづくりの範疇に入ると考えています。

うつみ農園様は都市の近郊で農業をされているというより、都市の中で農業をされており、
四季折々の野菜約60品目を作られています。



いちご狩りやっています!
訪れたのは1月で、野菜は品薄で、これから出荷開始・最盛期となるいちごのハウスに案内されました。
このハウス⇩の中でいちごが促成栽培されています。


でも、ハウスに入る前に入り口でかすかな音に気付きました。蜂の巣箱があります。

いちごの開花期には受粉の為にハウス内には多数の蜂が放されていたそうです。
訪問時は開花の最盛期を過ぎ、巣箱は外に出ていました。
お仕事ご苦労様でした。


一面のいちごの苗苗苗
これがハウス内の様子です。一面のいちごの苗苗苗。とにかく壮観です。
観光農園の為、いちごの苗は地面より高いところにあり。いちご狩りがしやすくなっています。


出荷には少し早いそうですが、中にはこんなおいしそうないちごが。
少し甘酸っぱいにおいもしてきました。

そして、よくよく苗を見ると、苗の中心にあるクラウンの大きさにびっくり!!
おいしいいちごがいっぱいできるのが当然と思いました。

園主の内海様
こちらが、今回案内いただいた園主の内海様です。

いちごは今の苗からランナーという紐状のものが伸びて、
その先に来年いちごを実らす新しい苗ができるのですが、
空中に浮いているいちご苗から、新しい株苗をどうして取りますかと質問すると、
別の場所で取っていますと優しく教えていただきました。
そのほかにも、いろいろと生産性を上げるためや単収を上げるために工夫されて点を教えていただきました。

絶品の野菜カレー
ハウス見学後、別のハウスの中で野菜カレーをいただきました。
おいしそう!
特に、右側のカップのスープの味が濃く、同行したメンバーに好評でした。


この野菜カレーは、ご自慢のキッチンカーで作られたそうです。
これだとどこにでも行って、販売ができますね。


最後になりますが、内海様ありがとうございました。

                               井上直久

「うつみ農園」様連絡先等
住所 :京都市山科区上花山講田町4
電話 :090-6550-1521
HP  :京都山科の農家「うつみ農園」 (utsuminouen.kyoto)
所在地といちご狩り等の写真(パンフレットより):
 

                                  井上直久

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京都府井手町 / 田中鉄筋工業さん / 鉄筋加工業

2022年02月27日 | 技術者の工場見学

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 ブログ 「経営支援オフィス MMO」
 第2回(2022年2月17日(月)配信)・・・・・配信は不定期です
 技術者の工場見学・・・そこには元気な社長さんと技術がある!!
 京都府井手町 / 田中鉄筋工業さん / 鉄筋加工業
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今回お伺いしたのは、京都府井手町にある田中鉄筋工業さん。
コンクリートの中に入っている”鉄筋”の加工をされています。

はじめに
まず田中社長様の年齢を聞いてびっくり!
87歳なんだそうです。(とてもそんなお歳には見えない元気な社長さんです。)


長い社長人生の極意についてお聞きすると、とにかく「根性」とのこと。
忘れないために、社長室にもしっかりと「根性」の額が飾ってありました!!


それ以上に素晴らしいなと思ったのは、社長さんが手に持っておられる
黄色の「スーパーサッチャー」という土砂崩れの検出機を開発されたときの話。
(この検出器はメカ設計技術と回路設計技術とその他の知識も必要でなかなか開発
完了できない代物と私は思いました。実際なかなか完成しなかったそうです。)
なかなか完成しない検出器の開発委託先に、毎月定額の開発費をずっと
振り込まれていたそうです。(なかなかできることではないですね。)
ちなみに、「スーパーサッチャー」の使い方は以下のようになります。


工場見学・・・鉄筋の加工はこうなっています
お聞きしたお話は興味を惹かれるものばかりでしたが、このへんで工場見学へ。
鉄筋の加工は以下の写真のようになっています。
①鉄筋を真っすぐにする・・・鉄筋は写真右下のように巻かれた状態で入って
くるので、左奥にある機械で真っすぐにします。

②鉄筋を所定の寸法に切る・・・真っすぐになった鉄筋を、設計図で
指定された寸法に切断します。写真中央が切断機。

③鉄筋を溶接する。・・・鉄筋を井桁に組んで、交点を溶接します。
この時、激しく溶接の火花が飛びます。

④出来上がり・・・きれいに出来上がりました。これが工事現場に運ばれて
使われます。工事現場などで似たものを見かけますね。



場合によっては、鉄筋を曲げることもあります。
●曲げる前・・・真っすぐな鉄筋が写真の左下に向かって伸びています。

●曲げた後・・・真っすぐに伸びた鉄筋が、ローラーのようなもので
いとも簡単に曲げられて、180度反対の方向になり、
鉄筋はU字型になっています。

曲がるときに人が離れてないと巻き込まれて事故になるので、とにかく
安全第一の仕事です。

田中鉄筋工業さんのHP・住所・連絡先
田中鉄筋工業さんのHPと住所と連絡先は以下です。
HP:田中鉄筋工業株式会社 (tanakatk.jp)
住所:京都府喜郡井手町大字井手小字川久保1番地
連絡先:0774-82-2341
    0120-315-789


井上直久

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技術者の工場見学 上野金属工業さん

2022年01月23日 | 技術者の工場見学

いつもは、ブログ「晴耕雨読 in 神鍋高原」に記載した経営等の記事を、
ブログ「経営支援オフィス MMO」に転記していました。
今回は、ブログ「経営支援オフィス MMO」に記載した記事で経営など関係するものを、
ブログ「晴耕雨読 in 神鍋高原」に転記する初めての記事になります。

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 ブログ 「経営支援オフィス MMO」
 第1回(2022年1月17日(月)配信)・・・・・配信は不定期です
 技術者の工場見学・・・そこには元気な社長さんと技術がある!!
 京都市 / 上野金属工業さん / メッキ(鍍金)業
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初めに
 社長の上野様とお会いしたのは京都商工会議所。
 メッキ工場を見学をさせてくださいとお願いすると、
 私は暇だからいつでもいいよとの即答。
 暇?それ本当?と思いながら、ご厚意に甘えさせていただきました。
 工場を訪問してお聞きしたのは、まったく独特の経営方法。
 ただただびっくりするだけでした。
 この話はメッキ工場の見学とは関係がないので、別の機会に是非。

 
 上野社長様。
 右上が国からの叙勲の賞状(勲記)で安倍首相の名前あり。勲章もついています。
 左下の写真には(とっても高額な)愛車が映っています。

工場見学・・・メッキの工程はこうなっている
 私はメッキの工程を見るのは初めて。前もって勉強しました。
 クロムメッキの概略の工程は
 汚れを落とす(①②③)⇨メッキする(④⑤⑥)⇨乾燥・検査(⑦⑧)
 です。(番号は以下の詳細な工程の写真に対応しています。)

 ①脱脂・・・金属板等をフック状のもので吊り下げ液槽に入れます
       金属板等についた油をアルカリ液で除去します
  
 ⇩
 ②酸洗い・・・金属板等についたさびを酸で除去します
  
 ⇩
 ③電解脱脂・・・もう一度、脱脂をします。
         酸をメッキ槽に持ち込まないためだそうです
 ⇩
 ④亜鉛メッキ・・・クロムメッキの下地となる亜鉛をメッキします
           表面が泡なのか白いですね
  
 ⇩
 ⑤活性化・・・硝酸に漬けて金属板等の表面をきれいにします
 ⇩
 ⑥クロムメッキ・・・クロムメッキは、光沢メッキ・有色メッキ・
 黒メッキ・緑メッキといろいろな種類があり、それぞれの槽で
 メッキされます。
 この液槽だけは液体が循環しています。
  
 ⇩
 ⑦乾燥
 ⇩
 ⑧検査・・・金属板が鉄系の場合、メッキ厚さを電磁膜厚計で測定。
       9.3ミクロンで合格。
  

尚、これらの液槽は手動用の液槽で、全自動化されたメッキラインが別にあります。

得意技
 営業しないでメッキのお仕事を受注できること
 (営業マンはいないそうで、これはすごいことです)
 特に、大物のメッキができる点、
 さらに、スピードと100%完納を目指し、
 RoHs対応の三価クロムメッキ方法を取り入れられています。

上野金属工業さんの住所・電話番号
 住所:京都府伏見区横大路下三栖里ノ内34-19
 電話:075-622-4840
 ご興味があればご連絡を!

経営支援オフィス MMO / 井上 直久

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