goo

富山県中央植物園でユキツバキを見る

2017-05-17 20:55:03 | 氷見に椿古木を訪ねる

 

 富山市東部のパーキングエリアで朝目が覚めると、周囲の車の中に会社員らしき人々がスマホに目を落とす姿が見えました。


 数年前まで私も同じ時間軸の中にいたことを思い出し、まるで天蓋から世の中を覗き見るような不思議な感慨に包まれたことでした。


 そういえば芭蕉翁は数百年前に、この道をどんな想いで旅していったのでしょうか。


 来し方を望むと、立山連邦の上に昇った太陽が柔らかな陽射しを白い峰々に注いでいます。


 パーキングエリアの周囲に広がる田畑は朝靄をまとい、国道をひっきりなしに走る車の走行音が、旅人に新たな旅の日の始まりを告げていました。


 車内を整え、寝袋をたたみ、エンジンを回し、ナビに富山県立中央植物園の住所を入力しました。


 到着予定時刻は開園前の8時55分と表示されました。


 全てが思惑通りに始まってくれたようです。


 パーキングエリアを出て、国道を流れる車の列に加わりました。


 ゆったりした車間の車列の中で、ナビのお嬢さんのガイドのままに富山市近郊をはしり、時間通りに植物園の駐車場に車を滑り込ませました。


 駐車場で、植物園近くのコンビニで買い求めた調理パンと温かいコーヒーの朝食を済ませました。


 入場券を求め植物園に入り、まずは「四季の花」のための撮影に取り掛かりました。


 温室で熱帯植物や唐椿などにフィルムカメラのレンズを向けます。

 

 

左:シロバナソシンカ        右:唐椿            


 ホームページに「四季の花」を立ち上げたのは1999年の7月ですから、今年で18年目になりますが、無事これ名馬の域に達しつつあるのではと自負しています。


 温室で2時間程を費やし、園内を見て回ることにしました。


 東の空に白い立山連邦の姿が望めましたが、コンパクトデジカメのシャッターを切っても、何を写したか分からないような写真しか撮れていません。

 

 
 植物園の池の畔に咲いたポルトガルのキズイセンが花の季節の到来を、散策路の傍らに咲くアカシデの花が過ぎ去った冬を告げていました。

 

 

左:キズイセン           右:アカシデ          


   
 園の一番奥のエリアでユキツバキやユキバタツバキの名札を付けた木が花を咲かせていました。


 ユキツバキは花を開いて咲かせ、ヤブツバキの花は筒状に咲かせ、ユキバタツバキは両者の中間の特徴を持つそうですが、花を見ただけでは殆ど区別が付きません。

 

 

左:ユキツバキ            右:ユキバタツバキ       

 
 今回の旅のテーマは北陸の椿の古木ですが、こんな調子でツバキをきちんと見分けることができるかどうか、些か不安を感じながら正午過ぎに植物園を辞したのでした。



goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

氷見に椿の古木を訪ねる 

2017-04-10 18:26:34 | 氷見に椿古木を訪ねる

 

 正月気分も抜けた如月の頃、私は偶然手にした神戸つばき愛好会の機関紙に目を疑いました。


 その冊子には、富山県氷見市の丸山さんが寄稿した、百を超える氷見市内の椿の古木が紹介されていたのです。


 実は私は、10数年前に「芦川のホームページ」を立ち上げ、その中で全国の椿花の名所をリストアップし、暇を見つけてはそれらの地を訪ね歩いていました。


 リストの中に氷見の老谷の大椿長坂の大椿(近年枯死)があり、私も早い時期に氷見を訪ねていたのですが、まさか氷見市内にこれほど沢山の椿の古木が眠っているとは予想だにしませんでした。

 
 え~ そうなんだ!


 手元に手繰り寄せた鯛を、寸前のところで取り逃がした、そんな残念さに染まってゆく自分を感じていました。


 このままでは絶対に健康に良くない。


 そう思い始めるともうじっとしてはいられません。


 思いつく限りの手立てを尽くし、著者の丸山さんとの連絡方法を探しはじめました。


 何とか電話番号を知ることができたので、憚りもなく直截電話を掛けて、丸山さんの記事に触発され、氷見の椿の古木を巡りたい想いを伝えました。


 そして、氷見の椿古木の詳細なデータ提供のお願いをしたのです。


 丸山さんは、氷見市内で著名な会社の常務さんを務め、多忙な日々を過ごされておられますが、一週間も経たぬ間に椿の住所を調べ、一度も会ったこともない、見ず知らずの私宛に膨大な資料を送って下さったのです。


 そして4月2日の夜、氷見に椿の花が咲き始めたことを確認し、私は氷見へと、夜の闇に包まれた関越道へ車を乗り入れました。

 



 夜に、目的地へと向かうのは私の旅のセオリーです。


 夜半までに目的地に近づけば、朝からフルに行動することができます。


 夜が明けたら1~2時間程で目的地に至る場所に車を停め、車内で朝を迎える予定です。


 時間の経過を見ながら、長野ICで高速道路を下り、一般道を糸魚川へと向かいました。


 23時を過ぎたころ、車は糸魚川市街を抜け、市振の街に差し掛かりました。

 車窓の右手には、漆黒の日本海にロゼを流し込むように染め照らす上弦の月が浮かんでいました。

 


 市振の街は、新潟県と富山県の境に位置する、新潟県最南端の街です。


 松尾芭蕉が元禄二(1689)年に奥の細道の旅で一夜の宿をとり、


 「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月


 の名句を詠んだ地でもあります。


 帰路に再び市振に寄り、長円寺境内にある芭蕉句碑を確認しました。



 良寛もこの地に一宿し、



 「市振や 芭蕉も寝たり おぼろ月」


 と詠んだそうです。



 では、臆面もなく私も一句



 「市振や 漆黒の海 ほのか月」

 

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

花の山  index

2016-09-12 02:24:16 | 花の山

花の山  index

 

奥多摩 御岳山・大岳山

  何で山登るねん (奥多摩御岳山、大岳山へ) 

  御岳山を越えて (静かな森の中の道)   

  雨の大岳山 (雨の登山路を大岳山へ向かいます) 

  雨に咲く花 (生憎の天気でしたが、山の花を楽しみました)

 

奥多摩 川苔山

  奥多摩 川苔山へ (噂に聞いていた花の百名山 川苔山)  

  川苔川を辿って (川苔川に添って山水画のような道が続きます)  

  心地よい山歩き (川沿川を外れ、静かな森の中を登りました)  

  山頂の花々 (川苔山の頂きで多くの花と出会いました)

  緑に溶け込んで (緑に溶込みそうな川苔山の下山路でした)

 

新潟 苗場山

10 苗場山で野猿と出会った (越後の花の百名山 苗場山を目指します)

11 高山植物の世界へ (苗場山への道で出会った花達)

12 ゴゼンタチバナの湯たんぽ (花の表情を楽しみながら登って行きます)

13 なめたらあかん (高い山には低山にないリスクがあります)

14 ヒヨリ虫の囁き (天気が悪いと気弱になるものです)

15 苗場山山頂にて (山頂に広がる湿原の規模は見事でした)

16 お花畑 (下山する時に、多くの高山植物に出会うことができました)

17 色男はいつも (楽しい山旅の後は、饒舌になります)

 

長野 黒斑山・高峰山

18 「鉄兵」という居酒屋(小諸の居酒屋さんの良い話)

19 さすがは花の百名山 (黒斑山は花の百名山です)

20 カラマツの枝に咲くバラ(美しいカラマツの松ぼっくり)

21 黒斑山への稜線 (南画を見ているような風景に出会いました)

22 カラマツの林にて (カラマツ天然林に一見の価値あり)

23 花の百名山 高峰山  (高峰山は花の百名山です)

 

鈴鹿山系 霊仙山

24 季節外れの花の山 (鈴鹿山系、霊仙山へ) 

25 晩秋のグラデーション(カルスト地形に晩秋のグラデーション)   

26 カルストのあかまんま (晩秋の山の彩) 

27 パステルカラーの森 (淡い紅葉も心を和ませます)


北海道 空沼岳

28 花の百名山 再びの空沼岳 (30年ぶりの空沼岳登山です)

29 空沼岳 うららかな森の道 (エゾアジサイの青い花に魅せられました)

30 空沼岳 コロポックルが踊り始める (フキやミズバショウの葉を眺めながら)

31 空沼岳 北国の山の中へと (針広混交林の中を登ってゆきました)

32 空沼岳 透かし見る空が広がる (高度が上がると、空が広がってきます)

33 空沼岳 安息の地 万計沼 (万計沼は静かな緑に包まれていました)

34 空沼岳 万計沼から真簾沼へ (対照的な二つの沼)

35 空沼岳 登山路は札幌市内 (山頂も含め、登山路は札幌の行政区域内)

36 空沼岳 山頂からの360° (山頂のパノラマが見事でした)

37 空沼岳 出会った花など (空沼岳で出会った花など)


北海道 夕張岳

38 花の百名山 念願の夕張岳 (夕張岳 40年前から登りたいと思っていました)

39 夕張岳 ポレポレ(ゆっくり)と (夕張岳 焦らず、ゆっくりと登ってゆきます)

40 夕張岳 花を見ながら山登り (夕張岳 花をみるのが主目的です)

41 夕張岳 雲海に浮かぶトムラウシ (夕張岳 北の空にトムラウシを望めました)

42 夕張岳 大河のように時は流れ (夕張岳 芦別岳を眺め、感慨深いものがあります)

43 夕張岳 シロウマアサツキの群落 (夕張岳 シロウマアサツキの群落が広がる)

44 夕張岳 山登りは晴天に限る (夕張岳 天気に恵まれた登山でした)

45 夕張岳の花と木 登山口~望岳台 (夕張岳 樹林帯の植物)

46 夕張岳の花と木 望岳台~憩沢 (夕張岳 亜高山帯の植物)

47 夕張岳の花と木  憩沢~1400m湿原 (夕張岳 湿原周囲の植物)

48 夕張岳の花と木  1400m湿原~吹き通し (夕張岳 湿原付近の植物)

49 夕張岳の花と木 吹き通し~頂上 (夕張岳 頂上付近の植物)


北海道 大千軒岳

50 花の百名山 大千軒岳 (大千軒岳 新道登山口までの悪路)

51 大千軒岳 ブナの林を抜けて (美しいブナの林の中を登って行きます)

52 大千軒岳 一等三角点のお花畑 (大千軒岳ピークの一等三角点)

53 大千軒岳の草花 (大千軒岳で出会った草花)

54 大千軒岳の樹木 (大千軒岳で出会った樹木)


北海道 目国内岳

55 花の百名山 目国内岳 (雲に包まれた山道を登って行きます)

56 目国内岳 頂きへの道 (花咲く山道を登って行きます)

57 目国内岳 同じ日に二つの名山 (一日で大千軒岳と目国内岳を制覇)


北海道 樽前山

58 花の百名山 樽前山 (樽前山は登山日和でした)

59 樽前山にタルマイソウ咲く (樽前山に咲くタルマイソウ)

60 樽前山の頂で (山頂のブロッケン)

 

 

その他の「花の旅」はこちら →   「花の旅」 総合目次

 筆者のホームページ 「PAPYRUS

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

樽前山の頂で

2016-09-07 14:47:45 | 花の山

 

 

 稜線に出ました。





 樽前山のピークを仰ぐと、シンメトリックなフォルムが青空に浮かび上がりました。

 

 山に登る醍醐味は、まさにこのような、アブストラクトな世界に巡り会えることです。


 そして、このような世界に咲く花の奇跡を、私は言葉で表すことができません。




 頂上へは、1時間も経ずに達することができました。

 



 これほどまでの贅沢な体験が、千歳市街から、僅か2時間程で得られることが不思議です。

 

 そうは言っても、標高1000mの山を侮ることはできません。

 

 

 青空が見えていたピークも、瞬時に雲に包まれ始めました。


 突然の雷雨に見舞われるようなことも、山では珍しくありません。


 ここは、神様がお治めになられる領域なのです。

 


 そして、神様のお治めになる場所でしか体験できない現象に遭遇しました。


 ブロッケンが現れたのです。





 車を降りてから、僅か1時間程度歩いた場所で、このような体験ができるとは思ってもいませんでした。

 

 


 
 しかしすぐに、山頂から雲は去り、樽前山外輪山のピークが姿を現しました。




 下山路では、より輝きをましたタルマイソウと、

 



 ウラジロタデから、元気をもらい、

 



 深緑色に広がる森の向こうに、露草色に水を湛える支笏湖を眺めながら、

 



 人住む里へと下ってゆきました。



 

 

 ※他の記事へは 花の山  index  をご利用下さい。

  

  他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。



goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

樽前山にタルマイソウ咲く

2016-09-07 14:25:39 | 花の山

 

 

 ミヤマホツツジが、他の山では見せないような華奢な体に薄紅色の花を飾っていました。


 火山礫が広がる、雨風を遮るものがない過酷な土地で、命を研ぎ澄ませながら咲く花の美しさは、見る者の心を打つものがあります。





 ウラジロタデが朝日を浴びて、礫の中で花の季節を謳歌していました。


 斜面を駆け昇る風が水蒸気を運び、それを命の露として花を咲かせているのでしょう。


 過酷な環境に生き、花を咲かせたタデの姿に、命極めるものの美しさを見る思いがします。




 眼下に針葉樹の森が広がっていました。


 そしてその上に、浅い緑の潅木帯が続き、

 



 更にその上に、選ばれたものだけが花を咲かせることのできる、礫累々の地が、空に向かっていました。

 



 タルマイソウはそんな場所で、プリマドンナを演じていました。

 



 赤褐色の斜面の先の、筋雲にデザインされた青空は、夏の季節の楽しさを告げています。

 



 地上で灼熱に燃える太陽は、この地では淑女のような光を降り注いでいました。

 



 そんな場所に、タルマイソウが位置を占めています。




 繰り替えしますが、私は、こんなにも活き活きと花を咲かせるタルマイソウを初めて目にしました。




 

 ※他の記事へは 花の山  index  をご利用下さい。

  

  他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。


goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

花の百名山 樽前山

2016-09-07 01:37:38 | 花の山

 

 千歳市内の道の駅で朝を迎え、道道16号線を西にはしり、樽前山の登山口となる樽前ヒュッテの駐車場に車を駐めました。


 見上げる樽前山の頂きは雲の中にありました。

 

 しかし、もこもこの雲の後ろに、見事なまでの青空が広がっています。





 身支度を整え、登山道へと歩を進めました。

 



 まだ朝の光が届かない森の中で、ノリウツギが花の白さを際立たせていました。

 



 山道を登りながら振り返ると、木立の間から夏雲を白く映した支笏湖の湖面が見えました。

 



 緑の森を進むうちに、朝の光が足元へと広がりました。

 



 八合目辺りで木立の森に別れを告げ、高山植物の広がる斜面へ進んで行きます。

 



 支笏湖の湖面が雲を呼んでいました。

 



 東の雲の上に、朝日が顔を覗かせ始めます。

 



 登山路は、夏雲の広がる空に登ってゆきます。

 



 そんな時、登山路脇に、朝日を浴びたイワブクロを見かけました。


 イワブクロは別名をタルマイソウと云いますが、樽前山(タルマエサン)の砂礫地に多いことからの命名です。

 

 樽前山の火山灰が堆積する勇払原野にも自生しますので、この火山との相性はそれ程までに良いのでしょう。


 それにしても、こんなに活き活きしたタルマイソウを、私は初めて目にしました。

 



 そして、その先のあちらこちらに、タルマイソウが元気な姿を見せ始めました。





 今の季節はタルマイソウの旬なのかもしれません。




 

 ※他の記事へは 花の山  index  をご利用下さい。

  

  他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。


goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

目国内岳 同じ日に二つの名山

2016-09-06 18:16:41 | 花の山

 

 ハイオトギリが花邑を見せています。


 エゾシオガマが、三角形の葉を重ねた先へ、慎み深く白花を掲げています。


 

ハイオトギリ  エゾシオガマ

 
 ミヤマホツツジが小象の鼻のような形に、雌しべを曲げていました。

 



 次々と現れる花にレンズを向けながら登って行くと、八合目の標識を目にしました。


 周囲には既に、ハイマツ林が広がっています。

 



 標高1000mを少し過ぎた辺りなのに、周囲は高山帯の景観を見せ始めています。


 日本アルプスであれば、重い荷を背負って、何時間も登り続けなければ出会えない光景です。

 



 雲に包まれた夏山で、ミノボロスゲが風のない一時、緑の葉を休めていました。




 エゾカンゾウの鮮やかなジョンブリアンが緑に映えます。

 


 九合目を過ぎると、登山路は再び岩の中へと進んで行きます。


 ハイマツの翠の下に、ミヤマホツツジが薄紅色の花をちりばめていました。

 

 


 
 登り始めて凡そ1時間40分後、雲に包まれた目国内岳の頂きに辿り着きました。

 



 頂上直下には、岩内岳への分岐点がありました。


 この場所から岩内岳へは3時間程で往復できるそうですが、デジカメで現在時間を確認すると、既に15時18分でした。


 この辺は熊さん達のお庭ですから、無理をせずに下山することにしました。

 



 下山路でも、様々な花に巡り会いました。


 イヌツゲかアカミノイヌツゲでしょう。


 

イヌツゲ ないし アカミノイヌツゲ

 

 今朝登った大千軒岳では、実を付けたアカミノイヌツゲを見ています。

 


 大千軒岳と目国内岳は標高が似た様なものですから、直線距離で200km程度南北に離れた場所では、植物の開花にそれ程の差がでることになります。

 

 

 オオバギボウシノリウツギも十分に花を開ききっていませんでした。

 

 

オオバギボウシ ノリウツギ


 当初は、同一日に200km程も南北に離れた山に登ることは想定していませんでしたが、同一植物の開花日の差を観察するという、得難い経験を積むことができました。


 花の百名山 目国内岳ピークまで往復し、無事に登山口へ戻って来たのは16時40分頃でした。




 


 ※他の記事へは 花の山  index  をご利用下さい。

  

  他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。

 

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

目国内岳 頂きへの道

2016-09-06 15:21:12 | 花の山

 

 前目国内岳の頂から、以外な程の近さで、雲の隙間に人里らしき光景が見えていました。


 多分岩内か共和の町並みでしょう。


 前目国内岳は標高980mですから、六甲山から神戸市内を見下ろすような距離感です。

 


 前目国内岳のピークから、一旦、目国内岳との鞍部へと下ってゆきます。

 



 下る途中、雲の隙間の広がりから、山麓の光景がはっきりと見えてきました。


 左手の水色の広がりは、積丹半島の付け根に位置する日本海です。


 この辺りは相当な豪雪地帯かもしれません。

 



 水分を多量に含んだ風が直接山稜に当たり、夏でも雲が湧きやすい地形のようです。


 目国内岳のピークは白い雲のベールに覆われていました。

 



 鞍部の底はササ原が広がっていました。


 日本海から昇る雲が、潤沢な水を供給し続けるようです。


 登山路の周囲に、瑞々しい草葉の絨毯が広がっていました。




 鞍部からピークへ向かう途中で振り返ると、前目国内岳の頂きが、光を孕んだ雲に覆われていました。


 鞍部は、程好い光に照らされています。


 周囲に雲は多くても、大気は安定している様子です。


 これから天気が崩れる心配はないと判断しました。

 



 そして、この辺りから、周囲に草花が姿を見せ始めました。


 コガネギクが黄金色に花びらを飾り、シロバナニガナが花弁の中央を、ほんのり黄に染めていました。

 

 

コガネギク  シロバナニガナ


 六合目を過ぎて、「岩の門」を通過しました。




 岩陰のエゾアジサイのスカイブルーに目が引き寄せられます。

 



 登山道は岩が露出した場所に進み、

 



 ハイマツやナナカマドの中を登り続けました。

 



 七合目を過ぎた辺りからは視界が開け、周囲のササの背丈がかなり低くなってきました。


 そろそろ、森林限界が近づいてきたようです。





 

 ※他の記事へは 花の山  index  をご利用下さい。

  

  他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。


goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

花の百名山 目国内岳

2016-09-06 01:41:46 | 花の山

 

 大千軒岳新道登山口の駐車場を出発したのは朝の8時半でした。


 そんなふうに書くと、普通は頂上へ向かうことになりますが、今回は既に登頂は終えていますから、次の目的地である、目国内岳へと車をはしらせたのです。


 昨晩は、思いのほか早く寝付いたので、予想以上に早く目が覚め、全てのスケジュールが前倒しとなっていました。


 しかし、予定など有って無いようなものですから、船は帆任せ、風任せです。


 船頭も成り行き任せで、ナビに目国内岳の登山口を入力しますと、走行距離は約250㎞、到着予定時間は17時半と示されました。


 途中で温泉にでも浸かって、のんびり行こうと、この時は考えていました。


 信号も渋滞も、コンビニもめったに見かけない、道路本来の機能を存分に発揮する、北海道らしい国道を順調に走り続けました。


 そして13時40分、車は目国内岳登山口のパーキングにエンジンを停めました。


 こりゃ、随分早いな! 




 事前の調査では、ここから目国内岳山頂までの往復は4時間です。


 日没は19時頃だったはずですから、今からでも登頂は十分に可能と思えます。


 できると思えば、タイミングを逃さないのが私のポリシーですから、13時48分には身支度を終え、躊躇なく山頂に向かって歩き始めていました。


 午後の山は雲が掛かり、見晴は良くありませんが、花を見るのが主目的ですから、気にしないことにしました。



 

 ササの間を登山道が登ってゆきます。

 


 一定のペースで、単調なリズムを刻みながら、10数分程も歩を進めますと、樹の幹に「二合目」の札がぶら下がっていました。


 もう二合目なんだ!  

 

 これなら大丈夫だと登頂を確信します。

 


 手入れの良く行き届いた道が続いていました。


 誰かが、ササを刈ってくれているはずです。

 

 山に遊ぶ登山者の為に、汗を流す方がいると思うと、申し訳ないような、有難いような気持ちになります。

 



 そして、三合目を過ぎると、




 登山路の先に、ササの回廊が続いていました。

 



 少しずつ標高が上がってきたようです。

 



 登り続ける道の周囲は、鼠色に薄いブルーの絵具を流し込んだような色に染まっています。


 静かな、何も変わらない、悠久の時は、きっとこんな色だろうと思えます。

 



 登山口から30分も登った頃、前目国内岳山頂の標識が見えてきました。




 

 ※他の記事へは 花の山  index  をご利用下さい。

  

  他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。


goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

大千軒岳の樹木

2016-09-05 00:08:48 | 花の山

 

 

 歳を重ねる毎に、山野を歩けば、木々が饒舌に語りかけるようになってきました。


 花のない季節に感じていた寂しさが和らぎ、木立の中へ溶け込んで行けるようになりました。


 花の百名山 大千軒岳で出会い、語りあった木々達のプロフィールをご紹介致します。

 

 

 ミヤマハンノキ

 北海道、本州の大山、白山以北の亜高山~高山に生える落葉低木です。

 葉の縁に重鋸歯があり、側脈が直線的に葉縁に達します。

 葉の裏面は淡黄緑色です。

 北海道では低地にも生え、8mを超すものもあるそうです。

 

 

 ノリウツギ

 北海道、本州、四国、九州の山地に自生する落葉低木で、樹液を、和紙を漉く際の糊に利用したことが名の由来です。

 7月から9月にかけて、枝の先に小さな白い両性花を数多く咲かせ、その中に花弁4枚の装飾花が混じります。

 稜線上に花を咲かせたノリウツギの一株を運んできたのは、どんな渡り鳥なのでしょうか。

 

  

 ミヤマホツツジ

 北海道、本州中部地方以北、大山、蒜山の亜高山帯の林縁や草地などに生える落葉低木です。

 7~8月、枝先に総状花序を出し、3~8個の花を咲かせます。

 長さ5~10㎜の苞は楕円形~倒卵形で、花冠は3裂し、先が反り返ります。

 花柱は長く突き出て上に曲がることで、曲がらないホツツジと区別できます。

 

 

 

 ミネザクラ・タカネザクラ

 北海道、本州中部地方以北の深山に生える落葉小高木です。

 葉は長さ4~9㎝の倒卵形、倒卵状楕円形で先が尾状に長く尖り、縁に重鋸歯があります。

 普通葉柄に毛はなく、上部に2個の腺点があります。

 葉柄などに毛があるものをチシマザクラと区分していますが、変異は連続的だそうです。

 

 

 

 オオカメノキ

 北海道から九州の冷温帯、亜高山帯に生育する落葉小高木です。

 対生する葉はほぼ円形で平行する側脈が目立ち、縁に鈍鋸歯があり、基部が湾入します。

 4~6月に白い小さな両性花を咲かせ、その周囲を白い5枚の花弁の装飾花が飾ります。

 長さ8㎜の球形か楕円形の核果は夏に赤く、秋には黒く熟します。

 

 

 ダケカンバ

 北海道、本州中部以北、四国の亜高山帯に分布する落葉高木で、北海道では平地にも見られます。

 シラカバに似ていますが、シラカバよりも更に高い場所にも分布します。

 シラカバとは側脈の数、樹皮の色合い、葉の基部の形、枝が落ちた後の幹に残る模様、などで見分けますが、分布が重なる場所では判断に迷う場合があります。

 

 

 ハウチワカエデ

 北海道から本州にかけての低山帯から亜高山帯の山地に生育する小高木~高木です。

 大きな葉は対生し、9~11裂、基部は心形、裂片は卵形で先が尖ります。

 縁に重鋸歯があり、葉脈は凹んでシワ状に見えます。

 

 

 アカミノイヌツゲ

 北海道、本州中部以北の深山や高山に生える常緑低木です。

 葉は互生し、長さ2~3㎝の卵形、長楕円形で、葉の先半分の縁に浅い鋸歯があります。

 雌雄異株で、6~7月頃に白い小さな花を、雄株は1~3個、雌株は1個ずつ付け、径7㎜程の実を赤く熟します。

 

 

 

 イチイ

 北海道、本州、四国、九州の山岳地帯に分布する雌雄異株の常緑高木です。

 北海道では低地にも自然分布します。

 別名はアララギ、北海道などではオンコとも呼ばれます。

 葉は長さ1.5~2.5㎝の線形で、螺旋状に付きますが、横に伸びた枝では左右に2列に並びます。

 変種のキャラボクは葉が2列に並ぶことはありません。

 写真の木も全てが螺旋状でしたが、キャラボクは北海道に分布しないとされていますので、イチイとしましたが、中間型もしばしば見られるようです。

 

 

 

 ミヤマヤナギ

 北海道、本州中部以北の亜高山帯から高山帯の尾根や原野に生える落葉低木です。

 葉は4~9㎝の楕円形、倒卵形ですが、変異も多いようです。

 葉の縁に波上の鋸歯があり、葉脈は葉表で凹み、葉裏に隆起します。

 5月~7月頃、葉と同時に、円柱状の尾状花序を立てます。

 

 

 

 ハリブキ

 北海道から近畿、四国の亜高山帯に分布する雌雄異株の落葉低木です。

 葉は長さ20~40㎝で掌状に5~9裂し、葉の両面や、葉柄、幹に鋭いトゲがあります。

 6~7月、茎の先に円錐花序を出し、緑白色5弁の小さな花を多数咲かせ、8~9月頃に、7㎜程の楕円形の赤い実を稔らせます。

 

 



 今回ご紹介した木や花は、全てが下の写真のような、ササ原が広がる尾根筋で目にしたものばかりです。


 全ての樹木はササの背丈を越えることはありませんでした。


 標高は1000mにも満たない場所ですが、冬は日本海からの激しい季節風に晒されるのでしょう。


 雪に埋もれ、烈風から守られなければ、植物は冬を越せないのだと思います。


 束の間の夏に咲く花と、稔り急ぐ木々の姿を目に焼き付けながら、花の百名山を後にしました。



 

 

 ※他の記事へは 花の山  index  をご利用下さい。

 

 他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。


goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
« 前ページ