歯医者通いは続いている。
「はい、口を開けてくださいー」ブスッ
予告なしに麻酔の注射を歯茎に打たれた。これは勘弁してほしい。
目の上にタオルが掛かっているので痛いの驚いたの…。心の準備というものがあるわけで。
「あなたはまだ若いから、こことここをこうすれば20年持ちますから…」
何を言っているんだ、このじいさん院長。
「いや、5年で十分です」と言おうとしたが治療中なので喋れない。
食に興味があるわけでもないので、痛みさえおさまれば御の字なんですけどねぇ。
そして恒例のギーギー、ガーガー、いろいろと削りまくっている。
思考がそちらへ集中すると怖いので、
<みゆきさん、助けて! みゆきさん、助けて!>とおまじないを呟いていたが、
いつの間にか、<悪霊退散! 悪霊退散!>に変化していた(お前は陰陽師かっ)。
「次は○○をやって、それが終わったら△△やりますからね」「はぁ」
まだまだ続きそうな悪寒。