語る、シェフ

小さなレストランのオーナーが、日々の出来事を語ります。

  最も過酷な2日目(その4)

2008-08-18 01:07:05 | シェフの夏休み
まず、「双子の母のひとり言」の御主人、コメンとありがとうございます。
また是非いらしてください。お待ちしています。 

 
この橋の線路脇を渡っていく 下のサイトにアクセスしてみたください。
ただし、通行止めは、もう解除されています。          

http://underzero.net/html/tz/tz_159_1.htm


さて、「奥大井湖上駅」だが、ここはダム湖に突き出ている半島のようなところにある。
その半島を2本の橋でつないでるという訳だ。
そしてこの駅のひとつ先、接岨峡温泉(せっそきょう)までハイキングという計画だ。
僕らは、駅で記念撮影を終えると、さっそく橋を渡り始めた。
真下の湖面は見えないようになっているが、横からは見える。
息子は、慎重に慎重に妻と手をつないで歩いてくる。
しかし、こんな風に列車が通る橋を渡れるなんて、他にあるのだろうか?
考えついた人は、えらいなぁ~。


      
橋の上で妻と息子が、いや、息子が列車に手を振っているところ。
            橋の上から湖面も撮れば良かった。トホホ



途中で、千頭方面の車両が走ってきた。もちろん僕らは決まりどおり手を振る。乗客もだ。
車両を見送ると、後ろから4人家族がガンガン歩いてきた。僕らは端により先に行ってもらった。

    
   
はしご風階段              トンネルの上から見た景色                      

橋を渡りきると、線路はトンネルへ、僕らはその横の階段で山を登っていく訳だが、
階段と言うより、「階段風はしご」と、言った方がいいほど急な階段だ。
そこを上りりきると、トンネルの上に出る。そこからの眺めもなかなかだ。
僕と息子は、声を限りに「ヤッホー」と叫んだ。かすかにやまびこが聞こえた。
しかし、本物のやまびこなんて何十年ぶりだろう?
さあ、行こうと後ろを振り返ると、さっきの4人家族と、一緒に降りたカップルが地図を片手になにやら話している。
こんにちは。と近づいていくと、どうやら駐車場経由の下り道か、そうじゃない登り道かで意見の交換をしているらしい。
僕らは「ああ、駐車場に行ってもつまらないから登りで行きます。」と歩き出した。彼らは、下っていった。

結局、両方ともトンネルの上を通る県道に出るのだが、彼らの出口の方が少し先だった。
どっちみち、こっちは子連れなのでのんびり行くさ。
予定では、1.8Km1時間の予定だった。もしかしたら、1本前の列車に乗れるかもしれない。
県道を下ると、右手には大井川、正面には「接岨峡温泉駅」らしき物が見える。もうすぐだ。
おや、さっきいたカップルがいる。僕らは、「おお~い」と叫び手を振った。彼らもそれに答えて、手を振った。

 
 
この橋さえ渡らなければ     本当にごめんなさい

彼らは、大井川にかかったつり橋形の橋を渡ろうとしていた。そうかあの橋を渡るんだ。
僕は何の疑いもなく、県道から左に下りる道を行き、県道の下をくぐり橋へ向かった。
県道を降りたところが丁度公園みたいになっていて、トイレがあったのでみんなで寄った。
便器は新しいし洗面所もセンサー式なんだが、くもの巣がすごかった。

そんなわけで、僕らが橋を渡る頃には、彼らはもういなかった。
もちろん、僕らはその橋でも写真を撮ったり、山に向かって「ヤッホー」と叫んだりした。
そして、この橋を渡ってしまった事が2.8Kmになるとは・・・この時は分からなかった。