最愛のぬくもり

　　　　　　　　　『 最愛のぬくもり 』 パステル（擦筆彩色） 44cm×62cm

今日から始まったTACT個展に出品している新作擦筆彩色画の1点です。
実は肖像画として描いた作品で、搬入を目前にした先週末に完成しました。
描きながら･･･、作品がギャラリーのメインの壁面に飾られた映像がずっと頭に浮かんでいました。 どうしてもそれを実現したく、完成のお知らせと共にその旨を依頼者の R さんにお願いしました。 そして･･･、嬉しいことに快諾のお返事をいただき、今日その願いを実現することが出来ました。
モデルの「りゅうざぶろう君」は既に天国へ旅立ってしまっています。　生前は7～8キロもあるほどの大きな子だったそうですが、R さんにとっては今でも変わらずに大きな大きな存在です。
お預かりしたたくさんの写真の中に、とても心惹かれる1枚を見つけました。
肖像画制作の殆ど全てと言ってよいくらい、目が空いている表情を描くことが多いのですが、私が心惹かれた写真の中のりゅうざぶろう君は目を閉じていました。　しかし、決して眠っているのではなく、静かに目を閉じた表情には大好きな R さんに抱っこされた時の至福の思いが溢れていました。　ちょっと見過ごしてしまいそうな画面向って中央右端の部分にあるりゅうざぶろう君の左手の先･･･、そこにりゅうざぶろう君の R さんへの思いが集約されているような気がして、その指先を描きながら何度も視界がボヤけてしましました。
この時期、長野県のお住いの R さんに「ぜひ！」とはとても言えませんでした。 ところが、なんと初日の今日、オープン間もない時間にご夫婦で来てくださいました。
「りゅうちゃ～ん･･･！」その一言にすべてが報われる思いでした。
気に入ってくださったことを確認できたので、こうしてご紹介させていただきます。

個展終了後に R さんの元へお届けする予定です。
原画をご覧いただくチャンスは20日までです。　
依然として厳しい状況は続いていますが、アルコール消毒、常時換気、空気清浄機等の予防対策をしております。 お出かけいただけると嬉しいです。

6th TACT個展始まりました！

今日から始まったTACT個展の展示風景をご紹介します。