『 ひととき 』 パステル 39cm×28cm
初期作品の中でも“ 猫じゃらし ”を描いていた。
ボザール・ミューで2回目の個展はノラ猫だけ・・・。 その後10回以上も続いたノラ猫個展のスタートだった。
この『 ひととき 』はその時の一作。
今とは違う、ちょっとカッコつけたサインが恥ずかしいが・・・。
おなかの毛のお手入れに余念のないノラの姿と風に揺れる猫じゃらしの風情に、何とも言えない安らぎを感じたひとときだった。
今は製造中止になってしまったお気に入りの水彩画紙をこの頃はよく使っていた。
針葉樹から作られたパルプを原料にするものが多い中で、この用紙の原料はケナフという“ 草 ”。 生成りの“ 白 ”と、柔らかな紙面が実に性に合っている。
この頃は背景を必要最低限にして、メインとなる猫の姿と大切な脇役を強調するようにしていた。 画像では判り難いかもしれないが、この水彩画紙の持つ独特な肌が、一見白いだけに見える空間を決して不自然に感じさせなかった。
何で製造中止になってしまったのかな???
買い溜めした在庫も少しずつ減ってきた。 大切に使っていきたいと思う。