元気の源

猫が大好き、動物が大好きな、パステル画家・山中翔之郎のブログです。

いっしょに お昼寝

2011-08-30 15:15:53 | My Works -個性派たち-
          『 いっしょに お昼寝 』


最新作です。

銀座ボザール・ミューでは、現在開催されている“なつ ひる 展”のあとに、“大猫小猫展”が予定されています。
私も引き続き参加します。
最初は既存の作品だけを出品する予定でしたが、やはり1点だけでも新作を・・・と思い、この作品が生まれました。

猫が苦手・・・という人でさえ思わず微笑んでしまうような無条件の可愛さが魅力の小猫に対し、年季の入ったふてぶてしいほどの存在感が魅力の大猫。
それぞれ異なった魅力を一つの作品の中に・・・と欲張ってみました。

どちらか一方を選ぶとしたら・・・?
う~~~ん、難しい・・・。
でもどうしても選ばなくてはいけないとしたら、大猫の方かな。
小猫は・・・、たぶん小猫だということだけでどうしようもなく可愛いけれど、その時期はほんの数か月だけ。 悲しいくらい短い間のこと。
やがて大きくなるにつれてそれぞれの個性や人生(いや、ニャン生)が、顔に、背中に滲み出てきて、それがまた何とも言えない魅力なのです。
これって、猫に限らずどんな動物にも言えることですね。 もちろん人間にも・・・。

「いい味出してるねぇ」
そんなふうに言われるような年のとり方をしたいものです。
あれっ? 話が変な方に逸れてしまいました。

『 いっしょに お昼寝 』の二匹・・・。 
皆さんそれぞれの楽しみ方をしていただければ嬉しいです。
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ひなたで ひるね

2011-08-28 13:52:58 | My Works -ノラ猫たち-
            『 ひなたで ひるね 』

今週いっぱい銀座のボザールミューで開催されている“なつのねこさん ひかげでひるね展”。
出品している3点のうちから既に2点はご紹介済み。 今回ご紹介する 『 ひなたで ひるね 』がその3点目になります。

このタイトル、“ひかげでひるね展”に逆らって付けたわけではありません。 
モデルになってもらった谷中のノラが、日差しを気にすることなくあまりにも気持ちよさそうに寝ている姿を見て、思わずこんなタイトルになってしまいました。
まあ、ノラさんご本人(猫)にすれば、「日向だろうが、日陰だろうが、余計なお世話!」なのかもしれませんが・・・???

この作品を描いたのは2003年。 実はその数年後に、ほんの少しだけ加筆をしました。
いつのころからか、特にノラ猫たちを描くときは、バックに新しいわき役が登場するようになりました。
草花に混じって、蝶、テントウムシ、アリなど・・・。 
この作品にも、さらに自然の息吹を感じていただけるようにと、アリさんに参加してもらうことにしました。
ごめんなさい・・・。 加筆した作品の画像データが行方不明になっています。
どこにアリさんが描き足されたかは、ぜひ原画をご覧になってください。
ごま塩ほどの小さな命でも、それが加わることで、作品全体がさらに温かく感じていただけると思います。

“なつのねこさん ひかげでひるね展”は、9月3日(土)まで開催されています。
ぜひ・・・!
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若草クッション

2011-08-24 18:21:33 | My Works -ノラ猫たち-
            『 若草クッション 』

明日25日から、銀座ボザール・ミューで “なつのねこさん ひかげでひるね展”が始まります。
今回は、19日にアップした『 はあとの ひかげ 』と共に出品する『 若草クッション 』をご紹介します。

昨年4月の個展に初出品したこの作品のモデルは、谷中の共同墓地在住のノラ。
初めて出逢ったのはもう10年近くも前のことなので、はたして今も元気でいるかどうか???
黒、赤茶、濃茶、灰、そして白などがごちゃごちゃに混じった模様のコをサビ猫・・・というらしいですが、そこまで“ごちゃごちゃ”ではしていないとしても、なかなかの混じり具合。 ただその模様の中で光る両眼の色が美しくて、いつか絵に描いてあげたいと思っていました。

展示会のタイトルに“ひるね”という言葉が入っているせいか、「眠っているコばかりだと困る・・・」と心配していたギャラリーのオーナーの言葉を思い出し、美しい瞳を見てもらおうとこの作品を出すことに・・・。
もしかしたら、オーナーの心配どおり目を瞑っているコの作品が多いかもしれない中で、このノラの瞳の美しさを楽しんでいただければと思っています。

そういえばここ数年、ノラたちの顔を見に、ゆっくりと谷中を散策することがありませんでした。
近いうちに行ってみようかな・・・。
新顔に遇うのも楽しみだけれど、再会の喜びはまた格別。
「君の絵を描いたよ」と報告できればいいのですが・・・。
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変わらない日々

2011-08-20 15:48:35 | My Works -我が家の元さん-
          『 変わらない日々 』

“猫と椅子 展”のことを思い返していたら、出品した3点とは別にこの作品を思い出した。

椅子がらみの元さんだが、ご覧のとおり丸椅子ではない。
両親愛用のかなり古いタイプのマッサージチェアが、いつの間にか元さんのお気に入りの場所になっていた。
確かに、決して広いとは言えない丸椅子の上では、こんなくつろぎ方はできなかっただろう。
肘掛の部分を枕代わりにして気持ちよさそうにしている元さんの姿は、いつしか我が家の中では当たり前の風景となり、何事もなく過ぎてゆく日々の象徴だった。

この作品を描いたのは、2003年の秋。 元さんは11歳を過ぎたばかりで、まだまだ元気いっぱいだった。 
『 変わらない日々 』というタイトルは、特別な意味を込めて付けたわけではなく、そんな元さんの姿を見て感じたことをただ素直に言葉にしただけだった。 

去年までは、家族それぞれの生活にそれなりの変化はあったにせよ、みんなが一緒に暮らす毎日に変わりはなかった。
しかし今年になって・・・、元さんが逝き、さらに誰もが想像もしなかったあの大震災が起きた。
当たり前のことが当たり前でなくなった。 変わらないと思っていた毎日が、大きく変わった。

今改めてこの絵を思い出し、このタイトルを口に出してみると、毎日変わりなく過ごしていられることのありがたさを痛感する。
共に暮らす家族みんなが、仕事の仲間が、友人知人が、今日も変わらずに元気でいるということ。 それは決して当たり前などではなく、奇跡ともいえるほど幸せなことなのだと思う。
そして、望むと望まないとに拘らず、この毎日が決して永遠には続かないということをきっと誰もが知っている。
だからこそ、今日という日を、今というこの瞬間を大切にしたい。
変わらないと思える日々の喜びをかみしめながら・・・。
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“なつ ひる 展” のご案内

2011-08-19 14:32:57 | 展示会
                 『 はあとの ひかげ 』             


「何の展覧会?」と言われそうですね。
正確に書くと“ なつのねこさん ひかげでひるね 展 ”。 ちょっと長いので、短縮形にしてしまいました。
銀座ボザール・ミューで開催される夏の恒例企画展です。

今回ご紹介する作品は、来週25日から始まる今年の“なつ ひる 展”に出品するために描いた、出来立てほやほやの新作 『 はあとの ひかげ 』です。
ただ日陰で寝ているだけではなんとなく物足りなかったので、ちょっと遊んでみました。 
実際にこんな小さな日陰では何も役に立たず、熱中症にならないか心配ですが・・・???

私はこの作品を含めて3点ほど出品する予定です。
平面作品だけでなく、立体、アクセサリー等々、いろいろな作家さんたちの様々な作品を楽しんでいただけると思います。
今夏の厳しい暑さも来週になるといくらか治まりそうな・・・。 お近くにお出かけの際は、ぜひお立ち寄りください。


“なつのねこさん ひかげでひるね 展”
・会 期  8月25日(木)~ 9月3日(土)会期中無休
・時 間  AM 11:00 ~ PM 7:00 (最終日 PM 5:00まで)
・会 場  銀座ボザール・ミュー
・電 話  03-3571-0946
  *地図等はブックマーク欄の“ボザール・ミュー”をご覧ください。
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憩い

2011-08-18 10:16:13 | My Works -我が家の元さん-

猫と椅子シリーズ3連作の最後にご紹介するのは、例の丸椅子の四本足に囲まれて眠る元さんを描いた 『 憩い 』。

前回、前々回と、意地を張ってみたり、泣きべそ顔で逃げ込んでみたりした木製の丸椅子・・・。 いろいろあってもやはりその場所が大好きだったのだろう。
四方をしっかり囲まれた空間もたぶん決して嫌いではないのだろうが、この丸椅子の下のように、一応四本の脚によって囲まれながらも、時にはその間から手足を出してみたり尾っぽをパタパタさせてみたり・・・。 それはそれで結構居心地がよかったのかもしれない。
ふとした拍子にこんな顔をして気持ちよさそうに寝ている元さんを見つけ、思わず微笑んでしまっている自分に気付いたことは数え切れない。

どこにでもあるような何の変哲もないこの丸椅子が、『 意地っ張り 』の元さんにとっては“譲れない場所”であり、『 叱られて・・・ 』の元さんにとっては“救いの場所”でもあり、最終的に 『 憩い 』の元さんにとっては“お気に入りの場所”ということなのだろう。


3回連続でご紹介した“元さん & 丸椅子”を描くきっかけとなった ボザール・ミュー企画の“猫と椅子 展”は、何故か2001年の一回だけでそれ以降は開かれていない。
あまり評判が良くなかったのだろうか? とても素敵な楽しい企画だと思うのだが・・・???

猫に限らず、いろいろな動物を家族の一員として可愛がっている方々のお家には、必ずそれぞれのコのお気に入りの場所があると思う。
きっとその場所にいるときの表情が、そのコにとって一番魅力的なはず。
もしかしたら、“椅子”だけに限定せず、“お気に入りの場所 展”なんていうのも、面白いかもしれない。


ところで元さんは、天国でどんなお気に入りの場所を見つけたのだろうか?
そのうちきっと教えに来てくれるだろう。
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叱られて…

2011-08-17 11:20:03 | My Works -我が家の元さん-

前回に続いて、今は懐かしい2001年春の“猫と椅子 展”に出品した3点のうちからの2点目。
今回ご紹介する作品のタイトルは 『 叱られて・・・ 』。


壁をガリガリ・・・、柱をガリガリ・・・、ふすまの桟をガリガリ・・・、そして何よりも、作品制作になくてはならないイーゼルの脚をガリガリ & ガリ・・・。
おおかた元さんが叱られていたのはそんな時。
「ちゃんと爪とぎ用の段ボールがあるのにぃ~~~!」 と言ってみたところで、それは元さんにとってみれば人間の勝手・・・。
(その時の気分で、爪とぎの場所も変わるんだい!)とでも思っていたのかもしれない。

しかし、今あらためて思い返してみると・・・、確かに本当に爪を研ぎたかった時もあるだろうが、その大半はこちらの気を引くためだったように思える。
なぜなら、何回も叱られた同じ場所で爪を研ぐ時は、ほとんどと言っていいほど私が絵の制作に集中しているときが多かったから。

まず2~3回ガリガリしてみて、こちらをチラッ・・・。
私がじっと我慢していると、それならば・・・とでもいうように、今度はちょっと多めに4~5回ガリガリ・・・。 
思わず「こらっ!」と睨む。
すると柱に爪をたてたままでピタッと動きを止め、こちらの動きを計るかのようにじっと視線を注いでくる。
その眼は(やっと気が付いたか・・・)と、どこか挑戦的?
しばしの睨み合いのあと、もう一度ぐっと堪えて元さんから視線を外す。
(それならば・・・)という声が聞こえたような気がした瞬間、ガリガリガリ!!!の集中砲火が・・・。
「げぇぇぇ~~~ん! いい加減にしろっ!」
堪忍袋の緒が切れた・・・とばかりに、叫びながら元さんを追いかける。 
素早い動作で逃げる元さんの後ろ姿は・・・、(待ってましたぁ~~~)と、その状況を楽しんでいるかのようだった。
そんなことが日に何回も・・・。 
「こらっ、またかぁ!」と元さんを追いかけながら、私自身も知らず知らずにうちに元さんとの追いかけっこを楽しんでいたのかもしれない。

・・・とは言え、ものには限度がある。 
きっとこのときは、その限度を超えたのだろう。
私の怒り方がいつもとは違うことは感じた元さんは散々逃げ回った挙句、例の丸椅子の下に入ってこの顔・・・。
同じ丸椅子の上で見せた “ 意地っ張り ”の表情とは別人・・・、いや別猫のような情けない顔を見たら、それ以上は叱れなくなってしまった。


あの日からちょうど半年・・・。
想い出は尽きない。
それはどんなに時が過ぎても変わることはないだろう。
想い出すときは、中途半端ではなく、思いきり想い出してあげよう。
そしてそのあとは、自分のやるべきことに集中して・・・。
きっと元さんもそれを望んでいると思う。
でも・・・、ガリガリというあの音が聞こえてこないのは、やはり寂しい。
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意地っ張り

2011-08-16 13:28:49 | My Works -我が家の元さん-

2001年の春、銀座ボザール・ミューでユニークな企画展が開かれた。
“猫と椅子 展” そのタイトルの通り、猫と椅子をモチーフにした平面、立体、様々な作品がギャラリーいっぱいに展示され、今思い出してみてもとても楽しい空間だった。

私はこの企画展のために3点の新作を描いて出品した。 
モデルは元さん。そして通販などでよく見かける積み重ねが利く木製の丸椅子。 
その丸椅子との絡みの中で見せた、元さんのその時々の違った表情を描いてみた。

今回ご紹介する 『意地っ張り』は、その中の1点。
3つあったその丸椅子はあくまで補助用で、特に誰の椅子と決めてあったわけではなかった。 しかし、そのうちの一つが元さんにとっては“自分の椅子”だったのかもしれない。
ある時、その椅子の上に座ってウトウトしている元さんに、何の気なしに「ちょっとどいて・・・」と言ったら、こんな顔でジロリと睨まれた。
意地でもどかないぞ・・・とでも言っているかのような迫力に、思わず「失礼しました・・・」
そのあと元さんは(当然・・・)といった様子で再び目を閉じた。
けっこう気の強いところがあったからな・・・。 そこが元さんらしいというか、猫らしいというか・・・???

今も部屋の片隅に置いてあるその椅子に目をやると、元さんがその上に座ってじっとこちらを見ている・・・、そんな気がした。
元さんがいなくなって、明日でもう半年が経つ。
お盆の時期は、想い出のアンテナが普段よりも敏感に働くのかもしれない。


“猫と椅子 展”に出品したあと2点には、今回とはまた違った表情の元さんがいる。 それはまた次回にご紹介させていただくことにする。
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私のお気に入り

2011-08-15 11:44:04 | My Works -肖像画-

「山中さんは・・・、鳥の絵も描かれるのですか?」
そんな質問のあとにご依頼をいただいて描いた肖像画が、この『 私のお気に入り 』。
5年ほど前に描いた作品だ。


幼いころによく小鳥を飼っていた時期がある。
カナリア、十姉妹、そしてセキセイインコ。 
家の中でほとんど放し飼い状態だった。 本当に馴れたコは、かごにも入れず何も付けることなく肩に乗せて近所を散歩することもできた。
私がまだ小学生だった頃には必ずと言っていいほどあったデパートの屋上の小鳥売り場で買い求めたコもいれば、どこかの家から逃げてしまったコが迷いこんで来たり・・・。
つがいが生んだ卵からやがて雛がかえり、初めは毛も生えていない丸裸でただ大きな口を開けてピーピー鳴くだけだったその雛たちが、やがて羽毛に覆われ一人前の成鳥に育ってゆくのを目の当たりにして、子供心にも大きな感動を覚えていた。
延べ20羽を超えていただろうか・・・。 今でもその一羽一羽の顔を、鳴き声を懐かしく想い出す。
どんなに小さくても、そしてどれほど短く儚い命でも、みんなみんな間違いなく家族の一員だった。


この絵のモデルは、セキセイインコの“夢ちゃん”。 その可愛らしい名前に、飼い主さんの夢ちゃんに対する愛情を感じる。
目の前にぶらさがっているカラフルなおもちゃが、夢ちゃんの大のお気に入りだったとか・・・。 ぜひ一緒に絵の中に・・・とのお希望から、タイトルはほとんど悩むことなく決めることができた。

制作中ずぅっと、過去に飼っていた小鳥たちが楽しげにさえずりながら、私の心の中を所狭しと飛び交っていた。
この絵を通して、夢ちゃんがいつまでもご家族皆さんの心の中で、元気で愛らしく生き続けることを願う。

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ねどこ 1

2011-08-11 02:03:47 | My Works -仔猫-

昨年7月中旬に『 ねどこ 2』という作品をブログにアップしました。
それからしばらく経った初秋の頃、その記事をご覧になったという方からこんな質問をいただきました。
「2 ということは、1 があるのですか? 」
「はい、おっしゃる通り・・・」と答えながら、季節を意識したらご紹介するタイミングを逸してしまい、そのまま1年が過ぎてしまいました。

お待たせしました。
今回ご紹介する作品が『 ねどこ 1 』です。
『 2 』が、こんな風に 蚊遣りブタを正面から見た構図に対し、『 1 』はブタさんのお尻から・・・。

                    

『 2 』と同様にまったくの想像図ですが、これもありそうだと思いませんか? 猫はこちらが心配になるくらい狭いところが好きですからね。

この絵は完成直後に展示会に出品してそのまま飼い主が決まったので、私自身も一緒にいる時間がほとんどありませんでした。
『 2 』を見た幼い子供が、「子猫がブタさんに食べられちゃった」と心配してくれましたが、その子がもし今回の絵を見たら、いったいどんな感想を聞かせてくれるのでしょうか?

描き手からの一方通行ではなく、ご覧下さる皆さんの想像力を掻き立てるような相互通行ができる絵も描いていきたいと思います。
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食後の天気予報

2011-08-07 11:45:46 | My Works -我が家の元さん-
                  『 食後の天気予報 』

このタイトルの意味、猫好きの方には説明不要だろう。
元さんの食後のひととき・・・。
この天気予報がどれほどの確率で当たっていたかどうかのデータはないが、元さんは18年間のうちの何万回という食事の後に、たぶん1回として休むことなくせっせと顔を洗っていたっけ・・・。


この絵を描いたのは2003年の秋、9回目となるミュー個展出品作の一つ。
確か初日早々のことだったと思う・・・。 それまで何回も個展に来てくれていた S さんが、ギャラリーに入ってくるなりこうおっしゃった。
「広島に行くことになりました。 今までのように個展にお邪魔することができなくなると思うので、今回はぜひ一作買わせていただこうと思います」
そうして選んでくださった作品が、この 『食後の天気予報』 だった。

後日いただいた転居にお知らせを見て、「あれっ???」
そこに記されてある住所にどこか見覚えがあった。
広島在住の知人はそう多くはない。 “見覚え”の原因を見つけるのにそれほど時間はかからなかった。
その住所は、前回ご紹介した 『お目覚め』の所有者 M さんのそれと酷似していた。
同じ町内どころではない。 番地まで一緒・・・。 さらにそのあとにはなんと同じマンションの名前が記されてあったのだ。
こんな偶然てあるのだろうか? 
もちろんお二人は全く面識がないわけで・・・。 思わずお二人にその偶然をお知らせしたいという気にもなったが、さすがにそれはできなかった。 そこまでお二人それぞれのプライベートに立ち入ることは許されないし、それはただ単に私にとっての偶然にすぎないのだから・・・。

それにしても、一億をはるかに超える人たちが住む広い日本の中で、東京から遠く離れた広島の、同じ市の、同じ町の、同じマンションに住むまったく見ず知らずのお二人が、各々のお住いに、それぞれ気に入ってくれた私の絵を飾ってくれている・・・。
それは単なる“偶然”ということだけではなく、何か不思議な繋がりを感ぜずにはいられない。
私にとっては、何とも素敵な、そして嬉しい“偶然”の出来事だった。
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お目覚め

2011-08-06 16:27:47 | My Works -瞳シリーズ-
                  『 お目覚め 』

何気なく猫雑誌を見ていたら、エメラルドのようなきれいな緑色の目をしたコの写真があった。
(あれっ? 前にこのコと同じ目の色をした子猫の絵を描いたことが・・・)
記憶の中に蘇ってきた作品が、この 『 お目覚め 』。

まだ絵の世界に飛び込んでからいくらも経っていない頃、子猫の絵を描いてほしいとのご依頼を受けた。 最初は飼い猫の肖像画かと思っていたが、話を聞いてみると猫は飼っていないという。 正確に言うと、飼いたいけれど飼えない状況なので、せめて絵の中で・・・と思い付いたとのことだった。
お気に入りの猫の写真を何枚か見せてもらった。 その中にこのコの写真があった。 私はひと目でその瞳の美しさに魅せられてしまった。
依頼主もこのコを気に入っていたが、最終的にはほかのコを絵にすることになった。
私は依頼主のお願いをし、依頼作とは別にこのコの絵を描かせてもらうことにした。

ただその瞳を描きたくて、小さ目なサイズの中で耳も入らないくらいド・アップにした。
そしてその数か月後、ボザール・ミューで3回目の個展をやることになり、オーナーと相談した結果その回のテーマは“ 瞳 ”に・・・。
わが意を得たりとばかりに、この『 お目覚め 』を出品した。
瞳シリーズの中でも思い出深い1作である。

今この作品は、広島県在住の M さんの元でお世話になっている。
確か M さんも、猫を飼いたくても飼えない・・・派の一人???
私の絵がそんな方々の心を少しでも癒すことができる存在になれるとしたら、それはまさに絵描き冥利に尽きる。
子猫でも大猫でも、美猫でもブー猫でも、いやいや猫に限らず犬でも兎でも鳥でも・・・。 どんな動物でも描くチャンスがあるなら、見てくださる方にぬくもりを感じてもらえるような、そんな絵を描き続けていきたいと思う。
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いつも ここに いるよ

2011-08-05 15:39:56 | My Works -肖像画-
            『 いつも ここに いるよ 』

愛猫、愛犬という言葉があるのだから、愛兎という言い方をしてもおかしくないですよね。

この絵のモデルは“きょん” 
もう今から7年近く前になりますが、聖路加病院の医療スタッフ T さんから依頼されて描いた愛兎の肖像画です。
前々回、兎が主人公の絵本『うさぎのユック』の原画について書いたのがきっかけになって、この“きょん”の絵を懐かしく思い出してしまいました。

T さんからお預かりしたたくさんのお写真は、どれも溢れんばかりの愛情でいっぱい。
その中から、“きょん”らしいということで選ばれた写真をもとにして描きました。
外に出るということがなかったのでしょう。 T さんからのご要望で、白爪草(クローバー)をバックに描いてほしいとのこと。
それ以上のご要望はなかったのですが、私は一面のクロ-バーの中に四つ葉を一つ入れ、さらには“きょん”の遊び相手にと、てんとう虫を一匹描き入れました。
でもそれは単なる私の勝手な思い付きなどではなく、愛兎“きょん”に対する T さん愛情が私に描かせたのだと思っています。


どんな動物の肖像画でも、私が一人で勝手に描くのではなく、そのコを愛する人たちみんなの気持ちが私を後押ししてくれます。 それはものすごく強力なエネルギーであると同時に、大きなプレッシャーになることも否定できません。
個展などで発表する作品とはまた違った、肖像画制作のための特別な集中力が必要です。
そのためでしょうか、個展などが続いたりすると、どうしても肖像画の制作が遅れてしまうのは・・・??? 

おっと、いつの間にか肖像画の完成をお待たせしている言い訳になってしまいました。
実際に今もご依頼をいただいてお待たせしている方が???人か。
ごめんなさい。
でも、やっぱり喜んでいただきたいから・・・。
精一杯描きますから(描いていますから)、待っていてください。
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“白黒猫展” 終了!

2011-08-01 14:06:07 | 展示会

銀座ボザール・ミューで開かれていた“白黒猫展”が30日に終了いたしました。
真夏のような暑さから、梅雨の戻りを思わせるようなぐずぐずお天気と、不安定な空模様の10日間でした。
お出かけいただきました皆様、本当にありがとうございました。

このあとも様々な企画展に数点ずつですが参加しながら、9月14日から予定している恒例の横浜山手の個展に向け、諸々準備をしております。
近づきましたら改めてご案内させていただきます。


明日からは再び真夏の日々が戻るような…???
皆様くれぐれもご自愛ください。

ここ数日の豪雨で新たに被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
たとえ微力でも、今自分にできることを常に考えながら毎日を過ごしていきたいと思います。
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