>こんな絵が出てきたので送ります。
>大正8年正月、小学6年生の冬休みの日記に
>描かれていたもの。
>竹井晴雄 昭和2年12月20日没。享年22才。
>紙が劣化し、ねずみの巣になりかねない状態なので
>ばらしてデータ化しました。
>ブログのネタにでもどうぞ。
>実は、文章もかなりのものなのだけれど、
>紙の劣化と、鉛筆が消えかかっていたりで
>読みにくい。ヒマになって読めたら送ります。
ということでこの絵が④兄から送られてきました。
確かに「これは~」と唸ってしまう出来栄え……
たぶん初めて見た叔父さんの絵なのでありました。
それも子供の時の絵だという……う~む……
「晴雄の絵はそりゃ~すごかった」というようなことを
親父は事あるごとに言っていたのでありました。納得!
1919年、パリ講和会議の西園寺公望、牧野伸顕、Wilson
人物の内面にまで迫りそうなデフォルメはただ者ではない……
やはり美人と天才は薄命なのか………?と最近思う
俺、暇じゃないのだけれどと④兄が日記のウイルソンの絵の部分
を転記して送ってくれました。(原文は縦書きらしい)
小学生が書いた文としては、やはりかなりなもんと言えましょうか。
>一月四日、 土曜日 晴
>朝、裏の方から「あつい氷がはって居るよ」と弟の声。
>『ツメタイツメタイ、アアやたの鏡見た様なものだなあ』
>まっかな手をして弟はマンルく凍りついた氷を人差し指と
>親ゆびとでさげて居る。ピカピカ日光にてらされてけんの様だ。
>書く手をやすめてしょうじをあけると寒い風が吹きこんできて
>算術の教科書のページをパラパラとくった。
>弟は日なたぼっこをしながら本を見て居たのだ。家の屋根には
>二三羽の雀がチュンチュンしゃべって居た。「アコにもはって居るぞ」
>と弟が指さしたにはとりの水入れにもあつくあつく氷がはりつめて居た。
>「大お…さむこおさむ…」小さい女の子が唄いながら走っていった。
>「こいこい皆んなでマルメンをせんか」此のあたりのわん白だ。
>「おらキニョ(昨日)おマイ(前)に負けたさかいキョ(今日)はほんまにかつぞ」
>學校でとめられて居るやつをナイショ。…ではない。往来でどうどうと
>やっている。みんな口のきたないやつばかり。
>夕方、座敷のそうじをして、濱へごみをすてに行った。
>メガネなんぞかけた中學の書生さんが七八人、太いすてつきをにぎり
>イヌコロシナリソコナイ(これはやうやうこの間おぼへたホヤホヤのやつだ)
>見た様な風をして、魚あげ場にズラリとならんだ魚を見ていた。
>夜になってウイルソンの畫を書いた。ウイルソンてこんな人かなあ。
>あほう鳥みたいな。おにがわらがスペインかぜにやられた様な顔だ。
>オット忘れて居た。
>図画のえびも昼の中に書いてしまったし、もう何んにも不足はない。
>さあゆるくゆるく寝ましょうか。ねたのは十時。
(クリックすると老眼用になります)
カテゴリーを一つ作ることにしました。
題して「章魚庵の書棚から」というものでありまして……
まあなんというか、近頃のネタ切れ気味状況を打破せんとて
一計を案じた訳でありまする。
我が家には邪魔にされている本がそこここにあるじゃないですか?
そんな無用な(?)蔵書(そんな大層なものではないけど)の風景(?)
でも描いてみるかということです。
記念すべき(別に、記念しなくてもいいのだけれど)第一作目を
先日亡くなりました井上ひさしさんの吉里吉里人にしました。
この本井上さんが亡くなったので約30年ぶりに手に取ってみました。
埃かぶって色褪せて。まさに無用の蔵書といえましょうが……
でも捨てられんなぁ……。