ザ・ビートルに試乗した後。私とニータ氏が向かったのは、フォードのお店であった。
お目当ては「新型フォーカス」。
日本仕様は、基本的にモノグレード。2.0L・FF・6DCTで、税込車両本体価格は293万円である。
内側から外側に向かって開くタイプのフロントワイパー。払拭面積が広く取れるというメリットがあるという。
右ハンドル車でウインカーもステアリングコラム右側に付いているのは、輸入車としては珍しい。国産車からの乗り換えでも、違和感を感じないであろう。
セールスマン氏曰く、「このクルマはタイ製なので、その辺の気配りがあるんですよ。タイ人のほうが、ドイツ人よりも、真面目なんですよね!」とのこと。実際にそうなのかどうかは、検証が必要と思われるが・・・
インパネ内の燃費計。14.7という数字を見て、一瞬「なんて燃費がいいんだろう!」と思ってしまうであろう。
ところがどっこい。これは欧州流の「100kmあたり何リットルガソリンを使うか」という表記なのだ。
日本流のkm/Lに直すと、この数字は6.8km/Lとなる。ちなみに、カタログ上のJC08モード燃費は12.0km/L。現代の水準からすると、もう一歩といったところかもしれない。
ウインカーが右コラムにあるのは素晴らしい。だから、この燃費表示も日本流に直してほしいと、私は真面目なタイ人の方に要請したい。
走らせると、がっしりとした剛性感のあるフィールは、やはりドイツ車的である。それでいてゴツゴツとしない足回りはなかなか好印象。全体のデザインも決して悪くないし、スペアタイヤ標準装着である点も、見逃せないチャームポイント。
だがしかし。293万円という価格は、やはりどうみても割高だ。ゴルフはもとより、日本にはインプレッサやアクセラがあることを考えると・・・このフォーカス、日本市場ではあと50万円くらい安くないと厳しいのではなかろうか。御免。