吉田拓郎の全盛期がいつだったのかという問いに対する答えは、人それぞれ違うと思うが、私が考える拓郎の一番脂が乗っていた時期は、’82年の「王様達のハイキングツアー」の頃である。
拓郎自身の「ハスキーでありながらも艶のある声」とか、バックミュージシャンの音作りとか、今聴いても血が騒ぎ、ココロが踊る。
このカセットテープは、タイトルどおり、’82年の12月に民放FM各局(私の住む地では当時のFM北海道)で生中継されたライヴの模様を「エア・チェック」したものである。
1.春だったね
2.いつか夜の雨が
3.ひらひら
4.君去りし後
5.情熱
6.爪(※CMが入ったため2番から)
7.我が身可愛いく
8.悲しいのは(※カセットテープの片面が終わりそうになったためF.O)
9.Y
10.王様達のハイキング
11.どうしてこんなに悲しいんだろう
12.狼のブルース
13.外は白い雪の夜
14.アジアの片隅で(※ラストにアナウンサーのカブリあり。F.O)
・・・拓郎を愛する方ならば、もう、垂涎モノの楽曲たちである。
CD「王様達のハイキング」におおよそ準ずる選曲だが、実はCD化されていないテイクも数多い。
さらに、信じられないかもしれないが、このFMライヴはミックスが上手で、拓郎のヴォーカルの質感や、スネアの「バシッ!」と抜ける音や、アコースティックギターの繊細な響き等々、CD「王様達のハイキング」よりもずうーっと音質がイイのだ。これ、ホント。
「春だったね」の熱い鼓動。
「ひらひら」の厭世感(♪用心しろよぉー用心しろよぉーおアァーアアアァーの「アァーアアアァー」が実にカッコいい)。
スタジオ盤の軽い感じとは違って、ミディアムテンポで展開され、お互いを縛りあわないで肩を並べていようと歌う、大人のラブソング「情熱」。
ああ、話が長くなってしまった。とても、全て語りつくせない。とにかく、このカセットテープは私の生涯で一番の宝物なのだ。私は、それを今CDで聴いている。