思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「教育勅語」の思想は、民主主義国では、許されません。「戦前思想」は、ドイツでは厳しい取り締まりの対象です。

2017-03-19 | 学芸

 『教育勅語』は、現人神であり主権者であり軍隊の統帥権をもっていた明治天皇が臣民に与えた道徳です。民主的倫理ではありませんので、主権が国民へと180度変わった戦後の『日本国憲法』の基本理念とは矛盾します。そのために1948年6月、衆参両議院で廃止の決議がなされたのです。

 その「戦前思想・教育」を裏から復活させようという言動は、思想犯罪であり、ドイツでは厳しい取り締まりの対象です。主権在民の民主政とは背反する思想を現実化させようとするのは、憲法および公務員法違反です。到底許されません。

 政治家の【教育勅語に基づく教育への支持】は、憲法の基本理念に反するものであり、主権者を市民=国民とする民主政国家の存立を脅かすものです。

 

 武田康弘(元参議員行政監視委員会調査室・客員調査員「日本国憲法の哲学的土台」を講義)

 

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高橋源一郎さんによる教育勅語の現代語訳

◆教育勅語 現代語訳

①「はい、天皇です。よろしく。ぼくがふだん考えていることをいまから言うのでしっかり聞いてください。もともとこの国は、ぼくたち天皇家の祖先が作ったものなんです。知ってました? とにかく、ぼくたちの祖先は代々、みんな実に立派で素晴らしい徳の持ち主ばかりでしたね」

②「きみたち国民は、いま、そのパーフェクトに素晴らしいぼくたち天皇家の臣下であるわけです。そこのところを忘れてはいけませんよ。その上で言いますけど、きみたち国民は、長い間、臣下としては主君に忠誠を尽くし、子どもとしては親に孝行をしてきたわけです」

③「その点に関しては、一人の例外もなくね。その歴史こそ、この国の根本であり、素晴らしいところなんですよ。そういうわけですから、教育の原理もそこに置かなきゃなりません。きみたち天皇家の臣下である国民は、それを前提にした上で、父母を敬い、兄弟は仲良くし、夫婦は喧嘩しないこと」

④「そして、友だちは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕事のやり方を習い、そのことによって智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能をさらに立派なものにし、なにより、公共の利益と社会の為になることを第一に考えるような人間にならなくちゃなりません」

⑤「もちろんのことだけれど、ぼくが制定した憲法を大切にして、法律をやぶるようなことは絶対しちゃいけません。よろしいですか。さて、その上で、いったん何かが起こったら、いや、はっきりいうと、戦争が起こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕してください」

⑥「というか、永遠に続くぼくたち天皇家を護るために戦争に行ってください。それが正義であり「人としての正しい道」なんです。そのことは、きみたちが、ただ単にぼくの忠実な臣下であることを証明するだけでなく、きみたちの祖先が同じように忠誠を誓っていたことを讃えることにもなるんです」

⑦「いままで述べたことはどれも、ぼくたち天皇家の偉大な祖先が残してくれた素晴らしい教訓であり、その子孫であるぼくも臣下であるきみたち国民も、共に守っていかなければならないことであり、あらゆる時代を通じ、世界中どこに行っても通用する、絶対に間違いの無い「真理」なんです」

⑧「そういうわけで、ぼくも、きみたち天皇家の臣下である国民も、そのことを決して忘れず、みんな心を一つにして、そのことを実践していこうじゃありませんか。

以上! 明治二十三年十月三十日 天皇

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すべては皇室ー天皇のために~~~~という「天皇教」という国家宗教を作成したのは、かの偉大な伊藤博文(国学者を暗殺し、イギリス公使館を全焼させ、長州藩の積立金数千万円(現代の貨幣価値換算)を横領し、『大日本帝国憲法』=今後、主権が国民となることは永久にないと教説=をつくり、初代総理大臣となり、皇室ー天皇への絶対忠誠を日本国民の義務とした長州藩の下級武士)でした。まだ16歳だった明治天皇は、京都から江戸城に連れて来られ、伊藤や山県らに現人神となるべく躾けられ、利用され
たのです。

こういう思想に賛成するか否か、【国民投票】にかけてみたいですね。ただし、本音では、民主政=主権在民を嫌う自民党のみなさんの意向で、日本では国民投票の制度すらありません。これで、「西側諸国と同じ人権と民主主義の国」(安倍総理談)とは面白いことを言いますね。

 

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戦時の統帥権 (もののはじめのiina)
2018-09-15 10:18:41
「クリムゾン・タイド」をテレビでみました。

アメリカ原潜の館長が、核攻撃されると偽情報を駆使してロシアに原爆を投下するというのは、起こり得る事態です。
もっとも、シビリアンコントロールが利くし、核攻撃には複数のバリアが設けられており抑止されそうでもあります。

満州事変は、出先機関の暴走であった側面も考えるべきでしょうか・・・。

この統帥権については、「この国のかたち」司馬遼太郎で識りました。


「統帥網羅領・統帥参考」と題する本があったらしく、この本を軍は最高機密にしたのですね。

平時・戦時を問わず、「統帥権」は三権(立法・司法・行政)から独立し、軍は天皇のスタッフだから憲法上の責任なんかないと解釈したとは・・・。


天皇制の持続には、誰もが四姓を称すようになり「はるかながら天皇の末の流れを汲む」という風になり、こういう流れを通して「天皇制」が庶民武士たちの中にこまかい根を張るにいたったと・・・。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/d2e9bbd8b2629631e8fa221cfec38ec8

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