第259回「裏アカデミー賞を独占!表と裏の違いとは?」
先日、発表された第84回アカデミー賞で一騎打ちといわれた作品「アーティスト」と「ヒューゴの不思議な発明」でしたが、結果としては作品賞、監督賞など主要部門は「アーティスト」が5部門受賞、私が勝手に裏アカデミー賞と呼んでいる技術系の5部門を「ヒューゴの不思議な発明」が受賞と、部門数だけ見れば痛み分けに思えるのですが、今回の作品「ヒューゴの不思議な発明」を鑑賞した後ではその違いの意味がわかるような気がするのです。
1930年代のフランス・パリ。幼くして母親を亡くし、さらに数年前に父を火事で亡くし、今は酒飲みの伯父とパリ駅の時計台に隠れて暮らす少年・ヒューゴ。彼にとっての唯一の楽しみは、父が遺した壊れたままの「機械人形」を修理する事だった。その修理を進めるうちに、ヒューゴは機会人形の修理に必要なハート型の鍵を持った少女・イザベルと、過去の夢を捨ててしまった老人・ジョルジュに出会う。ある日、イザベルの鍵を使い修理した機械人形を動かすと、そこにはあるメッセージが隠されていた。
監督のマーティン・スコセッシにしては珍しく少年を主人公にしたファンタジー映画ということで、「レイジング・ブル」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ディパーテッド」など、どちらかというと男臭いというか重厚な人間ドラマを撮ることが多い監督だけに、この作品をどんな風にまとめてくれるのか楽しみでした。しかも先日のアカデミー賞で受賞を5部門、逃したとはいえノミネートは10部門と映画ファンとしては見ておかなくてはと劇場に足を運びました。
しかし、期待が大きすぎたせいなのか、映画の内容的には物足りないものでした。父親を亡くし孤児となったヒューゴがパリ駅の時計台で隠れながら懸命に生きる姿を描いているのに、まったく現実味がない。さらに映画の冒頭で「これからこの人達を描きますよ」と説明されるかのように登場した主要人物達のドラマもどれも薄っぺらい。そしてこの映画の核となるジョルジュの心の再生についても、あれほど傷ついていたのにアッサリと終わってしまう。
父親を亡くし傷ついた少年の心の再生という、前回の「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」と同じプロットなのに、なんでこれほど心が揺さぶられないのだろうかと映画を観ながら考えてしまいました。
点数的には★★★☆☆です。映像的な映画としての出来は及第点ですが、脚本部分が物足りない作品でした。そう、今年のアカデミー賞が評価した通りの作品だったのです。技術的にはなんの問題もありません。スクリーンに映し出されるパリの風景や駅の内部、機械人形などの小道具も作品のイメージ通り、衣装やカメラワークなども問題ない。ただ人間ドラマとして見ると、色んなことがトントン拍子に進み過ぎて、人の心が簡単に変わり過ぎてしまって、薄っぺらく感じてしまいました。
だからこそ、裏アカデミー賞は独占したが、表のアカデミー賞は1つも獲れないという結果になったのかな?と個人的には思いました。
そんな中でも良かったことは、「キック・アス」でヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツがとってもキュートにイザベルを演じてくれたこと。これから大きくなって是非とも素敵な女優さんになって欲しいと思いました。決してドラックやお酒に溺れることのないように・・・
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1930年代のフランス・パリ。幼くして母親を亡くし、さらに数年前に父を火事で亡くし、今は酒飲みの伯父とパリ駅の時計台に隠れて暮らす少年・ヒューゴ。彼にとっての唯一の楽しみは、父が遺した壊れたままの「機械人形」を修理する事だった。その修理を進めるうちに、ヒューゴは機会人形の修理に必要なハート型の鍵を持った少女・イザベルと、過去の夢を捨ててしまった老人・ジョルジュに出会う。ある日、イザベルの鍵を使い修理した機械人形を動かすと、そこにはあるメッセージが隠されていた。
監督のマーティン・スコセッシにしては珍しく少年を主人公にしたファンタジー映画ということで、「レイジング・ブル」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ディパーテッド」など、どちらかというと男臭いというか重厚な人間ドラマを撮ることが多い監督だけに、この作品をどんな風にまとめてくれるのか楽しみでした。しかも先日のアカデミー賞で受賞を5部門、逃したとはいえノミネートは10部門と映画ファンとしては見ておかなくてはと劇場に足を運びました。
しかし、期待が大きすぎたせいなのか、映画の内容的には物足りないものでした。父親を亡くし孤児となったヒューゴがパリ駅の時計台で隠れながら懸命に生きる姿を描いているのに、まったく現実味がない。さらに映画の冒頭で「これからこの人達を描きますよ」と説明されるかのように登場した主要人物達のドラマもどれも薄っぺらい。そしてこの映画の核となるジョルジュの心の再生についても、あれほど傷ついていたのにアッサリと終わってしまう。
父親を亡くし傷ついた少年の心の再生という、前回の「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」と同じプロットなのに、なんでこれほど心が揺さぶられないのだろうかと映画を観ながら考えてしまいました。
点数的には★★★☆☆です。映像的な映画としての出来は及第点ですが、脚本部分が物足りない作品でした。そう、今年のアカデミー賞が評価した通りの作品だったのです。技術的にはなんの問題もありません。スクリーンに映し出されるパリの風景や駅の内部、機械人形などの小道具も作品のイメージ通り、衣装やカメラワークなども問題ない。ただ人間ドラマとして見ると、色んなことがトントン拍子に進み過ぎて、人の心が簡単に変わり過ぎてしまって、薄っぺらく感じてしまいました。
だからこそ、裏アカデミー賞は独占したが、表のアカデミー賞は1つも獲れないという結果になったのかな?と個人的には思いました。
そんな中でも良かったことは、「キック・アス」でヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツがとってもキュートにイザベルを演じてくれたこと。これから大きくなって是非とも素敵な女優さんになって欲しいと思いました。決してドラックやお酒に溺れることのないように・・・
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