第224回「荒唐無稽なお話でも着地点が見事でなければ・・・」
もしも大阪が実は独立国だったら。もしも豊臣家の末裔が生きていたら。こんな奇想天外な設定・・・個人的には大好きです。ただ1番心配なのは奇抜な設定を考えることは誰にでも出来ます。その結末をどう結ぶのか?それがその作品を傑作にも駄作にもするのです。今夜の作品「プリンセス トヨトミ」はそんな奇抜な設定でまずは観客の心を捉えることに成功しました。で、結末は?
会計検査院の調査員として大阪へ向かうことになった、松平、鳥居、旭の3人の職員。それはいつも通りの実地調査のはずだった。異変は「OJO(大阪城跡整備機構)」を訪れた際に起こる。事務所に携帯を忘れた松平がOJOへ戻ると先ほどまでいたはずの事務員が忽然と姿を消していた。その状況を怪しんだ松平は独自に調査を始める。するとある驚愕の事実に辿り着くこととなる。それは400年前の大阪夏の陣で殺されたはずの豊臣秀頼の子である国松が実は生き残っていたこと。大阪は豊臣の末裔を守り続ける為に秘密裏ではあるが大阪国として独立していることを大阪国総理大臣「真田幸一」より告げられた。真田は松平に「大阪国の事は国に認められたもの。このことは黙っていてくれないか。」という。しかし、松平は多額の税金が目的もわからない大阪国へ流れていることは認められないという。両者の意見が食い違うと真田は「大阪は立ち上がる事になる」と告げた。果たして日本はどうなってしまうのか?
少し前に映画館で観た予告編ですっかり魅了されてしまい、しかも原作が「鹿男あをによし」の万城目学と聞いてますます興味をそそられました。あのドラマは視聴率はたいしたことなかったのですが、独特の世界観や物語全体に流れる時間の進め方みたいなものに好感を持って観ていた私はこの「プリンセス トヨトミ」も期待していました。
ただ私はもっと派手な戦闘や驚くような展開を期待していました。戦国時代からどうやって秘密を守り続けたのか、大阪国が独立を宣言したことによる大混乱などなど。そして最後にはビックリするようなエンディングをと。ところが作品はそんな派手な演出もなく幕を降ろすこととなりました。だから駄作かと聞かれれば、決してそうではありません。物語が終盤を迎えるにつれてガッカリする自分と、「ああ、そりゃそうだよね。」と納得してしまっている自分がいました。
そう、これが万城目ワールドと呼ばれる独特な世界観なのです。突拍子もない設定で我々を引きずり込み、それでいて時間は穏やかに流れる。そこに良さを感じていたんだよなと再認識させられました。
点数は★★★★☆です。もちろんこれだけ荒唐無稽なお話ですから、ツッコミどころはあります。それを言い出したらキリがありません。それでもこの映画は及第点だったように思います。
監査院の3人のキャラクターはお見事でした。特に「ミラクル鳥居」に関しては綾瀬はるかをイメージしてつくられたキャラクターなのでは?と思ってしまうくらいハマっていました。逆に残念だったのは大阪国側の登場人物としてもっと大阪臭い役者さん(実際に大阪出身の人)を使ったり、群衆の中に芸人さんを配するなどの工夫が欲しかったと思いました。大阪弁が似合わない役者さんばかりでセリフに不自然さが見えました。
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もしも大阪が実は独立国だったら。もしも豊臣家の末裔が生きていたら。こんな奇想天外な設定・・・個人的には大好きです。ただ1番心配なのは奇抜な設定を考えることは誰にでも出来ます。その結末をどう結ぶのか?それがその作品を傑作にも駄作にもするのです。今夜の作品「プリンセス トヨトミ」はそんな奇抜な設定でまずは観客の心を捉えることに成功しました。で、結末は?
会計検査院の調査員として大阪へ向かうことになった、松平、鳥居、旭の3人の職員。それはいつも通りの実地調査のはずだった。異変は「OJO(大阪城跡整備機構)」を訪れた際に起こる。事務所に携帯を忘れた松平がOJOへ戻ると先ほどまでいたはずの事務員が忽然と姿を消していた。その状況を怪しんだ松平は独自に調査を始める。するとある驚愕の事実に辿り着くこととなる。それは400年前の大阪夏の陣で殺されたはずの豊臣秀頼の子である国松が実は生き残っていたこと。大阪は豊臣の末裔を守り続ける為に秘密裏ではあるが大阪国として独立していることを大阪国総理大臣「真田幸一」より告げられた。真田は松平に「大阪国の事は国に認められたもの。このことは黙っていてくれないか。」という。しかし、松平は多額の税金が目的もわからない大阪国へ流れていることは認められないという。両者の意見が食い違うと真田は「大阪は立ち上がる事になる」と告げた。果たして日本はどうなってしまうのか?
少し前に映画館で観た予告編ですっかり魅了されてしまい、しかも原作が「鹿男あをによし」の万城目学と聞いてますます興味をそそられました。あのドラマは視聴率はたいしたことなかったのですが、独特の世界観や物語全体に流れる時間の進め方みたいなものに好感を持って観ていた私はこの「プリンセス トヨトミ」も期待していました。
ただ私はもっと派手な戦闘や驚くような展開を期待していました。戦国時代からどうやって秘密を守り続けたのか、大阪国が独立を宣言したことによる大混乱などなど。そして最後にはビックリするようなエンディングをと。ところが作品はそんな派手な演出もなく幕を降ろすこととなりました。だから駄作かと聞かれれば、決してそうではありません。物語が終盤を迎えるにつれてガッカリする自分と、「ああ、そりゃそうだよね。」と納得してしまっている自分がいました。
そう、これが万城目ワールドと呼ばれる独特な世界観なのです。突拍子もない設定で我々を引きずり込み、それでいて時間は穏やかに流れる。そこに良さを感じていたんだよなと再認識させられました。
点数は★★★★☆です。もちろんこれだけ荒唐無稽なお話ですから、ツッコミどころはあります。それを言い出したらキリがありません。それでもこの映画は及第点だったように思います。
監査院の3人のキャラクターはお見事でした。特に「ミラクル鳥居」に関しては綾瀬はるかをイメージしてつくられたキャラクターなのでは?と思ってしまうくらいハマっていました。逆に残念だったのは大阪国側の登場人物としてもっと大阪臭い役者さん(実際に大阪出身の人)を使ったり、群衆の中に芸人さんを配するなどの工夫が欲しかったと思いました。大阪弁が似合わない役者さんばかりでセリフに不自然さが見えました。
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