「少子化対策」は出そろっているが?????
今日の朝刊を読み比べてみると、社説は各紙「人口減少」である。人口減少とは
当たり前であるが、死亡数が出生数を上回ることである。人口が減少すると国家に
とって何か不都合があるのだろうか。まず、経済成長を維持できない。経済の基本的
基盤は、資本・土地・労働といわれている。資本と土地は経済のソフト化に伴って
今や十分すぎるほどある。問題は労働である。経済が縮小しても悲観することはない、
という「社説」もある。日本の人口が減っても東アジアの経済が繁栄すれば、日本の
人口減少などたいしたことではないという主張である。それよりも、豊かに成熟していく。
そんな道を考えるべきである、という考え方である。確かに、一理ある。しかしながら
日本は資源のない国である。資源はもとより食糧までも海外に大きく依存している。
日本は資源を輸入し、付加価値を付けて、製品を輸出して経済を成り立たせている国である。
そのような経済システムの国家では、労働力が大切なのである。労働力とは、知力、
技術力、創造力、信用力等々の「人間力」を云うのであって、単なる古典的な「労働」を
いうのではない。これは地球規模での「常識」である。
今後四半世紀の見通しを単純平均すると、40万都市が毎年ひとつずつ消滅していく
ほどの衝撃があるという。経済成長を維持するには「労働力」人口の減少を補わねば
ならないと、各紙は「社説」で主張している。この主張には例外はないようである。
それには、各紙、右へならえで、労働力を広げるために高齢者や女性がもっともっと
働きやすいようにすることが不可欠だ、と力説している。爺もその考えに大賛成である。
それでは、それらについて具体的な対策があるかというと、疑問である。65歳定年制は
まだまだであるし、女性の職業環境はパートや派遣が主流である。60歳定年制や
派遣やパートが悪いというのではない。いろいろな選択肢を提供するという意味で
正しいことであると思うが、しかし、安定した人生設計を立てるという観点からすれば、
65歳定年制や正社員雇用が大前提である。まして、これからの「労働力」減少の
社会にあっては、日本の政策課題のトップに位置づけるべきテーマである。この点に
ついて、述べている「社説」が少ないのには、爺はガッカリした。
次に、本命の「少子化対策」である。理念が先走り、具体策への提言・主張が心許ない。
国、自治体、企業が一丸となって仕事と子育ての両立支援や子育て家族への経済的支援
を地道に続けることが王道である。特に、子供を産みたいけれど我慢している若い人たち
を総力で支えるという社会的合意が大切である・・・・・程度の抽象論ではどうにもならない。
具体的に、そのための法律を作り、予算処置をしたり、国民各層に負担を担ってもらう
べきであろう。これは難しいぞ!!!!郵政改革や消費税アップの比ではない。
爺などの中高年世代と若者世代との世代間争いになるおそれがあるからである。
まさに、国家のリーダーたちの力量が問われる場面である。はたして、日本の国に
そのような大物リーダーがいるのだろうか。あるいは生まれるのだろか。
とりあえず、自民党の安倍さんと民主党の前原さんに期待するしかない。二人とも若くて
考え方が似ているし、リベラル派である。対立を協調に変える方法は理性しかない。
感情論ではだめである。まして、公明党さんのようなバラマキお情け論では逆効果である。