桜が咲く頃までには

家族と歩む、ちょっと病気の主婦の日記です

みっともなくて、息ができない

2020-02-22 04:15:00 | 子ども
娘に過剰歯が見つかり、先日抜歯の手術を受けました。

過剰歯とは、大人の歯が余計にあることを意味します。
ゆえに、どこにあるかと言われると歯茎の中にとどまっていて、毎日の歯磨きではわからない、生えてきていると認識できないことも珍しくはないようです。

私の娘は定期検診の折、たまたまレントゲンを撮影することになり、見つかりました。虫歯もなかったので、よくまあレントゲンを撮っていただいたなと。
外に全く露出していないので、運良く発見していただけた感じです。

その手術について、娘は大層心配だったようで、抜歯が必要であると知ったときは受付の椅子でホロホロと泣いていました。
術式や、時間、手順、痛みの度合いなど、かなり不安を抱えていた様子でした。

抜歯からの抜糸に至るまでの期間も含めて、とにかく娘の不安に寄り添うようにしました。
普段なら、ちょっと待っててと言いたい時も、ん?それは痛いよ、とか、麻酔は最初が痛いよとか、治るまでに1週間かなとか、術式について知ってることを話したり。
6歳児。認識の仕方が独特な時があり、それは気をつけなければならないけれど、嘘は絶対通用しない。秘密にしても、見抜く。
空気を読む力は、実は抜群。

こちらもそれ相応の覚悟で向き合い続けた期間でした。

外来での小手術。
娘は立派でした。
何回か、麻酔はこれで終わりか?痛いのはいつか?あとどのくらいかかるか?など折を見て質問があったものの、泣くも喚くもせず、一生懸命に口を開けていました。

我が子がこんなことをできるようになったのかと感動しつつも、その状況は感動とかしてる場合ではないくらい娘の体に酷なものに見えました。私も背筋が伸びました。子どもに支えてもらいながら、全く動じていない風を装った母親として娘から離れないでいられたのかもしれません。

そんな立派な子が。
術後にマウスピースをつけてトイレに行って状況を確認した後。

しばらくしてから震えて、泣き始めてしまいました。
口を開けられないので、息ができないとホロホロ泣きながら私に訴えるのです。

その理由に私も先生もびっくり。
「みっともないので、口を開けられない」
と言うのです。血だらけの口と、黒い糸。こんな情けない姿はない、と衝撃を受けたと言うのです。

なんとも。
そんな理由で、泣いた子はそう居ないようで。

私も血だらけの口になるのも糸の色も伝えていなかった、というより想像、想定していなかったので。
娘は初めてのことや想定していないこと、納得できていないことに対する不安や抵抗が大きいので、このことは大変に驚いたようです。

気づかなくてごめんね、と伝えたのち
「頑張った証だから、みっともなくないよ」と言うと、
「ほんと?」
と少し落ち着きを見せてくれ、その後割とすぐに立ち直ってくれました。

幼稚園では、マウスピースが人気者だったようで、黒い糸もまた見せて見せてと人気だったようです。

「みっともない」
祖母から私まで、そして娘にまで。
みっともないことに対する嫌悪感の強さは、遺伝したようです 笑

でも、それを吹き飛ばす力が娘にはある。
私も見習わないといけないなと、また娘に教わりました。

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