さぽつぴ日記

天然系主人・Sapo(娘)・Tsupi(私)の三人の生活を不定期更新中!

ロシア料理と思い出 長いです(笑)

2016-10-17 15:18:38 | 日常

昨日は、最高気温が22度と、久しぶりに暖かくなった札幌。

旦那さんとSapoと三人で、ロシア料理のお店で、ランチをいただいてきた。

 

↓ロシア料理 シュシュ エルミタージュさん

 ちょっと見つけにくい場所にあるこのお店は、

天井が少し低め、静かで大人がゆっくりできそうなところ。

 

↓細長い店内は、写真左側にお部屋が広がっている。

 

お昼時間は、ランチのセットかコースのメニューのみなので、

それぞれランチのセットを頼むことにした。

(コースは、量が半端ないです)

 

↓どのセット・コースにもボルシチがセットされている。

澄んだピンクのスープに、

「丁寧に作ってるんだなぁ」とまず感心。

 

旦那さんがいただいたのは、『ビーフストロガノフセット』

 

そうそう、ビーフストロガノフ って牛肉じゃなくってもいいそうな。

ビーフ っていうのは、英語の「ビーフ(牛肉)」じゃなくて、

ロシア語の「ベフ(~風)」って意味なんだそうだ。

つまり、『ストロガノフ風』って意味なんだって。

ちなみに、『ストロガノフ』っていうのは、人の名前らしい。

人聞きばかりの『らしい』情報・・・(笑)。

 

Sapoがいただいたのは、つぼ焼きセット。

↓つぼ焼きって、これらしい。

(これに別にパンがついてくる)

パイとパンの間くらいの生地が、カップの上にのっている。

中にはシチューが入っていて、パンをちぎってシチューにつけていただく。

カップの横のハンカチっぽいのは、持ち手に巻いてあるミトンの役割をするもの。

 

私がいただいたのは、ピロシキセット。

具が、『肉』『じゃがいも』『キャベツ』があり、私は前者2つをチョイス。

 

Sapoと私のセットには、サラダが別盛りでついている。

 

食後に、旦那さんは珈琲、Sapoは紅茶、私はトマトジュースをいただいた。

塩分無添加のトマトジュースは、超美味しかった。

 

デザートには、ケフィアヨーグルト。

どれも、薄めの上品な味付けで、ホッとする料理だった。

 

店内のロシア民芸品のスプーンを見て、痛い思い出が頭に浮かんだ。

 

実は私、独身時代にロシア語を習っていたことがある。

私の住んでいるその街は、当時、ロシア(当時はソ連)の観光客が多かった。

私は、ボランティアで手話通訳をしていたのだが、

「手話ができて、ロシア語もできる人が、この街には必要なんじゃないか」

と思い、ロシア語教室に通い始めたのだった。

(スプーンは、同時知り合ったロシア人の方に、お土産でいただいた)

 

1年が過ぎた頃、私の予想はあたり、その街に「ロシア語と手話ができる人」が必要な事態が起きた。

参加者400人ほどのイベントで、ロシア語と手話ができる司会が必要になったのだ。

もちろん私に白羽の矢が立った。

他にできる人がいない以上、私が引き受けるしかなかった。

 

しかし、しかし・・・だ。

考えても見てほしい。

たかが1年勉強したって、ロシア語通訳などできるはずがない。

英語なら、中学一年生レベルだ。

 

私は、イベントに参加するロシアの団体責任者さんと、

露和辞書を片手に、何度も打ち合わせを重ねた。

責任者さんは、私のロシア語の実力をよく理解してくれて、

簡単なロシア語で原稿を書き、

「当日は、これだけわかれば大丈夫!」

と細かな段取りをしてくれた。

「本当に親切な人で良かった!」

とつくづく感謝した。

 

そして、当日がやってきた。

責任者さんは、打ち合わせ通りに、ロシア語で話をし、

私は、それを「日本語(口頭)」と「手話」に通訳していった。

(正確には、覚えて行ったことをしゃべっただけなんだけど・・・)

 

しかし、そこで事件は起きた。

会場の反応があまりによく、気を良くした責任者さんが、

打ち合わせにないことを、手を振りながら叫び始めたのだ。

 

「え~!勘弁してよ!」

と責任者さんの顔を覗き込んだが、責任者さんの目は、

真っすぐに客席に向けられたまま・・・。

私の頭の中は、真っ白になった。

「何か、言わなきゃ・・・」

気持ちが焦るから、それでなくてもわからないロシア語が、ますますわからなくなる。

気がついたら、私は、こう言っていた。

 

「みなさん、今日はありがとうございました。

みなさんの温かい声援、私は忘れません。

また、必ずこの街にやってきます!

どうぞ、忘れずにいて下さい!」

 

責任者さんが、本当にそう言ったかどうかは、わからない。

(9割方、言ってない・・・笑)

ただ、

「私なら、この場で、こう言うであろう」

ことを言ってみたので、そう遠い内容ではなかったのではないかと・・・(笑)。

その後、この責任者さんが、もう一度あの街を訪れたかどうかは、定かではないけれど。

 

「主催者さん、観客の皆さん、そして、ロシアの団体の皆さん、

あの時は、本当にごめんなさい。」

 

と心でお詫びをしながら、頂くロシア料理は、それでもやっぱり美味しかった。