春の訪れを告げる「かたくり」の花

2017年03月26日 | 自然

丹波・氷上町清住に「カタクリ」の花の群生地がありました


 嬉(うれ)しさは   古来呼び名を  堅香子(かたかご)の  花一輪を  庭で見るとき



「かたくりの花は一つも咲いていなかったよ。ちょっと早かったかしら」と声をかけられます。
「清住 かたくりの里」のノボリが立ってる駐車場に車を止めて、テントの方に向かってる時です。

山の方から帰ってこられた二人に、
「かたくりの花って、一つも咲いてなかったですよ。それでも100円入場料いるんだって」と教えていただきます。

昨日の夕刻、北近畿豊岡自動車道の日高神鍋高原ICが開通しました。
開通早々事故が発生して、3時間ほど通行止めというアクシデントに見舞われたその道路です。

新しい高速道路を走りたくて、
日高神鍋高原ICから家内と二人で丹波方面に向かいます。

『氷上(ひかみ)に片栗の花が群生しているとこってあるそうだけど、見に行くか』、
『それこそ、なんでジャガイモの澱粉から採るのに、片栗って云うのかな?。それこそ、片栗の花ってジャガイモの花なんかな?』なんて話しながら車を走らせました。

かたくりの花が群生しているという山の入り口に、おじさんが留守番です。
そばには、見に来た男性二人が立っています。

「お客さんようこそ。ツボミ100%で開花はもうちょっとだよ」、
「花が一つも咲いてなくってもいるの?、えっ100円を箱に入れてくれって」、

「そうだよ、手入れもせんならんし留守番もいるし。
300円のところを、花が咲いてないから100円にしときますわ」と会話です。

「ええわ、ここからよう見えるし100円勿体ないわ。
それにあそこのお寺、お寺でちょこっと5輪ほど咲いてたよ。見てきたら」と話しかけてくれました。

せっかく来たのです。家内と二人分で100円をコロンと箱の中に入れて、山の中に入っていきます。
確かに葉っぱだけでした。山肌一面の「カタクリ」は、ツボミを下に向けて葉っぱばかりの景色でした。

入り口の看板に、カタクリの案内が書いてあります。

「カタクリ 古名 堅香子(かたかご) ユリ科に属する多年草で、四月初旬に紫紅色の小さな花を咲かせます。地中の鱗茎(りんけい)からとれる良質のでんぷんがカタクリ粉です。北海道、東北地方の山中に多く生え兵庫県内では非常に珍しい群生地の一つが、ここ清住(きよずみ)です。特性は、芽をだし、花を開き、実を結び、地上部が枯れるまでの期間がわずか2ヶ月ほどであとの10ヶ月間は地中でゆっくり休養するといわれています。万葉集にも “もののふの 八十少女(やそおとめ)らが 汲みまがう 寺井のうえの堅香子(かたかご)の花” 大伴家持(おおとものやかもち)と詠まれて、古くから親しまれてきたようです。この可憐な花を大切に見守り、保護にご協力ください」

近くにある達身寺(たっしんじ)に行きます。
境内よこの庭に咲いていました。5株ほど見つけます。

ツボミが一つ二つ、
やっと一つの可憐な薄紫のカタクリの花が、下を向いて咲いていました。

さぞかし、山肌の群生地のカタクリがいっせいに咲き誇ると、
さぞや綺麗だろうなと思いつつ、「かたくりの里 清住」を後にいたします。