たかお日記

高尾紳路九段オフィシャルブログです

ルールは難しい・・・

2009-09-13 16:08:51 | 囲碁
昨日のブログの続きです。

石の生死で問題が起こった場合は、
死活確認なるものが行われます。
(初めて知った・・・・)

死活確認とは、問題の部分だけで解決します。
大きな特徴は、コウダテが立てられません。
しかし、(コウに対して)パスができ、
その時、相手がコウを解消しないと
コウを取り返す事ができます。
例えば・・・・







この図は、誰が見ても白死ですね。
白さんが、「コウダテが多い」
「両コウセキがある」など主張してもダメ。







「死活確認」では、部分の世界。
黒1に、白はパスするしかなく
黒3にも、コウダテが出来ないのでパス。
よって、黒5と取れば、白死が確認できます。

これは、あくまで「死活確認」ですから、
もちろん、実戦で黒1,3,5は必要ありません。






さてさて、本題。
「死活確認」で、黒1で白が死ななければ、
白からの手入れは不要。








黒1に白2だと、黒3に白はパスしかなく、
黒5にも、白はパスしかできず、黒7で白死。
だが、白2で・・・・






黒1に白2(!)があるようです。
黒は、次にAしかなく、
続いて白Bと取った形が下図。







黒1、白2に黒は(コウについて)パス
続いて、白がAやパスならコウを取り返せますが、






黒のパスに白1で、あら不思議。
2つ前の図に戻り、ひたすら循環します。

ただ、この循環をよく見ると、
黒のアゲハマ3子、白のアゲハマ2子。
循環するたびに、白が1目損なのです。


日本囲碁規約の死活例23に似た形が。
その死活例23の冒頭に、
「第七条第1、2項及び第一条の碁の目的により」
とあります。
第一条の碁の目的は「地の多少を争う」ですから
この循環は、認められないということ。


日本囲碁規約の創始者、酒井猛九段は
この形に気づいていました(これには脱帽)。

委員会の多数決でこの循環を
認めないと決めたそうです。
(碁の本質から外れる為でしょう)

酒井九段曰く、
「きちんと図を出せば、わかりやすいけど
いちいち図を出すと、日本囲碁規約の本が
重くなってしまうので・・・」とのこと。


結論としては、







このままでは、上の死活確認で白死。
よって白から1(黒Aにさらに白1)
と手をいれなければならない。

潘善七段(黒)対大橋拓文四段戦は
黒1目半勝ちが結論。
僕も知らないルールが沢山あるんですね・・・









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