香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

みんなの家

2012-09-05 20:43:09 | 本のこと
ニュースで話題になっている伊藤豊雄さんたちが設計した
「みんなの家」のことではありません
ほぼ日で連載されていた、光嶋祐介さんの
みんなの家」建築家一年生の初仕事

合気道の道場と能舞台のある武家屋敷のような家
──内田樹さんの道場兼自邸「凱風館」ができるまで!

 独立したての若き建築家に初めての依頼が舞い込んできた。
 施主は当代きっての論客、内田樹さん。
 1階が合気道の道場兼寺子屋、2階が自宅の
 武家屋敷のような家にしたいという!
 この難題に天然素材と匠のチームで挑んだ新人建築家の物語。


自分も設計の仕事をしているというのもありますが
ひとつの建物が計画されて、打ち合わせ、現場、完成という経緯が
作者で設計者の光嶋さんの、とことん明快な気持ちの良い視線で
かかれている本は、本当にいいなと思います
たくさんの縁を大切にして、多方面からのものの味方をし
建築以外でも、たくさんのプロフェッショナルな人たちの意見を尊重し
また、そんな立場でいれることの幸福を充分わかっている
そんな光嶋さんは、素敵な若者だなと思いました
施主の内田樹さん、画家の山本浩二さん、木材屋、工務店、
構造設計者、大工、左官屋、カワラマン、インテリアプロデューサー
この本に出てくる人たちはとことんプロフェッショナルで
読んでいるとワクワクしました

最後の章の方で、思いがけず前のめりになることが書いてあったのです
光嶋さんは、この建物「剴風館」の竣工間際に記念として
大坂マラソンに出走しているのです。
関係者が書いてくれたたすきをかけて
その中の文章で、走りはじめに出走したベルリンマラソンのことで
正直タイムなんてどうでもよかったのです。あれだけの距離を
あれだけの時間をかけてひたすら走り続けることの圧倒的無意
味さに、最高の達成感を味わいました。

そして、出場した大坂マラソンのとき
ひとつの建築が「みんな」の共同作業で完成することを思えば、
42.195キロを走ることなんてへっちゃらです。
そう自分にいい聞かせて走りきりました。

もう、この文章読んで,嬉しくなっちゃいました

建築の専門知識なんてなくても楽しめるいい本だと思います


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すごいすごーーーい!! (よすえ)
2012-09-05 20:59:09
この連載・・・知らなかったー
おもしろそうだね。
というか、香ちゃんの磁力がすごいなぁ・・・
と思う
出会いは必然っていうけれど、
いろんなことや素敵な人たちとの出会いが
どんどん引き寄せられてるっ♪
って感じだねー。
明日もいいことありそうだ
よすえさん ()
2012-09-05 21:58:11
なんか、ネットで見る文章と
本を手に取って読む文章って
違う物だよね~
コラムとか、ブログとかネットにあうものと
手に取って読みたいものと、わたしは別れるなぁ
この本は、ほぼ日でたまに読んでいたときよりも
こうやってまとめて本で読んだ方が
数段興味深くってよかったよ~

出会いは必然、これからもいい出会いがたくさん
楽しみだね~
ありがとうね
読みたいかも・・・ (棟馬父)
2012-09-06 14:27:39
読みたいんですけど・・・・

最近なかなか読む時間が無い・・・

「安藤忠雄の光の教会」「磯崎新の東京都庁」を
少し思い出しました、でもこのフィクション作品のほうが
読んでみたい・・・

ノンフィクには事実の強さや重さがあるけど
フィクションには未来への希望があるんだよね~

そ~言えば、「磯崎」を読んで「これって磯崎新の
丹下健三へのオマージュてき内容だなー」って言ったら
・・・?の女子がいて、オマージュって言葉が通じてない?・・・になっちゃって、「でも読みたい」って言うんで貸したけど・・・返ってきていないな~って今気づいた。
棟馬父さん ()
2012-09-06 16:19:39
はい、わかりました
今度・・・

光の教会の本はすっごく好きだな
安藤さんが書いていないから、読みやすいしね
でも、建築家の中で文章がだんとつにうまいのは
やっぱり宮脇さんだと思うよ

本って、返ってこないこと覚悟して貸すよね

本を読む時間がとれないほど、忙しいのは
ちょっとよかったねと思うわたくしです
ちばりよーーー
実は・・・ (棟馬父)
2012-09-06 18:45:49
よっ・・よっ・読んじゃいました・・・

フィクションだと思ってたらノンフィクションでした・・・

それも本人が著者の・・・・

面白かったよ!!・・結構!
PCで全部読めるとは思わなくて・・・
でも出版のときに結構改訂してると思うから
きっと手にとって読んだほうが良いんだと思う・・・

でも、やっぱり著作家が書いた方が楽しめそう
って感じた・・・

著者の真面目さや真剣さはよく伝わってきました。
あ、そう ()
2012-09-06 19:46:36
本はネットでの連載以外も書いているよ
写真とかは、ネットで見た方が
分かりやすかったかもね

なんか、いい青年でしょう
ちゃんとしていながらも、自由で・・・
こういう本、いいね

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