ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

明治の人

2007年07月20日 23時26分17秒 | フィクション
怨念により、「霊障」という現象が起きる。(らしい)
ある霊能者にいきなりこう言われた。

「家に人を斬った刀がありますね。
 それが今の貴方を不運に、いや『乞食』にしているのです」
「へへへ。そりゃおかしいや」
「はあ?」
「心当りが多すぎてワカンネ」
「な、なんと?」
「アンタは『試し書き』をしたペンの数を憶えているか?」
「……」

そういう人が俺の先祖にいた……かどうかはわからぬが、
じいさんの家は奇妙だった。

着物を掛けておく「物干し竿」みたいな棒の先を
よく見ると「槍の穂先」が付いているし(タダの槍だろ?)
「杖かな?」と思ったら座頭市が使うような「仕込み杖」だったし。

この写真を見たら納得したけど。

しかし、美術品になるような「刀剣」はほとんど残っていなかった。

戦後、武装解除の名の下に進駐軍(アメリカ軍)
に供出させられた。(ようだ)

供出(?)と言っても自己申告制である。
「出さなきゃ良かったじゃん」
と思うが「ハムやソーセージ」などの珍しい食料品欲しさに
「武士の魂」を全て差し出した。(と伝え聞く)

いや、米国側にも露骨に「食べ物で釣った」という記録は無い。(と思う)

が、「模範的日本人」(米軍にとっての)になれば、
そういう駄賃の一つも頂けた事は、想像に難くない。

ちなみにこの写真、妙に西洋人に評判が良い。