ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

絶版文庫(1)

2007年07月10日 21時36分09秒 | 古い日記
学生時代、古本屋で奇妙な本を見つけた。

ビルマ~タイ国境の密林の奥深く。
諜報活動の為に潜り込んだ一人の日本兵。
彼はひょんな事から少数民族の「王様」に祭り上げられた。

しかし、「王様」に就任してから彼は気付く。
自分が愛した国民は「人喰い人種」だった。

が、「成文憲法」を作り、裁判制度や法体系を整理。
ここで「理想的平和国家」の建設に生涯をかけよう、
と、その日本兵は決意した。

現在の寓話、と言うか、
「地獄の黙示録」に似たストーリーだが、ドキュメンタリーである。

立ち読みして「今度買おう」と思ったらなくなってた。
「その時、買っておけば良かった」と今だに後悔している。

その本の題名は「カチン族に捧ぐ」だったと思う。
しかし、今、ググッてもサッパリ引っ掛からないな。
色々調べた結果(本の内容からすると)↓これの事だと思う。

「カチン族の首カゴ」妹尾隆彦(せのおたかひこ)

以下、コピペ

『カチン族の首カゴ』というのがある。
陽気な人好きする性格の日本兵が、カチン族といういわゆる人食い人種
に迎えらえて王様になるというドキメンタリーで、王様になった本人が書いている。

それもカチン族だけでなく、戦争中だから戦争の邪魔になるとイギリス軍に
見捨てられていったイギリス女性や子供達もいて、彼らも日本兵の王様を慕う。
彼は非常に善政を敷いて、戦勝国のどこにも成立しなかったような
インターナショナルな共同体を作ってしまう。

最後に日本軍に見つかって帰還命令が出る。
カチン族も他の人たちも是非残ってくれというのだけれど、
本人もこのまま帰って人殺しに荷担するよりも、
この人たちのために王様でいることの方が人間として尊い生き方
のような気がするのだけれど、結局泣く泣く帰っていく。
やがて、日本軍とカチン族は敵となり、時は流れ、日本は敗戦を迎える。

以上、コピペ終了

カチン族は「ビルマの竪琴」にも出てくる(現代版では種族名は伏せられている)
悪名高い人喰い人種……という伝説があるが、実際には文明人の方が余程恐ろしい。
という真理を突きつけられて読者は何を思うか?

カチン族は今も実在するし、絶対復刻しそうも無いな。

図書館で探すか。