ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

野獣、暁に死す!

2007年07月16日 23時21分07秒 | フィクション
マカロニ・ウエスタンとは「イタリア製の西部劇」
であり、言ってみれば「台湾で制作された時代劇」
みたいなものである。

本来、ロクなモンじゃない筈だが「本物以上の輝き」
を持つ作品も多い。

いや、マカロニが無かったら、クリント・イーストウッドも
世間から忘れさられていたかも知れない。

さて。何だか忘れたが、そのイーストウッドが主役だった映画から。

―西部の田舎町―

一人のヒゲ面の男がガンショップに入る。

「いらっしゃいませ」
慇懃な態度の店員。
「……こいつは幾らだ?」
「最新式の6連発で、格安の○$でございます」
「良さそうだな。試し撃ちをさせてくれないか?」
「はい。裏に射撃場があります」

大人、女、子供、乳飲み子を抱えた少女……etc

その射撃場の的は「人型」だった。

いや、もっと正確に言うと、「インディアンの人型」である。

それを見た瞬間、ヒゲ面はためらいも無く、片っ端から全部撃つ。

「……いや。全く見事なお手前でございます」
店員はあくまで慇懃で無表情。

ユーモアなんだか、「何か訴えたい」のか?
判断が付かぬ程、極、自然にこういうシーンが入る。

こういう脚本はアメリカ人には書けないだろう。
(いや、書けない理由は別だろうな)

―以下、本文―

マカロニ・ウエスタンは後に衰退し、
暴力シーンだけが売りの映画に成り下がる。

見れば判るけど……
「スパゲティの中にうどんが一本混ざっている!」
と話題にはなったが、実に内容の無い映画だった。

野獣暁に死す