長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

これぞ平成深夜!! 可能性の怪物『ウルトラセブン X』の精華 ~資料編~

2022年06月26日 14時20分58秒 | 特撮あたり
特撮TV ドラマシリーズ『 ULTRASEVEN X』とは

 『 ULTRASEVEN X(ウルトラセブン・エックス)』は、2007年10~12月の毎週土曜深夜2:30~3:00に中部日本放送( CBC)を制作局として TBS系列で放送された、円谷プロダクション制作の特撮 TVドラマシリーズ。全12話。

 同じく円谷プロダクション制作の特撮 TVドラマシリーズ『ウルトラセブン』40周年記念作品。ウルトラ戦士の登場する作品としては初の深夜帯放映作品かつ初の1クール作品であり、実写作品としては16:9ハイビジョン放送で制作された初の作品である。制作局は、円谷プロによる「ウルトラシリーズ」第14作『ウルトラマンネクサス』(2004~05年放送)から第16作『ウルトラマンメビウス』(2006~07年放送)までのシリーズに引き続き CBCが務めている。「ウルトラシリーズ」としては、BS11で放送され、後にテレビ東京系列局で地上波放送された番外シリーズ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』(2007~08年放送)とその続編『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』(2008~09年放送)を除けば、最後の地上アナログ放送作品であると同時に、2022年時点では TBS系列で放送された最後の作品でもある。
 『ウルトラセブン』はこれまでにも、直接的な続編『平成ウルトラセブン』シリーズ(1994~2002年)が制作されたが、本作は新しい世界観となる。企画はセブン好きを公言する八木毅の主導で行われ、併せて本作のメイン監督とシリーズ構成も務めた。公式サイトでは当初から「オリジナルのウルトラセブンと SEVEN Xの関係こそが全話を貫く最大の謎」という記述がされており、その真相は最終話にて明かされた。

 企画の発端は、2006年の夏に深夜枠で新機軸を狙った『ウルトラマインズ』という企画で、『ウルトラQ dark fantasy』(2004年放送)のプロデューサーであった表有希子を中心として、CBCへのアプローチが想定されていたため『ウルトラマンメビウス』での監督経験のある八木をメイン監督、プロデューサーの渋谷浩康に企画協力、『ウルトラマンマックス』でも脚本を担当した小林雄次らを招聘。企画を一同で練ったが、2007年初めに企画が仕切り直しとなり、同年に誕生40周年を迎えるウルトラセブンのキャラクターを活かした企画へと舵が切られた。
 さらに八木は、かつて2002年頃にまとめられていた企画案『 ULTRAMAN ZAX』の「地球にさまざまな宇宙人が人知れず潜んでいる」という設定とスタイリッシュさや、『ギャラクティカ』シリーズ(2003~12年)や『24 TWENTY FOUR』シリーズ(2001~17年)などの海外ドラマのテイストも参考にしつつ、小林とともに企画をおよそ3か月ほどで固めていった。

 本作は深夜特撮ドラマらしく「ホラー」や「怪奇」がメインテーマとなっており、初期ウルトラシリーズでも描かれていた「人間に寄生や擬態するエイリアン」、「人間社会に溶け込み暗躍するエイリアン」がメインであるが、「人間自身がエイリアンの起こす事件の原因に関与している」という、過去のウルトラシリーズとは異なる部分がある。また、SEVEN Xとエイリアンとの戦いがメインではなく、「エイリアンが起こす怪事件や殺人を組織が捜査し、その事件の首謀者であるエイリアンを SEVEN Xが倒す」という構図を取っている。平成に制作されたウルトラシリーズとしては珍しく、エイリアンが起こす事件で死者が出たり、数か所ではあるが流血シーンも存在する。
 リアリティを重視するため、特撮パートではミニチュアセットを組まず極力セット製作を抑えてグリーンバックやブルーバックで撮影され、実景とのデジタル合成や造形物のない CG作画のみの敵キャラクターが主体となっている。また、他のウルトラシリーズと比較して戦闘シーンが極めて短く、ドラマパートに重点が置かれている。ウルトラシリーズでは初の本格的なワイヤーアクションが取り入れられている点も特徴である。
 「戦闘機などの巨大兵器」、「組織内で統一された隊員服」といったそれまでのウルトラシリーズの要素や、『セブン』や『平成セブン』に登場した「カプセル怪獣」の要素は、本作では踏襲されていない。
 番組タイトルや変身ヒーローの名称、サブタイトルが今までのウルトラシリーズとは異なり英語表記となっている。また、主要スタッフやキャスト、主題歌の表記もエンドロールのみとなった。高年齢層を視聴対象とした作品であるが、児童向けの超百科では他のウルトラシリーズと同様に取り併記されている。
 放送終了後の2008年5月に、本編の内容を補完する小説版『 ULTRASEVEN X』が、ホビージャパンより刊行された。執筆は第1・6・10~最終話の脚本を担当した小林雄次と、小林の実弟である小林英造が担当。本文挿絵は特撮キャラクターデザイナーの酉澤安施が担当している。


あらすじ
 近未来を思わせる、我々の生きる世界とは似て非なる世界。大気汚染は深刻化しているものの、あらゆる戦争やテロが根絶され、町には政府の方針やさまざまな情報を報じる巨大モニターが各所に設置されており、人々はその情報によって支配される高度な管理社会を形成している。
 ある日、深い水の中に漂う夢を見て男は目覚めるが、彼はそれまでのすべての記憶を失っていた。そこに白いドレスの女が現れて赤い眼鏡(ウルトラアイ)を託し、腕時計型の機械(ビデオシーバー)のスイッチを入れる。「この世界を救って欲しい」と告げる彼女に促され窓から飛び降りた男は、腕時計の不思議な力で地上に降り立つ。その直後、2人の居た高層ビルは爆破された。
 用意された車で自宅に戻った男は、自分の素性にまつわる一切の痕跡が消されていることを知る。戸惑いを隠せない男のもとに、腕時計型の機械から無機質な声が響く。「エージェント・ジン。新たなミッションだ。」それにより、男は自分の名前がジンであることを知る。
 状況が把握できないままクラブでエージェント・ケイと合流したジンは、自分たちがエイリアンを密かに抹殺する組織「 DEUS」の一員であることを聞かされる。人間の女性に擬態したエイリアンを追ったジンは、彼らのアジトにたどり着く。するとそこに再び白いドレスの女が現れ、「戦いなさいジン。貴方はこの世界の救世主よ。」と告げる。ウルトラアイを装着したジンは、赤い巨人( ULTRASEVEN X)に変貌する。こうして、世界を守ると決意したジンの孤独な戦いが始まるのであったが、その様子を監視している何者かの姿があった。


おもな登場キャラクター、組織、専門用語(俳優の年齢は放送当時のもの)
ジン / ULTRASEVEN X …… 与座 重理久(えりく 26歳)
 25歳。本作の主人公。DEUSのエージェント。過去の記憶を失っているが、水に全身を包まれる感覚と白いドレスの女性と相対する自分の姿というイメージだけは残っている。寡黙だが内面は熱く、ULTRASEVEN Xの力でこの世界を守ることを決意している。本来の性格も暗いわけではない。エージェントとしての実力は高く、直感力や洞察力に優れ、即座の判断にも長ける。また、生身でもエイリアンに互角に対抗できる戦闘力を有している。愛車はキャディラックSRX(初代)で、他の DEUSエージェントからのウルトラガンによる攻撃を弾く特殊仕様となっている。

ULTRASEVEN X …… 新上 博巳(スーツアクター 37歳)
 ジンが変身する超人。
 額のビームランプ、胸と肩のプロテクター、腹から足への銀色のラインなど、従来のウルトラセブンのデザインを踏襲しているが、小さくなった頭部や吊り上がった形状の目、アイスラッガーのデザインなどに相違点も見受けられる。
 変身方法はオリジナルと同様でウルトラアイを使用し、必殺技もワイドショット、アイスラッガー、エメリウム光線と従来のセブンと同様であるが、アイスラッガーは発光せずブーメランのように回転して飛行する。人間の等身大から身長40m、体重3万5千t の巨人へと自由に変化できる。
 作中では、ボーダ星人戦やメカ・グラキエス戦を除けば苦戦することはほとんどなく、圧倒的な戦闘力でエイリアンを倒している。劇中では「赤い巨人」と呼ばれている。

冴木 エレア …… 加賀美 早紀(22歳)
 22歳。本作のヒロイン。ジンにウルトラアイを授けた白いドレスの女。神出鬼没でジンに助言や警告を与える。
 DEUS のエージェントではなく、過去に AQUA PROJECTに携わっていた科学者であり、恋人のジンから AQUA PROJECTの真実を聞かされ、地下でグラキエスへの抵抗活動を続けると同時に、記憶を失ったジンを導いていた。ジンによれば星が好きらしい。

ケイ …… 脇﨑 智史(24歳)
 25歳。日常的にジンとパートナーを組むことの多い DEUSのエージェント。やや軽い単純な性格のかっこつけたがりでコメディリリーフな役割が多いが、ウルトラガンの射撃に関しては高い実力を持つなどエージェントとしての腕は確かで、地球を守ることに使命感と誇りを持っている熱血漢。服装は白を基調とし、ジンとは対照的。甘党でプリンが好物。エスに好意を持ち、頭が上がらない。

エス …… 伴 杏里(22歳)
 25歳。ジンやケイと共にパートナーを組むことの多い DEUSのエージェントで、潜入捜査を得意とする。好物のチョコを食べていることが多い。エージェントとして銃の扱いにも長けているが、格闘技が最も得意。ジンが裏切り者として指名手配されても彼を信じ続けるなど、強い仲間意識を持つ姉御肌。衣装は黒で、ケイと対になるようになっている。

DEUS司令 …… 夏木 陽介(声の出演 71歳)
 DEUSの司令官。ビデオシーバーを通して各エージェントにミッションを伝える。どこにいるのかも、何をしているのかも謎に包まれている。

DEUS
 人類社会に侵入したエイリアンを捜索して抹殺することを主な目的とする、国家的秘密組織。メンバーは「エージェント」と呼ばれ、メンバー同士ではコードネームで呼び合っている。
 公表されていない地下空間に無数のモニターと巨大なホストコンピューターが設置されたエリアを持つ。エージェントは普段、一般市民として生活しているが、ビデオシーバーで司令官からの指令や作戦を受け、複数名でミッションを遂行する。各エージェントは通信以外にも多くの機能を持つ万能通信機ビデオシーバー( VC)と、対エイリアン用にカスタマイズされたエネルギー銃「ウルトラガン」を携帯する。

VC(ビデオシーバー)
 エージェントたちの通信をつなぐほか、簡易の検査機能、GPS機能や電磁バリア展開機能を含めて機能はさまざまで、反重力システム(「 ANTI GRAVITY」の文字が表示される)を起動させれば、高層ビルから落下しても無事に着地できる。腕時計のように手首に巻いて携帯する。

ウルトラガン
 エージェントたちが携帯する、対エイリアン用にカスタマイズされた小型エネルギー銃。下部をスライドさせ、エネルギーを装填することでレーザービームを発射する。
 『ウルトラセブン』でウルトラ警備隊が使用していた銃と同名だが、形状は大きく異なり、銃身より銃把が多くを占めているデザインとなっている。別名「ウルトラガンX 」。


登場するエイリアン、怪獣(俳優の年齢は放送当時のもの)
時空怪獣ガルキメス(第1話「 DREAM」に登場)
 身長40m、体重6万t。
 地球社会の中枢に潜入して人間に擬態し、自分たちの侵略活動をチェスに例えるエイリアン集団のキング(演・大谷朗)が操る、巨大な2足歩行の人型生命体。時空のゲートを経由して地球上に出現し、手から緑色の破壊光弾を発射して大都市の破壊活動を行う。ガルキメスを操るエイリアン集団の正体は終始明かされず、最後まで地球人の姿であった。
 デザインイメージはガジュマルで、極彩色の体色にしている。
 その後、スーツのマスク部分は映画『ウルトラマンオーブ』(2017年)のガルメス人に改造された。

エージェント・ケイとアールと戦っていたエイリアン(第2話「 CODE NAME"R"」に登場)
 身長2m、体重120kg(ペガッサ星人の情報)。
 エージェント・ケイの回想シーンに登場したエイリアン。1年前にエージェント・ケイとアールと交戦し、ウルトラガンの攻撃を受けて倒れた。『ウルトラセブン』第6話「ダーク・ゾーン」や『平成ウルトラセブン』シリーズの「ダーク・サイド」(2002年リリース)などに登場した放浪宇宙人ペガッサ星人のスーツを流用している。ただし、映像に映ったのは腕の部分のみで全身像は明らかになっていない。

宇宙商人マーキンド星人(第3話「 HOPELESS」に登場)…… 小宮 孝泰(51歳)
 身長170~190cm、体重70~100kg。
 タマルという地球人に擬態していた昆虫型エイリアン。目と腕から破壊光線を出す。地球を侵略する意志はなく、他エイリアンからの依頼で商品を製造し販売する商人。侵略兵器製造の依頼を受け、仕事の無い人間たち「ホープレス」をアルバイトとして雇って脳のエネルギーを吸収して侵略兵器を造っていた。飛行能力を持つが、戦闘では地上での格闘戦が主体である。
 頭部全体を光らせるために、触覚が球体の上に付いているイメージでデザインされた。
 のちに「ウルトラシリーズ」第20作『ウルトラマンX 』(2015年放送)、第24作『ウルトラマンタイガ』(2019年放送)にも再登場している。

パラサイト宇宙生物ペジネラ(第4話「DIAMOND"S"」に登場)
 身長42m、体重4万t。
 ナノサイバティクス社の社員や、機能性化学薬品「シャイナー05」を服用する人間の脳に寄生していた、パラサイト型エイリアン。肉塊のような身体に爬虫類を思わせる体表を持つ。元々はひとつの生命体で、細胞分裂によって自己増殖を繰り返す本能しかもっていなかったが、人間に寄生して知能を得たことからシャイナー05を使って効率的に増殖したうえ、人間とは違う新しい身体を製造していた。無数の小型ペジネラが合体することで、巨大生物に変化する。破壊光線のほか、粘液状の小型ペジネラを吐いて相手の動きを封じる。動きは身軽で、アイスラッガーも受け止める。同話の最後では回収し切れなかった販売済みのシャイナー05が存在していたことから、ペジネラを殲滅できてはいないことが示唆されている。
 左右に分割した下あごからスーツアクターの手が入るようになっており、手を上げることで口が閉じる仕組みになっている。
 その後、スーツは『ウルトラマンX 』の不動怪獣ホオリンガに改造された。

チャムダ星人(第5話「PEACE MAKER」に登場)…… やべ けんじ(34歳)
 身長180cm、体重65kg。
 アルファケンタウリ星系のエイリアン。同星系に住むボーダ星人とは交戦状態にある。蒼い肌と額にも目を持つこと以外は外見に地球人との相違は無いが、容姿は全員が同一であり、身体能力はきわめて低い。細身で、地球の重力下では長時間の歩行すらままならない体質の脆弱さと社交性の高さから、地球への害意や侵略の危険は無いと DEUSに判断され、地球亡命を認められている。しかし亡命は表向きの理由でしかなく、真の目的はボーダ星人が地球に隠した守り神「オリファム(鉱石)」を発見し、彼らに対抗することであった。オリファムを発見した後はボーダ星人を殲滅することで戦争を終わらせる旨を述べ、帰還する。結局、双方の星が滅亡してしまったため、グラキエスには「双方とも愚か」と一蹴されている。

凶暴宇宙人ボーダ星人(第5話「PEACE MAKER」に登場)
 身長2m、体重120kg。
 アルファケンタウリ星系のエイリアン。戦力は腕から放つ破壊光線と体の前面に張るバリア。同星系に住むチャムダ星人とは交戦状態にあり、彼らから「守り神」、「彼らのすべて」などと称される緑色に発光する十六面体の緑色の石「オリファム」を奪い、地球に隠していた。複数のチャムダ星人が亡命を理由に地球に飛来してオリファムの探索を開始したため、彼らを抹殺するために再び地球へ侵入し、次々と殺害していく。頭部内部にもう1つ凶暴な牙を隠し持っているほか、大柄な体格とは裏腹に俊敏性と超怪力を持っており、チャムダ星人曰く、オリファムの力がなければ不死身らしい。ULTRASEVEN Xを追い込むほどの戦闘能力を持つ。

ヴァイロ星人(第7話「YOUR SONG」に登場)
 身長175~180cm、体重70kg。
 地球を侵略するために先兵を送り込んでいたヒューマノイド型エイリアン。死ぬと跡形もなく消滅してしまう。侵略を行う兵士は最高権力者から白いマスクを直接手渡され、死ぬまでそのマスクを外してはならない。先兵の調査員として地球へ侵入し、侵略のための調査を行っていたナタル(演・石川紗彩)は、地球の歌に対する愛情と DEUSのエージェント・ディーとの出逢いからマスクを外してしまったため、反逆者として同胞たちから命を狙われていた。統制の取れた集団行動を行いながら、マスクのパラボラ状の口元に取り付けられた円形の装置に両手を当てて強力な破壊音波を伴う甲高い声を発し、敵を攻撃する。ウルトラガンの攻撃を素手で偏向させたリーダー格とうかがえる個体は、飛行物体からバドリュードを出現させた。

生物破壊兵器バドリュード(第7話「YOUR SONG」に登場)
 身長45m、体重6.5万t。
 ヴァイロ星人のリーダーが飛行物体の船底から出現させた、ゼリー状の液体で形成された二足歩行の巨大ロボット。ヴァイロ星人のマスクと同様に、頭部の発光体に両手を当てて発射する超音波光線で敵を攻撃する。
 体表は内臓のようにブヨブヨとしており、胸部を中心に機械が各部から露出したものをベースに、デザインのモチーフにはシャンパンゴールドのカラバリが選ばれた。黒い模様は布袋寅泰のギターのデザインを元にしているという。

殺戮宇宙人ヒュプナス(第8話「BLOOD MESSAGE」に登場)…… 黒田 勇樹(25歳)
 身長175~180cm、体重75kg。
 何者かによってエイリアンとしての記憶を消され、人間の姿で普通の生活を営んでいる。しかし、一度極度の肉体的苦痛を受けると、エイリアンとしての殺戮本能が覚醒し、両手に持つ鋭利な爪の一掻きで人間を絶命させる本来の容姿と、脆弱な人間としての容姿を使い分けながら、周囲の人間を無差別に殺害する。過去に2体が発見されており、DEUSに捕獲された2体目の自白から、何者かが無差別殺人を目的として放ったことが判明する。3体目のアガタ・キョウスケは人間の妻のアサミを得て生活していたところ、ドラッグシンジケートの売人たちに撃たれたことで覚醒してアサミを殺害するが、「ドラッグの売人たちにアサミを殺害された」という記憶に書き換えて彼女の赤いコートを着込み、売人たちへの「復讐」を続けていた。まだ妻が生きているという妄想に取り付かれていたが、その真実にたどり着いたジンと対峙して自分の青い血液を見たことから本来の記憶を取り戻し、ようやく本性を現す。潜伏中のヒュプナスの数は不明のまま、同話は幕を下ろす。
 スーツのボディは、「ウルトラシリーズ」第12作『ウルトラマンガイア』(1998~99年放送)に登場したウルトラマンアグルの流用。
 のちに映画『ウルトラマンオーブ』(2017年)、映画『ウルトラマンジード』(2018年)、第24作『ウルトラマンタイガ』(2019年放送)、映画『ウルトラマンタイガ』(2020年)にも再登場している。

獣人(第9話「RED MOON」に登場)
 身長180~190cm、体重70kg。
 尾形朔(サク 演・高野八誠)と名乗る兄と共に星々を旅していたエイリアン。普段は地球人と同じ外見で尾形望(ノゾム 演・小笠原宙)と名乗っており、水に触れると体細胞が変化する特異体質ゆえに水を恐れていたが、100年前の皆既月食の夜に恋に落ちた地球人の女性・鷺ノ宮まひるの願いを聞き入れてやむなく池の水に触れ、全身が鱗に覆われた半魚人のような怪物と化してしまう。この際にまひるを殺害しているが、本人はその事実を受け入れず、100年ぶりに目覚めても彼女を探していた。

小型集合体グラキエス(最終話「NEW WORLD」に登場)
 身長4.8m、体重2.5t。
 情報網を掌握することで地球文明に気付かれずに管理社会を作り上げ、他のエイリアンを排除するために DEUSを組織し、AQUA PROJECTを利用して平行する異世界への侵攻も画策していた真の支配者たち。ジンの脳裏に老紳士や中年とうかがえる男女3人の人間に擬態した姿(演・野口雅弘、ナカヤマミチコ、千葉誠樹)で現れ、自分たちの目的は侵略と支配ではなく、平和な世界の維持だとうそぶく。本来はクモに似たエイリアンであり、攻撃力は高くない。
 ヘビのような体表で、目がオレンジ色に光っている。着ぐるみではなくフルCG で表現された。

巨大機械生命体メカ・グラキエス(最終話「NEW WORLD」に登場)
 体長89m、体高33m、体重9万t。
 攻撃力の高くないグラキエスが、自己防衛のために自分たちを模して造った巨大なクモ型機械生命体。3体でフォーメーションを組んで現れ、火炎弾や粘液状の糸を使った連携攻撃で一度は ULTRASEVEN Xを退ける。
 目は青く光っている。グラキエス同様、着ぐるみではなくフルCG で表現されている。

AQUA PROJECT
 ある周波を水に照射することによって、原子力に代わる莫大なエネルギーを確保しようという政府の計画。しかし、その実験中に偶発的に異世界(ウルトラセブンが存在する次元)へのゲートが出現したため、計画は凍結された。

おもなスタッフ(年齢は放送当時のもの)
監修・製作  …… 円谷 一夫(46歳)
製作統括   …… 大岡 新一(60歳)
シリーズ構成 …… 八木 毅(40歳)
監督 …… 八木毅、鈴木 健二(50歳)、梶 研吾(46歳)、小中 和哉(44歳)
脚本 …… 小林 雄次(28歳)、太田 愛(43歳)、福田 卓郎(46歳)、金子 二郎(45歳)、林 壮太郎(38歳)、長谷川 圭一(45歳)
アクション監督 …… 小池 達朗(38歳)
ウルトラセブンX デザイン・画コンテ …… 酉澤 安施(45歳)
エイリアン・小道具デザイン …… 丸山 浩(45歳)
エイリアンデザイン …… さとう けいいち(41歳)
スタジオ …… 東宝ビルト
エンディング主題歌『 Another day comes』(作曲・歌:Pay money To my Pain)
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これ、面白かったなぁ ゲーム『源平合戦』をふりかえる ~資料編で力つきた……~

2022年06月12日 20時48分45秒 | 日本史みたいな
歴史シミュレーションゲーム『源平合戦』(1994年9月発売 光栄)
 『源平合戦(げんぺいかっせん)』は、光栄(現・コーエーテクモゲームス)から発売されたPC-9801用歴史シミュレーションゲーム。家庭用ゲーム機には移植されなかったため、他のゲームシリーズに比べて知名度は低い。
 2004年10月に「コーエー25周年記念パック Vol.4」の一作として再発売された。翌2005年7月15日には「コーエー定番シリーズ」で単品発売されている。
 プレイヤーは源頼朝、源義経、平清盛、平宗盛、源義仲、藤原秀衡などの源平の争乱に活躍した武将のひとりとなって他勢力の打倒を目指す。
 1180年、源頼朝が石橋山合戦から逃れ鎌倉に拠を構えたところから始まり、平家が壇ノ浦合戦で滅び、頼朝と義経の対立が露わになった時代までを扱っている。

各勢力の特徴
 基本的には九州北部から東北までの、日本列島エリアに散在する拠点を奪い合う「信長の野望シリーズ」や「三國志シリーズ」と同タイプのゲームであるが、本作では各勢力固有のコマンドが存在して、特色・個性を打ち出している。

清和源氏
 戦闘時の計略等に「財貨(金銭)」が殆どかからないが「商業奨励」ができないので、不足しがちな財貨は兵糧を売って補う必要がある。あまりに時間がかかると赤字になることもある。源氏は動員兵の訓練が出来、武将の「武力」「勇名」が高い。また、三勢力中、唯一「弓術」を上げられる「流鏑馬」イベントを実行可能である。

桓武平氏
 「商業奨励」ができ、「優雅」の高い人材が多く、三勢力中唯一可能な「歌会」イベントによる朝廷親密度のアップがしやすいが、何をするにも財貨が要る。動員兵の訓練ができないので、雑兵の数を揃えて補う必要がある。武将の「優雅」が高く特殊技能「操船」を持つ武将が多いため、海戦が有利。

奥州藤原氏
 「金山開発」イベントによって、非常に豊かな拠点である平泉の「金」収入をさらに上げられるが、武将の能力、頭数はやや不足している。

武将の能力
 登場する武将にはそれぞれ、知力・武力・優雅・勇名・菩提・加護・無常・弓術という能力値のほかに、和歌・音楽・奇略・操船といった特殊能力が設定されている。ただし、特殊能力を持たない武将もいる。
 毎年1月になると、年齢が25歳未満の武将は知力・武力・弓術の能力値が2ずつ上昇し、60歳以上の武将は武力・弓術が1ずつ低下してゆく。
 また、本作の特徴として源平合戦の諸行無常観を表現した「無常」という能力値がある。「優雅」の値が高い敵将を捕らえて斬ることで「無常」の値が上がる。この値が一定数に達すると、その武将は世を儚んで出家し、以降ゲーム上に登場しなくなる(例:熊谷直実)。

戦闘システム
 拠点をつなぐ「ポイント・トゥ・ポイント」制ではあるが、「行軍」システムも採用され、拠点外で敵軍と遭遇すると「野戦」となる。野戦は、画面中央に正方形の凹凸のあるマップに、左右上方に対戦する武将のバスト・ショットという珍しいグラフィックを用いている。指示は各ターン開始時に決めたら、あとはオートで進行し、細かい操作はできない。移動手段として「待機」「接近」「接触」「迂回」「回避」「離脱」、攻撃方法として「弓矢」「肉弾(白兵戦)」「特殊(落石・突撃・組み打ちなど)」「防御」がある。
 「特殊」は、特殊能力「奇略」を持つ武将ほど成功率が高くなる。落石、突撃で敵の動員兵に大ダメージを与えたり、時には敵の武将を一撃で生け捕りにすることもある。

朝廷関係
 本作では、朝廷勢力との関係性も他の作品より深い。
 まず、ゲーム上における武将の動員兵力数は、朝廷より叙せられる官位の上下の格によって決定される。 たとえば「前太政大臣」清盛が5000の兵力を動かすことができる一方で、無官の武将は500の兵力しか動かせない。武力が高くても官位の無い武将は、武力が低くても官位のある武将に敗れることも多い。
 官位を得るためには朝廷関係が重要であり、これは武将の「優雅」という能力に左右される。「優雅」値は義仲や頼朝など東国武士勢力は低く、都育ちの平家は高い。
 動員兵の数に関係する官位は、毎年1月、7月に行われる「論功行賞」にて、朝廷関係者が下賜することで基本的に得ることができる。一定以上の勲功が溜まった武将がおり、かつ「朝廷関係(朝廷友好度)」が70以上であると勲功に応じた官位がいくつか下賜される。朝廷関係は朝廷に金銭を献上する(金200につき1上昇)ほか、平氏のみ「歌会」を成功させることによっても上昇する。
 各拠点には「治安(民忠誠度のようなもの)」という数値が設定されており、自勢力が支配している拠点のうち、1カ所でも40未満の箇所があると、季節の変わり目に朝廷関係が低下してしまう。また、治安が30未満の拠点は季節の変わり目毎に人口が減少し、逆に50以上の拠点は人口が増加していく。

朝廷の陰謀
 歴史上でも、天下人であった清盛や頼朝は、朝廷との関係、特に後白河法皇との関係に常に悩まされていた。ゲーム上でも朝廷勢力が存在し、ゲーム上における最大勢力や、京を支配している勢力、または朝廷関係が極端に悪い勢力に対して様々な陰謀を仕掛けてくる。配下武将を篭絡して忠誠度を下げたり、その勢力から離反させたり、豪族勢力を武家勢力に昇格させたり、あるときには公家衆(九条兼実、近衛基通など)を新たな武将として最大勢力に対抗する勢力に家臣として送り込むこともある。公家なので武力は低いが政治力や知力が高いため、敵の勢力が強化されることは必至である。しかもこの朝廷勢力は、他の勢力と違って武力で取り潰すことは不可能である。

主な発生イベント
 本作では、歴史上の出来事を反映した様々なイベントが用意されている。
「兄と弟」…… 頼朝と義経の再会を祝するイベントで、シナリオ1開始直後に起こる。
「還都」 …… 清盛は以仁王の乱後、播磨国福原に遷都していたが、ゲームでは京の治安悪化を理由に都を戻すこととなる。還都した場合、京の治安が改善する。
「英雄の死」…… 平家総帥である清盛が熱病にかかって死去するイベント。1181年2月以降にほぼ確実に起こる。ただし頼朝が死んでいるとこのイベントは起こらないため、頼朝を捕らえて殺すことによって回避できる。
「朝日将軍」…… 京に入った義仲が、後白河法皇から朝日将軍に任命されるイベント。義仲の可能動員力が4900になり、平家武将全員の官位が解かれる。今井兼平など一部の有力武将にも官位が与えられる。平氏でプレイした場合には、「朝廷関係を100に保つ」か「京を奪回する」かのどちらかの条件を満たせば、このイベントが起こることはない。
「敦盛最期」…… 熊谷直実は敦盛を討ったことによって、無常値が90以上となって出家してしまう。

設定シナリオ
シナリオ1「頼朝、鎌倉に拠を構える」(1180年10月)
 時代設定は、富士川合戦前夜の平氏政権絶頂期。そのため、清盛は全国の半分以上を支配し、兵力・経済力の面で他の勢力を圧倒している。唯一の対抗馬である頼朝は、人材の質と量においては清盛に負けていないが、支配している拠点の数が少なく周囲を敵に囲まれている。このシナリオでは頼朝、清盛、義仲、秀衡をはじめ、武田信義、新田義重、足利俊綱、佐竹秀義、河野通清、緒方惟栄、城資永、湯浅宗重、田口成良、大庭景親、永縁らの地方豪族など多数の勢力が存在する。

シナリオ2「義仲、入京を果たす」(1183年7月)
 時代設定は、倶利伽羅峠合戦で義仲に敗れた平家が都落ちした直後。平家はすでに清盛亡く、宗盛が後を継いでいる。支配する拠点の数はシナリオ1から半減し衰退は否めないものの、平教経らを擁して巻き返しを期している。他の武家勢力では12の拠点を支配する義仲、11の拠点を支配する頼朝、拠点こそ少ないものの金山を有して経済力を誇る秀衡がいる。また、地方豪族は淘汰が進み、緒方惟栄、河野通信、足利俊綱、菊池隆直、湯浅宗重らが各地に割拠している。

シナリオ3「平氏、西海で再建を図る」(1184年10月)
 時代設定は、義仲が頼朝が送り出した源範頼・義経兄弟によって滅ぼされ一ノ谷合戦によって平家が大敗を喫した直後。そのため、頼朝の勢力は拠点を25にするまで拡大している。平家は一ノ谷の大敗で武将の多くを失っており、有能な人材も多く抱える頼朝にとってもはや敵ではなくなってきている。しかし、秀衡が武将数や有能な配下を増やしており、頼朝にとって厄介な存在となっている。豪族勢力では河野通信、菊池隆直、緒方惟栄、熊野湛増らが存在する。

シナリオ4「義経、兄頼朝と敵対す」(1185年10月)
 時代設定は、平氏が壇ノ浦で滅亡し頼朝と義経との対立が始まった時期。豪族勢力では菊池、緒方が存在する。武家勢力では、34の拠点を支配して天下制覇目前の頼朝と、京の1拠点しか支配していないものの武蔵坊弁慶ら有能な武将を配した天才武将・義経と、武将の頭数や経済力が豊かな秀衡とがそれを阻止するため争うこととなる。


2022年度大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主な登場人物の、ゲーム『源平合戦』での能力値(俳優の年齢は放送開始当初のもの)
〇鎌倉殿の13人
北条 義時(1163~1224年)…… 小栗 旬(39歳)
 本編の主人公。伊豆国の豪族・北条時政の次男。母は伊東祐親の先妻の娘。通称は小四郎。のちの相模守・陸奥守・右京権大夫、鎌倉幕府第二代執権。
 知力84、武力64、優雅47、勇名29、加護92、特殊能力なし

北条 時政(1138~1215年)…… 坂東 彌十郎(65歳)
 北条義時の父。通称は四郎。伊東祐親の娘で義時らの生母である先妻と後妻と相次いで死別し、大番役のため京入りしていた時に見初めた公家の娘・りくを3人目の妻とする。
 知力94、武力67、優雅56、勇名46、加護90、特殊能力なし

三浦 義澄(1127~1200年)…… 佐藤 B作(72歳)
 相模国三浦郡の豪族。妻は伊東祐親の娘。通称は次郎。陽気な性格だが義理堅く、敵方となった相手をも心配する。義兄弟でもある北条時政とは悪友で気心が知れた仲である。
 知力73、武力82、優雅43、勇名54、加護83、特殊能力:操船

和田 義盛(1147~1213年)…… 横田 栄司(50歳)
 三浦義澄の甥で義村の従兄。通称は小太郎。髭を蓄えた強面で弓の名手だが気が短く、平家方として敵対したのち頼朝に下った畠山重忠を恨んでいる。源頼朝が鎌倉へ入ると初代侍所別当に任じられる。
 知力81、武力82、優雅38、勇名71、加護75、特殊能力:操船

安達 盛長(1135~1200年)…… 野添 義弘(63歳)
 源頼朝の従者。妻は頼朝の乳母・比企尼の娘。通称は藤九郎。流人時代から頼朝に仕えており、頼朝が本心を明かせる家人の一人である。押しに弱い面があるが、時には無茶で理不尽な頼朝の命をもそつなくこなす。
 知力69、武力63、優雅32、勇名43、加護87、特殊能力なし

比企 能員(?~1203年)…… 佐藤 二朗(52歳)
 武蔵国比企郡の豪族。比企尼の甥。通称は藤四郎。飄々としているが目先の損得に流されやすいところがあり、妻の道から苦言を呈されることもある。源頼朝と北条政子の嫡男・万寿(のちの源頼家)が産まれると、その乳母夫となる。
 知力84、武力77、優雅72、勇名29、加護76、特殊能力なし

梶原 景時(1140~1200年)…… 二世 中村 獅童(49歳)
 相模国鎌倉郡の豪族。通称は平三。冷静に状況を判断する現実主義者。無骨な坂東武者が多い中、和歌を詠むなどの教養も持ち合わせる、文武両道の武人。石橋山合戦では平家方として戦うが、山中に隠れていた源頼朝をあえて見逃す。のちに北条義時の仲介で頼朝の家人となり、以降は頼朝の命で諜報活動を行うようになる。平氏討滅の西国遠征の際には源範頼率いる本隊の軍奉行を務めた。
 知力92、武力78、優雅68、勇名53、加護72、特殊能力:和歌・音楽・操船

足立 遠元(1130年代前半~?年)…… 大野 泰広(45歳)
 武蔵国の豪族。源頼朝の父・義朝の代からの源氏家人で、頼朝から鎌倉・大倉御所の差配を任される。
 知力82、武力66、優雅49、勇名33、加護73、特殊能力なし

八田 知家(1142~1218年)…… 市原 隼人(34歳)
 常陸国の豪族。のちに右衛門尉・筑後守となり、鎌倉幕政に重きをなした。
 知力69、武力82、優雅37、勇名45、加護78、特殊能力なし

三善 康信(1140~1221年)…… 小林 隆(62歳)
 京出身の下級公家。太政官書記。母は源頼朝の乳母。流人となった頼朝に月に一度書状を送り、都や朝廷の情勢を伝えている。頼朝の挙兵のきっかけを作った。鎌倉入りした頼朝の要請で、大江広元・中原親能・藤原行政を側近に推挙する。鎌倉幕府初代問注所別当。
 知力89、武力25、優雅77、勇名11、加護88、特殊能力:和歌

大江 広元(1148~1225年)…… 栗原 英雄(56歳)
 源頼朝の側近で、政策を担う官僚。元は朝廷に仕える下級公家。官職は安芸介。三善康信の推挙により中原親能・藤原行政とともに鎌倉に下向する。頭脳明晰だが冷静かつ冷徹な性格で、坂東武者とは違った立場で動向を観察、分析して頼朝を支える。
 知力96、武力22、優雅77、勇名16、加護87、特殊能力:和歌

中原 親能(1143~1209年)…… 川島 潤哉(42歳)
 源頼朝を支える官僚で、大江広元の兄。官職は斎院次官。鎌倉下向後も頼朝の使者として上洛することが多い。
 知力91、武力48、優雅72、勇名25、加護74、特殊能力:和歌

二階堂 行政(?~?年)…… 野仲 イサオ(62歳)
 源頼朝を支える官僚。官職は主計允。
 ゲーム『源平合戦』に登場せず。

〇源頼朝とその関係者
源 頼朝(1147~99年)…… 大泉 洋(48歳)
 源氏の棟梁。のちの鎌倉幕府初代征夷大将軍。河内源氏の嫡流・源義朝の三男。かつての官職・右兵衛権佐にちなんで「佐殿(すけどの)」、鎌倉入り後は「鎌倉殿」と称される。
 知力95、武力78、優雅73、勇名95、加護90、特殊能力:貴種

源 義経(1159~89年)…… 菅田 将暉(28歳)
 源義朝の九男で頼朝の異母弟。通称は九郎。静御前や弁慶からは「御曹司(おんぞうし)」と呼ばれている。幼い頃に父・義朝が平治の乱で敗れたため、京の鞍馬寺に預けられる。のちに寺を出て奥州の覇者・藤原秀衡の庇護を受ける。兄・頼朝が鎌倉入りすると参上し、頼朝を感動させている。しかし坂東武者とそりが合わず、度々問題を起こして頼朝らを悩ませる。壇ノ浦合戦で平家を滅ぼすも、後白河法皇と頼朝との板挟みに遭い、頼朝と不仲になる。
 知力75、武力102、優雅74、勇名90、加護86、特殊能力:音楽・奇略・貴種

武蔵坊 弁慶(?~1189年)…… 佳久 創(31歳)
 義経の従者。元は比叡山延暦寺の僧。
 知力60、武力96、優雅30、勇名65、加護60、特殊能力:奇略・操船

源 範頼(1150~93年)…… 迫田 孝也(44歳)
 源義朝の六男で頼朝の異母弟、義経の異母兄。母は遊女であり、義経から母の出自を揶揄されたこともあった。「蒲冠者殿(かばのかじゃどの)」や「蒲殿(かばどの)」と呼ばれる。遠江国蒲御厨に生まれ、平治の乱後に貴族の官人・藤原範季に引き取られている。頼朝の元へは義経や阿野全成に遅れて参上した。生真面目な性格で剣の腕も立ち、源氏と坂東武者の間を取り持ち、頼朝を補佐する。平家および木曽義仲の討伐に際しては鎌倉軍の総大将を務め、不満のくすぶる坂東武者をまとめ上げるだけでなく、義経の戦略を全面的に支持した。
 知力66、武力68、優雅51、勇名30、加護79、特殊能力:貴種

阿野 全成(ぜんじょう 1153~1203年)…… 新納 慎也(46歳)
 源義朝の七男で頼朝の異母弟、源義経の同母兄。「醍醐禅師(だいごぜんじ)」と称する。平治の乱後、京の醍醐寺に預けられ出家する。剛毅な性格から「悪禅師」と呼ばれたこともある。石橋山合戦の後、伊豆山権現に匿われていた政子らのもとに仁田忠常とともに現れ、鎌倉入りした頼朝と合流する。妻は北条政子の妹で、源実朝の乳母となった。
 知力72、武力60、優雅53、勇名19、加護83、特殊能力:貴種

源 義円(ぎえん 1155~81年)…… 成河(40歳)
 源義朝の八男で頼朝の異母弟、義経の同母兄。幼名は乙若。孫子の兵法に通じ弓矢の名手だけでなく、和歌にも精通している。平治の乱後、近江国の園城寺に預けられ出家する。のちに後白河法皇の皇子・円恵法親王の判官を務めた。源氏の兄弟では最後に頼朝の元へ参上する。
 知力53、武力73、優雅61、勇名14、加護28、特殊能力:貴種

源 行家(1141~86年)…… 杉本 哲太(56歳)
 頼朝の祖父・源為義の十男で、頼朝や木曽義仲の叔父。通称は十郎。平治の乱では兄・義朝とともに戦うが敗れ、熊野へ逃れている。以仁王による平家討伐の令旨を携えて全国を行脚し、頼朝ら源氏一門に決起を迫る。
 知力81、武力69、優雅63、勇名44、加護29、特殊能力:貴種

牧 宗親(?~1195年以降)…… 山崎 一(64歳)
 北条時政の妻りくの兄で、北条義時の義理の伯父。京出身の公家で、源頼朝の御台所となった北条政子に教育を施すため、妹りくの要請で鎌倉へ下向する。
 知力62、武力52、優雅36、勇名18、加護37、特殊能力なし

文覚(もんがく 1139~1203年)…… 四世 市川 猿之助(46歳)
 真言宗神護寺の僧。伊豆国に配流されていた頼朝に会って平氏打倒の決起を薦める。
 知力78、武力70、優雅69、勇名65、加護80、特殊能力なし

〇信濃源氏とその関係者
木曽 義仲(1154~84年)…… 青木 崇高(41歳)
 信濃源氏の棟梁。義を重んじ無意味な戦を嫌う。無骨な田舎侍であるため、都のしきたりには無知である。
 知力21、武力108、優雅12、勇名83、加護79、特殊能力:奇略・貴種

木曽 義高(1173~84年)…… 八世 市川 染五郎(16歳)
 義仲の嫡男。「清水冠者(しみずのかじゃ)」や「冠者殿(かじゃどの)」と呼ばれる。眉目秀麗かつ清廉潔白であり、父・義仲を尊敬している。蝉の抜け殻を大量に集める趣味がある。
 知力12、武力49、優雅11、勇名14、加護32、特殊能力:貴種

巴御前(?~?年)…… 秋元 才加(33歳)
 義仲の家人・今井兼平の妹で義仲の愛妾。武勇に優れる女武者。一本眉が特徴。義仲とは幼馴染でもあり、男女の絆を超えて一生を捧げて仕える決意を持っている。
 知力33、武力86、優雅49、勇名64、加護89、特殊能力:貴種

今井 兼平(1152~84年)…… 町田 悠宇(33歳)
 巴御前の兄で義仲の家人。母は義仲の乳母。
 知力42、武力92、優雅49、勇名75、加護77、特殊能力:奇略・貴種

海野 幸氏(1172~1250年以降)…… 加部 亜門(18歳)
 義高の従者。左衛門尉。人質として鎌倉入りする義高に同行する。
 知力65、武力57、優雅16、勇名38、加護56、特殊能力なし

〇甲斐源氏とその関係者
武田 信義(1128~86年)…… 八嶋 智人(51歳)
 甲斐源氏の棟梁。源氏棟梁の座をめぐって源頼朝や木曽義仲への対抗心を顕わにし、牽制する。
 知力73、武力85、優雅24、勇名72、加護80、特殊能力:貴種

一条 忠頼(?~1184年)…… 前原 滉(29歳)
 信義の嫡男。
 知力62、武力77、優雅41、勇名51、加護45、特殊能力:貴種

〇坂東武者勢力
伊東 祐親(1100年前後~1182年)…… 浅野 和之(67歳)
 伊豆国東部の豪族・伊東家の惣領。北条義時の母方の祖父。娘たちが北条時政、三浦義澄、工藤祐経(のちに土肥遠平)に嫁いでおり、娘婿や孫たちからは「爺様(じさま)」と呼ばれている。平治の乱で敗れた流人・源頼朝を領内で監視する。
 知力67、武力74、優雅36、勇名49、加護33、特殊能力なし

曽我 十郎 祐成(1172~93年)…… 田邊 和也(36歳)
 祐泰の息子で五郎の兄。
 知力17、武力41、優雅18、勇名14、加護48、特殊能力なし

曽我 五郎 時致(ときむね 1174~93年)…… 田中 俊介(32歳)
 祐泰の息子で十郎の弟。
 知力12、武力37、優雅11、勇名9、加護45、特殊能力なし

伊東 祐清(?~1183年)…… 竹財 輝之助(41歳)
 祐親の次男。通称は九郎。頼朝が挙兵すると、親戚である北条家と敵対することに苦悩する。
 知力70、武力65、優雅35、勇名38、加護37、特殊能力なし

工藤 祐経(1147~93年)…… 坪倉 由幸(44歳)
 伊豆国の豪族。元は伊東家の嫡流だが、幼少期に父が他界したため義理の叔父である祐親が後見役となっている。のちに祐親の娘と結婚したが、祐親に所領を奪われ妻と離縁させられる。頼朝の見張り役としてあてがわれたことがきっかけで頼朝には目をかけられており、祐親が亡くなると旧領を取り戻した。
 知力56、武力63、優雅70、勇名32、加護30、特殊能力:和歌・音楽

三浦 義村(1168~1239年)…… 山本 耕史(45歳)
 義澄の嫡男。義時の従弟で盟友。通称は平六。知恵者かつ冷静な判断を下せることから、父・義澄や義時から全幅の信頼を寄せられている。
 知力87、武力75、優雅37、勇名26、加護77、特殊能力:操船

岡崎 義実(1112~1200年)…… たかお 鷹(73歳)
 義澄の叔父。通称は平四郎。高齢ながらも血気盛んで坂東武者としての誇りが高い。同じく老将の土肥実平や佐々木秀義、千葉常胤と馬が合う。
 知力74、武力63、優雅46、勇名41、加護47、特殊能力:操船

梶原 景季(1162~1200年)…… 柾木 玲弥(26歳)
 景時の嫡男。
 知力48、武力64、優雅45、勇名40、加護74、特殊能力:和歌

仁田 忠常(1167~1203年)…… 高岸 宏行(ティモンディ 29歳)
 伊豆国の豪族。北条家とは所領が近い。頼朝の挙兵に際しては北条家に同調する。
 知力64、武力64、優雅30、勇名37、加護67、特殊能力なし

大庭 景親(?~1180年)…… 國村 隼(66歳)
 相模国の豪族。通称は三郎。「相模の奉行」と称する。平治の乱では頼朝の父・義朝に味方したが敗れ、平清盛の温情に助けられてからは平家方に与している。平家を後ろ盾として北条家はおろか伊東家や三浦家をも凌ぐ勢力を持つ。
 知力75、武力78、優雅32、勇名60、加護27、特殊能力なし

土肥 実平(?~1191年?)…… 阿南 健治(59歳)
 相模国土肥郷の豪族。通称は次郎。湯河原の温泉郷に館を構える。「みんな仲良く」が口癖で、坂東武者同士の争いを嫌う。頼朝らとともに鎌倉入りすると、平家討伐を急ぐ頼朝に坂東の地固めを主張する。
 知力85、武力76、優雅40、勇名60、加護67、特殊能力:奇略

土佐坊 昌俊(1141~85年)…… 村上 和成(48歳)
 元興福寺の僧兵。土肥実平の仲介で頼朝に仕える。
 知力56、武力88、優雅50、勇名35、加護53、特殊能力:貴種

首藤 経俊(1137~1225年)…… 山口 馬木也(48歳)
 相模国の豪族。母は頼朝の乳母。通称は瀧口三郎。刑部丞。平治の乱で父と兄が討死したため家督を継ぐ。楽観的で自主性がなく、長いものに巻かれやすい。頼朝の挙兵に参加することを約束するが、いざ挙兵すると平家方として景親らとともに頼朝に弓を引く。
 知力47、武力84、優雅45、勇名45、加護70、特殊能力なし

畠山 重忠(1164~1205年)…… 中川 大志(23歳)
 武蔵国の豪族。通称は次郎。武勇に優れ、清廉潔白な人柄から「坂東武士の鑑」と評されている。義時や義村らと仲が良かったが、頼朝の挙兵に際しては心ならずも北条家や三浦家と敵対することになる。頼朝方が優勢になると鎌倉入り前に降伏する。頼朝と坂東武者たちとの間を取り持つ義時を、陰に陽に手助けする。
 知力64、武力84、優雅44、勇名75、加護83、特殊能力:音楽

稲毛 重成(?~1205年)…… 村上 誠基(?歳)
 武蔵国の豪族。
 知力69、武力73、優雅38、勇名33、加護53、特殊能力なし

佐々木 定綱(1142~1205年)…… 木全 隆浩(?歳)
 近江源氏である佐々木秀義の嫡男。通称は太郎。父・秀義が相模国渋谷庄で二十数年を過ごす一方で、定綱は下野国宇都宮庄で頼朝挙兵まで過ごしていた。頼朝挙兵の際に父と兄弟四人が揃って頼朝に従う。頼朝に従い功多く、のちに近江守護、検非違使佐衛門尉に任ぜられた。
 知力53、武力76、優雅37、勇名42、加護63、特殊能力なし

佐々木 経高(?~1221年)…… 江澤 大樹(?歳)
 近江源氏である佐々木秀義の次男。通称は次郎。母は宇都宮宗綱の娘で定綱、盛綱、高綱とは異母兄弟。平治の乱において父・秀義は源義朝に従ったため敗死後は立場を失い、相模国渋谷庄で二十数年を過ごすことになった。経高も父に従って渋谷庄で過ごし、頼朝挙兵の際に頼朝に従う。山木兼隆の館襲撃では、北条時政の命で兼隆の側近であった堤信遠を攻めた。この時に経高が放った矢が、源平合戦の始まりと伝えられている。
 のちに近江、長門、石見、隠岐国の守護と中務丞に任じられているが、承久の乱では後鳥羽上皇側についた。
 知力51、武力69、優雅45、勇名47、加護67、特殊能力なし

佐々木 盛綱(1151~?年)…… 増田 和也(?歳)
 近江源氏である佐々木秀義の三男。通称は三郎。父・秀義が相模国渋谷庄で二十数年を過ごすことになり、盛綱も父と共に過ごしている。頼朝が挙兵した際に他の兄弟と共に馳せ参じた。他の兄弟たちは山木兼隆の配下であった堤信遠を攻めたが、盛綱は頼朝の傍らに控え共に行動しているのちに左兵衛尉。
 知力48、武力82、優雅24、勇名44、加護77、特殊能力なし

佐々木 高綱(1160~1214年)…… 見寺 剛(?歳)
 近江源氏である佐々木秀義の四男。通称は四郎。木曽義仲討伐の宇治川合戦で、梶原景季と先陣争いをしたことで広く知られている。頼朝の父・義朝が敗死した際に父、兄弟と共に近江国佐々木庄を追われた。頼朝が挙兵した際に他の兄弟と共にこれに合流する。のちに左衛門尉。
 知力44、武力77、優雅24、勇名44、加護77、特殊能力なし

安西 景益(?~?年)…… 猪野 学(49歳)
 安房国の豪族。頼朝とは幼馴染であり、石橋山合戦で敗れて安房へ逃れた頼朝を支援する。
 知力66、武力73、優雅13、勇名41、加護78、特殊能力なし

上総 広常(?~1184年)…… 佐藤 浩市(61歳)
 上総国の豪族。通称は介八郎(すけのはちろう)。「上総介(かずさのすけ)」と呼ばれることが多い。2万騎と称される大兵力を持つ。自尊心が高く、頼朝と平家を値踏みしたうえで、頼朝の運を見定め頼朝方につくことになる。
 知力81、武力80、優雅23、勇名77、加護33、特殊能力なし

千葉 常胤(1118~1201年)…… 岡本 信人(74歳)
 下総国の豪族。頼朝からは父も同然と頼られる坂東の重鎮。安房国に逃れた頼朝のもとに馳せ参じ、いち早く味方につく。
 知力78、武力79、優雅43、勇名76、加護86、特殊能力なし

佐竹 義政(?~1180年)…… 平田 広明(58歳)
 常陸国の豪族。常陸国大掾。甲斐源氏と先祖が同じ常陸源氏でありながら、平家方に与している。
 知力68、武力62、優雅42、勇名51、加護32、特殊能力:貴種

小山 朝政(1155~1238年)…… 中村 敦(?歳)
 下野国の豪族。母は頼朝の乳母。頼朝の鎌倉入り後に家人となる。
 知力58、武力84、優雅42、勇名70、加護72、特殊能力:奇略

〇平家
平 清盛(1118~81年)…… 松平 健(68歳)
 平家の棟梁。武士として初めて太政大臣となり、剃髪しているため「平相国(へいしょうこく)」や「清盛入道」と称される。平治の乱に勝利した後、敵将・源義朝の嫡男・義平以外の子息は助命し、頼朝は伊豆国へ配流、あとは寺へ入れている。その後は平氏政権を樹立し、大輪田泊の日宋貿易で莫大な富を手に入れ、朝廷とのつながりで一族を要職に就かせるなど、絶大な力を誇る。
 知力96、武力75、優雅100、勇名85、加護98、特殊能力:奇略・操船・貴種

平 宗盛(1147~85年)…… 小泉 孝太郎(43歳)
 平清盛の三男で平家の後継者。内大臣。父・清盛が頼朝を死罪にせず伊豆国へ配流にしたことを気にしている。
 知力77、武力33、優雅79、勇名21、加護30、特殊能力:和歌・操船・貴種

平 維盛(1159~84年)…… 濱 正悟(27歳)
 清盛の嫡男・平重盛の嫡男で清盛の嫡孫。官職は左近衛権少将・中宮権亮。容姿端麗で「光源氏の再来」と称される。頼朝追討軍の総大将として大軍を率い鎌倉へ遠征する。
 知力69、武力49、優雅75、勇名35、加護61、特殊能力:和歌・音楽・操船・貴種

平 知盛(1152~85年)…… 岩男 海史(30歳)
 宗盛の同母弟。権中納言。
 知力90、武力70、優雅77、勇名59、加護40、特殊能力:奇略・操船・貴種

平 清宗(1170~85年)…… 島田 裕仁(?歳)
 宗盛の嫡男。侍従・備前守・右衛門督。
 知力62、武力37、優雅59、勇名15、加護49、特殊能力:貴種

〇朝廷勢力とその関係者
後白河法皇(1127~92年)…… 西田 敏行(74歳)
 治天の君。「日本一の大天狗」と称される。自らの威光を保つため、源氏と平家、源頼朝と木曽義仲を操り戦わせ翻弄する。清盛とは蜜月の仲であったが、のちに関係が悪化し、鹿ケ谷の陰謀が発覚すると福原に幽閉される(治承三年の政変)。その頃から源頼朝の夢枕にたびたび現れ発破の言葉を掛ける。
 能力値設定なし

平 知康(?~?年)…… 矢柴 俊博(50歳)
 後白河法皇の側近。検非違使・左衛門尉。鼓の名手で「鼓判官(つづみのほうがん)」と呼ばれる。
 知力72、武力66、優雅79、勇名21、加護65、特殊能力:音楽

九条 兼実(1149~1207年)…… 田中 直樹(ココリコ 50歳)
 藤原摂関家の実力者。頼朝の征夷大将軍就任に尽力した。
 知力90、武力18、優雅80、勇名9、加護89、特殊能力:和歌・音楽

土御門 通親(1149~1202年)…… 関 智一(49歳)
 右近衛大将・内大臣兼東宮傅。はじめは平氏に、のちに院勢力に荷担した。
 知力92、武力20、優雅80、勇名9、加護81、特殊能力:和歌

〇奥州藤原氏
藤原 秀衡(1122~87年)…… 田中 泯(76歳)
 奥州藤原氏第三代当主。源義経からは「御館(みたち)」と呼ばれている。官職は鎮守府将軍・陸奥守。平泉を拠点に陸奥と出羽を支配して平家と並ぶ勢力を誇り、「奥州の覇者」と称される。京から来た義経を庇護、養育する。朝廷や平家、源氏に対しては中立の立場を取る。
 知力95、武力65、優雅48、勇名65、加護39、特殊能力:貴種

藤原 国衡(?~1189年)…… 平山 祐介(51歳)
 秀衡の長男で藤原泰衡の異母兄。
 知力43、武力89、優雅78、勇名21、加護51、特殊能力:貴種

藤原 泰衡(1155~89年)…… 山本 浩司(47歳)
 秀衡の次男で奥州藤原氏第四代当主。
 知力90、武力70、優雅78、勇名21、加護51、特殊能力:貴種

藤原 頼衡(?~1189年)…… 川並 淳一(?歳)
 秀衡の六男で泰衡の異母弟。
 知力67、武力66、優雅58、勇名61、加護64、特殊能力:貴種

河田 次郎 守継(?~1189年)…… 小林 博(49歳)
 泰衡の家人。
 知力66、武力51、優雅35、勇名20、加護57、特殊能力なし


 ……いやぁ~、いよいよ面白くなってきましたね、『鎌倉殿の13人』!!
 永井路子さん大好き人間なわたくしにとりましては、華やかなりし源平合戦や九郎判官義経が退場した、陰湿ドロドロなここからが見どころよ~!! まずは、北条家と比企家の冷戦の行方から目が離せませんな。

 とはいえ、やっぱり平宗盛卿はステキですね……権謀術数うずまく乱世のなかの一服の清涼剤でしたね。
 嗚呼、宗盛卿で起死回生の日ノ本統一を果たした、あのよろこびがよみがえる。
 ゲーム『源平合戦』の思い出を振り返る本文、つづる余裕があったら、また次回に~。
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真の侵略者、黙して語らず ~宇宙忍者バルタン星人の歴史メモ~

2022年06月04日 14時28分52秒 | 特撮あたり
バルタン星人とは……

 バルタン星人は、円谷プロダクションが日本で制作した特撮テレビ番組シリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する架空の宇宙人。別名は宇宙忍者。『ウルトラマン』第2話『侵略者を撃て』(1966年7月放送)にて初登場。
 セミに似た顔、ザリガニのような大きいハサミ状の両手を持ち、高度な知能を備えた直立二足歩行の異星人である。両手は厚さ20センチメートルの鉄板を切断できるという。マッハ5での飛行能力のほか、瞬間移動能力も有しており、分身するかのように移動できる。眼は5,000個の眼細胞から構成される複眼となっており、1万メートル先の小さな物体も視認できる。その反面、歴代のどの個体も接近戦が苦手な描写が存在する。一般に「フォッフォッフォッフォッフォッ」と表記される独特の音声(1963年製作の東宝映画『マタンゴ』に登場するマタンゴの声を流用)を発するが、『ウルトラマン』第2話の監督・脚本を担当した飯島敏宏によれば、その際に腕を上げて手を揺らすのは、スーツアクターが「腕を下げていると爪(ハサミのこと)が重くて大変だったから、休むために生まれたシーン。腕を上にあげて立てていると楽だった。」そうである。
 『ウルトラマン』第16話への再登場以降、数多くのウルトラシリーズに登場し、ウルトラ戦士の最大のライバルとして幅広い層から認知され、人気を博している。シリーズ本編以外にもマンガやゲーム、ライブステージなど映像以外の作品にもたびたび登場するうえ、バラエティ番組へのゲスト出演など、ウルトラシリーズ以外のメディアでも活躍している。故郷の星を失った宇宙の放浪者という設定であり、後続シリーズ『ウルトラマンコスモス』や『ウルトラマンマックス』では、人類に友好的に接する個体(チャイルドやタイニーなど)も登場している。
 飯島は、バルタン星人は今よりも科学や経済が発達した人類の未来の姿を映した反面教師と位置づけており、悪役として描かれた後発のバルタン星人(4~9代目を指すか)については認めていないと発言している。

 バルタン星人の命名は飯島による。名称はバルカン半島に由来するという説と、設定当時の人気歌手シルヴィ=ヴァルタンから取ったという説があるが、飯島の著作によれば正しいのは前者であり、「母星が兵器開発競争によって滅んだため、移住先を求めて地球にやってきた」という設定を、ヨーロッパの火薬庫といわれて紛争の絶えなかったバルカン半島に重ねているとされる。しかし、宣伝部の提案でヴァルタンから名付けたことに決めたので、両説とも間違いではないと述べている。

 デザインは成田亨、着ぐるみ造型は佐藤保が担当した(初代バルタン星人の造形担当は佐々木明とされていたが、佐々木自身がこれを否定している)。撮影に使用された着ぐるみは、『ウルトラQ』第16話『ガラモンの逆襲』(1966年4月放送)に登場した宇宙怪人セミ人間を改造したもの(飯島は、セミ人間の頭部とケムール人のスーツの改造と証言している)。セミ人間は回転しながら発光する両眼が印象的だったが、バルタン星人では発光する両眼を回転させ、さらに左右に動かせるよう機電担当の倉方茂雄が改良を施した。
 しかし、造形を担当した佐藤保は2013年のインタビューで「セミ人間を改造した記憶はない」と述べている。
 「セミ人間に角とハサミをつけてくれ」という飯島の注文で、成田亨によってデザイン画が描かれた。鎧兜の意匠をセミ人間に追加し、有機的にハサミを抽象化している。額にある Vの字状のものは、デザイン画ではもっと細く鋭く尖った形状であった。
 『侵略者を撃て』で特技監督を務めた的場徹は、「バルタン星人をセミ人間に似せてつくったのも私のアイディアです。あのセミとハサミをくっつけるというのは自分でもなかなかよかったと思っています」と述べている。
 飯島はデザインコンセプトについて、当時は宇宙に生物がいるかどうか不明であったためにとりあえず昆虫型とし、ハサミは当時、川で大量に繁殖していたアメリカザリガニからイメージしたものとしている。

宇宙忍者バルタン星人初代
 身長ミクロ~50m、体重0~1万5千t。
 『ウルトラマン』第2話『侵略者を撃て』(1966年7月放送)に登場。
 故郷のバルタン星を狂った科学者が行った核実験により失い、たまたま宇宙旅行中だったことから難を逃れた20億3千万人の同胞と共に、宇宙船で放浪していた異星人。「宇宙忍者」という異名どおり、多彩かつ特異な能力を持っている種族である。火星にある架空の物質「スペシウム」を弱点としている。宇宙船内部ではほとんどの乗員がミクロ化されて地球のバクテリアサイズで眠っており、科特隊と接触することになる1名のみが、人間大のサイズで活動している。地球には宇宙船の修理と欠乏した予備パーツのダイオードの調達のために偶然立ち寄っただけであるが、自分たちの居住できる環境と判明したため、移住を強行しようとする。
 武器は両手のハサミから出す赤色凍結光線と白色破壊光弾。足の内部には、物体を腐らせる毒液が入った袋が存在する(設定のみ)。また、防御能力として数多の分身を作ることが可能。その他、地球人に乗り移り、その脳髄を借りて会話するという能力も持つ。
 手始めに科学センターに侵入し、完全に生物の活動を停止させる赤色凍結光線で職員を仮死状態にして占拠する。この時点では地球の言語を理解できなかったため、同じく仮死状態にしたアラシの身体に乗り移ってイデやハヤタと会話し、自分たちの事情を説明した後に地球への移住について交渉した。前述のように最初の攻撃では人間を殺害しておらず、ハヤタから「地球の法律や文化を守るなら移住も不可能ではない」と言われた際には、即座に丁寧語で話すなど、当初は地球人を尊重し共存する姿勢も見せていたが、バルタン星人の人口の多さを聞いたイデが難色を示した上に、スペシウムが存在する火星への移住をハヤタから提案されたことで交渉を一方的に打ち切り、移住の強行を宣言。正体を現して巨大化し、侵略破壊活動に移行した。防衛軍の核ミサイル「はげたか」により倒れるも、すぐにセミが脱皮するかのように新しい肉体を得て復活する。その後、石油コンビナートを破壊しながらウルトラマンと空中戦を繰り広げる。
 戦闘中に左のハサミをウルトラマンにへし折られる展開は、撮影現場で本当にハサミが破損したため、割れるシーンをフォローとして追加撮影したためである。造型を担当した佐藤保は、当初のハサミはカポックの削り出しを FRPでコーティングしたものであったが、以後は FRPのみで造り直したと証言している。
 本エピソードでは、深夜に無人のビルの闇に潜む怪物という怪奇色の強い扱いだった(前作『ウルトラQ』の影響が強い)。また、「生命」の意味を理解できないなど人類とは根本的に異質な存在であることが徐々に明かされ、クライマックスでは「街中で撃たれた核ミサイル2発を受けてもたやすく復活する」といった、地球人の力ではどうにもできない存在であることが明示される。
 のちに本エピソードなどが再編集された映画『ウルトラマン 怪獣大決戦』(1979年)では、ウルトラマンとの空中戦の途中で、東京都新宿区の明治神宮外苑・聖徳記念絵画館前に降り立って地上戦を繰り広げる新撮シーンが追加されているが、初代の着ぐるみはこの時点で現存していなかったため、形状の異なるスーツが分身体を含めて2体、新規に造型されている。これは後に『ウルトラマン80』の5代目や6代目に改造された。また、スペシャルドラマ『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』(1994年3月放送)では、ウルトラ警備隊の過去のデータファイルとしてこの新撮シーンのバルタン星人がモニターに写るシーンがある。
 幻冬舎の書籍『21世紀ウルトラマン宣言』では、セミに近い昆虫から進化した知的生命体とされている。「バルタンの木」という植物を食べて生活していたが、肉食を覚えると残虐で好戦的な種族に変化し、腕もより確実に獲物を狩れるよう、現在のハサミ状へ進化した。また、アリやハチのようにフェロモンを用いる社会となっており、個体の感情がないはずなのに持つことになるウルトラマンへの復讐心も、そのためだとされている。
 円盤は『ウルトラQ』のセミ人間の宇宙船を流用したもの。その後、悪質宇宙人メフィラス星人の円盤(第33話)に再度流用された。

宇宙忍者バルタン星人2代目
 身長ミクロ~50m、体重0~1万5千t。
 『ウルトラマン』第16話『科特隊宇宙へ』(1966年10月放送)に登場。
 先にウルトラマンによって壊滅的な被害を受けたが、何とか生き延びた一部のバルタン星人たちは、太陽系に存在する R惑星に漂着していた。新たな仮の住まいを見つけたものの、地球侵略とウルトラマンや全人類への復讐の機会をうかがっていた者たちは、地球で毛利博士による人類初の有人金星探査が行われようとしていることを知ると、ロケットで旅立った彼を移動用の宇宙船である発光する青い球体で強制ドッキングして捕らえ、ボス格が憑依する。バルタン星人たちは科特隊とウルトラマンをおびき寄せた隙に大挙して地球を制圧しようと襲いかかる。
 本エピソードにおいても、特徴として複数の人間大のミニバルタンに分身することが可能であることが描写されている。また、胸部にスペルゲン反射光(書籍『ウルトラ怪獣大全集』ではスペルゲン反射鏡と記述している。書籍『ウルトラマン大辞典』では、スペルゲン反射光を反射板で跳ね返されたスペシウム光線を指す語としている)を装備し、弱点のスペシウム光線を跳ね返すことが可能になった。さらには光波バリヤーを全身に張り巡らせることが可能になり、これによって八つ裂き光輪を防ぐ。武器はハサミから発せられる重力嵐。その他、分身が手から破壊光弾を発射する。
 R惑星におけるウルトラマンとの1回目の対戦では、飛行中に放たれたスペシウム光線をスペルゲン反射光で反射して浴びせ、墜落させる。そこに重力嵐を浴びせ、動きを止めたウルトラマンに襲いかかろうと飛翔したところに八つ裂き光輪を受け、縦真っ二つにされる。地球では等身大の14体の分身が群れを成して襲いかかるが、迎撃に出たイデが小型ビートルのフロントグラス越しにマルス133で狙撃し、多数が撃墜される。R惑星からテレポーテーションで地球の羽田空港に戻ったウルトラマンに対し、分身状態から合体して巨大化した2回目の対戦では、光波バリヤーにより一度は八つ裂き光輪を防いだ。
 初代の着ぐるみが劣化により撮影に使用できなくなったため、佐々木明によって新たに着ぐるみが作られた。頭部やハサミの形状が鋭角的になり、初代よりも成田亨のデザイン画に近くなった。色彩は全体的に茶色で、顔の T字ラインとハサミが銀色。目玉の回転が初代と逆である。
 バルタン群のミニチュアは、当時市販されていたマルサン商店製のソフビ人形に塗装したもの。
 金城哲夫による小説『怪獣絵物語ウルトラマン』(1967年)では、本エピソードの前日譚として作戦決行前に悪質宇宙人メフィラス星人や他の宇宙人たちとともにウルトラマンを倒すための作戦会議に参加しており、その中での第2作戦として地球とウルトラマンへの攻撃を担当したことになっている。

宇宙忍者バルタン星人3代目
 身長50m、体重1万5千t。
 『ウルトラマン』第33話『禁じられた言葉』(1967年2月放送)に登場。
 地球人に対し自分の力を誇示せんとしたメフィラス星人の手により、威嚇の目的で東京・丸の内に出現した。特に暴れ回ることはなく、すぐに消え去っている。資料によっては、実態のない投影像であった可能性も示唆されている。2008年に出版された書籍『ウルトラ怪獣列伝』( PHP研究所)では、巨大フジ隊員が姿を消した直後に出現したことから、巨大フジ隊員はバルタン星人の変身であったのではないかと推測されている。
 着ぐるみは2代目のリペイント。体色は黒と銀を基調に、頬に青い模様があり、頭部が金色になっている。また、目から口吻が白くなっている。
 未映像化に終わったエピソード『ジャイアント作戦』にも登場が予定されていた。

『ウルトラファイト』に登場するバルタン
 身長40m、体重2万t。
 特撮テレビ番組『ウルトラファイト』(1970~71年放送)の新撮部分に登場。本作では宇宙人も怪獣扱いするため「バルタン」と呼ばれている。
 戦闘の際には初代同様、分身術などのバルタン忍法で相手を幻惑するうえ、飛行能力も持っている。相手を待ち構えて背後から攻撃したり、味方と思わせて不意打ちを喰らわせるなど、卑怯な戦法を好む性質だが、体力がないため返り討ちに遭うことが多い。しかし弱いわけではなく、第75話ではウルトラセブンを相手に引き分け、第103話ではイカルスに勝利するなど、確かな実力も兼ね備えている。一度はセブンの「地獄の三角斬り」で両腕と頭を切断されて敗れ去るが、その後は何事もなかったかのように再登場している。
 第195話「激闘!三里の浜」では、ハサミ状ではなく人間と同じ形状の手で角材を持っているバルタンが、エレキング、キーラー、イカルス、ウーとともにセブンに挑むが、返り討ちに遭う。
 第196話「怪獣死体置場」では、円谷プロの着ぐるみ倉庫に頭部が逆さに吊られているのが確認できる。
 着ぐるみはアトラクションショー用であり、丸みを帯びたハサミが特徴。従来のバルタン星人と違って目が回転せず、点灯のみのアクションとなっている。

宇宙忍者バルタン星人Jr.(通算4代目)…… 阪 脩(声の出演 41歳)
 身長ミクロ~45m、体重0~3万t。
 『帰ってきたウルトラマン』第41話『バルタン星人Jrの復讐』(1972年1月放送)に登場。
 初代ウルトラマンに倒された初代バルタン星人の息子で、父の復讐のためにバルタン星から地球に飛来する。地球に飛来したバルタン族としては4代目に当たる。色彩は黒を基調に、所々に金や銀が散りばめられている。若い個体ゆえに腕は太くてやや短く、またハサミも先代に比べて小さく、上半分と下半分にそれぞれ黒いライン模様が見られる。笑い声も「フォッフォッフォッ」という鳴き声は発さず、普通の地球人に近い高笑いとなっている。
 建設中のマンションを改造したロボット怪獣ビルガモを操り、MAT隊員たちをビルガモの体内に監禁して人質にとる。ビルガモが倒されると巨大化してウルトラマンの目の前に現れ、「勝負はまだ一回の表だ。」と復讐を示唆する捨てゼリフを残して飛び去るが、背後からスペシウム光線を浴びせられ、白い十字光を発して消滅する。生死は不明。
 ウルトラマンとは直接戦闘しないが、設定では300以上の超能力を身につけているとされ、ハサミからマイナス140度の冷凍弾、反重力光線、ミサイル弾を発射できる。
 デザインは井口昭彦が担当。造形では複眼と頭部の溝部分が赤くなっており、口吻周辺が金色になっている。
 内山まもるによるコミカライズ版では本エピソードの後日談が語られており、消滅後も暗躍している。郷秀樹が少年を自動車で撥ねたように見せかけて罪を擦りつけるという、テレビ本編における宇宙参謀ズール星人(第46話に登場)の役割を担う。

『レッドマン』に登場するバルタン星人
 特撮テレビ番組『レッドマン』第13話、第16話(1972年5月放送)に、どちらもエリ巻恐竜ジラースと共に登場。声は発しない。
 第13話では最初はジラースと戦うが、レッドマンが現れたのを見て停戦し、ジラースとともにレッドマンと戦う。挟み撃ちにして追い詰めるも、体当たりを仕掛けたところをレッドマンに避けられ、ジラースと同士討ちとなって敗れる。
 第16話では最初からジラースと協力して再びレッドマンと戦うが、ジラースになんらかの合図と思われる行動を行った後、戦闘中にジラースを放置して逃亡する。ジラースが倒された後、レッドマンが再びバルタン星人を追跡するというシーンで登場シーンが終わり、その後に登場することはなかった。戦闘ではレッドマンの攻撃で倒れたジラースを助け起こすなど、優しさを見せている。
 レッドマンと戦う怪獣・宇宙人の中で死亡が確認されなかったのは、バルタン星人だけである。
 着ぐるみは『ウルトラファイト』で使用されたものと同一。

宇宙忍者バルタン星人5代目 …… 水鳥 鉄夫(声の出演 42歳)
 身長ミクロ~50m、体重0~1万5千t。
 『ウルトラマン80』第37話『怖れていたバルタン星人の動物園作戦』(1980年12月放送)に登場。
 体色はグレーで、口吻の形状が豚の鼻のような独特なものとなっている。
 圧倒的な科学力と技術力を誇り、自分たちを優秀な種族だと思っている。そのため、異星人や宇宙生物を自分たちより劣ると見なして吸引光線で葉巻型の宇宙船に収容しては、下等生物としてバルタン星の宇宙動物園へ送り込んでいる。恨み重なるウルトラ戦士の一人であるウルトラマン80のことも、下等動物としてバルタン星の動物園に収容するべく作戦を開始する。UGMの一日体験豆記者に落選した少年・森田政夫に変身して UGM基地に潜入し、戦闘機シルバーガル内で矢的隊員と2人きりになったところで正体を現して捕らえようとするが矢的に脱出されたため、彼のパラシュートのベルトを切断して墜落死させようとする。しかし、80に変身されて自らも巨大化する。戦闘力は高く、ハサミからの火炎弾や格闘、瞬間移動、透明化、さらに宇宙船との連携攻撃などを駆使して地上や空中で激しい戦いを繰り広げる。
 着ぐるみは映画『ウルトラマン 怪獣大決戦』(1979年)の新撮シーンに登場したものの改造である。
 新たなバルタン星の設定は、銀河系に新たなバルタン星を建造したとする書籍がある一方で、「 R惑星の通称がこの頃にはバルタン星になっていたのではないだろうか」という考察もある。

宇宙忍者バルタン星人6代目 …… 西村 知道(声の出演 34歳)
 身長ミクロ~50m、体重0~1万5千t。
 『ウルトラマン80』第45話『バルタン星人の限りなきチャレンジ魂』(1981年2月放送)に登場。
 宇宙に造り上げた新バルタン星から、またしても地球征服にやってきた限りなきチャレンジ魂の持ち主。姿形は5代目のものとまったく同じであるが、破壊による制圧を目指した歴代の個体とは異なり、謀略による地球人の自滅を目指す侵略手法を採用した。
 初代や2代目など初期作品の個体は地球上の言語や価値観をまったく理解していなかったが、この個体は饒舌さに磨きがかかっており、「お釈迦様でもご存知あるめえ!」や「手裏剣、シュシュ」など、現代の日本人ですら日常話さないような江戸時代の町人言葉までよく話すようになっている。
 計画実行のために自分の顔を模した小型飛行艇に乗って子供たちの前に飛来し、ハサミから出した白い光線状の袋で捕らえた際に矢的隊員のライザーガンの銃撃で飛行艇を破壊され、彼の前で子供を光線に包んで人質に取り、巨大化してあらかた破壊活動を行った末、矢的が変身したウルトラマン80との直接対決となる。戦闘力は高く5代目と同様に瞬間移動や格闘術に長けており、さらにハサミから80の必殺技サクシウム光線と互角の泡状光線や、5代目も使用した火炎弾を放つなど、もっぱら武力による攻撃に転じて80を苦戦させる。
 着ぐるみは5代目と同様に『ウルトラマン怪獣大決戦』の物の改造だが、体色がやや異なり初代同様に目玉などが動く物が等身大時、5代目を流用した物を巨大化時にと2体が使い分けられている。

メカバルタン(通算7代目が改造された姿)
 身長50m、体重2万2500t。
 雑誌グラビア作品『ウルトラ超伝説』(1981年4月~86年2月連載)と特撮テレビ番組『アンドロメロス』(1983年2~4月放送)に登場。
 身体の一部をサイボーグ改造されてファイティング・ベムとなったバルタン星人。グア星のグア軍団の一員として登場。改造された左腕のハサミと右腕の機械式のメカ爪が武器で、主に相手を締めつけたり斬りつける攻撃で戦う。バルタン星人特有の両腕を上げて笑う仕草は見せるが、改造されてグア軍団の支配下に置かれているのか言葉は一切話さず、「ビョゥンビョゥン」という機械的な音声を発する。
 グア軍団侵略軍団長ジュダの部下となっており、一度やられてもジュダの魔力で即座に再生することができる。その際には、以前の同じ攻撃は通じなくなる。
 雑誌『ウルトラマンAGE』ではウルトラマンに倒された初代バルタン星人を、『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』第106号では、地球で初代アンドロメロスに倒された個体のバルタン星人(これが通算7代目に当たるか)を改造して蘇らせたとされている。
 グラビア版の『ウルトラ超伝説』では、『てれびくん』1981年8月号、1982年2月号、3月号で登場。
 1981年8月号では、生身のバルタン星人(容姿は80登場時のもの)が軍団を編成して東京を襲撃するが、アンドロメロスに次々と倒され全滅した。
 1982年2月号では、侵略軍団長ジュダが復活した改造怪獣を率いてきた際、ボス格のみが復活してメカ改造された姿となって登場した。全員でメロスとウルフを取り囲んで高速旋回しながら炎の渦を発生させる火炎車戦法を仕掛ける。

宇宙忍者パワードバルタン星人(通算8代目)
 身長ミクロ~65m、体重0~2万3千t。飛行速度マッハ27(地球大気圏内にて)。
 『ウルトラマンパワード』第1話『銀色の追跡者』(1993年12月リリース)、第13話『さらば!ウルトラマン』(1994年8月リリース)に登場。
 これまでに多くの惑星を滅ぼしてきたバルタン星の凶悪な宇宙生物で、ウルトラマンパワードに追われて地球の衛星軌道上に全長8キロメートルの大型母艦で飛来。地球へは先遣隊として3体が降り立ち、その後、繭から誕生するとロサンゼルスの倉庫街で侵略の準備を行う。デザインが鋭角的なものに変更されている。体色は青。W.I.N.R.のエドランド隊長たちの攻撃により、バズーカ砲で倒されたかに見えたが、その後すぐに復活。変幻分身能力によって空中に自身の幻影を投影して撹乱を行う。設定では、周囲の時間波を遅くすることで超高速移動を可能とする。パワードとの戦闘時に背中の羽を伸ばして飛行し、空中戦を展開。クチバシ状の口から毒ガスを噴射するなどして苦しめる。ハサミから空間を圧縮する反重力波や赤色破壊光線を発射し猛攻をかける。
 最終第13話では、同族の個体がサイコバルタン星人の護衛のため、共に宇宙船でアメリカ大陸に飛来した。
 デザインは前田真宏。デザインにあたっては2代目バルタン星人や成田亨の作品「メバ」を意識している。前田は一番気に入っている怪獣に挙げているが、初代をデザインした成田からは怒られたという。結晶化した外骨格のイメージで描かれ、昆虫としての側面を強調したデザインとなった。

宇宙忍者サイコバルタン星人(通算9代目)
 身長ミクロ~75m、体重0~2万6千t。
 『ウルトラマンパワード』第13話『さらば!ウルトラマン』(1994年8月リリース)に登場。
 バルタン星のバルタン一族の支配者。通常のバルタン星人と比べて頭脳が異常発達しており、頭骨から露出している。巨大な頭は通常のバルタン星人より念動力が強いと言われており、ここから放つ精神波によって部下のバルタン星人や宇宙怪獣たちを操っている。先遣隊がパワードに敗れたのち一時撤退するが、密かに情報収集を続け、最後に宇宙怪獣パワードドラコを派遣。ウルトラマンパワードの戦闘データと光線の情報を宇宙恐竜パワードゼットンに与え、地球へ送りこんだ。パワードがゼットンと相撃ちになって倒れた後、全長1.6キロメートルに達する巨大な宇宙船で地球に飛来。W.I.N.R.のスカイハンターと対決するが、パワードの仲間と思われる2体の赤い玉(M78星雲人)がスカイハンターに加勢、ビームで攻撃されて宇宙船ごと爆破された。
 劇中では常に宇宙船内にて策を巡らせるが、NGシーンでは部下と思われる他のバルタン星人と共に地球へ降り立ちパワードの死亡を確認するシーンや、スカイハンターの前に立ちはだかるカットが存在していた。
 着ぐるみはパワードバルタン星人の改造。

宇宙忍者バルタン星人ベーシカルバージョン(通算10代目)
 身長50m、体重3万5千t。
 映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』(2001年)に登場。
 環境破壊によって故郷バルタン星が滅び、地球へ移住しようと来襲した宇宙生命体。この来襲が、ウルトラマンコスモスが地球圏を訪れるきっかけとなる。武器は冷凍光線や敵の光線攻撃を無効化するエクスプラウドなど、ハサミから発射する様々な光線。ほかにも背中から羽が生え、脚の形状も変化させての飛翔や、分身や脱皮など多彩な能力を持つ。
 世界各国が発した宇宙へのコンタクトを地球への招待だと解釈し、地球を子供たちのために安住の地にしようと考える。荒廃した母星の一部を切り取って居住できるように改造して内部には刃物状の罠も仕掛けた宇宙船・廃月で地球へ飛来し、コスモスとの空中戦を繰り広げた後、遺跡公園に眠っていた怪獣呑龍(ドンロン)を復活させる。呑龍がシャークスの攻撃を受けて倒れた際に呑龍の体内から飛び出し、シャークスの戦闘機を撃墜する。その後は廃月へ戻るが、シャークスの襲撃を受けて部隊を全滅させると、都市上空に飛来する。SRCの作戦による子守唄で眠るが、その隙に再度シャークスが攻撃を仕掛けたことに怒って地球の占領を決意し、コスモスと激闘になる。
 戦闘時にはネオバルタンに変身する。
 『THE FIRST CONTACT』の監督は、『ウルトラマン』第2話を手がけた飯島敏宏が務めており、プロデューサーの鈴木清からの要望により、バルタン星人が登場することとなった。
 デザインは丸山浩による。原典のモチーフはセミだが、本作ではクワガタがモチーフとなったため、角の内側に突起がある。背面はバルタン星人の円盤デザインをアレンジしている。飛行形態は、足を尖らせることで昆虫的なイメージをより強調している。

宇宙忍者ネオバルタン
 身長51m、体重4万5千t。
 バルタン星人ベーシカルバージョンの超戦闘モード。甲冑をまとった黒騎士のような禍々しい姿となり、両手にはバルタン星人に共通する巨大なハサミを持たず、サーベルや鋼槍、鉤爪や光線砲などを装備する。この両手から剣型の光線や光のムチなどを放つほか、肩の突起を無数のトゲに変えて放つ技も持つ。変身前と同様に分身術も可能であり、これらの能力を駆使してコスモスと互角の戦いを繰り広げる。
 デザインは丸山浩による。より凶暴にするため体色を黒くしているが、光沢があるとグリーンバックに映り込むため、ツヤ消しにしている。

チャイルドバルタン(通算11代目)
 身長120cm、体重15kg。
 バルタン星人ベーシカルバージョンの子供である。武力による地球侵略や争いを快く思っていない。このうち、シルビィという名の個体が平和的な解決を模索する中で春野ムサシの友達であるマリと同化した。シルビィはのちにマリとメル友になり、続く劇場版2作品にも登場している。
 デザインは丸山浩による。造形物は制作されず、CGのみで表現された。常にフワフワしているイメージでベーシカルをデフォルメしている。

超科学星人ダークバルタン(通算12代目)…… 尾崎 右宗(33歳)
 身長ミクロ~357m、体重0.1g~27万3千t。
 『ウルトラマンマックス』第33話『ようこそ!地球へ バルタン星の科学』、第34話『ようこそ!地球へ さらば!バルタン星人』(2006年2月放送) に登場。
 地球人を「地球を汚し尽くしたら次は月や火星を我が物にしようとする宇宙の侵略者」として敵視する銀河系外惑星バルタン星の過激派で、初代バルタン星人とほぼ同じ姿をしている。
 反重力による攻撃を得意とし、ハサミからの熱線や反重力砲を始めとして、超巨大化能力やクローンによる無数の分身体の発生、クローン技術によって四散した身体の再生などウルトラマンマックスを上回る能力を発揮。マックスの必殺技マクシウムカノンすら胸部の展開したスペルゲン反射鏡で弾き返し、超巨大化能力を使ってマックスを何度も踏み潰す。本人曰く、「バルタンの科学はウルトラの星の科学を超える」とのこと。バルタン星人は、元々は地球人と同じ姿をしていたが、度重なる核戦争によって今の姿に進化したと言われている。バルタン星の科学には相当なまでの自信を持っているようで、自分の能力を自慢する。
 一度は超巨大化でエネルギーを消耗した上、拘束光線で身動きの執れなくなったマックスを倒し、復活したマックスとの戦いでも終始優勢を保つが、同族のタイニーバルタンがバルタン星から持ち帰った古代バルタンの銅鐸状の古代遺物の音色を聴いて戦意を喪失。平和を愛する心を取り戻し、ダテ博士が開発した新兵器メタモルフォーザーによって人間と同じ姿に戻された後、タイニーと共にバルタン星へ帰還した。
 頭部の電飾は初代のスーツのものを再現している。分身したバルタン星人が空を埋め尽くす光景は、脚本を担当した飯島敏宏が40年間温めていたイメージであり、当初制作された CG映像ではバルタン星人は10体程度であったが、飯島の指示により大幅に増やされた。
 ウルトラシリーズ史上初めてウルトラ戦士に勝利したバルタン星人であり、その数々の超能力も合わせて最強のバルタン星人として紹介されることもある。

超科学星人タイニーバルタン(通算13代目)…… 半田 杏(14歳)
 身長ミクロ~1.5m、体重0.1g~55kg。
 ダークバルタンによる地球侵略計画を伝えるためにやって来たバルタン星の穏健派。一人称は「僕」であるが、バルタン星では女の子ということになっており、人間の少女に変身し、両手でVサインをして「マルルー」と呪文を唱えることで自由自在に重力を操り、ホウキにまたがって空を飛ぶなど、バルタンの超科学力による様々な、ほとんど魔法にしか見えない不思議な現象を引き起こすことができる。地球人のツトム少年の協力を得てダークバルタンの地球侵略を止めるべく奮闘。最終的にダークを改心させることに成功し、共にバルタン星へと方舟アークで帰った。
 デザインは丸山浩が担当。背中の白い模様は、イノシシの幼獣ウリ坊をイメージしている。

映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』(2009年)に登場するバルタン星人
 かつてウルトラ戦士に倒されたバルタン星人が、ウルトラマンベリアルのギガバトルナイザーの力で怪獣墓場から蘇ったもの。外見は初代ウルトラマンと戦った初代バルタン星人とほぼ同一。ベリアルが操る怪獣軍団の一体としてウルトラ戦士やレイモンの怪獣たちと戦う。ゼットンやアントラー、キングゲスラなどと共に初代ウルトラマンと激突する。
 過去シーンでも、「ベリアルの乱」においてベリアルが操る怪獣軍団の一体として登場し、他の怪獣と共に光の国を襲っていた。
 また、百体怪獣ベリュドラの左角を構成する怪獣の一体として初代バルタン星人、右腕を構成する怪獣の一体として2代目バルタン星人の姿がある。

映画『ウルトラマンギンガ ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』(2014年)に登場するバルタン星人
 渡会健太がウルトライブシミュレーション内でライブしたもの。容姿がほぼ同一である初代と同様に分身術や赤色凍結光線、白色破壊光弾などの技を使う。久野千草がライブしたテレスドンや石動美鈴がライブしたモチロンと戦う。テレスドンに対しては豊富な能力で圧勝したが、モチロンには腕がハサミである点を突かれ、ジャンケンで敗北した。

映画『ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』(2016年)に登場するバルタン星人
 ファントン星人グルマンの記憶に眠る、はじまりの巨人・ウルトラマンの伝説を語る際の過去イメージシーンに登場。得意の分身能力などを駆使してウルトラマンと激戦を繰り広げた。容姿は初代のものとほぼ同一。
 使用されたスーツは2体のみで、1体はアトラクション用の物の流用であるが、合成技術で多数登場しているように見せている。

メバ
 1967年に成田亨が「バルタン星人をメカニックなイメージで」という発想のもとにデザインしたキャラクター。名前は「メカニック・バルタン」の略称で、昆虫的要素は薄く金属質のシャープなボディのデザインで、両手はハサミ状ではない独自の形状のものであった。映像作品に登場する機会はなかった。

未発表作品でのバルタン星人
 『ウルトラセブン』の未発表エピソード『宇宙人15+怪獣35』では、他の宇宙人と手を組んで宇宙連合軍を結成し、セブンを襲いダンに絶対安静の重傷を負わせ、怪獣を東京に出現させるシナリオが予定されていた。これ以前に『セブン』企画時の初期段階でもバルタン星人の登場は検討されていた。
 1993年に『ウルトラマン』の25年後を舞台とした映画『ウルトラマン バルタン星人大逆襲』の製作が予定されていたが、中止されている。千束北男(飯島敏宏)により執筆された脚本は飯島敏宏著『バルタンの星のもとに』(風塵社)に収録されている。内容の一部は映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』や『ウルトラマンマックス』第33話・34話に反映された。

類似キャラクター
・『ウルトラマンタロウ』第33・34話(1973年11月放送)に登場した極悪宇宙人テンペラー星人は、それまでの敵宇宙人の要素を組み合わせたデザインだったが、頭部や口吻の形状、ハサミ型の手など特にバルタン星人を意識した部分が多い。映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(2006年)以降ではスマートにリファインされたデザインのテンペラー星人が登場するが、デザインを担当した酉澤安施は、「バルタン星人がモチーフと聞いたので少しバルタンに戻していった。」と語っている。
・『ウルトラマンレオ』第15話(1974年7月放送)に登場した分身宇宙人フリップ星人はバルタン星人と酷似した笑い声を発するが、これはバルタン星人の鳴き声をアレンジ、早回ししたためである。青白い光学合成による分身やテレポーテーションを得意としている点も共通しており、ビデオソフト『ウルトラ怪獣大百科』では親戚関係も噂されている。


 あの~、これ、完全にメモ! 私的備忘録なので、特にこれに対する本文とかはございません。
 最近、ガシャポンであの豚っ鼻5&6代目がフィギュア化されたからふっと思い立っただけです。いいセレクトセンス、さすがは三条陸先生!

 でも、こうやってまとめるだに、バルタン星人の物語は『コスモス』と『マックス』で完結しているんですよね。確かに、今さら『シン・ウルトラマン』などで蒸し返すべきものではないのだな。飯島敏宏さんも M78星雲に旅立たれていることだし。
 リアルタイムで『マックス』を観た時の衝撃はものすごかったなぁ。他にも実相寺監督回もあったし、あの時期の土曜日の朝、ほんとうに毎週ワクワクしていましたよ。『メビウス』みたいに設定がかっちり決まっているんじゃなくて、わりと毎回毎回行き当たりばったりな作風が、いかにも「空想特撮シリーズ」って感じで大好きでした。平成ウルトラシリーズの中で一番好きですね。
 エリーちゃんももう、生身の人間どころか、立派な大女優さんにあいなりもうした……嗚呼、時の流れよ!!
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全国城めぐり宣言 第41回 「羽前国 柏倉陣屋」資料編

2022年06月01日 21時29分58秒 | 全国城めぐり宣言
柏倉陣屋跡
※本文章は、山形県山形市の柏倉八幡神社宮司・結城敏雄氏による郷土研究資料を参考にさせていただいています。

 柏倉陣屋は、延亨四(1747)年に磐城国棚倉藩(現・福島県南東部)小笠原家が、羽前国山形分領2万石(22ヶ村)を支配するために現在の山形市柏倉地区に建造した。その後、宝暦十三(1763)年七月に所領が下総国佐倉藩(現・千葉県佐倉市)堀田家に加増・移封されて以来、一時幕府領になった時期もあったが、明治四(1871)年の陣屋廃絶まで百余年間、西山形地域は治下46ヶ村の中心地となった。堀田家の時代、出羽国村山郡(現・山形県山形市の一部と大石田町)にあった分領は、堀田家11万石のうち約4万石と規模が大きかった。
 柏倉陣屋には、佐倉藩校・成徳書院の分校「北庠(ほくしょう)」も置かれ、そこでは武士のみならず百姓も学ぶことができたという。代官を務めていた田内与七郎成伸は名代官とされ、平清水村(現・山形市平清水)の窯業「平清水焼」の振興に携わったことから、同地に報恩碑が立てられている。
 堀田家旧領の一部は、明治二十二(1889)年に村を編成した際に旧領主の名から堀田村と称した(南村山郡。のち蔵王村に改称)。おおむね現在の山形市蔵王地区にあたり、「蔵王堀田」の地名も残っている。

 柏倉陣屋は、現在の山形市柏倉の小字「舘」(宿島、塩幸田の一部)周辺に存在した。南北百余間(旧・西部児童館跡地から塩辛田の地蔵様までの約200メートル)、東西六十余間(山形電子の敷地北までの約120メートル)、約三町三反二畝歩の広さ(約3.3ヘクタール)、四方を石垣で囲み、東正面には水堀があった。
 陣屋の表門は、旧・西部児童館跡地の南西辺りに東向きにあり、門前は広場になっており「高札場(今でいう掲示板)」と呼ばれていた。表門を入るとすぐ役所が東向きに建っており、様々な行政事務を執っていた。その奥に佐倉藩校分校・北庠があり、北庠の西には中村羽右ヱ門の「郷宿(ごうやど 陣屋への来訪者用の宿泊所)」があった。
 陣屋には、大目付、奉行、物書、吟味役、学校都講、蔵方、勘定方、装束方、山方、勝手組、先弓、鉄砲細工、医師、各手代など大体40名以上の役人が出仕していたため、その家族や使用人などを含めると陣屋内にはおよそ7~80名が居住していたことになる。敷地には奉行や代官はじめ各役人の住宅のほか倉庫、馬屋部屋、工作所、鍛冶屋、牢屋など約40棟の建物があったという。
 藩政終末期の明治四年の陣屋見取図によると、陣屋敷地は東西方向に長い長方形で、牢屋はその東側端に馬屋部屋と御組長屋に囲まれるようにして建っていた。
 陣屋のほぼ中央に宝暦十三(1763)年九月に建造された稲荷社があったが、現存する堀田永久稲荷神社がそれで、陣屋時代から残る唯一の建造物である。堀田家は、宝暦十三年七月に柏倉陣屋に移った直後に稲荷社を建立し、その十年後の安永二(1773)年八月に社格は「正一位」に叙せられた。約百年後の明治四(1871)年の廃藩置県により柏倉陣屋は廃絶し、同年九月には諸施設が全て取払われたが、稲荷社だけは堀田家の所有として残っている。
 また、陣屋の南には「割元(大庄屋)」だった中村五兵ヱ屋敷の石垣が残っている。

 堀田家は、柏倉地域以外に大石田(現・山形県大石田町)と船町(現・山形市北西部)も支配していた。当時、船町地域は米沢・山形・上山方面から馬で運ばれてくる年貢米の集荷地で、さらに地方特産品の紅花も出荷されるようになり、商業の発展を遂げた。物資は船町から大石田経由で酒田まで最上川で運び、酒田から江戸・大阪に回送された。
 羽前国山形藩の藩主は大給松平家(1745~64年)、天領会津藩預かり(1764~67年)、秋元家(1767~1845年)、水野家(1845~70年)と戊辰戦争までたびたび推移するが、どの時代にも、最上川の利権を握る堀田家が勢力を保っていた。

 戊辰戦争において柏倉陣屋は倒幕軍に属し、山形藩水野家と同盟して羽前国中山の達磨寺に出兵して、幕府軍の庄内藩と戦った。庄内藩との戦闘は四月に終結した。
 下総国の佐倉藩本領は、ペリー来航以降、堀田正睦が外国事務取扱の老中となり、ハリスとの日米修好通商条約締結などで奔走したが、井伊直弼の大老就任にともない、老中を罷免され蟄居した。父・正睦の失脚により家督を譲られた堀田正倫は、慶応四(1868)年の鳥羽伏見合戦後、朝廷から将軍・徳川慶喜の討伐令が下ると、上洛して慶喜の助命と徳川宗家の存続を嘆願した。
 このため、藩主不在となった佐倉藩は藩論がまとまらなかったが、家老の平野縫殿が倒幕軍に与して上総国大多喜藩への出兵を決断したため、戊辰戦争後の改易を免れた。

 堀田家とゆかりの深い「天台宗七森山明源寺(現・山形市柏倉)」には、堀田相模守正亮、堀田相模守正順の位牌が納められており、中山達暦寺で討死した藩士・安達盛篤の墓もある。また、名代官として有名な田内与七郎成伸の墓も夫婦共々建立されている。
 現在、明源寺が管理する共同墓地となっている中林山(なかばすやま)には柏倉陣屋の調練場(ちょうれんば)があり、鉄砲や用兵の訓練が行われていた。
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