長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

忘れちゃいないぜ……  メモだけ公開!! 恐怖のそうだい大河ドラマ 『洛炎戦国記』 第4クール

2013年05月31日 22時51分13秒 | 日本史みたいな
仮タイトル 『洛炎戦国記(らくえんせんごくき)』

・コンセプト …… 戦国時代の歴史を、荒廃した中でもしたたかに生き抜いた京の都に視点を置いてつづる「ありそでなかった戦国ドラマ」

・キャッチコピー …… 「『天下』におどらされた男たち、百年の物語」

・本音 …… 「おまえらエセ時代小説家ども、いいかげんに三好家の偉大さも評価しやがれ!!」

・原作 …… 今谷 明 『戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』(1985年 洋泉社)

・舞台となる時代 …… 永正四(1507)年六月 ~ 寛永八(1631)年十二月 (永正の錯乱から大坂夏の陣終結後の江戸時代初期まで)

・主人公 …… 大きく四部構成とし、主人公は四名

 第二部「戦国の世」      主人公 …… 三好 長慶  ウラ主人公 …… 松永 久秀

 第三部「ああ栄光の室町幕府」 主人公 …… 足利 義昭  ウラ主人公 …… 細川 藤孝(幽斎)

 第四部「太平の世」      主人公 …… 三好 政勝  ウラ主人公 …… 内藤(松永)如庵


第40回『河内のクーデタ』
おもなトピック …… 近江国大名・六角定頼の死去、三好長慶の細川信良養育 ※天文二十一(1552)年正~六月
おもな登場人物
 三好 長慶(31歳)       …… 
 細川 晴元(39歳 出家して一清)…… 
 細川 氏綱(39歳)       ……
 安見 直政(19歳)       …… 

第41回『逆賊一清』
おもなトピック …… 細川一清の挙兵、三好長慶の嫡男・義興の元服 ※天文二十一(1552)年八~十二月
おもな登場人物
 細川 一清    ……
 三好 長慶    …… 
 香西 元成(35歳)……
 足利 義輝(17歳)…… 

第42回『下克上』
おもなトピック …… 近衛前久の右大臣就任、三好長慶の細川真之擁立 ※天文二十二(1553)年正~六月
おもな登場人物
 三好 長慶       …… 
 三好 義賢(27歳)   ……
 細川 持隆(57歳)   …… 
 岡本 小少将の方(32歳)…… 

第43回『闘う将軍』
おもなトピック …… 細川一清の京・船岡山侵攻、越前国守護・長尾景虎の上洛 ※天文二十二(1553)年七~十月
おもな登場人物
 足利 義輝    …… 
 三好 長慶    ……
 松永 長頼(38歳)…… 
 長尾 景虎(24歳)…… 

第44回『播磨侵攻』
おもなトピック …… 近衛前久の関白就任、三好長慶の播磨国侵攻 ※天文二十三(1554)年正~十一月
おもな登場人物
 三好 長慶         …… 
 三好 義賢         …… 
 三好 長逸(ながゆき 41歳)…… 
 近衛 前久(19歳)     …… 

第45回『唱覇、三好一族』
おもなトピック …… 三好長慶の播磨国明石城占拠、松永長頼の嫡男・忠俊の誕生 ※天文二十四(1555)年正~九月
おもな登場人物
 三好 長慶        …… 
 三好 長逸        …… 
 松永 長頼(出家して宗勝)…… 
 波多野 晴通(36歳)   …… 

第46回『戦国の世』
おもなトピック …… 摂津国芥川城の炎上、三好長慶の京・内裏修築 ※弘治二(1556)年正~十月
おもな登場人物
 三好 長慶    …… 
 松永 久秀(47歳)…… 
 斎藤 道三(63歳)…… 
 斎藤 義龍(30歳)…… 

第47回『流浪人光秀』
おもなトピック …… 近江国守護・六角義賢の出家、松永宗勝の丹後国制圧 ※弘治三(1557)年正~十月
おもな登場人物
 斎藤 義龍    …… 
 明智 光秀(29歳)…… 
 明智 宗寂(58歳)…… 
 松永 宗勝    …… 

第48回『全面戦争』
おもなトピック …… 三好長逸の山城国飯岡城主就任、細川一清の再挙兵 ※弘治四(1558 改元して永禄元)年正~六月
おもな登場人物
 三好 長慶 …… 
 足利 義輝 …… 
 細川 一清 …… 
 松永 久秀 …… 

第49回『希望の星』
おもなトピック …… 河内国守護・畠山高政の亡命 ※永禄元(1558)年九~十一月
おもな登場人物
 三好 長慶    …… 
 足利 義輝    …… 
 安見 直政(25歳)…… 
 三好 義興(17歳)…… 

第50回『征夷大将軍の力』
おもなトピック …… 三好長慶の細川氏綱幽閉、長尾景虎の正親町天皇謁見 ※永禄二(1559)年正~五月
おもな登場人物
 足利 義輝    …… 
 三好 長慶    …… 
 長尾 景虎(30歳)…… 
 織田 信長(26歳)…… 

第51回『安息の都』
おもなトピック …… 安見直政の追放、将軍・足利義輝のキリスト教布教認可 ※永禄二(1559)年七~十二月
おもな登場人物
 安見 直政           …… 
 松永 久秀           …… 
 足利 義輝           …… 
 宣教師ガスパル=ヴィレラ(35歳)…… 

第52回『久秀と長慶』
おもなトピック …… 正親町天皇の即位礼挙行、将軍・足利義輝の室町御所修築 ※永禄三(1560)年正~六月
おもな登場人物
 三好 長慶      …… 
 松永 久秀      …… 
 足利 義輝      …… 
 ロレンソ 了斎(35歳)…… 
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待ち人こず!!  東京砂漠は意外とじめじめしていた

2013年05月29日 23時21分32秒 | 日記
 どろっせるまいや~。どうもこんばんは! そうだいでございます。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました。

 忙しいんですよ……最近忙しいんですよ。でも、それだけお仕事させてもらっとるわけですからねぇ。やっぱり去年の自分の暗中模索っぷりを思い起こせば、ありがたい状況になっていることは確かなんですが。
 でも、今さらになってしみじみ思うんですけど、仕事も用事もいっさい入っていない丸一日の休日って、ほんっっっっとに!! 貴重なものなんですなぁ~。そんな日ばっかりで、このブログの更新だけで明け暮れしていた日々がなつかしい……が、もどりたいという気はサラッサラありません。だって、今以上にひもじかったんだもの!

 そんな、だんだん変わっているようで内実はそんなには変わっていない近頃の私なんですが、そんな中でいただいた貴重な休日を利用して、今日は東京で2つ、芸術にふれてきました。う~ん、「芸術」っていうとフォーマルすぎるし、「アート」っていうとオシャレすぎるし。もっとなんかこう、気軽な言い方は日本語にないもんかね、チミ~?


 まず最初は、東京の東、隅田川近くの馬喰町のギャラリーで行われている美術の個展を。


吉村熊象 個展『あなたに再び会うとは思わなかった』(5月18日~6月15日 東京・馬喰町現代ギャラリー TARO NASU )


 実は、この平面・立体・映像アーティストの吉村熊象(くまぞう)さんは私の大学時代のサークルの同期で、現在は奈良県に在住しておられるのですが、今回2~3年ぶりに東京で個展をおこなうということで、連絡をもらって私も喜び勇んでギャラリーに駆けつけました。

 熊象さんは、金属や布を使った作品に時には映像の投影や電動の仕掛けなどを組み込んだりして、作品の大小、静動、硬軟にまったくとらわれない自由さをもった芸術家で、その子どもらしさというか、自分の作品を通して、対峙している周辺の世界を少しでも「揺さぶってやろう」というアグレッシヴな稚気に満ちたところが、私はとても好きです。
 実際、思い出せば熊象さんは大学時代からそういう視線をもった方で、基本的に物静かに周辺を見つめている人物でありながらも、おそらくは自分の中で「 GO!」と号令をかける声を聞いた瞬間に、誰もが予想だにしなかったものすごい発想や行動を提示してくるという、不思議な魅力のあるお人でした。あざやかだし、カッコよかった。イギリスのような「常識と脱常識の同居」と、虫を捕らえる爬虫類のような「観察と行動のメリハリ」があったんですよ。
 そういうところが、現在の熊象さんの作品からも濃厚にただよってくるというのは、なんだか実にうれしいし、ストレートに「私もがんばろう!」という気になるものです。そして、そういう個人的な関係がなくとも、彼の作品のすべてからは誰もが、作者の視線を通したそこはかとないユーモアが立ち昇ってくるのを感じ取るはずなのです。

 今回の個展は地下のギャラリーで開催されているのですが、壁面いっぱいを利用した作品がいくつかあるため、スペースの都合かすべてで「4つの作品」が展示・上映されているというささやかさになっています。
 でもまぁ、最近の熊象さんにとっての一大テーマになっているという「日の丸」を対象とした作品3つには、やはり観る者に何かを感じさせるインパクトがあって、日の丸にどうしようもなくついてくる政治性を必死に熊象さんが解体しようとする闘いの記録を観るような思いがしました。それは本当に困難だし、無謀な挑戦だとは感じるのですが、問題は勝ち負けじゃなくて、その「闘う意志と姿勢」なんですよね。そこがあったればこその熊象さんの「日の丸シリーズ」であるわけです。

 展示作品は3つの平面作品と1つの映像作品になっていたのですが、奥のスペースを占領していた最後の作品は『例えばの詩』というタイトルのもので、今回ではひとつだけの「非日の丸もの」になっています。個人的には、505ページ分のごくふつうの英和辞典を利用したこの作品がいちばんおもしろかったですね。観れば観るほどじわじわ伝わってくる味わいがあります。私は結局、このギャラリーには2時間ほどしかいなかったのですが、もっと長くいられたねぇ、こりゃ。

 さてこの日、私は熊象さんの最近のお姿を映像作品で確認していたわけだったのですが(あいかわらず、色気と「非常に危険なかおり」をただよわせているご容貌です……)、実はこの後の午後3時にギャラリーの外で落ち合って旧交を温めあうことになっていました。前回の東京での個展いらいの再会ですね。
 そんでま、私は作品を観た直後だったのでかなりテンションを上げて、聞きたいことを満載に頭につめてワクワクしながら待ち受けていたわけだったのですが。

 来ず。熊象きたらず!!

 ギャラリーの近所のミニストップで待ち合わせだったんですけど、30分たっても来る気配もないし、曇天だった空もポチポチ泣き出してくるしでよう! 
 結局、いいかげんにこちらから連絡しようと思った矢先に熊象先生のほうから電話があり、都合ができて今日は行けないという残酷な宣告の純情な感情が言い渡されることに。
 そりゃあねぇよ~!! こちとら、夜7時過ぎに森下で演劇を観るっていう別の用事ができあがっちゃってるんだぜ!? 今さらハイそうですかと千葉に帰るわけにもいかない中途半端な時間なのよ~。

 ホントにカンベンしてよね……『あなたに再び会うとは思わなかった』っていうタイトルの個展を観に行って、会うと約束したあなたに再び会うことができないとは思わなかったですよ!! とんだどんでん返しだぜコンチクショウメーイ☆ ネタかこれは!?

 困った。今が夕方前の4時だから、3時間くらいフラフラしなきゃなんねぇぞ。ちなみに、馬喰町から森下までは、隅田川をはさんで徒歩3~40分くらいの距離です。近すぎるんだよなぁ、途中のどこかに時間をつぶせる大きな店があるってわけでもないし。馬喰町はなぜかタオル会社ばっかだし。

 とりあえず、雨の方はそんなに強くもならず問題はなかったのですが、その日の東京には、まさに梅雨到来といった感じのじめじめ強風がタイミング悪く吹きすさんでおり、事情も事情だったので実に陰鬱たる、レベルで言うと「おこ」ぐらいのストレスをかかえて街をさまようこととなりました。あぁ、東京砂漠! 土地柄も土地側で、昭和っぽいクラシックなビルがまたそういう天気に似合うのよねぇ。

 こういうとき、私はどうするのか? そりゃもう、唄う。次の予定の時間までにひたっすら唄いまくる!!
 ちょうどルーム料金が半額になるサービス券を持ってたからさぁ、馬喰町から森下に向かったあと、そこから JR両国駅まで歩いて行って総武線に乗って亀戸駅まで行って、駅前のシダックスで2時間唄っちゃったよ、もう!
 カラオケは、いいね……一時的にとはいえ、ストレスも梅雨のじめじめ感もすぱっと発散できるから。いつ唄っても、℃-uteの楽曲は全体的にむずかしい。


 さて、気を取りなおして夜7時半。私は予定通りに森下の、おもに演劇公演のための稽古場として利用されることが多い森下スタジオに向かい、お芝居の公開ゲネプロを鑑賞しました。


劇団山の手事情社『道成寺』モルドヴァ・ルーマニア公演 公開ゲネプロ&トークイベント(5月29~30日 東京・森下スタジオCスタジオ)


 これは、来月6月に東ヨーロッパはモルドヴァ、ルーマニア2ヶ国の首都の劇場においてと、ルーマニア中部に位置する中世都市シビウで開催される国際演劇祭の参加作品として、市街地から離れた小山にあるというチズナディオラ要塞教会の内部で上演する、『道成寺』の3都市ツアー公演をおこなうにあたって、日本で凱旋公演をやる予定がないため、せっかくだから出国前にゲネプロ(本番に近いリハーサル)を一般公開にしよう、というはこびになったのだそうです。

 このはからいは、私にとっては非常にありがたかったですね……まず大前提として、山の手事情社の最新版の『道成寺』を観られたという点があるわけですが、舞台美術や照明・音響設備が本番仕様でない仮であることはそうだとしてもチケット料金が内容に対して異常にリーズナブルだったし(500円)、その上に伊藤園のペットボトルの緑茶(300ml)をいただいてしまいました。そんなにしても、おれからは何も出ねぇぜ……

 ただ実は、個人的には作品そのものと同じくらいにありがたかったのが、この公開ゲネプロを通じて私が初めて知った「ルーマニアのトランシルヴァニア地方の要塞教会(要塞聖堂)群」というものの存在で、これは現在のルーマニアの中部+北西部にあたるトランシルヴァニア地方(ドラキュラ伯爵ぅう~!!)には、14~17世紀に600ヶ所もの地方都市に、東の超大国オスマン=トルコ帝国からの侵攻に備えるために建造された「避難&籠城用の城郭」の機能を兼ね備えた素朴な石造りの教会のことを指すのだそうです。城と宗教施設の融合ってあなた、発展の出発点としては同時期の日本のお城の歴史とまったく同じじゃありませんか! これにだだもれのロマンを感じない人間は私じゃありません。
 残念ながら、6月に山の手事情社が舞台とするシビウのチズナディオラ要塞教会は現在、教会の機能は失っているようなのですが、21世紀に残る各地の要塞教会の中には、いまだに現役である上に世界遺産に登録されているほどに保存状態の良いものが7城もあるのだそうで、これはもう、私の「お城探訪熱」がついにヨーロッパにまで版図を拡大することとなった最初のきっかけを、今回の『道成寺』公開ゲネプロからいただく形になったわけです。感謝感謝!!
 いやぁ、いつか行きたいね~、ルーマニア。ワラキア公ドラキュラの住んでいたトゥルゴヴィシュテ宮殿(ルーマニア中南部)、そして、その西の山奥にあるという、伝説のドラキュラ城こと「ポエナリ城」!! 私の足腰がまだまだ現役であり、かつ、ポエナリ城の廃墟が観光できる状態になっているうちに是が非でも行かなければならない山城ですね。


 話をお芝居に戻しますが、山の手事情社の『道成寺』は2004年4月に初演された作品で、私はその初演版を、富山県の南西部にあった東砺波郡利賀村(当時)で開催された国際演劇祭「利賀フェスティバル2004」(4~5月開催)で拝見していました。
 私は所属していた劇団の役者としてその演劇祭に参加していたのですが……もうね、『道成寺』っていうタイトルを目にした段階で、そのころの無数の思い出、風景と表情とにおいと声と音と温度と手ざわりがジュンジュンジュワ~っと脳内いっぱいに広がるわけなんですな。単なるお客さんとしてではなく、いろんな、まさしく「いろんなこと」をする人として1~2週間そこに滞在していたわけです。当時は、半年後に行政上の「利賀村」がなくなって新しい「南砺市」が誕生するという土地柄の事情もあってか、例年のフェスティバルにも増して大いに盛り上がっていたような記憶があります。

 思い出が風化する前に、せっかくこういう個人ブログっていう場所があるんだから、あのころの楽しすぎたあれこれを文章の形にして保存しておくべきかとも思うのですが……それをするには今現在は時間がなさすぎるし、公開するべきものでもないような気もするし。まず今のところはそこらへんを掘り下げるのはやめておきましょう。
 またいつか行ってみたい場所ですね。でも、行ったらそのときの私はおそらく、昔の私とは比べるべくもないただの来訪者であるわけで。あのころの「熱さ」を追体験できることはまず不可能であるわけです。もう、今はいらっしゃらない方も多いですしねぇ。いろんな方々にお世話になりましたよ、ほんっとに。行ったら、たぶん泣くでしょうね、あの大自然を前にして。


 まま、そんな経緯もあって個人的に非常に強い印象を持っている山の手事情社版の『道成寺』の最新ヴァージョンを公開ゲネプロの形で観劇したわけだったのですが、至極当然のことながら変わっている部分も多く見受けられて、とても新鮮な感覚で作品を楽しみました。新鮮なのは当ったり前ですよね、10年ちかくたって作品も出演者の一部も、おれも変わってんだから!!

 ところで、会場に入ってびっくりしましたけど、確かホームページの告知では「各回定員20名」っていう話だったので私もあわてて予約したんですが、実際には80人くらいお客さんが集まってましたよ!? ちゃんと座席が作られていたんで皆さん座れてはいたようだったんですが、やっぱり山の手事情社の企画が座席20でおさまるはずがないですよね。いや、これはまさか、「残席わずか!」というレア感をねらった宣伝戦略だったとでもいうのか!? 見事に踊らされたかたちの、あたくし。


 作品は、日本に古くから伝わる「道成寺」にまつわる伝説や創作作品を、4つほど束ねて構成したものになっています。

 道成寺(どうじょうじ)は言うまでもなく、紀伊国日高郡、現在の和歌山県日高郡日高川町にある天台宗の寺院で、大宝元(701)年、第42代文武天皇(もんむてんのう 683~707年)の勅願による創設であるとされています。あらっ、文武帝って、あの「備中国鬼ノ城」の裏にあった「岩屋寺」の創建者だと言われている「善通大師(史実にいない人物)」のお父様じゃありませんか。なにかと、当時の仏教事情に縁のある帝なのね。

 山の手事情社版の『道成寺』で語られる伝説と物語は、

1、紀伊国の海女が海の中から黄金の千手観音像を拾い上げてそれが道成寺の本尊となり、海女は時の権力者・藤原不比等(ふひと)の養女・藤原宮子(みやこ ?~754年)として文武帝の夫人(ぶにん 現在の皇后)となり、のちに聖武天皇を産んで日本国家と藤原家の繁栄のいしずえとなったという「髪長姫」伝説。
2、延長六(928)年の夏に、旅をする美青年の僧・安珍(あんちん)が、彼に恋焦がれた熊野地方の領主一族の独身女性・清姫に追われて道成寺に逃げ込むが、火を吐く巨大な蛇に変身した清姫が安珍を寺の鐘ごと取り巻いて焼き殺してしまった、という平安時代の「安珍と清姫」伝説。のちに江戸時代に上演された人形浄瑠璃『日高川入相花王』(ひだかがわいりあいざくら 1759年初演)の原作となっている。
3、正平十四(1359)年の春に、清姫が穢してしまった鐘に代わる新しい鐘が完成したが、白拍子(しらびょうし 旅の役者と遊女を兼ねた芸能者)に変身した清姫の怨霊が出現してまた鐘を穢してしまった、という室町時代の能楽『道成寺』や、江戸時代の歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』(きょうがのこむすめどうじょうじ 1753年初演)などの芸能作品の原作となった伝説。
4、平安時代の「安珍と清姫」事件の20年後、安珍を救うことができなかった道成寺の住職・妙念が、再び現れた清姫の怨念にとり憑かれて破滅していくという筋の、明治~大正時代の郡虎彦(1890~1924年)の戯曲『道成寺』(1911年発表)。

 この4つですが、それらが錯綜しつつ、ストーリーテラーのような立ち位置にいるマリリン=モンローみたいな格好をした謎のインチキ白人女性のガイドに案内されて進行していくのです。ヘンなの~!


 さて、ここにくるまでにそ~と~寄り道をしつつ字数を割いてきたわけだったのですが、肝心のお芝居の感想はと言いますと、肩透かしもいいところのささやかなものになってしまいます。


 すなはち、「観なきゃわかんないけど、おもしろいよ!」。これだけ。


 物語はすべて現代からかけ離れた時代のものばかりですし、語られるセリフもその大部分が江戸時代のものだったり明治時代のものだったりするので、よくよく考えてみればそうとう難解な作品に仕上がっていそうなこの『道成寺』。江戸の庶民向けの言葉遣いよりも、それより現代にちかい言葉遣いであるのはずの郡虎彦の言い回しのほうが、クセだらけでよっぽど意味がわからないという逆転現象に唖然としてしまいますけどね。2~3センテンス聴いただけで「あっ、これ郡虎彦だ。」ってわかってしまうのは、やっぱりすごいことですよ。岡村靖幸みたいな明治人です。

 ところが!! ディティールは確かにそうであったのだとしても、そこで語られるのはあきれるほどに単純明快な「おとことおんな」のラヴゲーム。

「その昔、女A は男A を追っていた。追い詰められて男A は破滅してしまった。その20年後、女B は男B を追っていた。追い詰められて男B はやっぱり破滅してしまった。その400年後、女C は男C を追っていた。追い詰められて男C はなんと……破滅してしまった。」

 そんな感じなんですね。ものすご~くわかりやすい「女のおそろしさ」と「男のつらさ」を天丼形式で繰り返す物語なんです。でも、つらいからといって女のいない世界に旅立てるわけでもない男のグダグダ感ね! そういう煩悩たらたらの男どもがいるのが日本有数の名刹「道成寺」だってんですから、にんともかんともこの伝説はジョークがきつすぎます。

 このへんのシンプルなダメさを実にわかりやすく演出しているのが山の手事情社版の『道成寺』であるわけで、めまぐるしく転換していく時代と舞台の中で、劇団のトレードマークたる演技様式「四畳半」の重厚で息詰まる空間と、現代っぽい軽さを意図的に押し出したヘンな空間とがとっかえひっかえ変わっていくのが、あたかも『うる星やつら』を観ているかのようなデジャヴと「あ~あ感」を醸し出すという構図なのです。女と男の永遠にわかりあえない謎のかけあい、みたいな。

 だからなのか、この作品は最終的には各時代の男の屍が横たわる悲劇であるはずなのですが、「治らないんだからしかたない。」という理屈を超えた諦観のようなものを感じ取って、私はなんとなくハッピーな気分になってしまいました。白旗あげま~す! って感じですよね。
 ここらへんの、物語を観たあとに「なぜかスッキリする」という感覚は、平安の昔から、もしかしたらさらに昔の神話の時代から語られてきたのかもしれない「女にかんする教訓」のヴァリエーションとしての「道成寺伝説」の本質にあったカタルシスなのかも知れず、だとするのならば、山の手事情社はこの伝説の「平成代表」の座を見事に勝ち取って、次の時代にその名を残すこととなる『道成寺』になりえているのではないのでしょうか。


 山の手事情社の『道成寺』。う~ん、10年越しに観ましたけど、やっぱり、イイネ!!
 どうやら、今年中に日本で上演する予定はないそうなのですが、なるべく近いうちに舞台として完成された形の『道成寺』をぜひともまた上演してもらいたいなと思いつつ、私は千葉に帰りました。

 でも、演出されていない蛍光灯のまっさらな明かりにさらされた山の手事情社の役者さんがたを観るのも、非常に貴重な経験でしたね。あくまでも「肉体が資本!」をちゃんとやっている劇団がやるからこそ、こういう企画も成立するんですよね。当たり前のことですけど。


 そんなこんなで、予想外の展開もありつついろんな場所を行ったり来たりして疲れた一日ではありましたが、けっこう楽しい梅雨の日となったのでした~。
 熊象先生、今度こそガッツリちゃ~んと会いましょうね、マジで!!
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Fantasy と「さゆルビー期」が始まる  モーニング娘。田中れいな卒業記念日 in 日本武道館

2013年05月25日 22時57分30秒 | すきなひとたち
 どうもこんばんは! そうだいでございまする~。
 へへへ、隠したっておいらは知ってるんだぜ……そこのあんた、土曜日の今日も働いていたんだろう? 奇遇だな、実はおいらも働いてたんだ。今日も一日お疲れさまでした! うわ~ん、休みたいけど働いてお金もいただきたいよう!!

 ってなわけで、前回に引き続いての先日5月21日火曜日、東京・九段下で挙行された一大祭典の極私的体験記のいよいよ本題でございます。


『モーニング娘。コンサートツアー2013春 ミチシゲ☆イレブンSOUL 田中れいな卒業記念日 in 日本武道館』


 まず最初に、今回のコンサートに来てかなり早いうちに気づいた、2011年の高橋リーダー、2012年の新垣リーダー&光井さん卒業コンサートと、今回の田中エース卒業コンサートとの決定的な「空気感のちがい」に触れなければなりません。私みたいなアパトサウルスなみに神経のにぶい人間でさえも、会場に来てさほど時間も経っていないうちに「はた?」と気にせざるを得ないあきらかな相違が、そこにはあったのでした。

 それは、「お客さんの女性率が異常に上昇している」!! ここなんですよ。

 モーニング娘。の日本武道館コンサートは、さすがは伝統ある日本一のアイドルグループと言うべきなのか、むくつけきオッサンがたは当たり前のこととして、もっと年長のシルバー層、妙齢の女性、家族連れ、学生、外国からのお客さんといった幅広い顔ぶれが一堂に会するという楽しさがあるのですが、まず女性アイドルグループのコンサートに女性のお客さんが集まることからして珍しいというのに、今回の田中エース卒業コンサートではさらに、おそらくは田中エースや道重リーダーと同年代かと思われる20代前半のうら若き女性が1人もしくは2~4人で連れだって、と見られる客層が、前回・前々回に比べて格段に増えていたのです。しかも、おしゃれな美人さんが多かった多かった!!
 私の見立てでは、今回のお客さんのうち、女性は実に「3割」に達していたような印象を受けました。これはも~、ものすんごい空気感のちがいですよ!

 この傾向の詳細は、午後5時の開場時間になって会場にお客さんが入るようになってからさらにはっきりしてきました。どうやらこれは、全体的に女性が多いというよりも、ステージに最も近いアリーナ席に陣取っている、メンバーカラーTシャツにサイリュウムの両手持ちがほぼ義務化されている年季の入ったエリートファン層に変化はほとんどなく、1階・2階の「田中れいなが卒業するそうだから武道館コンサートだけに来てみた。」という感じの、ややソフトめのお客さんがたの女性率が異常に高いということらしいのです。

 私の今までの少ない経験の中では、女性ファンが多い多いと言いつつも、これまでの高橋リーダー・新垣リーダー両名の卒業コンサートには、どこからどう見ても「中小企業の現場好きな社長」といった感じの頼もしげなおじさんが特攻服を着こんで若いファンを数名引き連れているという、前線に赴く直前に訓示をたれる鬼軍曹のような緊張感と重厚さにあふれる風景がほうぼうで見られたのですが、もちろん、そういう人たちもゼロではないものの、会場はおおむね「これからどんなコンサートが始まるんだろうね~。わくわく!」というやけに新鮮な初々しさに満ちていたのです。これは異質だ……

 簡単に言ってしまうと、これがモーニング娘。の「5期メンバー」と「6期メンバー」のファン層の違いなのでしょうか。年長の男性に強い5期と、同年の女性に強い6期! 心なしか、今回馳せ参じたと思われる田中エースファンの男性は、全体的にコンピュータに強そうなもの静かな印象の人が多く、やっぱりああいう強めのキャラクターのファンになる人は自分が前に出るというタイプではないんだろうな、と邪推してしまいました。田中エースにしろ道重リーダーにしろ、ロッキーズは他のモーニング娘。メンバーとはちょっと違う目立ち方で注目を集めていく代替不能な魅力がありますからね。

 あと、それに加えて会場がフレッシュなのは、やっぱりそれだけ新しい9期と10期、そして11期に惹かれて武道館にやってきたというあらたなるファン層が着実に増えてきたということでもあると感じました。
 ファン層の若返りがちゃんとなされていて、さらに女性の心もしっかりつかんでいる! 老練なファンが毎回集まることもうれしいのですが、こういう新規の取り込みが確かに機能していることに、私はコンサートが始まる前から妙に感動してしまいました。こいつぁ未来は明るいぜ! っていうか、モーニング娘。の輝ける朝はもう、とっくに明けている!! 『ラジオ体操』が終わって子どもたちがスタンプを押してもらい、ハトが「ほーほー、ほっほー。」っていう、あの独特なビートを刻んでいるくらいの時間だ!


 そんなこんなの高揚感をもちながら座席にすわった私だったのですが、今回の「2階北東サイドスタンド席」はステージのほんとに真横で、しかもはるか上方。やっぱり見えづらかったっす……すぐ右脇に、角度の関係で肉眼で見られない観客のためのステージモニターが設置されていたのですが、もちろんそれはありがたかったものの、実際にステージが始まると正面下の本物を観るお客さんと右脇のモニターを観るお客さんとで視線が交錯してしまい、私の場合は、常に左隣のお客さんのこっち向きの顔を気にしながら正面を観るというヘンな緊張感にみまわれてしまいました。この人も、ヲタクさんとはとても思えない、ピアスとあごひげの似合う2枚目のモデルみたいな青年でしたね。静かにコンサートをみつめて合いの手を入れることはほとんどなかったものの、ステージを観ながらたまにうなずいていたのが印象的でした。ステージに出る仕事の人なのか?
 前回の1階席を体験してしまった私としてはやっぱり「うむむ。」な座席だったのですが、ステージにメンバーが出てきたときにほうぼうから「ちかっ!」「すぐそこだねー。」という声があがっていたのが実に新鮮でした。うん、確かにサイドスタンド席は、ステージ正面前の南スタンドの2階席とかにくらべたら、見えにくくてもステージに格段に近いです。こういう部分に鈍感になってはいかんと自分を戒めました。


 開場時間もしばらくたつと会場のボルテージはじょじょに上がっていき、恒例の、アップフロントグループの所属アーティストが一同で歌唱する『愛は勝つ』の PVやハロー!プロジェクト各グループの新曲 CMがステージの大スクリーンで流れ、いよいよ開演の瞬間が近づいてきた、というワクワク感が満ちていきます。今回はそのあとにハロプロの新アイドルグループ「 juice=juice(ジュースジュース)」によるオープニングアクトと、田中エースのモーニング娘。卒業後の活動グループとなる女性ロックバンド「 LoVendoЯ(ラベンダー)」の2曲ほどのお披露目が15分ほどずつで連続していました。会場もステージも、どっちも初々しいね~。

 さて、お話は時系列からずれてしまうのですが、他の公演のことは知りませんが、私が体験した3回のモーニング娘。コンサートでは、ファンで埋め尽くされているはずの会場をぐるっと見まわしてみたときに、必ず「あれっ?」と気になってしまう不思議な一角があります。しかも、ステージから見て真正面に!
 南スタンドの1階座席がそうなんですが、ここはどうやら「関係者席」になっているらしく、TV カメラの機材が入ったり全員が着席していたりするために、サイリュウムもほとんど点灯しないので、そこだけ真っ暗でかなり異質な空間になっているのです。
 公演中もいちめんがサイリュウムが輝いているのに、よりによってステージのまん前にこんな沈黙空間があるとは。しかも、そこに座って静かに見つめている方々のほとんどは、同じハロプロでしのぎを削る他グループのメンバーだったり、モーニング娘。の先輩卒業メンバー様だったりして! アイドルの世界はまさに、ライヴァルとか先輩後輩とかのキビしい競争社会&徒弟社会なのねェ~!! なにもかもが、ステージ上の華やかさとは正反対の、汗まみれ涙まみれな体育会系……だが、そこがいい!!

 そういえば、会場の照明がおとされてモーニング娘。の舞台が始まる直前に、はかったようにアリーナ席がどよめいて、それにつられて会場1万名の視線がその関係者席に集中するという瞬間がありました。
 私のいる位置からはあまりにも離れすぎている場所だったのでしかとは判別できなかったのですが、それはどうやら、関係者席に入ってきた「ある人物」に反応したものだったようです。だとしたら、それは皆が知っている有名人だったことに間違いはなかったようなのですが、私はその後、家に帰ってからニュースで、そこに AKB48の指原莉乃さんが来場していたらしい事実を知りました。じゃあ、あのどよめきは指原さんに向けられたものだったのか……?

 いや、それはおそらく、違う!! 私は見逃しませんでした、そのどよめきとともに、アリーナ席のほうぼうで、本来ならばモーニング娘。メンバーの工藤遥さんに振られるはずだった「オレンジ色のサイリュウム」がブンッブン振り回されていたことを……
 「モーニング娘。のくどぅーじゃないオレンジ色」といえば、これはもう「菊の御紋」「葵の御紋」「丸に二引き両」と同じように、その名を口にすることもはばかられる「やんごとなきお方」のことをさすことは間違いがありません。ハロプロ物産の伝説セールスマン、エリック亀造のご来迎だ~!! 実は後藤真希さんもメンバーカラーはオレンジだったのですが、たぶんあれはごっちんではない。

 やっぱりあの方はおいでになったのだ……ロッキーズのかけがえのない「もう1人」を静かに正面に見すえて、田中れいなさんのモーニング娘。メンバーとしての最後の舞台はついに開幕することとなりました。この始まり方に感動しないファンが果たしているのだろうか!?
 蛇足ながら、ロッキーズには正しくはさらにもう1人メンバーがいらっしゃるのですが、それはこの際ふれないことにしましょう! 加入した経緯が違うし、今はママタレ活動でいそがしいだろうから。


 さて、先に言ってしまったように、ついに火蓋が切られてしまった日本武道館コンサートは、LoVendoЯの2曲歌唱という形で、主役の田中エースがフライングぎみに登場するスタートとなったのですが、それが終わって4人が姿を消すと、「このコンサートのタイトルは『ミチシゲ☆イレブンSOUL 』なんです!」とばかりに、第8代リーダーこと、我らが道重さゆみさんが単騎でステージに駆け上がり、自身のソロ曲『ラララのピピピ』(2012年)をバックにかなり気合の入ったダンスを披露してくれました。タイトルの通りにほんわかした曲かと思っていたのですが、今回のオープニングのために新録されたというヴァージョンを背に躍動する道重リーダーの身のこなしはまさに「かっくい~!」の一言で、会場は一気にピンク色にひきしまっていきました。リーダーに就任してからというものの、道重さんはここらへんの決意のたたずまいが本当に凛々しい。基本がファニーなだけに、その両極から生じるギャップがステキなんですね。

 そして、この流れにあわせてステージの大スクリーンでは、他の10名のメンバーの衣装を着たリーダーと本人とがいっしょに舞う文字通りの「道重11変化」が展開されていた……らしいのですが、かたくなに実物のいるステージしか観ていなかった私は、そこらへんのスクリーンの模様をまったく視界に入れられませんでした! 右脇のモニター? だぁれが観るかっつうの!! だって、目の前にモノホンがおはしますのよ!?
 実は、私のいた座席はこういったスクリーンがまるで見えない状況にあわせてさらに、舞台上のメインスピーカーの位置のせいか、MC のときのマイクの声が一様にぐわんぐわん反響してなに言ってんのかさっぱりわかんないという惨状も加わってしまっていました。それはまぁ、私が右のモニターの方に顔を向ければ、そっちのスピーカーから聞こえてくる音声でなんとか解決していたのですが、私も基本的にモニターを観なかったもんですから、コンサート中に4回くらい入っていたMC の内容もあんまり聞けていない状態になっていました。なんか、けっこうおもしろいやりとりが連発していたらしかったのですが……無念。

 ただ、やっぱり私にとっていちばん大事だったのはグループの歌唱とダンスが生で楽しめることで、他の環境に多少の難があったのだとしても、そこがしっかりとおさえられていたらもう充分だと!

 いや~、堪能しましたね。まさしく本物のクオリティですよ。

 今回、私にとって最大の収穫となったのは、なんといってもグループの「ほぼ頭上」に近い角度から、最近特に力が入れられてきている歌唱中のフォーメーションのめまぐるしい移動を主体とした、ダンスレベルの異様な高さがあらためて再確認できたことでした。
 も~、ものすごいんですよ! 個人個人の全身をフルに使った振り付けもすでに難しいのに、11人の頭がくるくるくるくる回転したり交錯したりすんの!! 『キン肉マン』の「悪魔人形ボックス」もはだしで逃げ出す連携と団結のめくるめくカレイドスコープ! これは仲が悪かったら絶対にできないパフォーマンスだ。

 序盤から、曲は『 Help me!!』(2013年 52ndシングル)と『ワクテカ Take a chance』(2012年 51stシングル)などといった最近の鉄板曲が惜しげもなく披露されていくのですが、ひとつひとつを連続してこなしていくだけで十二分な達人芸であるのに、それらを展開させているステージが、あきらかに PV撮影や TV収録のスタジオよりも狭くて踊りにくそうなのに、そこを平然と美しくやりきっていくわけ!! これには文句なしに大感動でした。
 だって、舞台には2~3段の階段があるんですよ!? そこを顔を正面にすえたまま降りたり昇ったりジャンプしたりして、次の自分のポジションまで秒単位のタイミングにあわせて移動していくわけ!! 歌パートのあるメンバーは生歌をちゃんと唄いながらよ!?
 いや、そりゃあ「プロなんだから当たり前」と言われればそれまでなんですが、それをやってる人たちがみ~んな、私よりも格段に年下なわけですよ。もう、うなるしかありませんよね。そして、そういう部分を演出的にわざとらしく観客に見せるんじゃなくて、なるべく目立たないように隠しているという姿勢がすがすがしい。凛々しい。道重体制は、ステージ上の凛々しさとそれ以外のやんちゃっぷりとのギャップが素晴らしい。

 私はこの道重体制に、あのプラチナ期のひそみにならって、謹んで「さゆルビー期」という呼称を献上させていただきたいと思います。他の人がいっさい使わずとも、我が『長岡京エイリアン』では頑固一徹で使用し続けさせていただきます。
 ルビーはもちろん、道重リーダーの誕生石にならったものなのですが、誕生石といえば『ジュエルペット』、『ジュエルペット』といったらも~あなた、アニメ第1作の主人公「紅玉りんこ」を演じたあのお方ですよ!! 強引だとは言わせない。

 ところで超蛇足ですが、名探偵シャーロック=ホームズの名作短編に『 Blue Carbuncle』(1892年)というタイトルのものがあるのですが、ここに登場する宝石のガーネットを、日本ではなぜかルビーの別名である「紅玉」と訳してしまっていたために、最近の改訳までに半世紀近くものあいだ、『青い紅玉』という、ある意味では内容以上ににミステリアスなタイトルが広まっていました。ルビーは「紅玉」、ガーネットは「ざくろ石」だぞ! みんな気をつけよう。


 そんな「さゆルビー期」道重体制なのですが、最初の MCではなんと、実に第6代リーダー高橋愛体制いらい1年半ぶりの復活となる「サブリーダー」に第9期メンバーから譜久村聖(みずき 16歳)、第10期メンバーから飯窪春菜(18歳)の両名が就任することが発表され、今まで以上に「女子力重視!」の路線が強調されていくことは間違いがなさそうです。そのあとの MCでもいじられていましたが、いたって正当なものであるはずなのに、譜久村さんの就任に「縁故採用」の香りが濃厚にただようのはなぜなのでしょうか。

 さて、私の経験上、このコンサート最初の MCには前2回のどちらにもプロデューサーのつんく♂さんが登壇し、新メンバーオーディションの開催や合格者のお披露目といったサプライズ発表を執り行っていたのですが、今回はそういったイベントはなしで、ちゃっちゃと次の曲にうつるという進行になっていました。
 でも、これって私にとってはとてもうれしい流れでしたね! つんく♂さんはもちろん出たほうが会場も盛り上がるわけなのですが、やはりそこらへんの飛び道具な出し物がなくとも、モーニング娘。の本領発揮たるコンサートは充分におもしろいはずだし、そこをしっかりと証明してくれたのが今回のコンサートだったと感じたのでした。これは本当に頼もしいことだし、当然ながら、「誰かの卒業発表」という悲報がなされなかったことにも心の底から胸をなでおろしました。道重体制1周年、千秋万歳!!

 その後、最新シングルの『ブレインストーミング』(53rd)を皮切りに再開された名曲づくしの連発はまさしく圧巻の一言。2時間の内容があっという間にハイテンションの奔流で埋め尽くされていくといったおもむき。あ~もう幸せ!

 コンサートで歌唱された曲のラインナップは、全体的に最近の『恋愛ハンター』(2012年 49thシングル)あたりからのシングル&カップリングや、最新アルバム『13 カラフルキャラクター』(2012年)の収録曲がまんべんなくちりばめられていたものの、やっぱりたまらなかったのは、中盤に古くは『 Ambitious! 野心的でいいじゃん』(2006年 30thシングル)から『 Only you』(2011年 46thシングル)あたりまでの、あのプラチナ期とその周辺を中心にすえたメドレーがかなり力を入れて披露されていたことでした。
 『笑顔 YES ヌード』、『みかん』、『なんちゃって恋愛』、『気まぐれプリンセス』、『女が目立ってなぜイケナイ』、そして、私の最も好きな『泣いちゃうかも』……
 思わず、「もしかしたら私は今、半死半生の状態で病院の集中治療室にいて、こういった走馬灯を観ているだけなのではなかろうか?」と疑ってしまうほどのどストライクな選曲に超感動。考えてみれば、こういう言い方は道重リーダーに大変失礼なのですが、そのあたりの名曲の歌唱パートの中枢をになっていたオリジナルメンバーはこの公演をもって、全員グループを去ったということになるのです。

 でももちろん、これからもこれらの名曲の数々はモーニング娘。の新たなる声によって唄い継がれていくでしょう。そういうところの安心度、第9~11期メンバーのみなさんの絶対の信頼度と成長の著しさを身に沁みて感じ入った今回のコンサートでもありましたね。個人的にはもう、鈴木香音さんの歌唱力に惚れなおしちゃいましたよ、あたしゃ!!


 で、気がつけば恒例の、およそ10分間になんなんとするアンコール絶叫と、水色のサイリュウムにいろどられた田中エースの卒業セレモニーが行われていたわけで。

 多くのニュースが語っているように、セレモニーは田中さんの冗談とメンバーの笑い声にいろどられた、高橋リーダーや新垣リーダー、光井さんの卒業セレモニーとはまるで空気感の違うやりとりに終始していました。 
 でも、それがもちろん、お互いに溢れようとする涙を全力でおさえながらのなごやかさであったことは言うまでもないでしょう。私はどうしても、笑顔で抱き合って離れた直後、堰を切ったように号泣しだして工藤遥さんになだめられていた佐藤優樹さんの姿から目が離せませんでいた。泣くな、まぁーちゃん!! こんなに愛らしい人物がいるグループの、今後の未来の明るさを願わずにいられる人が果たしているのでしょうか!?

 セレモニーも終わり、ダブルアンコールで最後の最後に歌唱された楽曲は、田中れいなさんと第6期メンバーのデビュー曲でもある『シャボン玉』(2003年 19thシングル)。

「愛するひとは」
「れいなだけー!!!」

 別れの口惜しさを唄う怨み歌であるはずなのに、なんなんだろうか、この至福感は!?
 やっぱり、この去り方が田中れいな流。別れも悲しさも忘れ、ハイテンションでみんながいっしょになって唄うという、まさに彼女らしいお祭り感の中で、2013年5月21日の田中れいな卒業コンサートは幕を閉じたのでした。


 いや~、2時間半、全26曲。雑味なし、プロフェッショナル大吟醸の最高の公演でした。
 今回は全体的にロッキーズを中心においた歌メインの公演内容になっていたため、トーク以外の MC企画がまるごとカットされて工藤遥さんや生田衣梨奈さんあたりのおもしろさが前に出る機会がちょっと少なめな印象にはなっていたのですが、その分も次回から、新たなる輝きを見せる「さゆルビー期」のメインの1カラットとして、各自さらにぐんぐん成長していくことでしょう。
 ほんとにね~、9~10期の実力の伸びはハンパないですよ! 私としましては、これほどに新体制での次回公演が楽しみになる卒業コンサートはありませんでした。今まではどうしても、不安の感情も無きにしも非ずだったんですが、そんなものはまるめてぽいっと捨てちまえ~っと!!

 でも、次回はぜひとも、もちっと! もちっとだけでいいから、観やすい席で観たいなぁ~、なんてやっぱり思っちゃったりして。でも、私のことはどうでもいいや。あ~、来られてよかった。


 さぁそして、この公演をうけて、次なる9月10日の℃-ute日本武道館初コンサートはいったい、どんなことになるのでありましょうか!? 中島早貴さんも観に来てたそうですからね。

 まだまだ私も死ねないねェ~! がんばって生き抜くぞ~いっと。

 田中れいなさん、今までまっこと、お疲れいなさまでございました! そして、これからもひとつ、なにとぞよしなに!!
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『シャボン玉』って、こんなに楽しい歌だったっけ!?  モーニング娘。田中れいな卒業記念日 in 日本武道館

2013年05月21日 23時27分57秒 | すきなひとたち
 せ~の、おつかぁ~、れいなー!!

 ……って言わざるをえねぇだろ、今日ばっかりは! どうもこんばんは、そうだいでございます。
 みなさま、平日を普通にお仕事で過ごされた方も、有給休暇かそれに近いスケジュール調整をはたして東京・九段下の日本武道館に馳せ参じた方も、まるっとまとめてお疲れいなさまでございました。

 それで本日5月21日火曜日。私はもうあったり前のように休みをとって日本武道館に駆けつけたわけだったんですけれどもね。

 いや~……よかったね。もともと、よくなくなる要素はひとっつもなかったね、なんたって天下のモーニング娘。なんですから。


『モーニング娘。コンサートツアー2013春 ミチシゲ☆イレブンSOUL 田中れいな卒業記念日 in 日本武道館』


 ついに来てしまった、この日が。そして、無事にとどこおりなく終わってしまった。

 私はまぁ、こうやって自分のブログでことあるごとに「モーニング娘。大好き! ハロー!プロジェクト大好き!!」と、ことあるごとにわめき散らしている一介のオッサンなのですが、実際のところはそう言い出したのもおととしの夏すぎくらいからでして、今現在でもファンクラブに入会せずに周辺から遠巻きに彼女たちの動向をのぞきこんでいるというやじうまワイドなポジションにい続けています。

 そういう立場から見ると、やっぱり同じような気合いと志をもって今日のような一大イベントにのぞむ「真性ファン」のみなさまの本気度には本当に頭が下がるばかりだし、思わず感動してしまう熱気を感じるのですが、今しばらくは、なんつっても仕事だ試験勉強だとなにかと不安定な日々の連続がどうにかなるまでは、まだまだこういうラクな場所から応援させていただきたいのよねェ。まぁ、「なにかと不安定」と言ってみたところで、結局は経済、経済!! なにごともマニーなのよねチミー。
 ハロー!プロジェクトのファンクラブは「入会費&初年年会費」が5800円で「年間更新費」が4800円ですか(一般)。いま入れないこともないんですが、ここはもうちょっとガマンして「ここだ!」という吉祥を待つことにしましょう。なにごとも、直感ときっかけは大事。

 しかし今おもえば、私がハロー!プロジェクトのライヴコンサートに行くようになったのは2011年の9月のモーニング娘。第6代リーダー高橋愛さんの卒業コンサートから。それから、当日券であるにもかかわらずメンバーに異常に近い(けど、真後ろ)座席をゲットした奇跡の丸1年前、2012年5月の第7代リーダー新垣里沙さん&第8期(留学生2名も含めると)最後のメンバー光井愛佳さんの卒業コンサートをへて、今回の田中れいなエース卒業コンサートは3回目の参戦ということになります。

 たった3回! まだ3回しか行けていないのですが、その2年弱の間に、私の身辺もいろいろ変わりました……3回とも会場が日本武道館だったのですが、最初はコンサートの右も左も南側スタンドも北側ステージも、サイリュウムの点灯のさせ方さえ知らないという、赤ん坊でさえもない胎児だったのです。いや、胎児は外気に触れちゃいけないんですけどね。
 それがまぁ、なんとかかんとか「オイ!! オイ!!」とか、「(おつか~?)れいなー!!」とか、「(愛するひと~は)れいなだけー!!」とか絶叫できるくらいにまで成長してねぇ……最初の高橋リーダー卒業コンサートのときには「おつか~?」って聞かれてもポカーンとしてたよな、お前。無作法者が!!

 やらしいことを言うと、武道館に行くときは1回目も2回目も、おサイフ事情はチケット代といくばくかのお安めのグッズを買うだけで半死半生という状況だったのですが、今年に入ってからはなんと~かんと~か、グッズ全品を射程範囲内におさえる余裕もできるようになってきました。これも、働くエネルギーをいろんな媒体から毎日供給してくれるハロプロのみなさまのおかげなんですよ! おそらく、こういったイベントに参加する楽しみを胸にいだきながら日常の日々をあくせく働いていらっしゃるファンのみなさんもそう感じていらっしゃるのではないのでしょうか。アイドルとファンとの理想の関係はギヴ&テイクでなければならないのです。偶像と信者みたいな一方的な感じになっちゃあおしめぇよ。

 前置きがいつものように長くなりましたが、以下のコンサート参戦記は、あくまでも上記のような、「やっと首がすわるようになってはきたが頭蓋骨はふにゃふにゃ」というレベルの赤子がタッタカターとキーボードをたたいて組み上げた文章ですので、ちゃんとした歴戦のモーヲタのみなさまの記録をお読みになりたい方は、ぜひとも別のブログをお尋ねになることをおすすめいたします。そして……にわかだからって、怒っちゃや~よ!?


 時はさかのぼりますが、1回目の高橋リーダー卒業コンサートは日本武道館2デイズということで、チケットの先行予約があったために私は事前にチケットを入手して当日にのぞむという余裕がありました。
 それに比して、2回目の春コンサート武道館は1日だけだったために前売りチケットの状況がかなりタイトで、何回かあった追加販売のチャンスも逃がしまくった挙句、私はコンサート当日の当日券チケットに賭けるしかなかったのでした。ライヴヴューイングの選択肢は、私にはないんだよな~。どんなに本人たちの顔が見えにくかったのだとしても、やっぱり私は本人たちのいる空間に行ってみたいワケなんですよ、うん!

 そして今年5月。現在のモーニング娘。第8代リーダー道重さゆみさんとともに第6期メンバーとして、そして、モーニング娘。プラチナ期を中心とする自身のグループ在籍期間「10年4ヶ月」のほぼ全てを栄光のエース格として疾走し続けた田中れいなさんが、21日の日本武道館コンサートをもってモーニング娘。とハロー!プロジェクトを卒業。

 昨年2012年11月のモーニング娘。東京・中野サンプラザコンサートで発表されたこの報は列島を震撼させ、1日公演かぎりに設定された田中エース卒業コンサートの前売りチケットは、例によって発売初日に、あたかもあっつあつのフライパンの上に落ちた水滴のごとくに「じゅっ。」と一瞬でかき消えてしまいました。そして私はその日、朝から晩までお仕事ごとごと。

 また当日券か……でも、去年も当日券でかなりいい座席がとれたし、今年もその感じでいってみよっか!

 そういうわけで、昨年と同じようなスケジュールで日本武道館に駆け込むことにしたのでしたが、今年の武道館はいろんな意味で、前回のコンサートとは状況がだいぶ異なるものになっていたのでありました……やっぱり1年前と現在とでは、モーニング娘。に吹いている風がまるで違う!! そんなことをまさしく身をもって実感した2013年春の日本武道館だったのです。うおお!


 前回、昨年5月の日本武道館コンサート当日券作戦は、結果としては「モーニング娘。の北西スタンド側の花道に来たメンバー数名と目があった気になる。」という望外の超収穫を得て千葉生還となりましたが、なにごとも当たって砕けろでのぞんだ当日の私のスケジュールには、2点の反省点が生じていました。

反省その1 …… 日本武道館到着が「午前9時」は早すぎる
反省その2 …… 当日券販売時刻の「午後3時」になっても行列に並んでいなかった

 この2点なんですが、午前9時に来たのに最大目的の午後3時に目的地にいなかったって、どういうことなんでしょうか……これは「うさぎとかめ」のうさぎにも「ありえねー! はえー意味ねーし!!」と断罪されうる大失態でした。自分で自分がおそろしい。

 まず反省その1については読んで字のごとくなんですが、ただし、午前9時に日本武道館に来ても決して無意味ではありません。
 これは今日の田中エース卒業コンサートの場合もそうだったのですが、午前9時台ではもちろん当日券チケットの販売はしていませんが、通常では午前11時から開始されるコンサート限定グッズ販売場のための長蛇の行列はすでに2~300人規模でできあがっています。
 そして、私のたった2回の経験から言わせていただければ、午前9時にその列に加わって、コンサート限定グッズを全品買い揃えることはもうすでに難しい! つまり、人気アイテムであるがゆえに、全国をまわるコンサートツアーの最終日である日本武道館の時点で在庫がわずかになってしまっているもの、特に卒業コンサートの場合は卒業するメンバーの写真やロゴ、メンバーカラーでデザインされているグッズの一部は、行列の100~200人台ですでに「完売しました。」になるのも当たり前の世界なのです!

 つまり、特濃なファンの方々にとっては午前9時到着でさえ「遅すぎる!」ということになってしまうのですが、あくまでも私の場合は午後3時からの当日券販売がいちばんの目的なので、今のところは特定のメンバーに対する執着もそれほど生じていないこともあって、時間つぶしと「まぁ、来た記念に。」といった軽さでのんびりとグッズ販売の行列に加わるぶんには、そんなに早起きする必要はないわけなのです。

 そういったわけで、昨年の反省その1をふまえた、本日の日本武道館への到着時間は……「午前9時30分」!!

 いや~、なんつっても私、長蛇の列にならぶっていう体験を日常生活でほとんどやらないもんなので、日本武道館前で厳粛に執り行われるこの儀式に参列するのがものすごく好きなんです。特に買いたいグッズがあるわけでもないのについついならんでしまうのは、その行列の空気に触れたいからなんでしょうね。いや、ならんでる皆さんの99.9% は男性なんですけれどもね。

 なんかもう、会話がおもしろいのね。顔見知りと思われるファングループのあいだで交わされる、日本全国のどこどこから来たとか、集まるのが久しぶりだとか、あの人は何時ごろに来るって……あぁ、いた! オーイ!! とか、秋の℃-uteに行けるかどうかは仕事のはかどり次第だなぁ、とか。全体的にお祭りなテンションの高さが、オッサンだらけながらもとっても人間的でうきうきするんです。まわりを見わたせば、他にも外国語で会話をするヨーロピアンな集団がいたり、ケータイで動画を観て気分を高める集まりがあったり、ひとりで黙々と大学受験あたりの参考書を読んでいる若者もいたり。
 かく言う私はといいますと、昨年に引き続いて伊坂幸太郎の文庫本を読んでいました。まるまる1冊読み終わっちゃったよ! 天気が良くてよかったなぁ。昨年の武道館コンサートではたまに豪雨が降りそそいでいました。

 結果として私は本日、午前9時30分に行列に加わって、グッズ販売開始からしばらく経ったお昼12時30分ごろに自分のグッズを購入することができました。今回買ったのは、いつものタオル&サイリュウム2本の組み合わせに工藤遥さんモデルのオレンジ色のTシャツ。今回のオリジナルTシャツは市松模様になっていてなんかよかったです。
 だいたい流れや雰囲気は昨年といっしょだったのですが、確か昨年は、私は午前9時に並んで午後1時に購入できていたはずなので、昨年よりも今年のほうが約1時間ぶんほどスムースに行列が進んでいたということになります。特に今年のほうが人数が少ないという印象はまったくなかったですけどねぇ。

 いっぽう、昨年の反省その2はまったくの大ボンクラミスで、私は午前中に着くなり会場整理のお兄さんに当日券チケットの販売場の位置を鼻息あらく尋ねていたのですが、そのときに指示された場所のちょっと向こうにあった「女性&ファミリー客用のグッズ販売場」のある仮設テントで販売されるものと勘違いしてしまったために、正確な場所を知らないまま待機することになってしまったのです。実際のチケット販売場は武道館正面入口の右手に「ひっそり。」と口をあけている数ヶ所の窓口だったのですが、私はそこを通り越して、男性客用のグッズ売り場に負けないにぎわいを見せていた仮設テントに目を奪われて、手前の窓口が視界から完全にはずれてしまっていたのでした……そういうミスをよくする人間だとは30年以上の付き合いでわかってはいるんだけど、あまりにもひどい。

 結局、私がそのミスに気づいたのは当日券販売開始「後」の午後3時5分ごろで、さすがになんの変化も起きない仮設テントのまわりを冷や汗をかきながらウロウロしてふと後ろを振り向いてみたら、思ったよりもはるかに地味な行列がぽつねんとできあがっていたので慌ててならびなおしたのでした。
 そして、今となっては本当に信じられない話なのですが、その時点でできていた行列はたかだか20名ほどというささやかさで、開始後にならんだ私でさえもが、結果としてステージに激近な(でも見えにくい)「北西1階席サイドスタンド」をゲットすることができたのでした。
 正真正銘の結果オーライなので、このくだりは昨年の記事には書かなかったのですが、ほんとにビギナーズラックというかなんというか……とにかく、助かりました。

 さて、そんな反省その2を受けての、今回の当日券販売にできるであろう行列への私の想定した参加時刻は、「午後2時55分」! 開始の5分前。

 いや、わかる。午前9時半に来て12時半にグッズを買い終えたのだったら、その足で1時ごろに当日券の行列にならんだらいいんじゃないかと。そうしたらいい座席が確実にゲットできるんじゃないかと。
 実際に、今日の会場では、午前9時半の時点ですでに、どこからどう見ても徹夜組なみなさんが当日券の販売場近くに20名ほどならんでいました。これは……ひょっとしたら、昨年よりも多い人数が当日券にならぶ可能性がある。そんな予感もしたわけだったんですが。


 私の目的は自分のいい席を手に入れることじゃあないんです。「なるべく多くの角度から楽しいコンサートの活況を味わうこと」! これなんですよ。

 ようするに、ステージが見やすい席に座りたいのだったら、とっととファンクラブに入会するべきなんです。今のところ、モーニング娘。の日本武道館コンサートの当日券では、必ずステージにたいする角度や機材配置の関係で「見えにくいお席となります。」というただし書きのつくサイドスタンド席しか残っていない、という厳然たる事実はだいたいわかってきました。
 でも、ヘンな角度から観るモーニング娘。のコンサートも、もうちょっといろんな場所から観てみたい! そこには必ず、私がまだ発見できていない種類の感動があるはずなのだ。天下のモーニング娘。の舞台が、正面から見なければその真価が見いだせない程度のものであるわけがないのです!! ウラをとれ! でも、真ウラにまわったらお客さんの迷惑だから、ちょいななめウラをとれ!!

 そんなわけで私は前回同様、昼過ぎには日本武道館にいたのにもかかわらず、武道館にある昭和風味のレストラン「武道」でカレーライスをのんびり食べたり、ふらっと歩いて江戸城北ノ丸の外堀を「ぬら~、ぬら~……」とただよっていた体長1m はあろうかというコイを、笑っちゃうくらいにいわくありげな喪服の女性といっしょに無言で20分間ほど見つめていたり、江戸城本丸公園に行って白人さんだらけの江戸城天守台にのぼったりと、私なりには意味があるけどモーニング娘。ファンにとっては血迷ったようにしか見えない無為の時間を2時間ほどすごしました。これほどまでに濃密で息詰まる無意味な時間がかつてあっただろうか!? あつかったね~。もう夏ね~。

 その間、全身にわきあがる身震いするまでの後悔の念! でも、ここを耐えてこその今回のトライなのよ。どうせいい席ったって、前回の1階最前列が限界なんですからねぇ。そこをいま列にならんでいる人に取られていくっつったって、いいじゃねぇかそんなもん。私はもうそこに座れたんだし。また今日、私以外の誰かがそこに座って大いに楽しんでくださればいいんだよ。

 そんな不気味きわまる妄想をいだきつつも、午後2時55分に満を持して当日券売り場に向かったのでしたが、現場に行った私に襲いかかってきたのは、前回の武道館コンサートとは圧倒的に違いすぎる状況!

 前回はチケット販売後にならんで20名程度の列だったのが、今回は開始5分前の段階で150名の長蛇の列! どこからどう見ても私はならぶのが遅すぎた!! ヒエ~、へんな小理屈なんかこねずに、私も早くならんでおけばよかったよう!!

 これにはさすがにビックラこきました……状況があまりにも昨年と違いすぎる。
 言っておきますが、昨年のモーニング娘。の日本武道館コンサートだって、2013年5月の現時点ではモーニング娘。史上最長のメンバー在籍期間記録「10年9ヶ月」の偉業を達成した第7代リーダー新垣里沙さんと、急遽、無念の卒業を決断することとなった光井愛佳さんのペア卒業コンサートということで、意味合いとしては今回の田中エース卒業に勝るとも劣らない重要性があったものでした。それなのに、この勢いの違いは一体なんなのだろうか。

 思うに、これこそが「時流の追い風」というものなんじゃないのでしょうか。今、モーニング娘。は「シングル2連続チャート首位」という話題で、ふだんはアイドルにさほどの興味のない人々にもわかりやすく「へえ~。」と言わせることができる訴求力を持ちえています。
 私個人としては、CD がここまで売れない時代になりながらも、いまだにほぼ唯一無二の人気指標になっている「オリコンチャート」というものに若干の不満もないわけではないのですが、やっぱりこの力は無視できないものがあると。それはもう今回の当日券の売れ行きのものすごさで身をもって再認識しました。メンバー個人個人の人気とはまるで別の次元で、確実にグループの勢いが加速していたのです。

 それでまぁ~、私は最悪、「チケットが取れませんでした……午前中に出向いて当日券で必ず観るだのと大口を叩いた責任を取って、我が『長岡京エイリアン』の連載を本日付けで打ち切ります。来週からは『長岡京エイリアン Max Heart 』がはじまるよ。おともだちとみんなで見てね☆」というテロップまでもが脳裏をよぎったのですが、まさに命からがらという感じでなんとか当日券にありつくことができました。

 とはいえ、私が今回ゲットしたのは「北東サイドスタンド2階席の前列」。「2階席」なのよね~。日本武道館の2階席は、事実上の3階席なのよね~。ステージは遠いのよね~。
 要するに、昨年に奇跡的に手に入れた「北西サイドスタンド1階席」とは、(前回も今回もほぼ同じ形の)ステージをはさんだ反対側ななめ上方に位置する場所で、ステージを観る角度はほとんど「上から見おろす」感じ。ステージを真横から観ることに違いはないのですが、私のすわった座席は昨年よりも後方になってしまったため、前回かろうじて見えていたステージ後ろの巨大 CGスクリーンは今回、まったく見えないというシビアな状況になってしまいました。まぁそのほかにも、今回の私の座席はコンサートが開始してはじめてわかるさまざまなキビしい条件がチラリホラリと……

 いいじゃないか、いいじゃないかと自分に言い聞かせはするものの、やっぱり午前中に来ておいてこの座席か……

 話は変わりますが、私は今年、その時に五体満足で生きていたら必ずや、9月10日の℃-uteコンサートと、11月29日のBerryz工房コンサートには行かせていただきたいと日夜、八幡大菩薩に祈願しております。

 この2つのコンサートは……今回の田中エース卒業コンサートに比較して、どんな感じになりますかねぇ。
 重要なのは、どちらも「グループはじまって以来の日本武道館コンサート」ってことなのよね……当日券のならびかたはどうなることなのやら。

 今から、この身でそれぞれの空気を感じることが楽しみでしょうがないわけなのですが、できれば今回みたいな2階席は避けたいな……どうかな?

 いちおう、℃-uteコンサートは今回の課題をふまえて「チケット販売開始10分前」に当日券売り場にならぶつもりなんですが、次回こそ、ほんとに150名をさらに上回る長蛇の列ができてしめだされる可能性もあるし、案外それほどではないのかもしれないし。Berryz工房もそうなのですが、日本武道館という土地になじみのあるモーニング娘。とはまるで違う、「その時になってみないとわからない」カオス感に思わずぞくぞくしてしまいます。楽しみですね~。


 あらっ、とか何とか言ってるあいだに、すでに字数がこんなアホなことに!?

 ということで、さんざん引っぱっておいてなんなんですが、肝心かなめの田中エース卒業コンサートの内容につきましては、また次回の講釈ということにさせていただきます。もう、『長岡京エイリアン』ならではの毎度おなじみ、だらだらクオリティでございます……

 ホントにね、今回の卒業コンサートは前回、前々回とはまるで違う空気感を持った、田中れいなという人物の味わいがこれでもかというほどに前面に押し出された独特な公演になっていましたよ!

 結論から言っちゃえば、座席の条件こそ3回中最悪でしたけど、私は今日のコンサートがいちばん好きでした!!
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やるよね~!! んでま、行くよね~!!!

2013年05月19日 21時18分25秒 | すきなひとたち
Berryz工房、初の日本武道館単独公演を11月に開催
 (最新音楽ニュース・ナタリー 2013年5月19日付け記事などより)

 Berryz工房が5月19日、東京・日比谷野外大音楽堂にて行われたコンサートイベント『日比谷野音90周年記念事業 Hello!Project 野音プレミアムライヴ 外フェス』で、11月29日に日本武道館で単独コンサート公演を行うことを発表した。

 ハロー!プロジェクトのメンバー48人が総出演したこのイベントの終盤にBerryz工房は登場。℃-uteとともに『超HAPPY SONG 』を唄おうと観客を盛り上げていたところで曲が止まり、ステージに突然、プロデューサーのつんく♂(44歳)が登場する。つんく♂は「℃-uteは9月10日(℃-uteの日)に日本武道館で初の単独公演が決定しました。でもBerryz工房も武道館でのコンサートをやりたいと思ってますか?」とBerryzのメンバーに問いただすと、ももちこと嗣永桃子(21歳)が「思ってますよ。」と即座に返答。さらにつんく♂は、集まったファンにも「Berryz工房のこと応援できそうですか?」と問いかけ大きな声援を受けると、続けて「本気なら武道館やりましょう!」とBerryz工房として初の日本武道館単独公演を発表した。
 開催日程について、つんく♂は「Berryz工房にふさわしい日を用意しました。」と語り、ステージ上のモニタに「11月29日(いいつんくの日)」と表示されると会場からは笑いが起こった。この日程についてつんく♂は、「Berryzの本気が伝わらなかったら、この日はシャ乱Qが代わりにやります!」と条件をつけてメンバーの全力投球を促し、「武道館は1万人入ります。大成功させて。」とエールを送った。武道館公演開催まで、Berryz工房のメンバーは気が抜けない展開となった。

 この発表を受けて、Berryz工房キャプテンの清水佐紀(21歳)はうれし涙を浮かべながら喜びの表情を見せ、「ありがとうございます。」とファンの声援に感謝。嗣永は「打倒シャ乱Qさんだよね!」とメンバーを鼓舞し、「絶対に日本武道館公演を大成功させたいと思います! おとももちを誘って来てください。」とファンにお願いした。また、9月10日に初の日本武道館公演が決まっている℃-uteの岡井千聖(18歳)は、「Berryz工房も℃-uteも日本武道館が決まったから、これから切磋琢磨して武道館を埋めようね!」と力強くアピールし、両グループメンバー全員で『超HAPPY SONG 』を熱唱した。

 Berryz工房は2004年に当時のハロー!プロジェクト・キッズ15名の中から選抜された8名で結成され、現在は7名のメンバーで活動中。2007年4月には埼玉県のさいたまスーパーアリーナ(収容客数3万人)にて単独コンサートを行っており、同会場で単独公演を行ったアーティストとしての最年少記録(平均年齢13.8歳)を打ち立てている。



 やっぱ、やるよねェ~!!

 そらもう、今年2013年というイヤーはいろいろと、ハロー!プロジェクトとしては見逃すことができない上昇気流が起こりつつありますから。ここで重鎮Berryz工房が動かないわけにはいかなかったということなのでしょうか。

 ただ、こんなことは私が申すまでもなくグループやファンのみなさんが痛感しておられることかとは思うのですが、3番目に日本武道館のステージに立つことになった以上は、前のグループよりももっとがんばんなきゃいかんと! ましてや、おそらくは今年最後のハロプロ所属グループ単独コンサートになるのでしょうから、トリとして来年につなげる空気を生み出す責任もになっちょるっちゅうわけ! どわった~!!

 つんく♂サプライズももはやサプライズではなくなっていたし、なんにしろ新鮮味がいくぶんけずられたニュースにはなっているかとは思います。でも、そこらへんの雰囲気を巻き返した上で、さらに奇跡のコンサートを現出せしめてこそのBerryz工房よ! 突き抜けていただきたい!!

 非常に誠実なキャプテンや、キャラクターとして100点満点な嗣永さんは、いい。そこはもうわかり申した。
 Berryz工房は7人組! さらなる「5つの顔」も加わってレインポーなコンサートがつむぎ出されることを切に祈っております。

 しかし、さすがはつんく♂プロデュース。℃-ute日本武道館コンサートの約2ヵ月後という、仕事とお休みのバランスやおサイフ事情にとってもやさしい日程調整になっておる。
 もちろん、9月10日に引き続いて、生きている限りは必ず行くよね~! 「すっ!! ぺっ!!」って絶叫するよね~。実に楽しみだなぁオイ!


 そして、私にとって2013年最初の日本武道館となる「その日」はもう、目の前に。あさって21日ね。
 やっぱり当日券で入らせていただくことになるんですが、さいさきのいいスタートになりますように~っと!!


 ♪あゥいィっすゥるゥひィっとォ~ゥはっ れーいなっだっけー!!
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