心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

「2022年度」もあと2日ですね。

2023-03-29 20:30:43 | Weblog

 旧暦では「桜始開」の季節、人々が心待ちにする桜の開花の時季到来ですが、今年は旧暦の季節感よりもひと足早く、各所から満開の知らせが届きます。明後日の夜は大阪城の夜桜を楽しみながら懇親を深める予定なのですが、桜さん、もう少し踏ん張ってほしいですね。

 さて、2022年度もあと2日、あっと言う間に過ぎていきます。ブログを更新して1週間が経過しますので、そろそろ更新しようかと思いつつ何も浮かばない。ということで今、グレン・グールド奏でるハイドンの「後期6大ピアノ・ソナタ集」(1981年録音)を聴いています。小難しい音楽理論をもっているわけではないので、部屋に充満するピアノ曲に心を委ねるだけです。手元にはLPレコードとCDがありますが、今夜はCDをハイレゾ録音したものをステレオをつないだパソコンを介して聴いています。
 そうそう、先週の金曜日にフランス文学講座を終えて帰宅すると、長男君が帰っていました。聞けば、大阪支社での会議を終えて寄り道したのだとか。お正月に会って3カ月ぶりです。仕事の方も順調に推移しているようで、一泊した翌日の夕刻、近くのお寿司屋さんで一献傾けて送り出してやりました。マスクの着用が個人に委ねられて2週間あまり経ちます。東京の様子を伺うと目立った変化はないみたい。先日、京橋界隈の飲み屋街の一画にこんな看板がありました。一瞬笑ってしまいましたが、さあてどうしましょう。
 昨日今日と予定がなかったので、朝、お不動さんまでお散歩しました。会釈する程度でお話しはしたことはないけれど、いつもお参りにお越しになっている方、作務衣を着て休憩所の接待をされている方、そして朝のお勤めを終えた僧侶の方々、法螺貝の音色が境内に響きわたります。いつもの風景が目の前に広がります。
 そういえば先日、老夫婦が住んでいたお向かいのお家(既に御夫婦は施設住まい)にやっと新しい住人がやってきました。3人のお子さんをもつ若いご夫婦です。静かな街に元気な子供たちの声が響いています。やはり子供たちの存在は大きいですね。街全体が明るくなります。もう1軒、斜め向かいのお家も昨秋取り壊されて更地になっていますが、買手が見つかっていない様子です。こちらにも若い夫婦が引っ越ししてくれると、街に賑わいが戻ってきます。
 下の写真は種を蒔いて育てたカリン(4年目の実生苗)です。去年から花が咲き始めましたが、今年は実がなるのでしょうか??
 きょうはとりとめのないお話しになりました。あと2日で新年度を迎えます。現役の頃なら気忙しさもありましたが、今では時計の針がひとつ進むだけです。でも、この歳になると、時計が刻む一刻一刻が貴重な時間になります。ここですべてを諦めたらおしまいです。小さな小さな思いを大切にしながら、前を向いて歩いていくことにいたしましょう。

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歩いた頃を思い出した四国遍路バスツアー

2023-03-22 23:06:20 | 四国遍路

 きょうは、シニアの仲間たちと京都にでかけました。地下鉄東西線東山駅で集合し、まずは藤井斉生会有鄰館第一館に向かいました。1926年に武田吾一が設計した東洋美術のコレクションで知られる美術館です。ついで同じく1909年に武田吾一が設計した京都府立図書館(ファサード保存)を見学。その後、京都会館(ロームシアター京都)界隈にある京料理「六盛」で「手をけ弁当」のランチをいただきました。食後は、京都市美術館(京セラ美術館)で、学芸員の方から同美術館の建物に関するレクチャーを受けたあと、館内の見学、そしてコレクションルームを見て回りました。
 昨日とはうって変わってお天気もよく気温がぐんぐん上昇。白川沿いの桜も朝は二分咲きだったのに帰る頃には四分咲きになっていました。週末には満開となるのでしょうか。お天気が少し心配ですが..........。

 さて、今日のテーマは、先週土曜日に行ってきた四国遍路ツアーです。今回は12番札所の焼山寺、13番の大日寺、14番の常楽寺、15番の国分寺と廻りました。前回、歩いて廻った記憶が蘇ってきます。
 「遍路ころがし」といわれる焼山寺に歩いて向かったときは、6時間余りをかけてふた山を越え杉林の中を歩き通すという初心者にとっては辛いものでした。急な上り道あり下り道あり。目の前に一本杉庵が見え大きな弘法大師像が現れた時は、「同行二人」という言葉を全身で感じたものでした。
 それが今回は、大型バスで麓に着くとジャンボタクシーに乗り換え、山頂の駐車場に向かいます。雨は上がっていましたが標高830メートルの山頂ですから、境内まで400メートルほどの参道には靄が覆っていて、なにやら神秘的、身の引き締まる思いがしました。
 いくつもの灯篭が続く一画に、岩の上から様子を伺うお猿さん(石造)が私を待っていてくれました。1回目のお参り、2回目のお参り、そして3回目の今回も、私を迎えてくれました。「えっ?きょうは楽をしてバスでやってきたの?」「まあ、会えたから嬉しいけどね」と言っているように思えました(笑)。
 県道を挟んで向かいに一宮神社がある大日寺、こちらも神仏分離の歴史があります。天然の岩盤の上に立つ常楽寺は、境内のアララギの木の股に大師像が鎮座していることで知られていますが、このお寺は児童養護施設を併設していることを前回の歩き遍路のときに知りました。
 そこから少し歩いた所にある国分寺は、以前お参りしたときは境内が工事中でしたが、それも終わり立派な伽藍になっていました。その昔、全国各地に建立された官立の寺院で、当時はずいぶん広大な寺院だったようですが、今は田畑と民家に囲まれたお寺です。
 今回のツアーのお供に文庫本(眠れないほどおもしろい「密教」の謎)を持って行く予定でしたが、実は出発の前日に発売になった白川密成著「マイ遍路~札所住職が歩いた四国八十八カ所」(新潮文庫)を連れて行きました。密成さんと言えば、第57番札所「栄福寺」の住職で、私も日頃Twitterで投稿を拝見している「お坊さん」です。区切り歩き遍路をされたことを綴っていらっしゃっていて、読み始めてみると歩いているときの苦労、楽しさ、思いに共通するものが多々あり、すごく共感を覚えました。道々の風景と人との出会い、.....もう一度歩いてみたい気持ちにさせます。
 こうして1週間を振り返ってみると、このところ四国八十八カ所のことが私の中に充満しています。夜な夜な本を開きながら、私の心の中の終活が始まり出している感があります。「なんのために歩くのか」ではなく、ただただ歩く。ただただ歩いたなかで、過去の柵を捨て去り残された人生に新しい生き仕方を気づかせてくれた。そんな気がしています。

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孫娘を白浜アドベンチャーワールドにご招待

2023-03-16 21:13:30 | Weblog

 朝夕は肌寒さを感じますが、陽が高くなるとポカポカ陽気です。そんな昼下がり、春の陽気に誘われて、いつも行く園芸店を覗いたらお休みでした。なので2軒目を覗いてベルフラワーを買って帰りました。ついでにショウガの種イモも。やはりこんな季節感を肌で感じるのは快いものです。
 さて、先週土曜日にやってきた次男君一家、昨日はお嫁さんの実家に移動して今日横浜に帰っていきました。お正月に会ったばかりなのに、3歳の孫娘はさらに成長していました。来月から近くの保育園に行くそうですが、好奇心旺盛。なんでも興味津々です。人間にとって一番成長する時期なんでしょう。70を過ぎてぼんやりしていたら付いていけない雰囲気です。そんな次男君一家と一緒に、和歌山は白浜のアドベンチャーワールドに行ってきました。初日は天王寺から特急電車に乗って午後2時過ぎに白浜駅に到着、とれとれ市場に向かいました。
 お宿のとれとれビレッジに向かいました。発泡スチロールでできた円形のお家が何軒も並んでいます。そのうちの一棟がこの日の宿泊室でした。部屋にもお風呂はありますが、徒歩5分ほどの所に温泉があります。食事もその一画にあるレストランでいただきます。子ども連れには楽しい宿泊施設かもしれません。
 その夜遅くには雷雨が襲いましたが、なんと明け方になるとうっすらと青空がのぞくお天気です。意気揚々とアドベンチャーワールドに向かいました。お目当ては、やはりパンダです。広い園内でゆったりと過ごすパンダ。長い行列もなく、パンダの愛らしい姿を眺めることができます。孫も大喜びでした。次いでサファリーワールド、マリンワールド、ふれあい広場を見て回ると、ちょうど良い時間です。
 やや疲れが出てきた爺さん婆さんですが、孫娘は元気そのものです。家に帰ってからも、小さな段ボール箱を相手にお絵描きをして遊んでいます。我々とは身体の構造が違うような気がします。若い両親も大変だろうなあと思いつつ、考えてみれば私たちが若かった頃も同じようなことをしていたことを思い出しました。
 そういえば帰りに環状線に乗っていたらロンドンからやってきたという若い女性に出会いました。そこで登場したのがお嫁さんです。通訳の仕事をしていただけに流ちょうな英語で大阪の道案内をしていました。ということは、孫娘も大きくなったらどこかの国に行ってしまうかもしれません。いやいや国境と言うもの自体がなくなっているかも。戦争なんて起こりようがありません。私もそろそろ引き際ということにしておきましょう(笑)。

 さて、明日からお婆さんと長女そして孫2人は、2泊3日で東京ディズニーランドに行ってきます。長男君の高校合格祝いの一環です。一方の私はというと土曜日に四国遍路ツアーです。1月から始まって3回目ですが、どうもお天気がよろしくないようで、今度も午前中は雨の予報です。先日、ジュンク堂書店で並木伸一郎著「眠れないほどおもしろい「密教」の謎」を買って帰りました。車中でぼんやりと眺めながら、行く先々の風景を楽しんできます。日帰りツアーも今回で終わり、次回4月からは1泊2日でのお遍路になります。

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『連携』という言葉 ~ 朝ドラ「舞いあがれ!」

2023-03-09 20:40:04 | Weblog

 きのうの朝、梅田の水彩画教室に向かう電車の中で文庫本に読み耽っていたら中之島駅に着きました????。どうやら違う電車に乗っていたようです。慌ててなにわ橋駅まで戻り、歩いて梅田に向かいました。すると中央公会堂の前に妙なオブジェがありました。何?これ?。車の上に車が乗っかっていて、その上には樹木が植わっています。ついついスマホで写真を撮ってしまいました。こんな調子で、ここ数日おだやかな日々が続いています。
 さて、ここからが本題です。仕事を辞めてから毎朝なんとなく見ている朝ドラですが、ものづくりの町・東大阪を舞台にした『舞いあがれ!』が今月末で幕を閉じます。先日、福原遥演じるヒロイン・舞が語った『連携』という言葉を、なんとなく懐かしく思いました。

 人力飛行機作りのシーンでは、若い頃身近で若者たちの制作場面を見たことがありますし、某局主催の鳥人間コンテストを見に琵琶湖河畔にまで出かけたこともありました。本来業務とはかけ離れたところで、阪大の先生とご一緒に東大阪の町工場を廻ったり、クリエーションコア・東大阪で地元の方々とご一緒したことも多々ありました。NASAに納品するような先進技術が東大阪の町工場で生まれています。朝ドラ「舞い上がれ!」のとおりです。経済団体を中核とする産官学連携事業の一環で国プロに挑戦し採択されたりもしました。今となっては懐かしい思い出です。以後、異業種交流が私のテーマになっていました。
 そうそう、市内では歴史のある商店街で、組合の皆さんと一緒に活性化事業に取り組んだこともありました。高齢を理由に引退する店主の跡を継いだ若い女性、東京で企画会社に勤めていた方ですが、夜な夜な組合事務所で缶ビールを片手にああでもないこうでもないと話しあったこともありました。こうした活動の前提には必ず「連携」という言葉がありました。
 四国を歩いていると、至る所でシャッター街になった商店街を目にしました。全国チェーン店がやって来くると地元の小さな商店は太刀打ちできません。そして町からお金が東京の本社に吸い上げられていきます。地方が疲弊するのは当然です。どこかでパラダイムシフトが必要です。
 当時、私は職場でも「連携」「連携」と言って回っていました。大きな組織もほっておいたらいつの間にかタコツボ組織になってしまいます。我が城を守る軍団が闊歩し組織が硬直化していきます。そんなときに出会ったのが知識経営の生みの親である野中郁次郎先生でした。あるシンポジウムでお目にかかりました。SECIモデル。「暗黙知」と「形式知」というものの考え方を教えていただきました。
 私も歳ですねえ。朝ドラを見ながらふと昔のことを思い出してしまいました。実は、現在関わっているNPOという小さな組織でも同じような問題が見え隠れしています。長年培ってきた「知識」をうまく繋いでいくことが不得手です。せっかく積み上げてきた知恵が一人の頭の中に埋もれています。シニアで構成する職場ですから、いつ誰が健康を損ねてリタイアするとも限りません。組織の持続可能性を考える意味で放置できません。私の最後のご奉公になる予感がしています。

 さてさて、先週後半からバタバタしていた仕事も、明日で大きな山を越えます。期待した通りの成果を数字で示すことができて安堵しています。この土曜日には横浜から次男君一家が帰ってきます。少し小休止して孫娘と一緒に一泊二日の小旅行、白浜へパンダを見に行ってきます。良きお爺ちゃんをしてこようと思っています(笑)。

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由良弥生著「眠れないほど面白い空海の生涯」

2023-03-01 15:00:45 | Weblog

 きょうから3月。一気に春めいてきました。先週に続いて今週も花壇の土いじりが日課です。冬の寒さに耐えられず枯れてしまったかと思っていたクレマチスの枝先には、大きく膨らんだ葉芽が顔を覗かせています。今日はお天気が良いので、近くのホームセンターに自転車でひとっ走り。培養土を買ってきて鉢植えの草花に春の準備をしました。
 さて今週は、シニア仲間と藤井寺の道明寺に梅の花を見に行きました。ふだん近鉄に乗る機会がないので何となく遠出をした気分でしたが、このあたりは古市古墳群にも近く訪ねたい所は山ほどあります。この日は道明寺天満宮とお隣の道明寺を巡り、あとはランチ会(その後呑み会)で楽しいひとときを過ごしました。
 前回投稿した徳島・切幡寺の記事で、明治政府の神仏分離令のことに触れましたが、ここ道明寺も同じ運命にありました。7世紀代に建立された、古墳造営に携わった土師氏の子孫菅原道真公ゆかりの寺で、明治に入って八幡宮と寺が分離され今日に至っています。ご本尊は十一面観音菩薩像でした。
 ところで、以前から7、8世紀頃の仏教の成り立ちに何となく関心を持っていました。なかでも、(弘法大師ではなく)哲学者「空海」の人となりが気になっていたところ、先日、天満橋のジュンク堂書店で、由良弥生著「眠れないほど面白い空海の生涯」(三笠書房)に出会いました。450ページにも及ぶ分厚い文庫本です。由良弥生さんってどんな人?。ネットで調べてみると、政治経済学部を卒業後、出版社勤務を経て編集事務所設立。さまざまな図書の企画・編集及び執筆を手がける、とあります。へぇ、宗教者でも研究者でもない方がこんな本を書くんだ。
 空海については、これまでもいろんな本を眺めてきましたが、専門的な仏教用語が多くて取っつき難く、理解も中途半端。ところがこの文庫本は、難解な古代の歴史を分かりやすく綴っていて、時代の大きな流れのなかで空海を見つめることができます。空海の時代の天皇と藤原一族の系統図も添えてあり縦横の理解が深まります。難しい漢字には随所にフリガナが付けられていて、私のような初学者にはうってつけの文庫本です。ついつい「眠れなく」なってしまいました。
 昨夜、第4部「出家宣言後の日々/大日経の世界」まで読み進んで、はたと思いました。明治から昭和初期にかけて活躍した世界的な博物学者・生物学者・民俗学者として知られる南方熊楠が、真言宗の高僧・土宜法竜と交わした書簡の中で著した科学方法論「南方曼荼羅」のことです。素人には非常に分かりにくいのですが、そこには大日如来の世界観があると言われています。回りまわって南方熊楠に舞い戻ってきました。読書の楽しみには、こんな出会いもあるんですね。
 さてさて、こんな暢気な暮らしをしていますが、今週後半からNPOの仕事が来期に備えて繁忙期を迎えます。ところが、それが少し落ち着いた3月半ば、なんと横浜の次男君が特別休暇を消化するために孫娘を連れて急に帰ってくるのだと。さあてどうしよう。思いついたのが白浜のアドベンチャーワールドでした。3歳の孫を連れて急遽1泊2日の旅行を企画しました。その週末には3回目の四国遍路ツアーが待っています。シニアもなかなか忙しい年度末になりそうです。

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