心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

花と戯れるお爺さんの「春」

2022-04-15 19:52:36 | Weblog

 この4月に71歳のお誕生日を迎えた家内。これで夫婦揃って同い歳になりましたが、春の陽気に誘われて、先日、日帰りバス旅行でお花見に行ってきました。奈良の馬見丘陵公園チューリップ園、千本しだれ桜が人気の高見の郷、最後は三重県松阪市の波瀬植物園(石の森ガーデン)にまで足を伸ばして関西では珍しい水芭蕉を見てきました。少し欲張りな行程でしたが、終日穏やかな春の陽気につつまれました。
 いま、我が家の庭では真白い清楚なライラックの花が咲いています。ちょうど3年前の4月下旬、チェコ(プラハ)、ドイツ(ドレスデン)、オーストリア(ウィーン)、スロバキア(ブラチスラバ)、ハンガリー(ブダペスト)を旅したとき、街のいたるところに紫、薄紫、ピンク、白のライラックが咲いていた風景を思い出します。花言葉は「友情」「謙虚」「青春の思い出」「純潔」だそうです。(上の写真は我が家の初々しいライラックのお姿、下の写真はプラハのカレル橋からプラハ城を望む風景)
 そのライラック、仏語ではリラというのだそうですが、それをモチーフにロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフが作曲したのが「リラの花」です。1917年2月、ロシア革命で音楽活動が困難になるなか、翌年には家族と共にアメリカに移住、二度とロシアに戻ることはありませんでした。
 「音楽とは心の喜び」だといい、「音楽というものは、平和で平穏なところでないと成立しないものだ」と語ったというラフマニノフ。何もなければこの時季、ライラックの花が咲き乱れていたであろうウクライナの現状を思うと、心が痛みます。

 ラフマニノフといえば先日、孫次男君のピアノ発表会がありました。スタインウェイのピアノを弾く孫次男君の晴れ姿です。今回もカメラマンに徹して静止画と動画で追いました。この日弾いた曲はフランツ・ベール作曲の「ジプシーの群れ」。ひとり凄く上手な女の子がいましたが、その子に次いでうまかったのが孫君でした...と思うのは爺ばかでしょうね(笑)。
 この日は、発表会が終わるとみんなでランチを楽しんだあと、爺さん婆さんは急ぎフェスティバルホールに向かいました。昨年4月の予定がコロナのために1年延期になっていた代替公演「祝祭:大狂言会2021」です。
 演目は「二人袴」「月見座頭」「鮎」。91歳にしてなお円熟度を増す野村万作さん、56歳の野村萬斎さん、その子23歳の野村裕基さんの所作に見入りました。能楽堂とは異なり舞台にも工夫が凝らされ、「鮎」(池澤夏樹作/野村萬斎演出)ではオペラのようにカーテンコールで終わる、そんな楽しい公演でもありました。古典芸能も少しずつ新しい風が吹き始めています。
 そうしてようやく迎えた週末、きょうは義妹の三回忌法要で天王寺にある一心寺に行ってきました。その帰り道、何気なくジャカランダの樹の下を歩いていたら、直径5センチほどの種殻が落ちていました。ひょっとしたら実生が可能かもしれない?。家に帰ると早速作業に取り掛かりました。硬い殻をペンチで開いてみると、オブラートに包まれた小さな種子がたくさん入っていました。さっそく水に浸して様子をみることにしました。
 ジャカランダといえば、初夏に青紫色の花を楽しませてくれる世界3大花木のひとつで、昨年初めてその存在を知りました。実生だと花が咲くまでには相当の年数がかかりそうですが、なんとかうまく発芽して、数年をかけて育てていきたいと思っています。それまで生きていられるかなあ。いや、それを励みに生きよう!!

 今夜はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をアシュケナージのピアノ、ハイティンク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で聴きながらのブログ更新でした。呑気なものです。

コメント (2)