心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

赤とんぼの故郷「たつの」

2018-07-27 13:57:27 | 歩く

 大阪北部地震から1カ月が経ちましたが、その間にビニールシートで覆われた屋根が増えたように思います。見た目には大きな被害はなかったものの、家の構造にダメージを受けた家が散見されます。一方、我が家では、観音開きの食器棚から、大切にしていたグラスやお皿がこぼれ落ちて壊れたので、耐震補強をすることに。市の半額補助が適用される耐震器具を求めて近くの大型量販店に出かけました。
 それにしても、暑いですねえ。やっとこさお店に到着すると、ひんやり感たっぷりの空間に、ついつい長居をしてしまい、要らぬものまで買って帰りました。
 ところで先日、「ぶらり町歩きの会」で兵庫県たつの市に行ってきました。大阪から新快速で1時間あまり、姫路で姫新線に乗り換えて4つめの「本竜野駅」下車です。「たつの市」「本竜野駅」「播磨の小京都 龍野」と、様々な表記があって戸惑いましたが、とにかく、素麺「揖保乃糸」やヒガシマル醤油で知られた街です。そして今回のテーマは「童謡の里」でした。駅に到着するとプラットホームの一画に「夕焼け小焼け」の立像がお迎えしてくれました。

 夕焼小焼の 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か 
 山の畑の 桑の実を 小篭に摘んだは まぼろしか
 十五で姐やは 嫁に行き お里のたよりも 絶えはてた
 夕焼小焼の 赤とんぼ とまっているよ 竿の先

 龍野は、童謡「赤とんぼ」の作詞者であり、北原白秋と並んで近代日本を代表する詩人・作詞家として知られる三木露風の生誕地でありました。本竜野駅から10数分歩くと揖保川が見えてきます。川岸の向こうには鶏籠山の麓に龍野城があります。三木露風の生家はそのすぐ傍にありました。
 猛烈な暑さのなか、文学の小径を歩いてしばらくすると、「露風の像」そして「赤とんぼ歌碑」に出会います。大正10年、露風33歳のとき、北海道トラピストより「樫の実」で発表したのだそうです。ふるさとの思い出と、幼き日の母の思い出を歌いました。歌碑の五線譜は山田耕筰の絶筆だとか。
 蝉しぐれのなか、歌碑から流れる「赤とんぼ」の歌が心を和ませてくれます。播磨の、ひっそりとした龍野の街の歴史と文化を肌で感じた一日でした。

 その日の最高気温は36.7度。元気なシニアたちは暑さにもめげず歩き通しました。あまりの暑さに、一時、計画の延期も話題になりましたが、コースの一部を短縮するなどして予定どおりの実施とあいなりました。さすがに歩き慣れたシニアたちです。ボランティアガイドさんの方がびっくりしていました。でも過信は禁物です。
 話は変わりますが、きのうは水彩画教室のあと夕刻から、脳梗塞を患いリハビリに励んでいる仲間を励ます会を催しました。場所は、大川沿いにある旧桜ノ宮公会堂です。ライトアップされた重要文化財をバックに冷たいビールと美味しいBBQをいただきました。彼とは久しぶりの再会でしたが、持前の明るさと元気さにひと安心。しばし歓談をして天神祭の余韻を楽しみました。 
 さてさて、土佐の国への「歩き遍路」が迫ってきました。連日の猛暑にいくばくかの不安を抱いていたところ、台風12号の到来で暑さもひと段落かと思いきや、進路を大きく西にカーブして近畿・中四国を見据えています。おてんとうさまはなんと薄情なことか。天気予報では、高速バスで高知に向かう時間帯に大阪、淡路島界隈を通過するようで、となれば明石海峡大橋が不通になる可能性もあります。ということで、止む無く計画変更をすることにいたしました。8月の下旬あたりで再調整する予定です。世界的レベルで異常気候が続きます。

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