から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

フェイク 【感想】

2017-03-24 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。評判の高さは聞いていたけど、これは面白い。
世間を賑わせた「嘘つき」作曲家、佐村河内氏が事件発覚後、潜伏していた私生活に密着したドキュメンタリー。事件の当事者である、佐村河内氏、新垣氏、そして、事件をスクープした記者の3者の証言が必要だったが、新垣氏と記者の取材拒否により、佐村河内氏側の見解しか拾うことができていない。でも、本作は事件の真相に迫った映画ではないので全く問題なし。新垣氏らからインタビューが取れていたら、全く違う内容になっていたかもしれないけど。
描かれるのは、生々しい人間の恨みと妬みの光景。新垣氏がメディアでもてはやされている様子を、佐村河内氏がしっかりウォッチしている様子が絵に描いたようなベタさで面白い。佐村河内氏からすれば「共犯」であったはずの新垣氏が、自身を一方的に貶め、メディアによって英雄化されているのが堪らなかったに違いない。佐村河内氏の言い分は報道メディアのフィルターによってかき消され、激しい不信感に変わっている。実際に佐村河内氏から発せらる話は初めて聞くことばかりだった。
「あなた(佐村河内氏)を絶対に悪者にしない!」と出演交渉をしてきたテレビ番組スタッフは、彼が出演を拒否し、新垣氏が代わって出演すると、新垣氏の言い分だけを取り上げ「やっぱ酷い奴だったんですね~」と番組構成を180度変える。テレビメディアの在り方をここまでわかりやすく描いた映像作品も珍しい。そんな番組スタッフらを指して「彼らには信念がないんですよ」と言い切ってしまう(言い過ぎ!?)監督の個性も本作の1部といえる。そんな監督と佐村河内氏の信頼関係や、駆け引きみたいなものも本作の引力になっている。「心中」覚悟と言った監督の真意、音楽に再び向き合った佐村河内氏の真意は、本作の結末を見る限り知ることはない。本作自体が「フェイク」というオチは考え過ぎかな。地味な画が続くなかで、可愛い猫と、多種類なケーキが良いアクセントになっていた。
【70点】
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世界の果てまでヒャッハー 【感想】

2017-03-24 08:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。フランス産コメディ映画。ブラジルにバカンスで訪れた若者集団がジャングルで遭難するという話。おバカに振り切った「ジャッカス」系映画と思っていたが、やや毛色の違う映画で、起承転結、ストーリーは意外とまとまっている。冒頭からPOV映像が多用され、このテのギャグ映画にも巧く使えるなーと感心する。ときにシュールで、ときに下品で、ときにバカバカしい展開が続く。これらが英語でなくフランス語で発せられることが新鮮。男子のスケベゴコロをくすぐる下ネタもありがたい。大きくスベることもなく、普通に笑えるレベル。狙いすましたような伏線回収は、けっこう真面目に脚本が練られている印象を持った。残念なのは、登場する「食人族」らの描きっぷり。毒っ気を存分に発揮できる設定なのに、それを活かさず中途半端なキャラに終始させた。舞台となるブラジルをイジり倒すので、ブラジルの人が見たら怒りそうだ。エンディングの出演者のダンスシーンで彼らの身体能力の高さを知る。迫力のスカイダイビングシーンとかも、スタントなしでやっていたのかもしれない。あのゾウさんは本物かな!?
【60点】
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