ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

08/04/26 歌舞伎座千穐楽夜の部②「将軍江戸を去る」

2008-04-28 23:58:05 | 観劇

この作品は初見。今年が山岡鉄太郎(鉄舟)没後120年、明治改元140年ということに因んだ上演という。
【将軍江戸を去る】(真山青果)
今回の配役は以下の通り。
徳川慶喜:三津五郎 山岡鉄太郎:橋之助
高橋伊勢守:彌十郎 天野八郎:亀蔵
間宮金八郎:宗之助 宇佐見常三郎:巳之助
あらすじは以下の通り(公式サイトをほぼ引用)。
江戸の街が薩長を中心とした官軍に包囲される中、徳川慶喜は上野寛永寺に謹慎し、恭順の姿勢を示していた。ところが幕臣の主戦論者の言葉を聞いて慶喜は恭順を翻意してしまうので、高橋伊勢守や山岡鉄太郎は、慶喜のもとへ向かう。しかし慶喜は薩長軍にこれまでの無念を晴らすのだと言い、諫言を受け入れない。
恭順を翻意すれば江戸は火の海となり、罪もない庶民たちが被害を蒙ると言う山岡の必死の言葉を聞き、ようやく慶喜は自らの誤った決断に思い至る。こうして慶喜は江戸を官軍に明け渡すことを決意し、その名残を惜しみながら、水戸へと旅立っていく。

第一場の上野彰義隊の場は、亀蔵、宗之助たち彰義隊が将軍目通りを願う橋之助の山岡を通せんぼし、彌十郎の伊勢守が通させるところまで。彰義隊というと昨年9月に新橋演舞場で観た「憑神」を思い出してしまう。橋之助は彰義隊と一緒に死んでいく道を選んだが、今回は反対の立場の役だ。それにしても幕末物はけっこうハマるんじゃないかと思いながら観ていた。
第二場の上野大慈院の場で睡魔に襲われた。この日は昼に日生劇場で「風林火山」を観てからミニオフ会、歌舞伎座夜の部にハシゴだったため、ここでついに瞼が下りてきた。真山青果の台詞劇を台詞回しのうまい役者が熱演しているため、耳はわりと聞いていて、「尊王」と「勤王」の違いあたりがわかりにくいなぁと思ったくらいだから半分は覚醒していたようだ。山岡は江戸を火の海にしないことを説き、「尊王」から「勤王」の域に到達した行いとしての水戸への退隠を説き、慶喜は薩長への抵抗を翻意した。山岡の台詞で「戦争ほど悲惨なことはない」というあたりには、現代にも通じるテーマが盛り込まれていた。
第三場の千住大橋の場の三津五郎の慶喜は潔く、江戸からの最後の一歩を踏み出して去っていく。名残を惜しむ人々もかけつけていた。大河ドラマで元木雅弘がやっていた時にもうちょっと真面目に見ておけばよかったなぁと、この作品については味わいつくすほどに到底いたらずだった。
後日、筋書を読んだところ、伊勢守は鉄太郎の義兄だったということもあらためてわかり、予習不足、眠気に敗北で残念な気持ちになった。また、いつの日かリベンジできる日もくることを信じている。

写真は、歌舞伎座「四月大歌舞伎」の垂れ幕。
4/17昼の部幕見①「熊野(ゆや)」
4/17昼の部幕見②「刺青奇偶」
4/26千穐楽夜の部①黄金三角の「勧進帳」


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