<スピーナ教会>の傍、アルノ川に架かるソルフェリーノ橋を渡りローマ通りを北へ。
店の軒先に斜塔の意匠の道標が架かり、ドゥオーモ広場が近いことを伺わせ、やがて、ピサ大学の校舎の向こうに傾ぐ塔が見える。
ローマ通りの突き当り、目に飛び込んできたのは真青な空の下、冬ながらも緑の絨毯を敷き詰めたような広場に堂々と聳える白亜の一群。屹立する建物群に言葉がない。
広場の一方を古代ローマ時代の城壁に囲まれ、“ 奇跡の広場 ” とも称されるこの広場に、大聖堂(写真上)、鐘楼(写真下左)、洗礼堂(写真下右)が並び、その奥に墓所・カンポサントが、穏やかな陽光を浴び白く輝いていた。
なるほど、大聖堂の後陣の傍に建つ円形の鐘楼、想像していた以上に傾き振りはきつく、今にも倒れるのではないかとも。
斜塔の高さは55m、その高低差は70cmといい、二層目から円柱とアーチの回廊が取り巻いている。
この回廊、塔が傾斜しているため螺旋状に見え、美しさを一層際立たせている。
12世紀中頃に着工、三層まで工事が進んだ10数年後、南側に傾き始めたという。
ピサ大学で医学を学ぶガリレオ・ガリレイが、斜塔で「落下の実験」を、大聖堂で揺れるランプを見て「振り子の等時性」を発見したことは有名な逸話らしい。
その斜塔、何年か前、傾向きが進み危険になったため本格的な修復工事に着手、01年の秋、その工事の一部が終了、人数を限って登れるようになった。
折角ここまで来たんだから、「登ろうか?」と訊いてみたが、「う~ん、待ってる」、悲しいかな55メートルの塔を登る体力がない。
今となってはそうもいかないのだろうが、真っ直ぐにしてこそ本格的な修復と「言えるンと違う?」とも。
尤も、そんなことをすれば、地動説を唱え宗教裁判で有罪にされたガリレオみたく、広場前に並ぶ土産物屋さんから、「客が来なくなった」と、異端審問にかけられるかも?
Peter & Catherine’s Travel Tour No.362
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