パピとママ映画のblog

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まほろ駅前狂騒曲 ★★★★

2014年10月19日 | アクション映画ーマ行
三浦しをんのベストセラー小説を実写化した『まほろ駅前』シリーズ第2弾。多田と行天の便利屋コンビが、前身が新興宗教団体という怪しげな組織を調査するうちに思わぬ事態に遭遇していく。監督に大森立嗣、主演には『ディア・ドクター』などの瑛太に『舟を編む』などの松田龍平と前作のメンバーが再結集。『戦争と一人の女』などの永瀬正敏が、主人公コンビの前に立ちはだかる人物として共演。人情味あふれる物語に加え、実力派俳優たちのアンサンブルも見もの。

あらすじ:まほろ市で便利屋を営む多田啓介(瑛太)のところへ、中学時代の同級生・行天春彦(松田龍平)が転がり込んで3年目。行天と凪子(本上まなみ)の娘はる(岩崎未来)を預かって四苦八苦する中、まほろ市の裏組織の人間である星(高良健吾)から、駅前で毎日のようにビラ配りをする怪しい団体「家庭と健康食品協会」の調査を依頼される。やがて、その協会は以前新興宗教団体だったことがわかり、代表の小林(永瀬正敏)が行天の過去を知る人物だと判明する。さらに調べを進める多田たちだが、思わぬ形でバスジャック事件に巻き込まれていく。

<感想>まほろという架空の街の駅前で、便利屋を営業しているバツイチ二人の物語。主人公の多田と行天は中々上手な生き方が出来ない二人なので、オンとオフでいうとオフな感じがする、そんなところに観ていて共感するんですよね。

キャッチコピーの「俺たち、パパになってもいいですか?」「バツイチ二人。その愛を、命がけで守れ!」と教える通り、一人の女の子を預かった二人の有様を縦軸に、宗教団体の暗躍に、裏組織ヤクザの策謀とか、呑気なバスジャックなどの脇筋が絡まってくるプロットには、子供を亡くしたバツイチの多田と、子供から逃げるバツイチの行天とが、血は繋がっていても関係の切れた子と、血は繋がらなくても絆の強い子、新興宗教に関わったかつての子供二人、といった子供をめぐる構造が憎いくらいにいいですよね。

監督は前作に続き大森立嗣で、間引き運転の中止を求めてバスジャックを決行したハゲ爺さんに、監督の父親である麿赤兒さんと、弁当屋に弟の大森南朋さんがちょい役で親子共演しているのも見どころです。

そして、一番の見所には、バスジャックにあった人たちに、新興宗教団体の代表の永瀬正敏が。彼とは行天が幼い頃に、親が新興宗教の信者だったために、子供として嫌が上にも宗教団体の仕事をしなければ生きていけなかった悔しさとか。それに、バスの中でもみ合っている内に永瀬が、ナイフで行天に切りつけて、あの小指切り落とすことになるとは。この二人の宗教団体のエピソードだけでも映画が出来ちゃうでしょうに。いわく付きの行天の小指は、くっつくのでしょうか。

それにあろうことか、宗教団体にいた少年に誤って拳銃で撃たれてしまう行天とか、あんなに子供が嫌いだと言っていたのに、娘のはるを守るために必死になる行天の姿に、いつものほほんとしている行天が実に逞しく映ってました。バスの中で拳銃を撃ってしまう少年は、行天と同じく母親が新興宗教の信者で、学校で虐めの対象になっているのに、仕方なく宗教団体の仕事をするユラ役は、前作でもユラ役で演じていた横山幸汰くんでした。

もう一人、ヤクザの若きボスの星を演じた高良健吾さん、前作にも同じ役で出ていたんですね。こんな端役でもったいないと感じましたね。もう一人、チョイ役で老刑事の岸部一徳さんが出ていますよ。

女性陣には、行天の元奥さんに本上まなみが、真木よう子演じる柏木亜沙子のキャラは、「番外地」のドラマ版から引き継ぐという微妙な関係になっています。

今回は、ワケありの子守や、新興宗教団体とヤクザの絡みの調査など、面倒な依頼を引き受けた便利屋コンビの活躍と友情、二人が抱える親子の問題など、深刻になる物語なのに何故か笑えるシーンが盛りだくさんで描いています。
そして、番外編のテレビドラマに登場した脇役も多数顔を見せて、人間模様がより賑やかになっていることです。
まほろ駅前多田便利軒」(2011)
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