パピとママ映画のblog

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ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲★★★★

2016年01月22日 | アクション映画ーハ行
身勝手な人間たちによって虐げられた犬たちが群れになって反乱を巻き起こす衝撃の展開が話題を呼び、カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門のグランプリに輝いた異色ドラマ。また、想像を絶する演技を披露した犬たちにもパルムドッグ賞が授与された。愛する少女と突然引き離され、市中に放り出された一匹の犬が、過酷なサバイバルの末に野犬を率いて人類への反逆を企てるさまと、少女と犬が織りなす絆の物語を、スペクタクルな犬のアクション演出とともに描き出す。主演はジョーフィア・プソッタ。監督はカンヌ映画祭の常連で俳優としても活躍するハンガリーの俊英、コルネル・ムンドルッツォ。

あらすじ:とある国のとある街。トランペットを習う13歳の少女リリは、両親が離婚し、母親のもとで暮らしていた。孤独な彼女にとって愛犬のハーゲンだけが心の支えだった。そんなある日、母親が仕事で長期間留守にするため、リリは離婚した父親ダニエルに預けられることに。しかしリリがハーゲンを連れて行くと、ダニエルはあからさまに不快感を示す。
この国では、雑種犬の飼い主に重税を課す法律が出来たところだった。やがてハーゲンはダニエルによって遠く離れた場所に捨てられてしまう。以来、ハーゲンの行方を必死になって捜し続けるリリ。その頃、自力でリリのもとに帰ろうとしていたハーゲンには、次々と困難が立ちはだかる。生き抜くために野生の本能に目覚め、次第に獰猛さを増していくハーゲンだったが…。

<感想>ハンガリーの映画で、カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門のグランプリに輝いた作品だというので、それにワンコ大好きなので観賞。
犬たちの反乱とそれを止めようとする少女の献身を描いており、動物パニックに作品としては、「猿の惑星」などのように引き合いにされるも、そんなSF映画ではなくてヒーロー誕生の物語になっていた。まぁ、さすれば「101匹わんちゃん大行進」とでも言いましょうか、しかし、そんなに楽しくないし、とにかく犬が虐待されるのが嫌でした。

冒頭で、無人の街を爆走する犬の集団でまず驚きます。人っ子一人いない街に犬がたくさん暴走しているんですから。先頭には少女が自転車で走っているし。
つまり、この映画の主人公はラブラドールのハーゲンのドラマチックな運命にひたすら感動してしまいます。

飼い主の少女と別れてから、野良犬たちのたまり場へ行き、子犬のジャックラッセルとの出会いと友情、野犬ブローカーによる捕獲、優しいと思ったのにホームレスの老人に拾われたが、その後ハーゲンを売ってしまうのです。そして次の飼い主は、ハーゲンを闘犬に訓練される過酷な試練が待ってました。ここで優しい性格だったハーゲンも、人間に対して敵外心を持ち、人間を恨み噛みつくように凶暴な犬に訓練されます。闘犬の試合では、始めは首とか身体、顔を噛まれて傷を負いますが、相手を倒さないと自分が死ぬことに気づいて首に噛みつき倒してしまうのです。人間に当てはめれば不幸が連鎖する運命の物語。

だから余計に主人公のワンコに同情をしてしまい、それが演技の巧いワンコで、行き交う車の間をすり抜ける緊張の道路横断のシーンとか、犬同士のガチな」対決シーンのアクションはもちろん、表情の変化が素晴らしすぎるんです。本当に怒ったり悲しんだりしてるんですよ。

映画の前半まではよくある孤独な少女と愛犬ものかと思いきや、後半では、戦闘マシーンと化したワンコのハーゲンが、牙を剥くあたりから予想を裏切る展開になっている。雑種犬に課税をして取り締まる架空の法律は、いつ我々の身に起きるかもしれない圧政の寓話にもなっていた。街中の人たちが、牙を剥く犬の集団たちに恐れおののき、警察は銃で犬を撃ち殺し、本当に恐ろしい光景でした。ハーゲンが人間たちに復讐するシーンでは、まるでホラー映画のように人間を襲い血祭りにしてしまう。

監督の手腕とも言える250匹以上の犬が街中を疾走する姿は鳥肌もんでした。ハリウッドから動物トレーナーを招き、犬たちの訓練を実施。クライマックスの市街地を犬たちが駆け抜けるシーンでは、一切CGを使わなかったそうで、リアルな映像での撮影で、迫力と緊迫感のある映像に仕上がってましたね。

このピアスをしている女は、リリが音楽学校へ通っているところの同級生です。パンク娘と一緒に、夜に家出をして怪しいクラブへ行き、男の子に覚醒剤を貰い、薬づけにはならないが悪い友達の誘いにのる少女。もちろん、警察につかまり父親に叱られます。この少女が、愛犬をもっと探さなければならないのに、途中で諦めてしまうのは良くない。そして、自暴自棄になるのも。
ですが、家でも犬を飼っているので、孤独な女の子が犬を飼うということは良くあるお話ですが、世話をするのは大人の母親です。餌を買い、病気になれば病院にも連れて行くのは、母親です。ですから、このような環境の子供は犬を飼ってはダメですね。犬が大人の身勝手で捨てられ、野良犬となり殺処分される。日本でもそうですよ。動物を子供が欲しいと願っても、大人が動物を好きで育てなければ、飼い主が責任を持って育てなければいけません。子供は、可愛いと言いながらも、学校に行くし父親も仕事で、結局は母親が育てることになりますからね。最後まで責任を持って面倒を見れないなら、飼わないことです。そういうこともふまえてこの映画で動物を飼うことを学んで下さい。
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