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フォードVSフェラーリ★★★★

2020年02月07日 | アクション映画ーハ行

マット・デイモンとクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。シェルビーをデイモン、マイルズをベールがそれぞれ演じる。監督は「LOGAN ローガン」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」のジェームズ・マンゴールド。

あらすじ:ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーは、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズに目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。

<感想>アメリカを代表する自動車メーカーながら大衆車しか作ってこなかったフォードが、ヨーロッパで高級車メーカーとして君臨してきたフェラーリに挑戦状を叩きつけたお話です。

実際は63年から66年にかけてのお話なんだけれど、映画では65年から66年の2年間にダイジェストしている。フォードは国内トップの座をゼネラルモーターズに奪われた危機感から、若者向けのレーシングカー業界への進出を決定したのだけれど、このアイディアを出したのが、映画の中ではジョン・パーンサルが演じているリー・アイアコッカ。80年代には破産寸前だったクライスラーを立て直したことで、アメリカ産業界の英雄とまで言われた人物なのだ。この映画を観てもそのキレ者ぶりが分かりますよね。

自動車産業はアメリカにとっての誇りだから、ゼロからのスタートで絶対王者フェラーリに勝つという無謀にみえる挑戦がドラマでは描かれている。

監督は「LOGAN ローガン」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」のジェームズ・マンゴールド。3回出て来るカーレースシーンは凄い臨場感であり、カメラがレーサー目線になっているので、自分もレーシングカーに乗ってサーキットを走っている気分にさせてくれるのだ。

特にクライマックスでの、ル・マンのシーンだ。24時間ずっと車が走っているだけだから、単調になってもおかしくない場面だけれど、30分以上もあるのに、全く持って退屈させず、いろんな駆け引きや、思惑を盛り込んで見せきっているのには感心しました。演出の力ってことを実感しましたね。

基本的にはマット・デーモン扮するキャロル・シェルビーと、クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズの友情と挑戦のドラマが展開するのだけれど、実はそれだけじゃないのだ。

映画のタイトルは「フォードVSフェラーリ」なのに、むしろ敵は身内にいるから。大企業の倫理からはみだした者のマイルズを排除しようとする重役と、マイルズとの友情の板挟みになるシェルビーの苦悩は、まるで池井戸潤原作の企業ごラマを観ているみたいだ。

徹底的に空気が読めず対人関係は最悪で、経営していた自動車修理工場を差し押さえられてしまうマイルズ。過去の名声を巧みに利用して自動車販売業を成功させているシェルビーのキャラクター分けも面白かったです。

特にクリスチャン・ベールの大熱演はすごいですから。この人って役作りの為に、激やせしたりして、実際に歯を抜いてしまったりと、とんでもないことを平然とやる役者さん。今回も本当にキレているんじゃないかと、何度も思ってしまった。

マイルズの息子役のピーターを「クワイエット・プレイス」の、ノア。ジューブが演じており、そのピーター本人も制作に協力しているので、その分リアル感がハンパないですから。

際限といえば60年代の再現度も最高でした。登場する車の数々は、ほとんどレプリカだけども、中にはとんでもない価格になるアンティークカーの本物も混じっているとか。レース場も当時のもの、そのままになっているようで、ファッションやヘアスタイルにもこだわっているのも嬉しい。こういうところにお金をかけるって、さすがにハリウッドらしいですね。

 

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