パピとママ映画のblog

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キングスマン ★★★★★

2015年09月13日 | アクション映画ーカ行
『英国王のスピーチ』などのオスカー俳優コリン・ファースを主演に迎え、『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督がメガホンを取って放つ痛快スパイアクション。世界を股に掛けて秘密裏に活躍するスパイ機関所属の主人公が、最強の敵相手に奮闘する姿が描かれる。『サイダーハウス・ルール』などのマイケル・ケインや、『パルプ・フィクション』などのサミュエル・L・ジャクソンらが共演。エレガントな小道具やウイットに富んだ会話はもとより、切れ味のいい怒とうのアクションに見ほれる。
あらすじ:ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。ブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリー(コリン・ファース)もその一人で、日々極秘任務の遂行に務めていた。そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。
かつて、父親の同僚だったというハリーとの出会いからスパイになる訓練を受けることになる。同じ頃、世界中の著名人や政治家が次々と失踪する事件が起きて、その影にはIT富豪のヴァレンタインの影が。ハリーはその調査に出向うのだが、・・・。

<感想>いかにもな英国紳士が活躍する、スタイリッシュなノンストップアクションのスパイ映画であります。一見、普通のロンドンの高級テイラーなのに、その実態は世界中のどこの国にも属さず、秘密裏に国際社会の脅威となるものを排除する独立スパイ組織なのだ。

表の顔はロンドンのサヴィル・ロウにある高級テイラー「キングスマン」。アーサー王と円卓の騎士にちなんだコードネームを持ち、チームに欠員が出た時のみ新人を補充する。
チラシの能書きを読み、設定だけでワクワクし、それに、コリン・ファースがかっこいいったらない。雨傘に最新鋭の武器が仕込まれていたかと思えば、靴の先には飛び出しナイフ、完全防弾・スタンガン内蔵のスパイ仕様。そして傘のみならず、ライター型爆弾やバーチャル会議機能付きのメガネなど、わくわくするスパイガジェットがこれでもかと登場する。

襲い掛かる暴徒たちを次から次へと叩き殺して行くコリンの凄まじいアクションにもびっくりしたが、ジャクソン側の女殺し屋ガゼルが魅力的であった。それこそ小鹿のようなキュートさなのに、両脚のひざ下が鋭利な刃物となった義足で、華麗なダンスで舞うかのように人間を一刀両断にしていくのだ。

会話の中には、昔は靴に電話がついていたなんてことまで出て来て、更には、毒入りのペンや手榴弾になるライターなどのおかしな小道具がいっぱい登場する。つまりは、60年代~70年代のスパイ映画やTVへのオマージュ満載なのだ。
最近のスパイ映画は、リアルになり過ぎて生身の身体を張ってのアクションが主流で、面白くないなんてセリフがあったけど、こうしたガジェットは昔の「007」映画の専売特許だったのだ。

そんな皮肉をノスタルジーに描くのではなくて、スローモーションを駆使したアクションシーンの演出で、最新ビジュアルで仕上げているのがいい。カメラワークも凝っていて面白いので、若い人にも画面に引き込まれるはずです。
監督のマシュー・ヴォーンは、「キック・アス」を作った人だから、かなりキツいジョークも込められている。しかし、そんなバイオレンス描写を暴力的に感じさせないのがボーン監督の凄いところなのだ。鮮血をカラフルな色彩に変えたり、炸裂する花火として描写させるなど、そのポップなセンスが斬新で綺麗であった。

とにかくおかしくてかっこよくてぶっ飛んでいるのだ。まるでスパイ映画の「007」や「ミッション:インポッシブル」とか「ボーン」シリーズを掛け合わせたような感覚なのだ。
そして、キャスティングが、アーサーにマイケル・ケイン、マーリンにはマーク・ストロングとは、いかにも大英帝国ふう。それに、エグジーには新人のタロン・エガートン、ガゼルに、ソフィア・ブテラーが、ロキシーにはソフィー・クックソン、アーノルド教授に「スター・ウォーズ」のルークを演じたマーク・ハミルトンが。

サミュエル・L・ジャクソン扮するIT企業の大富豪が悪役で、彼が非暴力主義者で環境問題の活動家というのはアイロニカルだし、黒人やユダヤ人やゲイが嫌いなアメリカ南部の教会に集まった人々の描写なんか凄いもの。それに北欧の某国の人たちが、最後の下品なジョークに怒らないかが心配でしたね。その教会での乱闘シーンは、どこまでやるんだ感が満載でした。

エグジーがキングスマンとして活躍する場面の、クライマックスの連続乱射殺人行為は、実際に起こっていることを想像すると凄いグロテスクなんだけど、あまりにあっけらかんとした描き方なので笑うしかないですよね。エグジーが北欧の某国の王女を助け出し、王女といい感じになるのは大人になるってこと。
それに、この映画は、ちゃんとした若者の成長物語にもなっているのが良かったし、手に汗を握るシーンも結構多いしで、終わり方も爽快でした。
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