パピとママ映画のblog

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Fukushima 50★★★★

2020年03月15日 | アクション映画ーハ行

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で、未曾有の事態を防ごうと現場に留まり奮闘し続けた人々の知られざる姿を描いたヒューマンドラマ。現場の最前線で指揮をとる伊崎に佐藤浩市、吉田所長に渡辺謙という日本映画界を代表する2人の俳優を筆頭に、吉岡秀隆、安田成美ら豪華俳優陣が結集。「沈まぬ太陽」「空母いぶき」などの大作を手がけてきた若松節朗監督がメガホンをとった。

あらすじ:2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が起こり、太平洋沿岸に押し寄せた巨大津波に飲み込まれた福島第一原発は全電源を喪失する。このままでは原子炉の冷却装置が動かず、炉心溶融(メルトダウン)によって想像を絶する被害がもたらされることは明らかで、それを防ごうと、伊崎利夫をはじめとする現場作業員や所長の吉田昌郎らは奔走するが……。

<感想>福島第一原発に残った50人の作業員の真実。東日本大震災で起きた福島第一原発事故で、現場に残って被害を最小限に食い止めようと奮闘した50人の勇敢な行動を描いている実話であります。佐藤浩市を筆頭に、渡辺健・所長を始めとして、吉岡秀隆、安田成美ら豪華キャストが集結し、関係者90人以上への取材をもとに綴られたノンフィクション小説をもとに、「沈まぬ太陽」の若松節朗監督が映画化。

2011年3月11日14時46分、マグニチュード9・0最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が発生。これにより福島第一原子力発電所は、巨大な津波に呑み込まれ、全電源が喪失する。それによって原子炉の冷却が不可能となり、6つある原子炉のうち、3つが爆発を起こすという大事故となった。その結果、大量の放射能が福島県に放出された。

メルトダウンによる想像を絶する被害を懸念した当直長の伊崎(佐藤)ら現場作業員たちは、必死で原子炉の制御に奔走する。だが、所長の吉田(渡辺)も状況を把握できていない東京電力本店や、政府官邸に掛け合いながら現場の指揮を執る。しかし、事態は悪化の一途をたどり、ついには近隣住民の避難へと突き進む。

事故の最前線で何がおこり、どのような対策がとられていたのか、またその時の作業員たちの心情はどんなものだったのか。この映画を観ることで、さまざまなことを知り、感じ、考えるだろう。しかし、その思いはその後の福島、そして現在の福島につながらなくては意味がない。

何故ならば、事故は終わってないし、問題が解決したわけではないのだから。福島第一原発はその後どうなっているのか。廃炉に向けた作業員たちの現実?。これほどの死闘が、あの現場で起こっていたとは。9年という歳月が過ぎて今なお、福島の人々が抱える問題とは何か。余りにも大きな問題ではあるが、絶対に忘れてはいけないことがある。

最前線の作業員たちは、多くが地元で雇用されていて、大部分先輩後輩の仲だったり、旧知のあいだがらだったりするのだ。彼らは、事故対応のマニュアルにさえ書かれていなかった非常事態の中で、原子炉の温度を下げる方法を模索する。

しかし、必死の取り組みにもかかわらず温度は上がり続け、ついには1号機が水素爆発を起こしてしまう。爆発後、中操からも退避が行われ、原子炉の状態を確認するのに必要な最小限の人数だけが残った。そんな危険なところに残った人たちがいるのか?。なぜ、そこに踏みとどまったのか?。

当事者にとってみれば、最初はいろんな思いがあったかもしれないけれど、途中からはそこにいて、できることをしようと、「もう自分たちしかいない」という思いから、自分たちがこの原子力発電所を作ったのだから。そこで働いて、給料をもらい暮らしてきた土地だから。作業員たちは、体中に放射脳を浴びながらも、自己犠牲という、日本人の多くが持っているものが現れたのかもしれませんね。

佐藤が演じた伊崎は、その時、状況をみながら部下たちに指示を出し、必要とあれば緊急対策室にいる吉田所長と電話で話す。自分の判断が人命に直結する大きな意味を持っていることを、十分理解している男である。何をやれるわけではないが、そこにいることが大事なんだと。いろんな思い抱え、逃げ出したいのはみんな一緒だということを。若い作業員たちを帰して、年がいった作業員たちを残すことも。電源落ちた真っ暗な中で、全面マスクをつけ防護服を着て、当時の人たちがそうであったかのように、ライトの明かりでお互いを確認できるという。

政府の対応は、その時の総理大臣の一声で、原子力発電所が廃炉になることを避けたいと、莫大なる被害金額のことしか考えていない。現場に残っていた人たちは、その総理大臣の言葉で冷却をしろ、もうメルトダウンで爆発寸前だというのに、なんという馬鹿のような言葉。

あの時、何が起きたのか。そして、今この瞬間も、事故によって引き起こされた事態を収拾するために働いている人たち、それに強制的に生活を変えられて痛みを抱えている人たちが、たくさんいることを改めて心に刻みたいですね。

結局は、福島全体ではなかったが、原子力発電所のある地域・双葉郡富岡町、他にも帰宅困難区域が、事故から9年過ぎようとしている今でもある。放射能で汚染された土地だから。それでも、その町の桜並木は残り、ラストでは桜が満開で登場する。「絶対に忘れてはいけないこと」と言うメッセージとして伝わっていると、感じました。

 

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