パピとママ映画のblog

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ホビット 思いがけない冒険 ★★★★★

2012年12月17日 | アクション映画ーハ行
「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のピーター・ジャクソン監督が、同シリーズの60年前を舞台にした小説を映画化するファンタジー3部作第1弾。中つ国を舞台に、ホビットのビルボ・バギンズが魔法使いガンダルフやドワーフたちと冒険を繰り広げる。出演は「銀河ヒッチハイク・ガイド」のマーティン・フリーマン。2D/3D同時公開。

あらすじ:ある日、ホビット族のビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)は魔法使いガンダルフ(イアン・マッケラン)から、スマウグという恐ろしいドラゴンに奪われたエレボールのドワーフ王国を取り戻すための壮大な冒険に誘われる。伝説的な戦士トーリン・オーケンシールド(リチャード・アーミティッジ)率いる13人のドワーフたちとともに旅に出た彼の行く手には、ゴブリンやオーク、凶暴なワーグや魔術師たちが跋扈する危険な荒野が待ち構えていた。
目指すは東にある“はなれ山”の荒れ地。険しい山々を越え、エルフ族のエルロンド(ヒューゴ・ウィーヴィング)やガラドリエル(ケイト・ブランシェット)との出会いを経て旅は続き、ゴブリンのトンネルで、ビルボは自分の人生を永遠に変えることになるゴラム(アンディ・サーキス)と遭遇する。
もともと控え目な性格のビルボだったが、地下の湖畔でゴラムと2人きりになったとき、自分にも知恵や勇気があったことに気付く。さらに、そこで彼が手に入れたのは、ゴラムが“いとしいしと”と呼びかけていた指輪だった。そのシンプルな金の指輪は、見かけからは想像できない大きな力を持ち、それはビルボが想像もできない形で、中つ国すべての運命に結びついていた……。 (作品資料より)
<感想>「ホビット 思いがけない冒険」から始まる三部作の主人公ビルボ・バギンズ。「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公フロドの養父であり、「ロード~」ではベテラン俳優イアン・ホルムが演じているが、今回はその若き日をマーティン・フリーマンが演じている。TV版「シャーロック」、「銀河ヒッチハイク・ガイド」(05)等コメディアンとして培ってきた軽妙な演技に定評があり、若き日のビルボ役にぴったりとハマっている。

ガンダルフ役のイーアン・マッケランを始め、「ロード~」のキャストの多くが続投し、本来は原作に登場しないフロド役のイライジャ・ウッドやレゴラス役のオーランド・ブルームなど特別出演する予定となっているそうです。今回は、エルフ族のエルロンド役のヒューゴ・ウィービングや、女王ガラドリエルのケイト・ブランシェットに、クリストファー・リー扮する白の魔法使いサルマンも登場する。
ビルボの旅の仲間は、13人の個性豊かなドワーフたち。最初っから彼らを全て覚えるのは大変だが、ドワーフの王子トーリン・オーケンシールドの名前くらいは頭に入れておきたい。彼がグループのリーダーであり、この旅の提唱者である。その他13人の中では、「ロード~」でおなじみのギムリの父親も出ている。

あれから10年の月日が流れてはいるが、再び中つ国に戻ってきたその後には違和感がなく、予告編で見たケイト・ブランシェットの姿はまさにエルフというか、女神のようで美しい。懐かしいのは登場人物だけではなく、実は「ホビットの冒険」と「指輪物語」は、ホビット庄から始まり、裂け谷の憩いの館(これはいつ見ても素晴らしい景観美だ)霧降山脈にモリアの坑道と、ほぼ同じルートを辿るのだから。
懐かしいあの場所、素晴らしい景観がまた見られるのも、今回の映画の楽しみの一つともいえるでしょう。それに、前作の旅の仲間は、魔法使い、ホビット、人間、エルフ、ドワーフと主な種族が揃っていたが、今回は、ガンダルフとホビットと13人のドワーフである。ガンダルフと14人ずんぐりむっくり、または、おっさんビルドと14人髭ずらを三部作見続けるには、正直言って余りに厳しいもんだ。

そこで監督は大胆にも、一番若いドワーフを美形に変更して、さらに彼とエルフの女性のロマンスが盛り込まれるというのだ。エルフとドワーフは犬猿の仲で、レゴラスとギリムの友情がレアケースであるという部分と、このロマンスとをどう折り合いつけるかも注目ですよね。物語の舞台は、「ロード~」の約60年前。気のいいホビット族のビルボが、魔法使いのガンダルフに誘われて13人のドワーフと旅に出る。その目的は、邪悪なドラゴン、スマウグに奪われたドワーフたちの王国を取り戻すこと。恐ろしいゴブリンやオーク、“一つの指輪”に憑りつかれたゴラムたちと繰り広げる大冒険。
今回の映画でビジュアル的に一番期待されるのは、なんといっても黄金竜のスマウグだと思う。この時期の中つ国に棲息する竜の中で最大のドラゴンであり、大きな翼を持ち、口から炎を吐き出しながら、宝石の山の上にとぐろを巻いて眠る。最後にドワーフからせしめた黄金金貨や黄金の宝の中で、目を大きく見開いているスマウグの巨大頭がいかにも俺に適うものはないと見えた。
第一部で期待したのは、ガンダルフの友人で、中つ国の森の守護者であり、偏屈でユーモラスな森の親父という印象の茶の魔法使いラダガストである。闇の森の奥で異変が起こりつつあると感じるというのだ。この茶色の魔法使いは、三部作終盤で「五軍の合戦」で、意外な姿で活躍を見せるというので楽しみだ。

そして最大の見どころは、もちろんビルボがいかにして“指輪”を手に入れたかとい部分である。ビルボが指輪を手に入れたという本当の経緯を、旅の仲間にもガンダルフにも隠し通して、その偽りが80年後の裂け谷での会議でも繰り返されることになる。指輪の虜になり、ダークサイドに転落したゴラムとビルボが転落したところで出会うシーン。なぞなぞ合戦をしてゴラムから奪った指輪をポケットにしまうビルボ。このなぞなぞ合戦のシーンでのゴラムの生き生きとした大きな目玉が印象的だ。そして、ビルボが指輪をハメると姿が消えることなど、まだこの時点では恐ろしい冥王サウロンの指輪だとは気付いてない。

原作の「ホビットの冒険」は子供向けということもあって、筋立ても描写も「指輪物語」に比べるといたって簡素だ。必ず物語の主人公たちは生きて生還するという前提で描かれているためか、森で出会うトロルや恐ろしいゴブリンやオークなどから逃れるシーンでは、15人が木の上に上り魔オオカミに襲われる危機の中で、ビルボが勇敢にも体当たりしてトーリン王子を助けるシーン、ガンダルフが蝶蝶で鷲を呼ぶシーンなど、ハラハラな見せ場も見どころの一つですね。
「ロード~」の魅力と言えば、中つ国を完全再現した幻想的で雄大な景色。今回もニュージーランド全土を横断する大掛かりな撮影が行われ、その撮影にはフルハイビジョンを超える高解像度の最新3Dカメラが採用されたそうです。前作を超える映像体験がリアルで見事です。
絶対に二部作の予告編があるとばかり思って、長~い長~いエンドロール待っていても何も無しかよ、少しでもいいから見せて欲しかった。
「ロード~」の三部作に続いてメガホンを取ったピーター・ジャクスン監督によれば、もちろんすでに撮影は終了しており、現在は編集作業に入っているとのこと。第二部は「ホビット ザ・デゾレーション・オブ・スマウグ」は2013年12月13日公開。完結編は、「ホビットゆきて帰りし物語」2014年7月18日公開されるそうです。
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