パピとママ映画のblog

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想いのこし ★★★.5

2014年11月25日 | アクション映画ーア行
岡本貴也の小説を、テレビドラマ「リーガルハイ」でも共演した岡田将生と広末涼子を迎えて実写化したヒューマンコメディー。金と女に目がない青年が、ひょんなことから現世に未練を遺(のこ)した幽霊たちを成仏させようと奔走しながら騒動を巻き起こしていくさまを、涙と笑いを交えてつづる。メガホンを取るのは、『ROOKIES』シリーズや『ツナグ』などの平川雄一朗。幽霊たちとの出会いを機に遂げていく青年の内面的成長を岡田が見事に体現、広末はポールダンサーの幽霊にふんしてセクシーなダンスを披露する。
<感想>この世に想いを残したまま亡くなった人と、彼らの姿がただ一人見えてしまう青年が織りなす優しくも温かいヒューマンストーリー。主人公の岡田将生が、交通事故を起こしながら運よく無傷ですんだ青年“お金に目がないサイテー男”ガジロウを演じています。

その事故現場を観客も見ているのですが、これはお金を拾うために道路に飛び出してきたガジロウが一番悪いのに、本人は無傷でピンピンしているのだ。だが、目の前に飛び出してきた男のために、急に車は止められないのでハンドルを横に切った瞬間に、反対車線を走って来たトラックにぶつかり車は大破して、乗っていた運転手のジョニー、ポールダンスの踊り子ルカにケイとユウコの4人が即死してしまう。

ですが、飛び出した男のガジロウは、自分を撥ねた車の遺族から賠償金を取ろうと考えている最低な男。事態を深刻に受け止めずにいる彼の目の前に、事故で命を落とした4人が幽霊となって現れるわけなんですね。そりゃそうでしょう、成仏できない事情が4人にはあるんですものね。
爽やかなイメージの岡田将生くんが、金と女に目がなくて、チャランポランに生きてきた男を演じて新境地を開拓。この世に大きな未練を残す死者たちにせがまれて、彼らの願いをイヤイヤながら聞き入れ始めるのだが、それも、彼らが持っているお金のためなんですから。
火葬場で4人が焼かれる場所に現れる4人。誰にも見えないのに、ガジロウにだけ見えるということは、神様が4人の成仏できない想いのこしを叶えて上げなさいと言っているのでしょう。ですので、この作品の物語りには4つのクライマックスがあり、4回もウルウルと涙を流す場面があります。

1番目は、ルカの想い。彼女は、仕事を辞めて故郷で、ウェディングドレスを着て結婚式を教会で挙げることが夢でした。その夢も突然の事故が起こって、結婚式も叶わなくなり、愛する人との将来のためにと、700万円を貯金していたのに。そのお金をガジロウに上げるから、彼を説得して教会で結婚式を挙げてと言うのだ。最初は断るも、やはり700万円の現金を見て心が変わり、女装をしてウェディングドレスを着て、結婚式を挙げることに。
それでも、岡田くんの女装の化粧もドレスも似合って綺麗でした。歩きかたがガニマタなのは仕方ないことで、神父さんが誓いの言葉をいい、そしてキスのシーンで、ルカちゃんが岡田くんに乗り移るシーンも感動的でしたね。

2番目が、タカちゃんのお願い。彼女は孤児で、昼間は高校生で学校へ行き、生活のために夜にポールダンサーとして働いているのだ。想いのこしは、学校の野球部のマネージャーをしていて、キャプテンの男の子が好きで片思いのような感じなんですが、彼も3年生で野球の成績があまりパットしないのだ。だから、試合を見に来て応援をしてくれと頼まれる。4人の幽霊も一緒に、それにユウコの息子のコウタロウも。
彼女も500万円貯金していて、それを上げるから願いを叶えてと言われて、シブシブ応援に行くガジロウなのだが、ケイがキャプテンを真剣に応援している熱意が伝わり、するとガジロウの身体にケイが乗り移って応援しているではないか。それもキャプテンの目に入って、ホームランですよ。信じられませんから。想いが叶うと一人ずつ体が消えて行くのがまた悲しいですよね。

3番目は、志賀丈史扮するジョニーの想いのこし。何と貯金額が2000万円もあるというのだ。彼は元消防隊員で、火事の時は道路状況を把握してすぐさま駆け付けるという。辞めてショーパブの運転手兼、音響係という仕事に。でもいつも道路状況を調べては、消防署で働く部下に知らせている。ですが、せっかくの情報を、今はオンラインシステムで便利になって、こういう情報はいらないというのだ。
しかし、火事が発生し、停電というアクシデントまでも。これでは最新の情報機械は使えない。消防車両は道で大渋滞の中、前に進むことが出来ない。そこへ、あの幽霊のジョニーさんの先導で裏道を行き、無事火事を消しとめることが出来た。その時、消防車にいたジョニーさんの姿が、部下の男の眼に焼き付くのだ。でも、消防車の横にいたのはガジロウだったのに。
最後は、広末涼子のユウコの想いのこし。これには彼女の一人息子が出て来て、父親は早くに亡くなり、シングルマザーで息子を育ててきたのだ。息子は小学校では、お前の母親はストリッパーだと虐められ、登校拒否をしている。

これでは、母親として死んでも死にきれない。だから、私は一生消えないと言う。カジロウにあげる貯金もなく、私は最後まで息子の将来を見ている。他人には幽霊に見えても、子供の傍で存在していたいという気持ちは切ないですよね。ジョニーさんが、自分の貯金の中から、ユウコの想いのこしを叶えて上げてと頼む。
息子は意固地になって一人でアパートで暮らすと言う。まだ小学生では、親戚とかユウコの両親や兄弟、姉妹とかいないのだろうか。そういうことは一切でてこないから、息子も頑固で自分一人で生活すると、部屋の中は乱雑で汚いし、洗濯物だって、ゴミだって捨てることしないから部屋の中は散らかり放題。たまに、ユウコの仕事先の社長が弁当を届けてくれる。これでは、いつか餓死して死んでしまうだろうに。

それでもガジロウは、いつまでも自分に付きまとって、ユウコが幽霊で出てくるのにうんざりして、何とか彼女を成仏させてあげたいと奮闘する。岡田くんが幽霊の広末にタバコの煙をかけるシーン、いくら幽霊でも煙いですよね。
それに、ユウコの息子にポールダンサーの仕事場を見せてやるのに、女装してポールダンスを踊るさまは上手いですぞ。これを見て、息子の納得したのか、孤児院へいくことをOKした。
やっぱり、一番泣けたのはユウコと息子との別れでしょうか。切実な死者たちとのやり取りはどこか切なくもユーモラスで。やがてガジロウが彼らの想いのこしを親身になって受け止め、自らの人生とも向き合い始めるところが、胸にギュっと迫ってくるところですかね。願いを叶えるため、あっと驚く姿をさらし続ける、岡田くんの体当たりの演技もいいです。
ケイちゃんが言うセリフ。「成仏できない幽霊たちは、この世を彷徨いながら人間たちの裏側を見て、生きていたら見れない真実を見れる」ってことなの。何だか、成仏できないでいる幽霊たち、姿が見えないことを利用して、世の中のカラクリを知ってもね、死んでしまったら何にも出来ない。貯金もあまり無いし、思いのこしの無いように生きているうちに楽しもうではないか。
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